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S-300の発射の瞬間

◆11月30日

 ロシアがイランに約束している、S-300最新鋭対空ミサイルシステムの引渡しについて、イラン側がその真意をただすべく代表団を送り、ロシア側から、間違いなくミサイルシステムの引渡しは行う、という確約を取り付けたという。

 このブログではこの問題を追跡しているが、イラン側のあせりが見えるのと、ロシア側の引渡し遅延の真意が、この時点でもいまだに見えていこないと言えそうだ。

 ただ以下の記事にあるように、ロシアはある駆け引きをしていることは確かなようで、決してシステムの引渡しをしない、ということではなさそうだ。
 たとえば、イラン側がウラン濃縮をイラン国外で行うとする6国側の提案を呑めば、一旦はイランの核兵器の獲得の危機が遠のく、ということで、システムの引渡しを実施するというようなことかもしれない。この場合イスラエルに対してもシステムの引渡しの正当性を主張しやすい。

 イランはイランで、IAEAの査察も入れているのだから、ウラン濃縮作業を国外で行わねばならない理由が分からない、イランだけを狙い撃ちしている、と見ている。それで、同じくアメリカに反発を強めてきているブラジルをイラン大統領が訪問、ブラジル大統領からのイラン支援の姿勢を引き出したりしている。

 従って、この構造は、要するにイスラエルに気兼ねする欧米と、その欧米に反発するイスラム勢力および新興国との対立、となっている。ロシアはその両方を睨みつつ、問題解決の主導権を握ろうとしているとも見られる。

 もともとこのシステムは、対空ミサイルであり、それはイラン領内に侵入した航空機やミサイルなどがその標的だから、防衛兵器であり、攻撃兵器ではない。従ってそのようなシステムの引渡しの正当性を主張しやすい。
 しかし、攻撃したいのはイスラエルだから、これがイランに配備されれば攻撃しにくくなるため、ロシアに対しその引渡しをしないよう圧力を掛けてきていた。しかしロシアはその代金も受け取っているから、基本的には、引渡しは避けることはできない。だから、今回のウラン濃縮の国外での実施という提案をイランに呑ませ、それを条件にミサイルの引渡しをしたいのではないか、と思われる。


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ロシアはイランにS-300ミサイルを2ヶ月以内に引き渡す
【11月27日 PressTV】
 ロシアはイランに対しS-300最新鋭対空ミサイルを引き渡すことを確約したと、ロシアを訪問したイラク代表が語った。
 モハマド・レザ・サジジャディ氏は27日、ロシアがイランに引き渡すミサイルシステムの引渡しが遅れているため、取引から撤退した、という話があることで、それを否定した。
 「我々はロシアがシステムを引き渡さないという話があることを聞いたのでロシアにその件を糺したところ、ロシア側はそれを否定した」とモスクワでの記者会見で語った。
 「引渡しの期日はすでに過ぎている。しかしロシア側は技術的な問題があるからで、今それを調整中だという話だった」とサジジャディ氏は語った。「我々はこの問題は、1,2ヶ月以内に解決すると感じている」

 サジジャディ氏は、イランもロシアも契約を「元に戻す」ようなことは考えていないと述べ、契約は両者にとってメリットがある、と語った。

 この最新鋭システムに引渡しに関するロシアの遅延問題は、イラン高官らからの厳しい批判を浴びてきた。
 今月はじめ、ハッサン・フィロザバディ・イラン統合軍 参謀総長は、ロシアに対し、この引渡し遅延の動機を糺した。彼は、両国の間で締結されたこの契約では、ロシア政府は、イランに対し、同国の防衛システム能力の向上に資することを期してこのシステムを供給することを期待されている、と語った。
 「この引渡しは6ヶ月以上も期日を過ぎている」、と参謀総長はロシア側に引渡しプロセスを促進するよう促した。

 アハマド・ヴァヒディ国防大臣もまた、ロシアがイランに対しシステムを引き渡す「契約上の義務がある」と述べた。
 「我々はS-300防衛ミサイルを購入するためロシアと契約した」と、この契約が2007年に署名されていることを明らかにしながら彼は語った。
 「我々はロシア高官が契約を破棄したと世界が見ることを望んでいるとは思わない」と語った。
 イランは、イスラエルの戦争を声高に叫ぶ姿勢に対処するため、抑止力を改善するため最新型の防衛システムを獲得する努力をしてきた。
 欧米の専門家によると、S-300ミサイルシステムはイスラエルの空爆に対しイランの核施設を保護するものになる。
 S-300システムは、120km先の航空機に対しその標的を探知しミサイルを発射することができる。また妨害電波を出し同時に100の標的に対応することができる。


イラン大統領がブラジル訪問、首脳会談 疑問の声も【11月24日 CNN】
 イランのアフマディネジャド大統領は23日、南米歴訪の最初の訪問国ブラジルでルラ大統領と会談し、経済や文化および技術面の交流に関する各種合意に署名した。イラン首脳のブラジル訪問は初めて。
 アフマディネジャド大統領には経済界のリーダー200人が随行しており、大統領は訪問各国との経済関係強化を図っている。ただし大統領は核問題で欧米各国から圧力をかけられるなか、イランに同情的な各国政府とつながりを深めたい意向にあり、大統領選後の騒乱鎮圧で悪化したイメージの改善も図っている。
 1970年代のカーター米政権で国土安全顧問を務めたロバート・パスター氏は、アフマディネジャド大統領が重要人物扱いされる国々を訪問する傾向を指摘するとともに、国際社会の重要国になろうとしているブラジルがアフマディネジャド大統領を歓迎する理由が理解不可能だと発言。別の元米当局者も、ブラジル外交の未熟さが露呈しているとコメントした。
 ブラジルの主要都市リオデジャネイロでは1000人規模の集会が開かれ、参加者らがイランの人権問題や、ナチスドイツのユダヤ人虐殺(ホロコースト)を否定したアフマディネジャド大統領の訪問に抗議を表明した。ルラ大統領は、外交による問題解決の模索は国家にとって必要であり、イランを核問題で孤立化させるべきではないとして、アフマディネジャド大統領との会談をめぐる批判を受け入れない姿勢を示した。
 アフマディネジャド大統領はこの後ボリビアとベネズエラを訪問し、アフリカのセネガルに向かう。

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