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ロシアとの合意を反故にし拡大を続けるNATO
◆9月18日
ヨーロッパ人の中にも事態を客観的に見て、物事を正しく判断する者たちも多い。だから実際はアメリカの意図を見破っていて、出来る限りそれに抵抗したり、同意しなかったりしてアメリカの言いなりではないことを示すこともあるのがヨーロッパ人だ。
とりわけウクライナ問題ではアメリカの強引さに嫌気が差している人も多い。ロシアは紛争、戦争にならないように無理はせず、人々の思いを吸い上げつつ、適切な措置を取ってきている。法や協定に違反しているのはNATOであると以下の記事では指摘している。
欧米は東西ドイツ統一の時、NATOの東への拡大は無い、と言明したがそれを反故にし、ユーゴスラビア戦争で国際法に違反してセルビアを攻撃し、また国境は変更されてはならない、という取り決めを、コソボを独立させることで反故にした。
ロシアは従って、欧米は力でしか、話しのできない存在であると考えている。、だからクリミアはコソボの反論なのだ。いじめっ子らに3回殴られれば、1回くらい殴り返してもいいだろう。基本的に悪いのは欧米側である。
このことはアフガン戦争、イラク戦争、リビヤ戦争、そしてシリア戦争についても言える。全ての戦争が国際法違反であり、今度シリアで欧米が空爆を実施すれば、それも国際法違反である。このように世界中で国際法を破って暴力沙汰を行っているのは欧米・NATOなのだ。
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●NATOはロシアとの合意事項の全ての条項に違反した
http://en.ria.ru/analysis/20140916/192985690/Political-analyst-NATO-Violated-Each-and-Every-Item-of-its.html
【9月16日 RIA Novosti】
NATOの事務局長はロシアをNATOとのパートナーシップを築く事に意欲的でないとして非難している、しかし欧米のアナリストの中には、「ヨーロッパを安定化させたロシアとの合意事項の殆ど全ての条項に違反している」のはNATO自身である、と語っている。
「我々はロシアの安全保障に対する思いを尊重し国際法と規約に従って長い間努力してきたし、パートナーシップを築く為に懸命だった・・・残念だがロシアは我々の努力や懸命さを拒絶してきた。その代わり、ロシアはNATOと欧米社会を露骨に対抗者として見做してきた」と、カーネギー・ヨーロッパ大会でNATO司令官としての任期を終えたアンダース・フォグ・ラスムッセンは語った。
彼は更に、ロシアはヨーロッパとその他の地域の平和を維持してきた合意の全てを「震撼させた」と語った。
しかしドイツ政府の顧問で広報係りのクリストフ・ホルステルは、それは話が全く逆だ、と語った。
「私はNATO・ロシア条例をこのインタビューの直前に再読してみてハッキリした事は、必要な議論がなされた事がなくこの書類は実際は無きに等しいということだ」と、ラジオVRで語った。
彼はこのことをNATOのせいだとしてこの組織を非難した。「NATOはヨーロッパを暫くは安定化させたこの重要な書類の各条項の殆ど全てに違反してきている。そしてNATOはそれを少なくとも2003年以来、イラクが許可無しの侵略でやられた時以来、ずっとやってきている」とホルステルは語った。
クリストフ・ホルステルは、ロシアに対する新たな制裁と東ウクライナの頼り無い停戦について語った。
「ロシアは南東の共和国とキエフ政権との間になされている交渉で、この政権がこの共和国に対しひどい殺戮行為をし過ちを犯したにもかかわらず、尽力し、その交渉を成功に導いた」と彼は語った。それでも制裁が行われる。だから実際は、制裁政策は完全にこのウクライナ問題との実際の関係は存在しないのだ。ロシアは非常に健全な位置にあるが、NATOは彼等が署名したあらゆる法、国連憲章、あらゆる国際的条約に反することをしてきている」と語った。
「ここで問題となっていることは、ロシアは制裁を受けるが、それはロシアは服従しNATOに従うよう圧力を受ける、ということなのだ。これが計画の背後の意図である」と彼は語った。
ホルステルは更に、ここの問題は、「ヨーロッパの平和をかき乱そうとするアメリカの意思が表明された」ことだと説明した。アメリカは、ヨーロッパやロシアに住んでいる人々の誰に対してもなんらの興味も持ってはいない。アメリカは各国のあるいは各国の国民の福祉のなんであれ、なんらの興味も持っていない。
彼は、ロシアの他国との関係を邪魔する際には、ロシアを服従させるか、ないしは紛争を始めるために、彼等は間違いなく権力あるいは利害に関連した興味は持っている、と語った。彼は、それは武装闘争である事が良くある、と語った。
外交政策アナリストらと政策立案をするシンクタンクによって公的に言われてきていることは、ロシアが天然資源とエネルギー生産物をEUに供給することは停止されねばならない、ということだ。彼等はこれを邪魔し停止させようと願っている。
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ウクライナ問題の実質的解決案を提示するロシアのプーチン大統領
◆9月2日
元々のウクライナの問題は、選挙で正当に選出されたヤヌコヴィッチ政権を民主国家ではありえない暴力的クーデターで大統領を追放し、しかも暫定政権が公務員のロシア語使用を禁止するという差別的布告を出したからだ。これではロシア語使用者であるウクライナ人は職を失うことになり、当然のごとく反発が広がったためである。
プーチン大統領の提案は、南東ウクライナでロシア語が使用されている地域に準国家なみの待遇を与えることだ。要するに、連邦制を提唱していると言える。クリミアのように南東ウクライナを併合しよう、というものではない。
現在までの紛争の内容を見ても、親ロシア反政府勢力の支配を打破するだけの力を現在のキエフ当局が持っているとは思えず、反対にキエフ市では戦争反対の声が強くなってきている。また死傷者数もキエフ当局の発表の10倍はある、という声がある。つまり既に死傷者数は1万人を越えているというのだ。
こうしてウクライナでは厭戦気分が高揚してきている反面、親ロシア派はロシアからの支援もあり、士気は高いから、戦闘でもキエフ当局は劣勢に立たされている。勿論この戦闘にNATO軍が介入すれば、ロシア軍も正式に介入するかもしれないが、その場合、ヨーロッパ連合の諸国は、自分達の国が壊滅することを覚悟しなければならない。
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●プーチン:南東ウクライナに国家並みの地位を提案
http://www.npr.org/blogs/thetwo-way/2014/08/31/344749130/putin-calls-for-talks-to-consider-statehood-for-southeastern-ukraine
【8月31日 by Scott Neuman-NPR】
反政府勢力に自国兵士が参加することを許したと言われているロシア政府は、この状況をウクライナ内部の紛争と見ているということをロシアのプーチン大統領は繰り返し強調しながら、東ウクライナでの分離主義者の紛争を終了させるために「意味のある会談」を呼びかけた。
「実質的で意味のある会談がすぐさま始められるべきである・・・南東ウクライナの地に住む人々の正当な利益を守る為に、共同体の政治的組織と国家としての地位についての問題に関する会談を」とタス通信は大統領が語ったと伝えた。
明らかにロシア兵の支援を受けていると思われる分離主義者らは先週末、ドネツク州南部のアゾフ海沿いの都市であるノボアソフスク市を掌握した。
NPRのソラヤ・サルハディ記者は、この動きでノボアソフスクの西にある隣町のマリウポリに懸念が広がったと伝えた。
ロイターは以下のように伝えている:「プーチンの発言の後、彼のスポークスマンであるドゥミトリー・ペスコフはチェリャビンスク市で記者団に語った:これはロシアとウクライナの間の紛争ではなく、ウクライナ内部の紛争である」。
「ロシア政府としては、反政府勢力側が『ノボロシヤ(新ロシア)』と呼んでいる、広くロシア語が話されているこの紛争の地域はウクライナの一部として留まるべきと考えているのか」、と尋ねられ、ペスコフは「勿論だ」と応えた。
「ウクライナのみがノボロシアの利益を考慮にいれることをもってノボロシアと合意に至る事ができるのであり、これだけが政治的決着の付けられる方法である」とペスコフは語った。
ウクライナに軍事介入したロシアに対するヨーロッパ連合(EU)の新しい制裁の発表に続いてこの発言がなされた。EUは、ロシア経済のいくつかの分野に打撃を与えるようになっているこの制裁は、ロシア政府が「ウクライナから全ての軍装備と兵力を撤退させる事がなければ、一週間以内に発動される」と、語った。
ウクライナのペトロ・ポロシェンコは8月30日、ウクライナは、「後戻りできない一歩手前まできている」と語り、次の一歩は「全面戦争だ」と語った。
「我々は数千の外国軍兵力と数百両の外国の戦車をウクライナ領土内に持っている。またウクライナの平和と安定が危険に晒されているばかりではなく、ヨーロッパのそれも同様である」とブリュッセルでポロシェンコは語った。
ロシア政府の否定にもかかわらず、監視と情報のレポートを引用しつつNATOは、ウクライナには少なくとも1000人のロシア兵が戦っているとし、またウクライナ人はロシアの装甲車が国境を越えて入ってきていると語った。
NPRのネルソン記者はマリウポリから、分離主義者とキエフ当局の両者の勢力は、戦略的港であるマリウポリに対する攻撃に対する準備は出来ている、と伝えてきた。この港が分離主義者の手に渡れば、彼等はロシアから最近併合されたクリミア半島に繋がる回廊に一歩近づく事になる。
ウクライナ兵と住民は一緒になって地雷を敷設し、塹壕を掘り、コンクリート製バリアーを構築することでマリウポリの防衛に取り組んでいる。ウクライナの二人の強力なオリガルヒ(新興財閥)に飼われている二個大隊が国軍と一緒になって、進撃してくる反政府勢力を撃退する為に戦うであろう、とソラヤ記者は語った。
ロシアの介入問題については、反政府勢力に供給している者が存在していることは確かだ、と語った:「戦士らは新しい迷彩服を着ているし、新しい軍靴を履いている。プロの兵士が使用するような高級カラシニコフ銃を持っている者たちもいる。少なくとも検問所の一人の兵士はロシア訛りだった。また我々が目にする戦車はロシア軍が使用しているT-72戦車のようだった」と語った。
BBCは、国際戦略研究所の軍事アナリストのジョセフ・デンプセイが、東ウクライナの戦場で最新型のT-72が現れた事はロシア軍が介入していることの確かな印だ、と語ったと伝えた:「この型は、有名なコンタクト5爆発反応装甲によって識別できる。欧米筋ではこれはT-72BMとされている」
「これはロシア軍によって相当数が運用されているが、ロシア国外に輸出されたとか作戦に従事したということは知られていない」と彼は語った。
サラヤは自分のことを「スヴァット」と呼ぶ反政府勢力の大隊指揮官と話したが、自分のことをウクライナ軍予備役軍人で中佐だと語ったという。「スヴァットは自分の部下がマリウポリを奪取することを信じている。彼等は優秀な戦士であり士気は上がっているからだ」と彼女は語った。「彼はウクライナ西部のルビブ市まで進撃しノボロシア、つまりニュー・ロシアを創設する準備が出来ていると語った」と彼女は付け加えた。
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マレーシア航空MH17便のブラックボックスは闇に葬られるのか?
◆9月1日
7月22日号「ロシア:ブラックボックスで全ては明らかになる」という記事があるように、マレーシア航空MH17便の撃墜事件の真相はブラックボックスの解明ではっきりさせることができるのであり、だからこそロシア側はそれを当初から指摘しているのだが、そのブラックボックスを保管しその内容を解析したオランダ当局は結局、このブラックボックスの内容の開示を拒否している。
7月23日号「ロシア軍:ウクライナ・アメリカへの10の質問」では以下のように記した。「フライト・レコーダーの解析とその発表がまともに行われると考えるのは早計だろう。欧米・ウクライナ側は必死になってこのブラックボックスの内容を自分達に有利にしようと画策する可能性がある。いろいろな圧力も掛けられるであろう。真相が出てくるかどうか、これもまだ分からない」。
事態はまさしくこの予想通りの展開となっている。結局この世界は力と力で出来上がっている世界なのでアメリカの都合の悪い情報は、このように闇に葬られる事になっている。しかし同時にこのことで、マレーシア航空機MH17便の撃墜の下手人はウクライナ政府側である、ということも明白になったと判断するべきである。
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●オランダ政府:MH17便のブラックボックス公開を拒否
http://www.globalresearch.ca/facts-withheld-regarding-the-mh17-malaysian-airlines-crash-dutch-government-refuses-to-release-black-box-recordings/5398571
【8月30日 By Sara Flounders;Global Research】
ウクライナで7月17日にマレーシア航空MH17便が撃墜され、搭乗していた298人全員が死亡したことについて、主流メディアが語らなくなっていることは注目されるべきことだ。
当時、証拠もないままアメリカとNATO高官らは即座にロシアと親ロシア派ウクライナ反政府勢力がこの航空機撃墜をしたと非難した。この嫌疑をヨーロッパ連合はロシアに対する経済制裁を実施するよう利用した。
アムステルダムから出発しウクライナで墜落したこの便に対する調査の最初の実際に判明した事柄についての予備報告書が一週間以内に発表されると、オランダ安全理事会は8月11日発表した。オランダは墜落した航空機のブラックボックスあるいはフライト・データの保管をしている。
8月25日付けでオランダ政府はこの記録の公開を拒絶している。これは当然にウクライナのキエフ当局が墜落の下手人であるとの疑惑をたちまち浮上させた。
キエフ当局がなぜブク地対空ミサイルシステムを、航空機を持たない反政府勢力が存在する現場付近に設置したのか、なぜマレーシア航空機はキエフ当局によって数百マイルもコースを逸れて戦闘領域に入ることになったのか、またなぜ航空機の航空管制データとレーダー・データが未だに公開されないのか、という疑惑が持ち上がっていた。
ウクライナ軍は東ウクライナにいる反政府勢力とロシアに対する評判を貶めるために旅客機の撃墜をしたのであろうか?
墜落に対する独立的な調査を要求する声が増大している。ある訴状はロシアに対するアメリカとNATOの拡大と軍の包囲の危険性を指摘し、かつMH17便の墜落は同日南米から帰国の途にあったプーチン大統領の暗殺を試みた結果生じたという可能性を指摘した。
メディアが沈黙を保っていることとアメリカ高官らが自国の衛星あるいはレーダーからの確固とした証拠を提供していないことは、キエフ当局が墜落に関わったのではという疑惑とアメリカ/NATO軍の拡大の危険性を深化させている。
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ヨーロッパからの食料品が並ぶロシアのスーパー
◆8月14日
MH17便を撃墜したのはウクライナ軍であることが明白になりつつあるにも関わらず、親ロシア派の仕業という印象が世界に定着し、またその親ロシア派を支援しているロシアとプーチンに対する非難が継続しているため、ヨーロッパ側はロシアに対する新たな制裁を発動したので、ロシアも対抗措置として食糧輸入禁止措置を導入した。
ヨーロッパが生産する果物や野菜の多くがロシアへ輸出されてきたが、ここにきてロシアが輸入禁止を発動したので、行き場を失ったそれらの食糧品価格が下落して、それが壊滅的なことになりそうだと懸念を表明しだしている。ロシア側とすればヨーロッパから輸入していたそれらの食糧はトルコや南米諸国から輸入すればよい、という事で痛くも痒くも無い。
この際ヨーロッパ連合は愚かなことは止めて、ブラックボックスの中味を正直に公表し、マレーシア航空MH17便を撃墜したのは、ウクライナ軍である、ないしはウクライナ軍である可能性が一番高いと発表すれば、事態は変わり、ロシアとの関係も改善されていくはずであり、ロシアの食糧輸入禁止措置は解除されるであろう。もういい加減、ロシアを敵対視し追い詰め、制圧することで地球を支配しようという野望は捨てるべきだ。ヨーロッパ人もアメリカ人も目覚めるべきだ。
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●ロシアの食糧輸入禁止はヨーロッパにとっては「壊滅的」
http://en.ria.ru/analysis/20140813/191954952/Russian-EU-Food-Import-Ban-Catastrophe-for-Europe.html
【8月12日 RIA Novosti】
ロシアのヨーロッパ連合かのら食糧輸入禁止措置は、ヨーロッパ側の経済制裁に対する対抗措置として実施されたものであるが、これはヨーロッパ全体にとって壊滅的なものになりそうだ、とオーストリア造園業組合のコーディネーターが12日語った。
「ロシアの輸入禁止はヨーロッパ全体にとって壊滅的だ」と、ルパート・グソルスが、12日発行のオーストリア紙のザルツブルゲール・ナハリヒテン紙の中の記事で語ったという。
グソルスは果物の年間平均価格はキロ20セントは下落するだろうと心配している。昨年はキロ40セントの利益が出ていた。この新聞によれば、果物生産はキロ当たり35セントの利益が出る場合にのみ投資が可能だという。
今年は、ヨーロッパのリンゴの生産は1200万トンに達する見込みである。昨年は1000から1100万トンであった。ヨーロッパのリンゴの内300万トン以上はポーランドが生産する。その内70万トンがロシアへ輸出されていた。
ザルツブルゲール・ナハリヒテン紙は、ロシアは果物と野菜の殆どをトルコから輸入するであろうと指摘している。また「ブラジルもチャンスがある」と書いている。
8月7日、ロシアはヨーロッパ連合とアメリカ、オーストラリア、ノルウェーからの食糧輸入禁止をきめた。
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大統領選の勝利後に「恩赦」を発表するシリアのアサド大統領
◆6月10日
シリアはレバノンと同様、さまざまな宗教を信じる人々が平和裏に生きてきた国であった。決してアサド大統領が属するシーア派の分派であるアラウィ派だけがいい目を見るような国家であったわけではない。少数派にも多数派にも、先ずシリアという国家とその国民という意識が強い国であった。アサド大統領はアラウィ派でも彼の妻はスンニー派出身である。彼がスンニー派に対し、弾圧的な行動を執ることは妻に対しそれをする事に繋がる。
この中東でも珍しいモザイク国家でありながら、紛争の少なかったシリアに紛争をもたらしたのは、欧米、トルコ、イスラエル、アラブ湾岸諸国などであり、簡単に言えば、欧米側勢力に頭を下げないイランと同類であると見做された為、イラン攻略の前哨戦としてシリア攻略が計画されたのだ。
欧米は民主的に選出されたアサド大統領の体制を転覆させようとすることで、アラブの専制君主体制と一緒になってシリアの反体制派を支援している。「アラブの春」とは「アラブの民主化」のことである。そうだとすれば、欧米はシリアやイランなど民主的選挙が行われている国よりも、サウジアラビアやアラブ首長国連邦などの専制国家を民主化せんとする勢力を支援すべきであろう。
このシリア攻略作戦は現在進行中のウクライナの紛争とも繋がっている。欧米に頭を下げないロシアからウクライナを引き抜くことで、ロシアの弱体化を狙う作戦である。これら一連の作戦の到達目標は、新世界秩序である。これこそ世界単一政府の地球規模の独裁体制のことであり、反民主的体制の頂点となるものである。しかし彼等の目論見は失敗しつつある。
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●シリアの大統領選:アサド支持は本物であることを証明 -その2 最終章-
http://en.alalam.ir/news/1600326
ある者たちは、政府は教育、医療、その他の分野における支援が厚いので支援する、と言っている。内戦の前には、シリアは世界でも最も安全な国家としてしばしば称賛されていた。
多くの者たちは、この48歳になるイギリスで訓練をつんだ眼科医が経済を復興させたことを認めている。自由市場改革の下、ダマスカスやその他の都市ではモール、レストラン、消費財、観光産業の興隆がなされている。
彼のダイハード的な支援者にとって、彼は欧米の帝国主義と戦い、セクト間での戦争によって荒廃した地域で規律を取り戻し、安定をもたらしている愛国的英雄なのだ。
「アサドに投票することは義務だと思う」と、45歳の公務員であるアルファン・ジュムラは語る。「我々は彼が国家にしてくれたことを知っている:学校、教育、電気」と彼は語った。「私は貧民地区に住んでいるが、我々に与えられたものを見てきている。これは重要なことだ」と彼は語った。
シリアは複数の宗教と少数民族を受け入れている、寛容でオープンな国だということを誇りにしていた。しかしその状態は紛争によって引き裂かれ、戦闘で過激派が勃興した。不穏な状況は内乱に発展し、武装反政府勢力内で、完全に支配的になる前に、外国人戦士とテロリスト・グループは反政府勢力内で力を増していた。
このグループが占領したシリアの一部では、アルカイダから分岐したイラクとレバンテのイスラム国家というグループが厳しい規律を設け、敵を公開処刑し、音楽を禁止し、キリスト教徒には保護を与える為の税を取り立てている。この民兵らは毎日のように自爆テロ作戦を行っている。
これが多くのシリア人の紛争に対する見方を厳しくした、彼等は戦いはこれら外国の過激派民兵に対するものだと見ている。
弁護士のサレによれば、こういった超保守の戦士らに対する恐怖が、ある面アサドに対する支援になっている、と語った。
「過激派は誰にとっても危険である」と、彼女は語った。彼女はアサドの顔、シリア国旗、「ハイ、我々はあなたを愛する」と描かれているTシャツを着ていた。
紛争が起きる前は、「彼等の宗教はなにかと誰かに尋ねることに戸惑っていた。シリアではそういうことは持ち出さなかった」とサレは語った。シリアでは、我々は信仰のモザイクのようである」と彼女は語る。
それから彼女は選挙管理委員会を差した:投票を監督している、一人は頭巾を被って机の背後に座っている三人の女性がいる。「選挙管理委員会を見てください。彼等は過半数を占めているスンニー派の人々です」と彼女は語った。
一人のマハという女性公務員は、もしも反政府派が権力を握ったらシリアにおける生活はどうなるだろうか、というサレの懸念に共鳴した。髪はきれいにカットされ頬紅を塗っているマハは、もしもアサドが負けたら女性の自由がどうなるか心配だと語った。
「アサドは女性の権利を擁護し自由を与えた」とマハは語った。「反対派はこの国を後戻りさせた」と語った。
このような感情は多くの外国にいるシリア人も共有しているし、投票のために帰国した者たちもいる。
ダマスカスからきた23歳のズーハは、ベイルートで修士号を持って仕事をしているが、彼女はもしもシリア政府が崩壊すれば、穏健派の反対派は「権力を握るチャンスは無く、大規模な混乱状態に陥るだろう」と語った。
ベイルートでインタビューして、アサドの「ビッグ・ファン」ではないけれど、彼女はアサドに投票したと語った。
多くのシリア人とアナリストは、今や4年目に入ったシリアにおける流血沙汰に疲れてしまったことが重要なポイントになるという。、
「3年間だよ、もううんざりだ」と、ダマスカス・ホテルの改築工事で働いている技術士の40歳になるモアタツは語った。他の反対派の誰かでも国を引っ張っていけるかと聞くと、彼はアサドだけが思い切った行動を執ったと語った。彼は、自分の親族の誰も紛争で死んでいないが、それでも彼は「我々は国を失った」と嘆いたと語った。
(了)
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