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8月24日、サウジアラビアで開催された、イスラム国問題を討議するアラブ会議


◆9月5日

 このブログではシリア紛争において、イスラム過激派を支援してシリアのアサド政権打倒を目指してきたのは、欧米、トルコ、湾岸アラブ諸国、イスラエルだと指摘してきたが、ここにきて対「イスラム国(=IS、ISIL、ISIS)」で彼らの姿勢が変化してきていることを以下の記事が示している。

 特に以下の記事ではサウジアラビアが対イスラム国ではその反対の姿勢を明確にし彼らの撃滅を目標にしだした、という。これはこのブログでもずっと指摘してきた、「フランケンシュタイン博士の怪物」の物語を髣髴とさせるものだということは、一昨日の記事でも指摘した通りである。

 ロシアのプーチン大統領が、欧米のように「穏健的」とか「過激派」とか言わずに、「人間の心臓を食べる輩を君たちは支援するのか?」と明瞭に事の是非を世界に示したのと異なり(心臓を食べたイスラム教徒は欧米が穏健派だと言っていた、自由シリア軍の指揮官)、欧米以下こういった勢力は、イスラム過激派の実際を理解できずに、甘く見て来たツケが今になって飼い犬に手を噛まれる事態を招来したことを知るべきである。

 そしてシリアでは少数派のアラウィ派の出身であるアサド大統領を、多数派のスンニー派の国民もその他のキリスト教徒やドゥルーズ派などと一丸となって支えてきて、その穏やかな市民生活を破壊するイスラム過激派の侵略に対抗してきた賢明さを、各国は改めて評価すべきであるし、そのアサド政権を支援すべきなのだ。


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●サウジアラビアの外交政策の大転換(部分訳)
http://www.voltairenet.org/article185132.html
【9月1日 Thierry Meyssan:Voltaire Network】


■2014年8月サウジアラビアの変化

 35年間に渡ってサウジアラビアは政治的イスラム運動に資金を提供し武器を供給してきた。そのための条件は、1.彼らがスンニー派であること 2.アメリカ式ビジネスを肯定すること 3.イスラエルを問題視しないという合意にサインしていること。

 35年間、大多数のスンニー派はジハーディスト(聖戦主義者)と帝国主義との馴れ合いに目をつぶってきた。彼らがしてきたことと彼らがしたとされてきたことに連帯を表明した。最後にはサウジアラビアの聖地の破壊にも拘わらずワッハービ派をイスラムの正式な形式として正当性を受け入れた。

 「アラブの春」を驚きを持って注視しつつ、どう対処したらよいか分からぬまま、サウジアラビアはアメリカによってカタールとムスリム同胞団に与えられた役割を心配した。サウジアラビアはまもなくリビヤと特にシリアのジハーディストに対する支援でカタールと競争することになった。

 一方、アブドゥラ国王はアブデル・ファタハ・アル・シシがエジプトの大統領になった時、彼にムスリム同胞団の政治的記録のコピーを送ることで、エジプトの経済を救済した。しかしながら、同胞団に対する戦いという観点では、シシ将軍は2014年2月、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)で権力を掌握するという同胞団の詳細な計画を発見しそれを知らせた。数日以内に計画していた者たちは逮捕され告白した。一方サウジアラビアとアラブ首長国連邦は同胞団のスポンサーであるカタールに、同胞団を見捨てなかったのであれば即座にそれを破壊するよう脅した。

 サウジアラビアはイスラム国(首長国)は災厄であり、イラクの3分の1を支配したら、次はサウジアラビアを攻撃するということを発見するのに、時間はそれほど掛からなかった。

 35年間に渡って築かれてきたイデオロギー的留め金はUAEとエジプトによって粉砕された。8月11日、アル・アズハール大学のグランド・イマームであるアハマド・アル・タイェブはイスラム国とアルカイダを厳しく非難した。翌日にはエジプトのグランド・ムフティであるシャウキ・アラムが同様の行動に出た。

 8月18日と22日、エジプトの支援の下、UAEはリビヤのトリポリのテロリストに対する爆撃を実施した。二つのスンニー国家が同盟して三番目のスンニー国家のスンニー派過激派を攻撃した最初の出来事であった。彼らの標的はNATOによってトリポリの軍事知事として指名された、アルカイダの元ナンバー3であるアブデルハキム・ベルハジを含む、すべての同盟者であった。

 8月19日、サウジアラビアのグランド・ムフティであるシェイフ・アブドゥル・アジズ・アル・アル・シェイフは最終的に、ジハーディストであるアルカイダとイスラム国を「イスラムの公的な敵」であると呼称することを決定した。


■サウジアラビアの変化による結果

 サウジアラビアの変化はあまりにも素早いものだったので、関係各位はそれに対応する時間が無く、それぞれの問題に対し矛盾した姿勢を示すことがあった。全体的には、アメリカの同盟国はイラクのイスラム国を非難はすれど、シリアのそれに対しては態度は明確になっていないのだ。

 更に驚くべきことには、7月28日の議長声明と8月15日の議決2170で、安全保障理事会はイスラム国を非難しているのだが、このジハーディストの組織は国家の支援を受けていることは明らかだった。イスラム国によってイラクの石油がトルコを経由して略奪されている。その石油はトルコのセイハンで積み込まれイスラエルに寄港し、次いでヨーロッパに戻るのだ。今のところ会社の名前は分かっていないが、トルコとイスラエルの責任は明らかだ。

 またカタールとしては、多くのムスリム同胞団の者たちを支援し続けているが、イスラム国への支援は否定している。

 ロシアとシリアの外相会談の記者会見で、ラブロフ外相とムアレム外相はテロリズムに対抗する国際的連帯を築くことを提唱した。しかしながら、アメリカはイギリスと一緒にシリア領土内での作戦を準備しているため、シリアと同盟することを拒否しアサド大統領の辞職を強要し続けた。

 35年間のサウジアラビアの政策を終焉させた衝突は、サウジアラビアとトルコとの間の対立へと変わっていった。今からは、アメリカとヨーロッパ連合によってテロリスト組織とされているトルコとシリアのクルド人のPKKは、イスラム国に対抗することでペンタゴンの支援を受けることになった。

 実際、欧米メディアの誤った報道にも拘わらず、トルコとシリアのPKK戦士らはイラクのクルド人地方政府のペシュメルガと違って、最近はアメリカの航空機の支援の下にイスラム国を撃退した。


■とりあえずの結論

 現在の状況が作られた陰謀によるものか実際のことか、はっきりとはしていない。アメリカは自分達が産み出したイスラム国を本当に破壊せんとしているのか、そしてもう彼らを支配はしていないのか、あるいは彼らはイスラム国を弱体化させるだけで地域の政策のための道具として存在は維持するつもりなのか?

 トルコとイスラエルは対米国の観点でイスラム国を支援しているのか?あるいは、アメリカ内部の分裂に乗じているのか?サウジアラビアは自分達の王国を維持するため、イランとシリアと同盟するという手段に訴えるのか、あるいはイスラム国の運命についてアメリカと合意に至るのであろうか?

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イラクのシーア派戦士がISILとの戦闘で前線で戦っている
◆9月3日

 イスラム国(IS=ISIL=ISIS)がまたアメリカ人ジャーナリストを公開処刑したようだ。最初の処刑でも実際に処刑したかどうか疑念が一部で持たれてはいるが、いずれにしてもISILないしはイスラム国と言われるテロ集団が尋常ではないテロ活動を各地で起こし、悪名が世界に広がっている。

 このテロ集団には世界の各地から参加する者たちがあり、各国はこれらのテロリストが自国でもそのテロ行為を起こしはしないかと恐れている。これはこのISILに支援をしてきた湾岸アラブ諸国や欧米諸国も同様で、ついにこのブログで7月3日号「「イスラエル製」のイラク危機-最終章-」で示した内容のようになってきている。

 「従って、中東における勢力地図は今後どのようになっていくか、全く余談を許さない状況でもあるのだ。このISILを支援している勢力として、その他にもサウジアラビア、カタールなど湾岸アラブ諸国がある。彼等は同じイスラム教徒よりも、それを敵視するイスラエルと組んで、同胞であるシーア派マリキ政権やアサド政権の転覆に奔走している。イスラム教徒の裏切り者たちである。天・地共に『許されざる者』たちとなっている。彼等の命脈は長くないだろう。その証拠に今やこの彼等が支援したISILはサウジ自身の潜在的脅威となりだしているのだ。フランケンシュタイン博士の作った怪物が博士自身を殺しにやってくるようなものだ」


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●中東のISIL過激派問題の解決法
http://en.alalam.ir/news/1628449
【9月2日 By Davood Baqeri:ALALAM】

 ISIL(=ISISまたはイスラム国)グループとその同盟者らがイラク中・北部に進出してから3ヶ月が経ち、現在はイラク政府軍はこの過激派民兵らとの戦闘で勝利を獲得しつつある。

 7月にこのISILがイラクのかなりの部分を席捲した時、クルド人やスンニー派のいくつかのイラク人のグループは、シーア派が主導するマリキ政権と問題を抱えていてので、これらのテロリストに対する強い反対の行動を取ることを拒否し、またこの過激派グループの攻撃はシーア派に対する攻撃にとどまる、と考えていた。そしていくつかのクルド人グループはイラク中央政府からの準自治のクルド人地方政府の独立のための住民投票を呼びかけた。

 しかしISILが攻撃の矛先をその他の都市や少数民族グループへ拡大するようになると、それら少数民族グループのリーダーらは、ISILはイラクのシーア派、スンニー派、クルド人、キリスト教徒、ヤジィーディー派など全ての少数民族グループに対する実存的脅威となっていることを理解した。

 この過激派テロリストの実際の脅威を最初に理解し、彼等に対して武器を取って戦うよう呼びかけたイラク人は、グランド・アヤトラのアリ・アル・シスタニ師であった。彼のファトワー(布告)に従って、数千人のイラク人志願兵が軍基地に殺到しISILとの戦いのため軍に参加した。

 自分たちと異なるイラクの少数派に対するISILの悪逆非道を知って、全てのイラクの指導者らはISILの脅威を自覚しこの過激派グループに対抗し一丸となっている。イラクのグループは先ず彼等の政治的異論を脇に置き、新しい大統領、首相、議員らを選出し、テロリストと対決する姿勢を打ち出した。

 この一体化は結果をもたらした。最近になって、クルド人のペシュメルガ(ゲリラ部隊)と志願兵部隊に支援されたイラク軍がISILの進撃を監視し、反撃を試みている。イラク軍は11週間包囲されていたアメルリ町を解放することに成功したが、これはイラクの北西部で敗走して以来最大の軍事的勝利となった。イラク軍は余勢を駆って、スライマン・ベックを奪還した。これはアメルリの北方の町でISILの重要な基地であった。

 イラクの指導者らは一体化がイラクの軍事的紛争と政治的分裂を終わらせる鍵であることを知っている。イラク以外ではイランもISILに対抗するため、首相選出のプロセスのための政治的解決を進め、中央政府とクルド人政府を支援している。

 イランのスタンスはISILの犯罪を非難しイラクに軍を派遣し人道支援をすることで、他の諸国がイラクを支援するよう勇気付けている。最近でも2011年以来、隣のシリアのISIL過激派民兵を支援してきたにも関わらず、アメリカ高官はISILに対抗する同盟を呼びかけた。

 欧米とアラブ諸国はイラクとシリアの危機は自国から出た民兵らが帰国してから、自分達に対する反動を呼び起こしかねないということを理解しつつある。従ってイラクにおける一体化に続いて、その他の諸国でも中東におけるテロリズムと分派主義を終焉させるために一丸となってことに当たるべきである。

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ウクライナ問題の実質的解決案を提示するロシアのプーチン大統領

◆9月2日

 元々のウクライナの問題は、選挙で正当に選出されたヤヌコヴィッチ政権を民主国家ではありえない暴力的クーデターで大統領を追放し、しかも暫定政権が公務員のロシア語使用を禁止するという差別的布告を出したからだ。これではロシア語使用者であるウクライナ人は職を失うことになり、当然のごとく反発が広がったためである。

 プーチン大統領の提案は、南東ウクライナでロシア語が使用されている地域に準国家なみの待遇を与えることだ。要するに、連邦制を提唱していると言える。クリミアのように南東ウクライナを併合しよう、というものではない。

 現在までの紛争の内容を見ても、親ロシア反政府勢力の支配を打破するだけの力を現在のキエフ当局が持っているとは思えず、反対にキエフ市では戦争反対の声が強くなってきている。また死傷者数もキエフ当局の発表の10倍はある、という声がある。つまり既に死傷者数は1万人を越えているというのだ。

 こうしてウクライナでは厭戦気分が高揚してきている反面、親ロシア派はロシアからの支援もあり、士気は高いから、戦闘でもキエフ当局は劣勢に立たされている。勿論この戦闘にNATO軍が介入すれば、ロシア軍も正式に介入するかもしれないが、その場合、ヨーロッパ連合の諸国は、自分達の国が壊滅することを覚悟しなければならない。

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●プーチン:南東ウクライナに国家並みの地位を提案
http://www.npr.org/blogs/thetwo-way/2014/08/31/344749130/putin-calls-for-talks-to-consider-statehood-for-southeastern-ukraine
【8月31日 by Scott Neuman-NPR】

 反政府勢力に自国兵士が参加することを許したと言われているロシア政府は、この状況をウクライナ内部の紛争と見ているということをロシアのプーチン大統領は繰り返し強調しながら、東ウクライナでの分離主義者の紛争を終了させるために「意味のある会談」を呼びかけた。

 「実質的で意味のある会談がすぐさま始められるべきである・・・南東ウクライナの地に住む人々の正当な利益を守る為に、共同体の政治的組織と国家としての地位についての問題に関する会談を」とタス通信は大統領が語ったと伝えた。

 明らかにロシア兵の支援を受けていると思われる分離主義者らは先週末、ドネツク州南部のアゾフ海沿いの都市であるノボアソフスク市を掌握した。

 NPRのソラヤ・サルハディ記者は、この動きでノボアソフスクの西にある隣町のマリウポリに懸念が広がったと伝えた。

 ロイターは以下のように伝えている:「プーチンの発言の後、彼のスポークスマンであるドゥミトリー・ペスコフはチェリャビンスク市で記者団に語った:これはロシアとウクライナの間の紛争ではなく、ウクライナ内部の紛争である」。

 「ロシア政府としては、反政府勢力側が『ノボロシヤ(新ロシア)』と呼んでいる、広くロシア語が話されているこの紛争の地域はウクライナの一部として留まるべきと考えているのか」、と尋ねられ、ペスコフは「勿論だ」と応えた。

 「ウクライナのみがノボロシアの利益を考慮にいれることをもってノボロシアと合意に至る事ができるのであり、これだけが政治的決着の付けられる方法である」とペスコフは語った。

 ウクライナに軍事介入したロシアに対するヨーロッパ連合(EU)の新しい制裁の発表に続いてこの発言がなされた。EUは、ロシア経済のいくつかの分野に打撃を与えるようになっているこの制裁は、ロシア政府が「ウクライナから全ての軍装備と兵力を撤退させる事がなければ、一週間以内に発動される」と、語った。

 ウクライナのペトロ・ポロシェンコは8月30日、ウクライナは、「後戻りできない一歩手前まできている」と語り、次の一歩は「全面戦争だ」と語った。

 「我々は数千の外国軍兵力と数百両の外国の戦車をウクライナ領土内に持っている。またウクライナの平和と安定が危険に晒されているばかりではなく、ヨーロッパのそれも同様である」とブリュッセルでポロシェンコは語った。

 ロシア政府の否定にもかかわらず、監視と情報のレポートを引用しつつNATOは、ウクライナには少なくとも1000人のロシア兵が戦っているとし、またウクライナ人はロシアの装甲車が国境を越えて入ってきていると語った。

 NPRのネルソン記者はマリウポリから、分離主義者とキエフ当局の両者の勢力は、戦略的港であるマリウポリに対する攻撃に対する準備は出来ている、と伝えてきた。この港が分離主義者の手に渡れば、彼等はロシアから最近併合されたクリミア半島に繋がる回廊に一歩近づく事になる。

 ウクライナ兵と住民は一緒になって地雷を敷設し、塹壕を掘り、コンクリート製バリアーを構築することでマリウポリの防衛に取り組んでいる。ウクライナの二人の強力なオリガルヒ(新興財閥)に飼われている二個大隊が国軍と一緒になって、進撃してくる反政府勢力を撃退する為に戦うであろう、とソラヤ記者は語った。

 ロシアの介入問題については、反政府勢力に供給している者が存在していることは確かだ、と語った:「戦士らは新しい迷彩服を着ているし、新しい軍靴を履いている。プロの兵士が使用するような高級カラシニコフ銃を持っている者たちもいる。少なくとも検問所の一人の兵士はロシア訛りだった。また我々が目にする戦車はロシア軍が使用しているT-72戦車のようだった」と語った。

 BBCは、国際戦略研究所の軍事アナリストのジョセフ・デンプセイが、東ウクライナの戦場で最新型のT-72が現れた事はロシア軍が介入していることの確かな印だ、と語ったと伝えた:「この型は、有名なコンタクト5爆発反応装甲によって識別できる。欧米筋ではこれはT-72BMとされている」

 「これはロシア軍によって相当数が運用されているが、ロシア国外に輸出されたとか作戦に従事したということは知られていない」と彼は語った。

 サラヤは自分のことを「スヴァット」と呼ぶ反政府勢力の大隊指揮官と話したが、自分のことをウクライナ軍予備役軍人で中佐だと語ったという。「スヴァットは自分の部下がマリウポリを奪取することを信じている。彼等は優秀な戦士であり士気は上がっているからだ」と彼女は語った。「彼はウクライナ西部のルビブ市まで進撃しノボロシア、つまりニュー・ロシアを創設する準備が出来ていると語った」と彼女は付け加えた。

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マレーシア航空MH17便のブラックボックスは闇に葬られるのか?

◆9月1日

 7月22日号「ロシア:ブラックボックスで全ては明らかになる」という記事があるように、マレーシア航空MH17便の撃墜事件の真相はブラックボックスの解明ではっきりさせることができるのであり、だからこそロシア側はそれを当初から指摘しているのだが、そのブラックボックスを保管しその内容を解析したオランダ当局は結局、このブラックボックスの内容の開示を拒否している

 7月23日号「ロシア軍:ウクライナ・アメリカへの10の質問」では以下のように記した。「フライト・レコーダーの解析とその発表がまともに行われると考えるのは早計だろう。欧米・ウクライナ側は必死になってこのブラックボックスの内容を自分達に有利にしようと画策する可能性がある。いろいろな圧力も掛けられるであろう。真相が出てくるかどうか、これもまだ分からない」。

 事態はまさしくこの予想通りの展開となっている。結局この世界は力と力で出来上がっている世界なのでアメリカの都合の悪い情報は、このように闇に葬られる事になっている。しかし同時にこのことで、マレーシア航空機MH17便の撃墜の下手人はウクライナ政府側である、ということも明白になったと判断するべきである。

 
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●オランダ政府:MH17便のブラックボックス公開を拒否
http://www.globalresearch.ca/facts-withheld-regarding-the-mh17-malaysian-airlines-crash-dutch-government-refuses-to-release-black-box-recordings/5398571
【8月30日 By Sara Flounders;Global Research】

 ウクライナで7月17日にマレーシア航空MH17便が撃墜され、搭乗していた298人全員が死亡したことについて、主流メディアが語らなくなっていることは注目されるべきことだ。

 当時、証拠もないままアメリカとNATO高官らは即座にロシアと親ロシア派ウクライナ反政府勢力がこの航空機撃墜をしたと非難した。この嫌疑をヨーロッパ連合はロシアに対する経済制裁を実施するよう利用した。

 アムステルダムから出発しウクライナで墜落したこの便に対する調査の最初の実際に判明した事柄についての予備報告書が一週間以内に発表されると、オランダ安全理事会は8月11日発表した。オランダは墜落した航空機のブラックボックスあるいはフライト・データの保管をしている。

 8月25日付けでオランダ政府はこの記録の公開を拒絶している。これは当然にウクライナのキエフ当局が墜落の下手人であるとの疑惑をたちまち浮上させた。

 キエフ当局がなぜブク地対空ミサイルシステムを、航空機を持たない反政府勢力が存在する現場付近に設置したのか、なぜマレーシア航空機はキエフ当局によって数百マイルもコースを逸れて戦闘領域に入ることになったのか、またなぜ航空機の航空管制データとレーダー・データが未だに公開されないのか、という疑惑が持ち上がっていた。

 ウクライナ軍は東ウクライナにいる反政府勢力とロシアに対する評判を貶めるために旅客機の撃墜をしたのであろうか?

 墜落に対する独立的な調査を要求する声が増大している。ある訴状はロシアに対するアメリカとNATOの拡大と軍の包囲の危険性を指摘し、かつMH17便の墜落は同日南米から帰国の途にあったプーチン大統領の暗殺を試みた結果生じたという可能性を指摘した。

 メディアが沈黙を保っていることとアメリカ高官らが自国の衛星あるいはレーダーからの確固とした証拠を提供していないことは、キエフ当局が墜落に関わったのではという疑惑とアメリカ/NATO軍の拡大の危険性を深化させている。

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敵対的だったシリアとアメリカがISIL打倒で共闘?

◆8月27日

 シリアとイラクにまたがる地域に「カリフ帝国」樹立を宣言したISIL(ISIS,IS)に対処するため、アメリカはシリア政府にISILに関する情報などを共有することにしたという。

 シリアはこの3年半に渡ってこれら反政府過激派と戦ってきているが、欧米、湾岸アラブ諸国、トルコ、イスラエルはテロ活動を行うアラブの過激派に武器援助、軍事訓練、資金提供などさまざまな面で支援をし、シリアのアサド政権打倒のため、こういった過激派テロリスト集団に便宜を供給してきた。

 従って今回のシリアと情報を共有するということも、カモフラージュという一面があるだろう。表立ってはアラブの過激派でテロリストだからアメリカは敵対的姿勢を示す必要がある。勿論、アメリカ内部の矛盾の表れであるとも言える。戦争勢力とそれを押さえ込もうとする勢力とが、このような形で代理戦争をしているともいえる。アメリカ内部の戦争勢力とはネオコン勢力であり、これがイスラエルやサウジアラビアとつながり、共和党内のタカ派とも繋がっている。マケインなどもその一人だ。

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●アメリカ:ISIL(=ISIS、IS)の情報をシリアと共有
http://en.alalam.ir/news/1626726
【8月26日 ALALAM】

 アメリカはシリア上空に偵察機を飛ばすことで、ISIL過激派の情報データをイラクとロシア経由でシリアと共有している。AFP通信は、情報筋が「この協力体制は既に始まっており、アメリカはイラクとロシアを通じて情報をシリアに渡している」と語ったと伝えている。

 このコメントはシリアのモアレム外相が、「イラクとレバントのイスラム国(ISIL)」の過激派に対抗するため、シリアは国際社会と協力する意思があると語った翌日に出てきた。またアメリカの高官はシリア上空の偵察を行う準備が出来ていると語った。

 親反政府勢力側のシリア人権監視団は25日、デイル・アル・ゾル地域東部上空で外国の無人機が視認されたと語った。「デイル・アル・ゾル地域でシリア機ではないスパイ機がISILの布陣状況を偵察した」とイギリスに拠点を置く、活動家団体の責任者のラミ・アブデル・ラーマンは語った。

 シリアの軍用機は26日、デイル・アル・ゾルのいくつかの地点にあるISILの拠点に爆撃を行った。この地域はシリア東部にある石油の豊富な地帯で過激派の民兵に占領されている。

 地域の情報筋はAFPに対して、「西側のある国が、8月中旬に始まったラッカに対する空爆実施の直前に、シリア政府にシリア領土内のISILの標的のリストを渡した」と語った。

 ISILはイラクのアルカイダ系の分派から派生し、デイル・アル・ゾルの多くの部分を支配し、シリア軍の最後の拠点のタブカ空軍基地の占領と共にユーフラテス渓谷までのラッカ地域全体を掌握した。

 シリアとイラクで支配下に置いた地域を彼等は「カリフ帝国」と宣言したが、アメリカの軍用機は8月8日以来彼等の拠点を標的としてきている。

 しかしながらアメリカの空爆はISILのイラクでの動きを止めることが出来ずにいるので、アメリカはシリアに目を向けている。シリアではISILは3年以上にわたる政権交代を目指す反政府活動を支援しシリアを攻撃すると脅してきている。

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