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イランの革命防衛隊

◆6月17日

 アメリカがシリアの反体制グループに武器支援をする、と決断したようだ。アメリカ政治の内部の勢力争いの結果、そのような結果となったのであろう。後はどの程度の武器を支援するのか、という問題が残っている。

 イラク、アフガンと中東でアメリカが行ってきたた戦争も、少しもいい結果が出ていないにもかかわらず、今回再びシリアに対し、アルカイダと繋がるテログループが混在する反政府勢力に一方的に肩入れすることで、アメリカが歴史から教訓を得るような国ではない、と言うことがはっきりとした。

 ではアメリカはどういう国かと言うと、一つはキリスト教原理主義の勢力、もう一つはユダヤ教原理主義の勢力、この二つがお互いを牽制しながら、世界的ハルマゲドンを目指す急進的勢力となり戦争屋と繋がっていて、それに対してそれを阻止せんとする穏健的愛国勢力が存在し、そのせめぎ合いがなされている国である。

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●イラン:シリアに4000名の兵士派遣か  -その1-
http://www.independent.co.uk/news/world/middle-east/iran-to-send-4000-troops-to-aid-president-assad-forces-in-syria-8660358.html
【6月16日 Robert Fisk — The Independent】

 アメリカがシリアのスンニー派の反乱勢力に武器支援を行うという決定は、この中東ではいくつかの政権を交代させるに至ったアラブの革命を小さくみせるようなイスラム教の中東のスンニー派・シーア派の大紛争に介入することを意味する。

 アメリカのこの中東での「友達」がスンニー派のイスラム教国であり、敵となったのはシーア派の諸国ということは初めてのことである。これは、オバマ大統領の不介入という原則を破る事になり、アメリカは中東でスンニー派の最も過激な活動を行う者たちも含む武装勢力の側に付くことになった。

 16日付のインデペンデント紙は、イランで軍事的決定がなされたと報じた。これは先週の大統領選挙より以前のことで、イラン革命防衛隊4000名をシリアのアサド大統領の軍隊の支援目的で派遣するという。イランはアサド政権維持に対し総力を挙げることにした、と親イラン筋が明かした。このイランの情報筋は、イランの安全保障に深く関わっている者たちで、対イスラエルのための新「シリア」戦線を開始することを提案しているくらいである。

 歴史家たちはイラクで敗北し、アフガンからは恥辱に満ちた撤退を計画しているアメリカに、7世紀に遡る巨大なイスラム世界の対立の渦中に自らをなんでまた介入させるようなことをしたのか尋ねることだろう。このスンニー派とシーア派の大いなる分裂問題の深い影響は、中東全体で継続している。

 アメリカの同盟国は、最もリッチな湾岸アラブ諸国、エジプトからモロッコまでの広大なスンニー派の領域、トルコ、それにイギリスが生み出したヨルダンの王国が入る。ヨルダンのアブドゥラ王は、数十万人のシリア人の難民が流れ込む事で、自らがシリア紛争の真っ只中にあることを知ったことだろう。現在3000人ほどのアメリカ人「顧問」がヨルダンにいると思われる。そしてシリア南部に「飛行禁止空域」を設定することは、シリア紛争を本格的な戦争へと格上げさせることになるだろう。これはアメリカの「友達」にとっても同様である。 -その2に続く-

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経済から宗教まで、時代の先を読み解くための作業を人間活動のあらゆる分野にメスを入れて行います。
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