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2月14日のイランのデモ・車が行き交っている
◆2月27日
チュニジアやエジプトの革命は、国家元首とその一派が何十年にもわたって民衆を搾取し、欧米のグローバリズムの手先となって、売国行為をしてきたことに、我慢ならなくなった人々が命をかけて立ち上がって成し遂げている革命である。
このうねりを欧米グローバリズム勢力は、彼らの背後にいるユダヤ・イスラエル勢力の思惑を受けて、そのユダヤ・イスラエル勢力の天敵である、イランでもあわよくば起こそうと画策したが、イランではその革命の条件が整っていないから不発に終わっている。
彼らは中東で起きている、この革命の真の意義を理解していないわけではなかろうが、それでも民衆を操れば、どさくさにまぎれてイランなどでも同様の革命を起こせると踏んでいるふしがある。愚かといえば、愚かなことである。
勿論、政府に対する不満など、どの国にもある。イランやシリアにないはずはない。問題は、程度の差でもある。しかし根本的に違う点がある。イランやシリアでは欧米グローバリズムの弊害は制限されたものだということだ。彼らは反欧米であったが故、つまり欧米の資本がさほど入っていないがため、このアラブの革命時に騒乱が制限されたもので収まっているのだ。
これから、欧米社会が好きなようにしてきた親欧米アラブ・イスラム国家では、革命騒ぎが強化され先鋭化し、実現していくであろうが、欧米グローバリズムの悪徳から離れているイランやシリアではその革命の影響は、親欧米アラブ国家に比べてずっと少ないことを知ることだろう。
既に何回も指摘したように、中東は反欧米・反ユダヤ・反イスラエルの基調でまとまっていく趨勢にある。そしてこれは誰も止めることはできない。その流れはこれから2012年、13年と継続していくことだろう。
そしてやがては、アメリカのウィスコンシン州などで起きているように、経済問題がにっちもさっちも行かなくなったアメリカ各州にも波及していくことになる。
その動きは中国も同様である。極端な格差社会の中国で、これから天災が火に油を注ぐ格好で不満分子の騒乱への欲求を強化する。そしてそれは最終的には、民主化革命へと結実していくことだろう。
現在の中東から始まったうねりは、人類歴史的なうねりの現れであり、今まで隠されてきた一切の悪事が表面化し、今までの本当の隠れた収奪者が炙り出されてきて、最終的に収奪されていく道程にある。従って、そのうねりは誰にも止めることはできないのだ。これを本当の収奪者らは理解すべきであろう。
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●革命というカードはイランには無い
http://www.atimes.com/atimes/Middle_East/MB26Ak01.html
【2月26日 By Ali Reza Eshraghi】
レーニンは、革命の症状を診断する定式を持っていた。「底辺にいる者たちは革命に参加せず、トップにいる者たちも参加できない」 彼は革命には大衆の参加が必要で、勇気と決意、それに政治的要素と言っている。しかしこれら三つの条件はイランに存在していないのだ。
2月14日、テヘランの大通りに繰り出したデモ隊と2月20日の少数の者たちは勇気だけはあった。2009年にイラン政権が大衆の反乱に適用した弾圧の例があるにも係わらず、彼らは何がやってこようとやってやるという気概があった。また彼らは非常に急進的なスローガンを叫んだ。それは2009年では叫ばれなかったもので、最高指導者であるアリ・ハメネイ師を攻撃する内容だった。
彼らはまた、スローガンを叫ぶ時、静かにする時、危険からどう逃げるか、個人のアイデンティティーを特定されることをいかに避けるか、をわきまえることで分別を示した。
二つのデモの間にははっきりとした違いが存在している。2月14日、政権は暴力的弾圧をする姿勢は示さなかった。2人の死亡が報道されたが、それがどのようにして生じたかは未だにはっきりとはしていない。
政権が暴力的弾圧に消極的であった理由の一つはトルコのアブドゥラ・ギュル大統領がテヘランを訪問していたからかもしれない。しかし一方では、イラン政府は抗議運動を取り締まる自信があったから訪問は延期にならなかったのだ。
弾圧を自粛したもっと重要な理由は、政権は1年以上前に生じた騒乱以後、反対派の現状を推し量る狙いがあったからかもしれないということだ。バシジ民兵の一人によれば、警察はある一定の数の者たちが決められた場所に集まるまで出動しないで待機していたという。
今月2度目の抗議運動があった2月20日には、デモ隊の人数より多い武装警官が弾圧の姿勢で現れた。これで多くの人々は通りに出てくることをためらった。政権は威圧すれば統制できることを示した。
不思議だが、反対派の中には、政府側が使用した方法を適用する者たちがいた。彼らは、威圧的な治安部隊のニュースを調べて、BBCペルシャ・サービスのようなメディアのニュースが放映されることを阻止しようとしていたのだ。より多くの人々が大通りに出てくるようにという素朴な希望からそうしたのだ。
不足したのは、勇気や決意だけではなかった。多くのイラン人は反対派の抗議運動に参加する動機に欠けるのである。変化に対する意思はようするに、それほど強くはない、ということなのだ。
反対派と政権側の力が路上でぶつかる時、本当の革命の様相になる。無党派はそこにはいない。
2月14日の抗議運動はテヘランのいくつかの通りを塞いだが、市の機能をマヒさせはしなかった。多くのビデオ映像は、人々が歩いたり車を運転したりして通常の仕事を続けている様を示していた。デモが行われている場所であっても店や映画館は開いたままであった。目撃者らは、デモの有様を見たいという観光客や群集を掻き分けて仕事をする人々にオートバイの便が提供されたと言っている。
政府に対する不満を訴える人々は広範囲に存在する一方、行動に移すまで不満が募っているわけではないのだ。グリーン・ムーブメントは、「われらの勢力は数え切れない」と唱えているよりかずっと数は少ないままである。彼らの支持基盤は、主に中流階級に限られる。
最近の燃料と食糧価格の高騰を含む経済的プレッシャーにも拘わらず、テヘラン南部の貧民地域住民は通りに出てデモに参加するまでの意欲に欠けていた。
2009年の抗議運動後の演説で、革命防衛隊司令官だったサイード・ガセミは、恐れねばならないのは、テヘラン南部の貧民が怒りに燃えて通りに出て来て、最高指導者への支持を取りやめるような時だ、と述べている。
経済的問題は抗議運動する者たちの要求する内容には取り上げられていない。そして彼らが時たま、パンの値段に不満を言ってそれを取り上げる時は、それを言う者たちはパンをそれでも十分に買うことのできる者たちなので、空しく聞こえてしまう。
反対運動に対して労働者からの支持が無いということは、最初の2月の抗議運動の時、アバダン精油所での動きに象徴的に現れていた。反対派のウェブサイトでは、1979年のイスラム革命時にあったような石油工業ストライキにならったストライキを実行しようとしていた。実際には、たった50人ほどの労働者が参加しただけのそのデモは不払い賃金に関する要求がなされただけで、グリーン・ムーブメントを支持するものではなかったのだ。
反対派はまた北テヘランの富裕層を巻き込むこともなかった。騒乱の間、マレーシア、トルコ、タイ、ドバイなどへ休暇で行く人々が一杯いた。
これら全て、グリーン・ムーブメントは支配的勢力になる条件をまだ作っていないことを示している。
この運動は、イランのエスタブリッシュメントのかつての友人らを失ってさえいる。とりわけアハマディネジャド大統領に反発する者たちが去っている。その去った者の中には、アヤトラ・アッバス・ヴァエズ・タバシ師がいる。彼はマスハドのイマム・レザ寺院の管理人で農場、不動産、工場などの資産は2009年にアハマディネジャドと大統領職を争った時、ミール・ホセイン・ムサビを資金的・道徳的に支援することになった。
しかしながら、現在は彼は2月14日の抗議運動参加者たちを「治安妨害の扇動者らであり疑いなく神の裁きを受けるに値する者たち」と評している。
最高指導者の検査官長であり、保守派の聖職者の中で最も影響力のある指導者の中の一人であるアリ・アクバール・ナテグ・ヌリはもう一人のムサビの支持者だった。彼は暫く静かにしていたが、2月14日のデモの後、沈黙を破って、ムサビと彼の同盟者であるメフディ・カルビには政治的センスと愛国心が欠けており、両者とも裁判に掛けられるべきだ、と語った。
「我々の敵は、我々内部で意見が異なることはあるが、我々全員はこの政権を守護している、ということを知る必要がある」と彼は語ったのだ。
グリーン・ムーブメントの最大の頭痛の種は、その目的が不明確だという点だ。また特別の社会的グループのというよりかは全ての人々の解放を目指している、ということを人々に納得してもらえるような言い方で説明されていないのだ。
エジプト人とチュニジア人のデモ隊は、政権の終焉、というはっきりとした目的を持っていた。
2009年の大統領選挙後にグリーン・ムーブメントが形を整えた時、そのメッセージは直裁的で、投票は不正に操作され、選挙民は騙された、というものだった。これで300万人が通りに出てデモに参加したのだ。
しかし今はどうだろうか? アハマディネジャドを取り除くことを願っているのか、そして新しい選挙をやりたいのか? もしそうならば、彼らの支持者らが叫ぶスローガンにはその点が明瞭に示されていない。彼らは政府のイスラム的システムを解体したいのだろうか、あるいは、ハメネイ師を除きたいだけなのか? 彼らは憲法改正をして最高指導者の地位を廃棄したいのだろうか、あるいは、単に現在の枠組み内でのよりましな政府を求めているのか?
グリーン・ムーブメント指導者らは、こういった曖昧な点を明瞭化するに役立たずなままであり、更なるイラン人をその大義の下に集めるよう明瞭なメッセージを発信する点で不足している。メッセージは混乱したままだ。2月14日デモはエジプト人とチュニジア人との連帯を示すものだったはずだが、聞こえてきた主要なスローガンは最高指導者に対する反対の声であった。
反対派の者たちは、最近のデモはグリーン・ムーブメントがまだ生きていることを示すことができたから勝利だったと言っている。 しかし、彼らは示したのか? もしも彼らの主要な狙いが、彼らがまだ活動しているということを政府に示すことだったとすれば、通りに出た抗議者たちは、不幸にも風船とジュースの代わりに警棒と催涙ガスで祝われたカーニバルの参加者のようなことになってしまう。
イランの敵の源を探し回っても、納得できる回答を与える者はいない。反対派の活動は、政権が行うことに反対するための反対運動ということなのだ。
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