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パレスチナとイスラエルの単一国家構想が出てきた
◆7月23日
パレスチナ問題は、イスラエル問題である、と指摘してきたが、それはイスラエルが力でパレスチナ人を追い出し新国家をパレスチナの土地に作ったからであり、その力の政策を今に至るも継続してきていることにあることをこのブログでは指摘してきた。
従ってその解決には、いまさらイスラエルに出て行けともいえないであろうから、少なくとも、1967年の第3次中東戦争以前の国境線にまで撤退し、パレスチナ国家独立を支援、できたパレスチナ国家に対する経済支援を大々的に行い、また平和条約を締結するべきであり、
それがイスラエル国家の存続できる唯一の道である、と指摘してきた。
そのためには、今までの武断的、ネオコン的、強権政治を改め、融和的な勢力がリードしなければならないとした。
ところがここに来て、一番武断的で、ネオコン的と思われているイスラエルの右翼から、パレスチナ人も平等の権利を持つ、単一国家構想と言うものが出てきている、というから驚いた。あれほど痛めつけたパレスチナ人に本当に平等の権利を与えられるのか、という疑問もあれば、実際上生活の上でうまくやっていけるのか、という疑問も沸く。
だから実際はその権利は条件的なものにしたい、というのが、彼らの本音であるように以下の論文では言っている。しかしいずれにしても、右翼の中には現実的に、これからも今までのような政策では最終的にはイスラエル国家の存続の危機がやって来ると認識している者たちが現れているとあるのは理解できる。例えば出生率をみてもそのことは予見できることだ。
イスラエルの左翼よりも右翼の方が現実的であるのは、どこの国でも同様な傾向が見られることから理解はできる。そもそも左翼とは、唯物主義者であり、それが嵩じた姿が共産主義者である。ロシア革命を遂行した者たちがユダヤ人の左翼主義者であったし、ロシアではなくイスラエルにそれを移したのがキブツに見られる共産主義的共同体を建設していった人々であった。
彼らはユダヤ国家を作ろうとしたのであり、そのためにはパレスチナ人は必要なかったから追放の政策を推し進めた張本人たちである。そこにキブツを建設していった。従って、今に至るも、パレスチナ人と協同の国家作りに賛同する意思はないようだ。
いずれにせよ、イスラエルの右翼からこのような変化が出てきていることは、イスラエルの未来にこのままでは危機がやってくることを認識しだしていることを示していると言えよう。それは正当な感覚である。
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●イスラエル・パレスチナ単一国家構想
イスラエル右翼は和平のより信頼できる担い手か
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=20213
【7月21日 by Jonathan Cook】
イスラエルの政策論でタブーとなっていた議論が出てきた:紛争解決策として、ユダヤ人とパレスチナ人が平等な権利を持つ市民として生存するという単一国家の設立という考え方である。驚かされるのは、このような解決策を擁護する動きが主にイスラエルの右翼勢力に見られるということだ。
この議論は、現在の正当な流れとしてある二国家論に対抗するもので、シオニスト右派と左派に関する考え方に急速に混乱をもたらしつつある。
殆どの人々は、アメリカ政府も含めて、イスラエルのピース・メーカーはもっぱらシオニスト左派であり、右派はパレスチナ人の権利に反対するどうしようもない者たちである、と考えてきた。
こういった想定の元、アメリカのオバマ大統領は最近までイスラエルの右翼のネタニヤフ首相を二の次とし、左翼の労働党出身のエフード・バラク国防大臣と野党であるカディマのリブニ党首を取り立ててきた。
しかし、イスラエルの右翼はしばしば指摘してきたことだが、和平派とみなされている左翼と中道の諸派は、最近のオスロ・プロセスを含むパレスチナ国家構想を促進することに失敗してきた不名誉な歴史を持っている。入植者の人口は、例えば、10年前バラク氏が政権を担っていた期間、最速で増加したことがあった。
この新しい単一国家構想が示すことは、右翼の者たち、そして入植者らがパレスチナ人と国家を一緒に持つことにオープンな姿勢であることを示している反面、左翼はそのようなことに断固反対している、ということである。
イスラエルのリバラルは新聞であるハアレツ紙は、先週末、この問題でかなりの紙面を割いて、超穏健派のメレツ党元党首でオスロの建築士であるヨシ・ベイリン氏に、シオニスト左翼に対して単一国家が「ナンセンス」であると呼びかけている内容を掲載した。彼は、「ユダヤ国家ではない国家に住むつもりはない」と切り捨てるように語っている。
イスラエル左翼は、バラク氏が参加し失敗した2000年のキャンプ・デイビッド会談後、西岸の殆どと東エルサレムの全てをイスラエルに併合することを最終ゴールにするということを決定はしていない。左翼のコンセンサスは、バラク氏の発明品である分離壁で50万人になるユダヤ人入植者が定着し、パレスチナ国家と誤って呼ばれているいくつものゲットーに虐待されているパレスチナ人を囲い込むということである。この分離の目的は、左翼は、放っておけばパレスチナ人は過半数を超えてしまうので、イスラエルのユダヤ性をパレスチナ人の増大する人口から保護するためだという。
左翼の問題は、単一国家論に賛成を示したリクード党議員の長老格のツィピ・ホトベレイ氏がまとめているように、「左翼には、モラルの崩壊が見られる・・・、簡単に言えば、紛争を永続化することで、我々を占領者から虐殺の実行者にしてしまう解決法がその結果である。我々は更に残虐な国家とし、我々の安全保障を危機的状況に陥らせるものは左翼である」となる。
分離は大イスラエルの夢を放棄することを余儀なくさせるだけでなく、ガザを西岸のテンプレートにさせることを右翼は理解し始めている。イスラエルに対する国際的な汚名もたらした2008年の冬のガザに仕掛けたような、定期的な軍事的攻撃を通し、包囲し孤立化させれば、「パレスチナ人は飼いならされるだろう」というわけだ。右翼の一部には、イスラエルがこのような不法行為をしていると長く存続できなくなるだろうと考えているものが出てきている。
しかし、右翼がその歴史的な立場を再考しだしているのだが、左翼は未だに伝統的なエスニック的分離と分離壁建設に固執している。
「ヘブライ労働者」と「祖国解放」のスローガンの下に分離を主張したのは、国家創立前の「労働者シオニズム」党のイデオローグたちであった。それから移送政策を適用し始めたのだ。「労働者」党の創立者たちが、1948年の戦争下で、全面的にパレスチナ人を追放することを実行したのだ。
右翼にとっては、反対に、「純粋」なユダヤ領土の創造は、決して彼らの「聖杯」となったことはなかった。早い時期に、一緒に住むことを受け入れている。非常に誤解されているリクード党の知的中心者だったブラジミール・ジャボチンスキーの「鉄の壁」論は、実際は労働者シオニズム党の隔離・追放政策に対する対案として出された物だ。ジャボチンスキーはパレスチナ人と一緒に住むことを考えていたのだが、彼らが鉄の壁の力の前に屈服しておとなしくなることを期待したのだった。
ジャボチンスキーの継承者は、同じディレンマに悩んでいる。ネタニヤフのように、殆どは、検問所と少ない経済刺激策でパレスチナ人を黙らせて、イスラエルの統制を拡大する時間がまだ残されていると考えている。しかし、リクード党の指導者らの中には、パレスチナ人はこのアパルトヘイド政策を永遠に受け入れることはないだろうと認めている者たちが増えてきている。
そのグループで一番の者は、元国防大臣でリクード党の長老のモシェ・アレンスだ。彼は最近、占領下で多くのパレスチナ人に市民権を与える考え方は、「真剣な考慮に値するものがある」と書いている。ロイベン・リブリン国会議長は、「全ての市民に平等な権利が与えられている単一国家の方がより弊害がすくない」と認めている。
我々はこういったリクード党の変化を甘く見るべきではない。彼らはイスラエルの小政党である非シオニスト・ユダヤなどが要求している、「全ての市民の国家」を語っているわけではないのだ。殆どの者たちは、パレスチナ人がユダヤ人が支配する国家の中での生活を受け入れることを要請しているのだ。例えば、アレンス氏は、更に数十年間は、ユダヤ人が過半数でいられるように、150万人のガザのパレスチナ人から市民権を剥奪しようとしている。誰も、数百万ものパレスチナ人避難民の帰還の権利のことは考えていないように見える。また、彼らの殆どは、新しいパレスチナ人市民が、今のパレスチナ人が少数民族としてイスラエル国家の中で耐えてきたと同じような問題の多い関係を繰り返すよう、市民権は条件的であることを期待している。
それでも、右翼は、己のパラダイムを再定義することに左翼よりも意欲的であることを示している。そして最終的には、オスロ合意の時よりかピース・メーキング能力においてより優れていることを示すことで、アメリカ政府を戸惑わせるかもしれない。
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