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反政府デモで揺れるトルコ

◆6月3日
 
 トルコで反政府デモが起き、千人弱の人々が拘束され負傷した。導火線となったのはイスタンブール市中央にあるタクシム広場の再開発計画であるが、デモ騒ぎが拡大しているのは、エルドアン首相と彼の公正発展党のやり方に対する不満があるためだ。

 その核となる問題は、5月14日号「爆弾事件でエルドアン政権に抗議運動勃発」で既に示されているように、トルコが隣国シリアを欧米・イスラエルと一緒になって攻撃し、アサド政権の転覆を図っているからだ。

 3月4日号「フランス・トルコ:アサド大統領暗殺計画」で以下のように指摘した。「アサド政権の大統領を含む重鎮らが暗殺の犠牲者にならず、このまま紛争が継続すれば、反政府勢力は徐々にシリアから駆逐されていくはずである。反対にトルコ、サウジアラビア、カタールなどに反政府運動が活発化し、対シリア工作も力を失っていくであろう」

 今、まさにその事が起きているのだ。人を呪わば穴二つである。複雑な宗教的・民族的構造を持つシリアでアサド政権が、その均衡を巧みに取りながら、徐々に改革を推し進めてきているが、そのアサド政権を言われもなく非難し攻撃するトルコ自身が、内部から(外部からではない)の真正の反政府デモによって政権が揺らぎだしているのである。このブログで予言したとおりである。

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●トルコ:反政府デモで1000人弱の負傷者
http://www.independent.co.uk/news/world/europe/turkey-almost-1000-hurt-as-istanbul-antiregime-protests-continue-8640814.html
【6月2日 REUTERS】

 トルコではここ何年も無かった最大の反政府デモが起き、イスタンブールではデモ隊に対して警察は催涙ガスと放水車で対抗した。

 エルドアン首相は権威主義的になってきたとして批判されてきたためか、テレビで急いで沈静化を呼びかけ、警察に対しても行き過ぎがあったことを認めるそぶりを示した。

 しかし彼は市中心部のタクシム広場の再開発の計画は進めることを宣言し、この問題が緊張を高める口実に利用されていると語った。しかし後になって、この高まった緊張状態を沈静化するため、警察はイスタンブールの広場から撤退し、バリケードを撤去し、数万人のデモ隊が占拠するのに任せた。

 このタクシム・ゲジ公園での抗議デモは再開発計画のため木々が伐採された27日の夜遅くから始まったが、それがエルドアン首相と彼のイスラム教的色彩の強い公正発展党(AKP)に対する抗議のデモへと拡大した。

 権力を握ってきたこの10年間、エルドアンはトルコの経済をヨーロッパで最も早い成長するものとしたし、彼自身もトルコで最も人気のある政治家である。しかし、批評家らは彼の権威主義的姿勢と、彼らが言う、私生活と政府の公務との混同があると指摘している。 

 ここ数週間での酒類販売制限の強化と公的場所での愛情表現に対する警告とが抗議デモを惹き起こした。多くのトルコ人は更に、政府の政策でシリアでの扮装にトルコが欧米によって巻き込まれることになることを懸念している。

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経済から宗教まで、時代の先を読み解くための作業を人間活動のあらゆる分野にメスを入れて行います。
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