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石油価格は過去4ヶ月で低下してきている

◆10月21日

 世界の石油価格がこのところ低下している。石油産出国はそのためかなり苦労する状況になっている。その理由として一つにはISISが販売している石油収入にダメージを与えるという戦略的なものがある、という。

 しかし分からないのは、ISISを育成してきたのは、その戦略を実施しているサウジアラビアなどの湾岸アラブ諸国だということだ。また販売ルートを押さえることで販売を不可能にさせられるはずだが、それが徹底していないようだ。

 日本では原発を止めていて、その代替として火力発電所を稼働させているから、石油や天然ガスの価格低下は歓迎したいところだ。ロシアの財務相が1バーレル100ドル以上にはならないだろう、と予測しているが、近視眼的には歓迎したい。

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●ロシア財務大臣:石油価格は1バーレル100ドル以上にはならないだろう
http://rt.com/business/197380-oil-price-russia-100-budget/
【10月20日 Russia Today】

 石油価格の低下は「避けられないこと」であり、1バーレル当たり100ドル以上になるチャンスはないだろう、とロシアの財務相が語った。しかし、ロシアの予算は低価格に耐えられるものだ、と語った。

 「市場は供給過剰に好意的である。それが価格低下は避けられない理由だ;構造的問題があるだろう。近い将来、1バーレル100ドル以上という価格を見る機会はないだろう」と、ロシアの財務省戦略計画課のマクシム・オレスキン課長はRBCテレビとのインタビューの中で語った。

 「一般的に、現在の低価格の動きは構造的なものだ。石油生産に対する投資は過去数年劇的に増えている」とオレスキンは語った。

 ロシアの高官らは、ロシアの財政赤字が激増するようなことはないことを強調したが、ロシア最大の銀行であるスベル銀行は、2015年の予算にあわせる為には104ドルが必要な価格だと語った。1バーレル80ドルまで低下することは、ロシアのGDPで2%の損失になるという。

 弱いルーブルは低価格の石油の緩衝装置になるだろう、というのも、損失はルーブルであるが、収入はドルだから。

 「ルーブルは弱くなったが、石油販売からの特別な現金収入をなすことでやりくりできる。現金収入はドルでなされるからだ」と、RTの特派員であるエゴル・ピスクノフはモスクワから報じた。

 ロシアの国家予算は1バーレル96ドルの石油価格を基礎としている。これが北海ブレントとWTI原油の両方が過去数日で96ドル以下になった。

 先週の価格は4年間で最低価格となった、北海ブレント先物価格は危機的な1バーレル84ドルを記録した。数ヶ月前はイラク問題の最中に、北海ブレントは1バーレル116ドルだった。WTI原油は16日、1バーレル80ドルを切った。両方とも過去4ヶ月低下してきている。

 国際エネルギー機関(IEA)が世界の今年の石油需要予測を25万バーレル削減した後、価格は更に低下した。

 低価格にはいくつかの圧力がある;供給からのもの、ISIS絡み、アメリカのシェール物のブームなどだ。

 1バーレル80ドルという価格は、どの石油輸出国にとっても利益の上がらない価格だが、政治的要素の方が経済的なものより優先されるようだ。

 「サウジアラビアが関わっているという話がある。我々が知っていることは、中東の多くの場所では石油生産価格は1バーレル当たり80ドルかそれ以上だということだ」とDVアドバイザーの専務であるパトリック・ヤングはRTに語った。

 ヤングの判断では、1バーレル80ドルを予算的に維持するだけの資金的余裕のあるサウジアラビアは、ISISにプレッシャーを掛けるために数年間は石油を販売するだろう、という。

 「ISISは世界価格に対しディスカウントで販売せざるを得ない。もしも彼等ISISが1バーレル60ドルから70ドルで販売せざるを得なくなれば、長期的に見れば、彼等が支配しているシリアとイラクの油井で利益の出る石油生産をすることは出来ないだろう」とヤングはRTに語った。

 サウジアラビアは石油輸出国機構(OPEC)メンバー国であり、特にリビヤの石油が市場に流れるようになった9月以来、供給が増大していることを知っている。

 「主要な石油生産国のクラブのようなのがOPECという組織だが、状況は継続させることも、石油価格を増大させることもできる生産そのものを低下させることを拒否している」とピスクノフは語った。

 ピスクノフはこの戦術が広範な経済に否定的な巨大な影響を与えることを警告している。

 「世界市場は石油価格に依存している。石油が不安定であるということは市場に不安定ないしは混乱を惹き起こす事になるだろう」とピスクノフは語った。


■フラッキング要素

 これからの半年間で問題となる別の要素は、アメリカにおけるシェール石油で、オレシュキンはこれを、掘削が間尺に合わなくなってくるから「劇的に低下する」と考えている。オレシュキンやアメリカのエネルギー関連高官によれば、アメリカのシェール・プロジェクトは石油価格が1バレル80ドルになれば利益が出なくなる、という。

 アメリカのシェール・ブームは、1バーレルの価格がドル収入に反映するので、石油価格が低下すれば投資を完済出来なくなるので、石油の低価格によって抑制されるかも知れない。

 「プロジェクトの利益が市場価格で確かなものとされて初めて、彼等は掘削をするだろう」とオレシュキンは語り、「新しいプロジェクトに対する投資は結果的には減少するだろう」、と付け加えた。

 「シェール石油掘削の一つの要素は、最初の一年で掘削された油井の生産能力は50%喪失するということだ。これは、生産量の劇的は減少を意味する。生産量を維持するためには、更なる掘削が必要となる」と彼は語った。

 アメリカのシェール・ブームは2008年に始まり、アメリカの原油生産を60%上昇させたが、石油価格の減少の別の要素となっている。IEAは、北米シェール石油は1バーレル80ドル以上であって始めて利益が出る、と語った。

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