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巨大銀行と市場の怪しい関係
◆1月31日
アメリカ経済を牛耳り、自分達の利益を最大限に拡充してきた巨大銀行間で、最後の生き残りを掛けた戦いが始まっているようだ。
ゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェースである。この両者でも特にゴールドマンの方がよりあくどさが強い、とブラウン女史は見ているようだ。このゴールドマンが株式市場に導入したハイスピード・トレードとか、ハイ・フリークウェンシー・トレーディングと呼ばれる方法で、市場操作をしていいように利益を上げてきた、という。
これに対し、アメリカ全体が反旗を翻し始め、オバマ大統領もその姿勢を今回の一般教書演説で示した。漸くと言うか、今までこれら国際金融勢力の影響力の中で、がんじがらめになっていたかのような中で、新しい動きがアメリカ政府に出てきた、と言えるのかもしれない。
そういう意味で、今年2010年は最後の世界的は波乱の幕開けとなりそうだ。
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●巨大銀行間の戦い:JPモルガンVSゴールドマンサックス
なぜ市場は7日間継続して下げたのか?
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=17280
【1月29日 by Ellen Brown】
我々は巨大銀行の戦いを目の当たりにしている。JPモルガン・チェース(ポール・ボルカー)とゴールドマン・サックス(ガイトナーとサマーズ、ルービン)だ。その結果、我々の年金と401Kの屍が累々となることだろう。
最近のリバータリアンのエコノミストのマレイ・ロスバードはウィリアム・ジェニングス・ブライアンが大統領選に敗北した1900年以来のアメリカ政治は、モルガンとロックフェラーの二つの巨大銀行の戦いだったと書いている。両者は時に所有者が変わることがあったが、糸を引く背後の人形使いは常にこの巨大な資金を動かすプレーヤーだった。人気のあるサードパーティーはこの戦いに勝つチャンスは無かった。それは、銀行家らは国家のマネーを創造し供給する独占的は権力を持っていて、常に勝利のカードを持っていたからだ。
2000年、ロックフェラーとモルガンは合同し、JPモルガンとチェース・マンハッタンがJPモルガン・チェースとなった。 今日、戦っている巨大銀行はJPモルガン・チェースと1920年代の投機的な活動で悪名高い巨大投資銀行のゴールドマン・サックスである。1928年、ねずみ講に似た閉鎖式ファンドのゴールドマン・サックス・トレーディング社が創立された。このファンドは1929年の株式市場で破綻したが、その後長く企業の悪名が残った。前財務大臣のヘンリー・ポールソンとラリー・サマーズはこのゴールドマンからやってきた。また現在の財務長官のティモシー・ガイトナーはサマーズとルービンの子分として政府の階段を登ってきた。あるコメンテーターは、アメリカ財務長官を「ゴールドマン・サックス・サウス」と呼んでいる。
ゴールドマンのこの権力は銀行システムの持つ、金の蛇口だけから来ているわけではなく、もっと別の要素が絡んでいるものだ。実際は、彼らは市場を操作する能力を持っている。以前は単なる投資銀行であったゴールドマン・サックスは、2008年奇妙にも銀行持ち株会社に変身した。それによって、彼らは連邦準備銀行からの貸し出しを受ける窓口を持つようになった;しかし同時に投資銀行として留まり、市場で攻撃的な投機を行っている。
その結果、彼らは巨大な資金をほぼ0%の金利で借り受けることができ、その金を投機にだけでなく、市場を自分の都合のいい方向に捻じ曲げることができるようになっている。
しかしゴールドマン・サックスはこの露骨な市場操作にあまりに頻繁に嵌ってきたので、JPモルガン側の銀行帝国はついに堪忍袋の緒を切らした。選挙民も同様だ。マサチューセッツ州の投票で、故テッド・ケネディ民主党議員の席を共和党候補に与えた。この重要な投票に敗れたことで、オバマ大統領の新しく設置した経済復興諮問委員会議長のポール・ボルカーは、銀行システムの厳しい改革のための提案をもって、権力を強めることになった。ゴールドマン・サックスの回転ドアから政府に入ってきた財務長官の操作ではなく、元連邦準備理事会議長のボルカーは財務長官になる前には副会長であったチェース・マンハッタン銀行の出である。
1月27日、市場コメンテーターのボブ・チャップマンは、投資ニュースレターである、「インターナショナル・フォーキャスター」で、以下のように書いている。
「ゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェースの紙の権力との間に分裂が生じた。ボルカー氏はモルガンの利益を代表している。両者ともイリュミナティの勢力だ。しかしモルガン側はゴールドマン側の貪欲さと傲慢さに嫌気がさしている・・・JPモルガンが非難されるべき点が無いわけではなく、彼らは彼らなりに略奪を行い、システムに損害を与えたのだが、それでも、ゴールドマン側がやったような傲慢極まりないレベルではなかった。ボルカーが呼び戻されたことは、できるだけその損害を回復しようとするためだ。それは、ガイトナー、サマーズ、ルービンその他の者たち、それにゴールドマンの影響力もそれと伴って少なくとも暫くは、後退するということだ。それはゆっくりとそして見えないように、影響力を失っていくだろう・・・ワシントンは新しいウォール街を必要としているのであり、犯罪的なシンジケートではない」
ゴールドマンの犯罪は、チャップマン氏に言わせれば、「窃盗に、はまった、ということだ。まず、パンツ一つで、そして市場を首位で快走したことだ。彼らはまだそれをやっている。それから、住宅抵当証券(MBS)・債務担保証券(CDO)を最良の顧客に売りさばき、次いで、同時にそれらの空売りを行ったのだ」
ボルカーの提案は、大きくて潰せない銀行によって行われてきた危険な自己勘定売買を終わらせる、あるいは、取り扱っているビジネスを売り払うことでダウンサイズさせることで、こういった乱用を制御するものだ。つい最近まで、オバマ大統領は、ボルカーの計画を支持することをためらっていたが、1月21日になって最終的にそれを承認した。
最初の市場の反応は、毎日下げては、また下げた。少なくとも、それが「市場」の反応だった。金融アナリストのマックス・カイザーは、もっと不吉な可能性を示唆した。ハイスピード・トレードで市場を操作する力を持っているゴールドマンは、メキシカン・スタンドオフ(手詰まり状態)に入るかもしれない。暴かれた脅威は、「銀行改革を撤回せよ、さもなくば我々が君たちの市場をクラッシュさせるのを横で見ていろ」というものだ。同じような操作が、2008年9月、ハンク・ポールソン財務長官(当時)が議会に押し付けた銀行救済のやり方の中にはっきりと出ている。
1月23日のカイザーの放送で、彼はゴールドマンがどのように操作をしたのかを説明している。カイザーは早口なので、この書き写しは逐語的ではないが、それでも彼の言ったことに近い:
「ニューヨーク証券取引所での取引の70%がハイ・フリークウェンシー・トレーディングで占められている。通常は、買い手と売り手がフロアーに現れ、スペシャリストが買い手と売り手が満足する取引価格を決める、それが市場価格となる。あまりに多くの売り手がいて買い手が少なければ、スペシャリストは価格を下げる。ゴールドマンが導入したハイ・フリークウェンシー・トレーディングのやり方は、スペシャリストが買いと売りを決める前に、ゴールドマンは電気的に、スペシャリストに対して膨大な取引を浴びせることで、プロセスを混乱させ、本質的にこのプロセスを奪ってしまうことで、彼らに有利に、なるようさせるということだ。彼らはニューヨーク証券取引所から金を掠めていくだけでなく、価格も操作している。私が可能性としてあると見ていることは、来週、もしウォール街の銀行家らが、どんなことがあっても改革を望まないと決意すれば、彼らはこのハイ・フリークウェンシー・トレーディング・アルゴリズムを作動させ売りをすることで、株式の傾向性にネガティブな巨大な偏向を起こすだけの話だ。そして彼らは要するに市場を破壊することだろう。それは行き詰まりとなる。市場は3日間下げ続けた。これは昨年の夏以来のことだ。これはオバマ大統領が「分かった、多分考え直すことが必要であろう」と言うまでのチキン・ゲームである。
しかし、大統領はいまだに屈服していない。1月27日の大統領施政方針演説で、彼は銀行改革問題をあまり長くは話さず、以前の姿勢を保ったままであった。彼は次のように語っている:「我々は、あなた方の預金を持っている銀行を含めて、金融機関に全体の経済を脅威に陥れるリスクを冒させることを許すことはできない。議会は既にこういった多くの変化の金融改革案を通過させた。そしてロビイストらはそれを亡き者にしようとしている。さて、この戦いで彼らに勝たせるわけにはいかないのです。そして私の机の上にある改革案が真実の改革に繋がらないことが分かれば、私はそれを差し戻すでしょう」
この「真実の改革」が表すことが何かは、憶測するしかないのだが、ボブ・チャップマン氏は、空白のいくつかを埋め、効果的な全面的な見直しの為に必要とされることだと示唆している。
「この試みとは、金融システムを基礎へ戻すことであろう・・・それはMBSやCDSを最小限にあるいは一切含まないものだ。財務省、連邦準備制度、ウォール街によるデリバティブとヘッジファンド、そして市場の巨大な操作を取り締まることを含む。議会は金融市場の大統領のワーキング・グループを終わらせるか、少なくとも、本当の緊急時のためだけのものに制限するべきだ・・・グラス・スティーガル法は、このシステムに再導入されるべきだ。そしてロビー活動やキャンペーン活動は終わらせねばならない・・・貸し付けの政策を終わらせ、銀行は貸出し率を10倍から1倍に制限すべきだ・・・持っているものをレバレッジで貸し出すことは良くない。ノースダコタ州のような州立銀行は良い考えだ」
1月28日、予見された反応である「市場」は7日間続けて下げた。巨人族の戦いは続いている。
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