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日本の進むべき道
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我々の心構え
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翼をたたんだシルクワーム
◆5月27日
北朝鮮は、韓国がPSI(大量破壊兵器拡散防止構想)に参加することは、宣戦布告になる、と宣言していたから、今回韓国が26日PSI参加を正式に表明したことで、韓国と北朝鮮は理論的には「戦争状態に入れり」となったことになる。
ロイターの伝える北朝鮮の脅威の実際は、通常戦力の方で、「核」兵器は実用にはまだ間がある、と見ている。これはその通りであろう。
25日にも書いたが、実際的には、北朝鮮の生物・化学兵器の方が脅威である。また北朝鮮は軍需工場などは地下深くに建設しているから、少々の空爆くらいでは破壊されないだろう。金正日総書記は自分の命の火がまだある内に何らかの決着を付けたい、と考えるとすれば、軍事挑発をエスカレートする可能性は捨てきれない。
今の時代、国家の指導者らが我々と同じまともな思考をし続けると考えることは、いささか軽薄のそしりを免れないかもしれない。あのグルジアのサーカシビリ大統領も南オセチアを武力侵攻しても、前もってアメリカとの合同の「演習」を見せていたからロシアと言えども簡単には介入してこないだろうと踏んでいた節があった。その読みが浅はかであったのは、却って今となっては政権が揺るがされる羽目になっているのを見ても分かる。
今まで北朝鮮は瀬戸際外交とか言われて、際どい外交をすることで、自己の意思を通すようなやり方をしてきたが、これからもそれが通用するかどうかは、分からない。
今回、北朝鮮がどこまで軍事的挑発をエスカレートさせるのか、線引きは難しいが、韓国船との小規模な戦闘ならありうるし、韓国領土に対する挑発程度の攻撃さえ考えられないことではない。しかし北朝鮮では挑発程度に考えていても、その事態の推移が思わぬ方向に進み、全面戦争になることだってありうるだろう。
今回ばかりは要注意である。
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●韓国が米主導のPSIに参加へ、北朝鮮の核実験で
【5月26日 ロイター】
韓国は26日、北朝鮮による2度目の核実験を受け、米国主導の大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)に参加すると発表した。
北朝鮮は25日、地下核実験を成功裏に実施したと発表。これを受け、安全保障をめぐる懸念が高まっており、国連安全保障理事会は決議違反だとして、同国を強く非難した。 韓国外交通商省の文太暎(ムン・テヨン)報道官は「韓国政府は、大量破壊兵器とミサイルの拡散による世界平和と安全保証への深刻な脅威に対応するため、2009年5月26日時点で、PSIの原則を認める」と発表した。
北朝鮮はこれまでに、韓国によるPSI参加は北朝鮮への宣戦布告とみなすとの認識を示しており、韓国の参加を受けて強く反発する可能性がある。
●韓国PSI参加なら「断固とした対応」 北が“警告”
【3月31日 産経新聞】
北朝鮮の対韓国窓口機関「祖国平和統一委員会」は30日、韓国が米国主導の大量破壊兵器の拡散防止構想(PSI)への正式参加を検討していることについて、「参加はわが国への宣戦布告であり、即時に断固とした対応措置を講じる」と警告する報道官談話を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。
「対応措置」の内容は具体的に言及しなかったが、北朝鮮が韓国のPSI参加をめぐる動きに反応するのは初めて。
韓国は、北朝鮮の「人工衛星」打ち上げを長距離弾道ミサイル発射とみなし、発射の場合はPSIへの正式参加を検討している。
談話は、「われわれの衛星打ち上げで問題視されることは一つもない」と主張、韓国がPSIに参加することは「北南関係を完全に断ち切り、民族を核戦争の惨禍に追い込む、許せない犯罪行為」だと非難した。(共同)
●北核実験「お遊びには付き合えない」 中国紙が非難
【5月26日 産経新聞】
26日付の中国共産党機関紙「人民日報」傘下の中国紙「環球時報」は、北朝鮮の核実験を受け「北朝鮮は再び危険な遊びをするな」と題する社説を掲載、核兵器は一時的な交渉の手段となるかもしれないが、国際社会は「お遊びにずっと付き合ってはいられない」と警告した。
社説は、対話を通じて北朝鮮核問題を解決するとの国際社会の期待は「またもや打撃を受けた」と指摘、「小国が核兵器に頼って自国の安全を維持しようとするのは現実的でなく危険だ」と非難した。また北朝鮮に対し、核問題をめぐる6カ国協議への復帰を呼び掛けた。
同紙は中国の国際問題専門家ら20人に対するアンケート結果も掲載。国際社会の北朝鮮への厳しい制裁を「支持すべきだ」と答えたのは10人に上り、6人が「6カ国協議は失敗した」と回答した。(共同)
●北朝鮮、短距離ミサイルまた発射
【5月26日 朝鮮日報】
北朝鮮は26日夜、東海(日本名:日本海)側で再び短距離ミサイル1発を発射していたことが確認された。
政府関係者は27日、聯合ニュースとの電話インタビューで、「北朝鮮が26日夜9時10分ごろ、東海上に地対艦短距離ミサイルを発射したと聞いた。現在、情報当局が詳しい状況の把握に努めている」と述べた。
これに関し、情報当局関係者は「咸鏡南道咸興市の南にある咸州郡新上里の砲兵部隊で、地対艦ミサイル1発が発射されたのを確認した。北朝鮮は昨日、同じ場所から地対艦ミサイル2発を発射している」と述べた。
また、政府関係者は「当初、25日に北朝鮮は短距離ミサイル3発を発射したものと考えられていたが、当日昼12時8分に発射されたミサイルは発射準備だけで、実際には発射されていなかったことが分かった。したがって、25日に2発、26日に3発が発射されたことになる」と述べた。
チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版
●北、今度は黄海側でミサイル発射の兆候 韓国通信社報道
【5月26日 産経新聞】
韓国の通信社、聯合ニュースは26日、北朝鮮が黄海側で短距離ミサイルを発射する兆候が捕捉され、韓国の軍当局が動向を注視していると報じた。
聯合ニュースによると、政府筋は26日、「北朝鮮は25日から27日まで平安南道沖の黄海上での船舶の航海を禁止した」とし、「一両日中に短距離ミサイルを発射するとみられる」と語った。
北朝鮮が発射を準備している短距離ミサイルは、最大射程約160キロの地対艦ミサイル「改良型シルクワーム」とされ、全長5.8メートル、直径76センチ、重量2.3トンという。
北朝鮮は25日、2度目の核実験を実施した後、北東部の舞水端里から1発、南東部の元山から2発の短距離ミサイルを日本海に向けて発射した。
●新たな核実験を警告=北朝鮮
【5月25日時事通信】
タス通信によると、在ロシア北朝鮮大使館高官は25日、「米国やその同盟国が北朝鮮への脅しを継続するなら、新たな核実験の可能性も排除しない」と述べ、北朝鮮敵視政策を中止するよう警告した。
一方、ロシア極東沿海地方ナホトカにある北朝鮮総領事館幹部は「核実験は米国からの圧力への応答だ」と強調した。
●北朝鮮が核実験実施、現実的な脅威は
【5月25日 ロイター】
北朝鮮は25日、地下核実験を成功裏に実施したと発表した。核爆発力とコントロールを新たな段階まで強めたという。北朝鮮は先に、国連安全保障理事会が制裁を謝罪しなければ、核実験を実施すると警告していた。
◎北朝鮮の核兵器開発能力はどの程度か核爆弾6─8個を製造するのに十分なプルトニウムを持っていると考えられており、すでに初歩的な核爆弾1個を製造している。ミサイルに搭載できるだけの弾頭小型化は済んでいないとみられ、兵器専門家によると、小型化技術の開発には相当な回数のテストが必要。
また、北朝鮮軍が保有する旧ソ連時代の爆撃機では、日本の自衛隊機や米国や韓国の空軍機による攻撃を回避できないとみられることから、北朝鮮の核兵器が現実的に世界の脅威となるのは何年も先になる可能性がある。
◎安全保障上の脅威はどの程度か北朝鮮の核兵器プログラムは、製造能力や配備能力が完全ではないとみられることから、現時点では大きな脅威ではない。北朝鮮が核兵器の技術を高めたかどうかを示す今回の核実験の結果は、向こう数日間で明らかになるとみられる。
北朝鮮の軍事力で最大の脅威は、韓国全域と日本の大部分が射程圏内となる中距離ミサイル数百発と、韓国との国境付近に配備されている迫撃砲。防衛専門調査会社ジェーンズは、北朝鮮は韓国の全人口4900万人の約半分が住むソウルおよび近郊に、1時間以内に砲弾50万発を降らすことができる推定する。
北朝鮮が生物兵器や放射性物質を搭載したミサイルなどで先制攻撃をすれば、日本や韓国の経済は大打撃を受け、世界経済にも深刻な影響が出る。しかし、その場合は米国主導の報復攻撃によって北朝鮮も壊滅的なダメージを受けるため、自殺行為とも言える。
◎北朝鮮の核関連施設核兵器プログラムの中心は、平壌(ピョンヤン)から北に約100キロ離れた寧辺の核施設。そこには核燃料加工施設や原子炉、使用済み燃料の一時貯蔵施設などがある。ある情報機関筋によると、北朝鮮はほかにも、未申告の兵器開発施設やウラン濃縮施設を持っているという。
◎外交努力で北朝鮮の非核化は実現できるか恐らく難しいだろう。北朝鮮は過去何年も軍事的な脅威を使って大国からの譲歩を引き出しており、専門家らは、金正日総書記が最大の交渉カードを手放すことはないとみる。国際的にほぼ孤立する金正日政権にとって、核兵器だけが最後のよりどころになる。
◎核兵器拡散の脅威は北朝鮮から核兵器が拡散する可能性は現実的な脅威だ。ブッシュ前米政権は、北朝鮮が核開発プログラムでシリアを支援していたとみていた。
たとえ北朝鮮の核兵器開発が専門家の指摘する「時代遅れの技術」に基づいているとしても、核燃料サイクルを確立した北朝鮮が、兵器目的のプルトニウム製造を目指す国家に核の専門技術を売る可能性は否定できない。
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