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◆4月20日

 20日から開かれている世界人種差別撤廃会議にアメリカを始め、白人系のいくつかの国、そしてイスラエルが不参加を表明した。見たところユダヤ人の勢力の強そうな国のようだ。イスラエルは駐スイス大使の召還までするようだ。
 なぜイスラエルがこの会議に参加しないかといえば、彼らの国是である「シオニズム」が人種差別と見られることと、パレスチナ問題、それに自国内のアラブ系国民に対する人種差別的傾向を会議で指摘されることを避けたいからであろう。

 イスラエルは「反ユダヤ主義」というレッテルを使用し、世界中の人種で、ユダヤ人に対する非難・批判言動だけはこれをことごとく封じ込めようとしている。つまり、ユダヤ人に対する一切の非難・批判だけは何があっても許さない、ということである。
 勿論そんなことが世界でまかり通ることは、世界の不幸である。どんな民族であれ、人種であれ、それが人道や倫理に反することをするならば、非難・批判されて当然であり、たまたまそれがユダヤ人である場合もありうるからだ。それが言論の自由というものだ。
 
 しかし今や特にヨーロッパでは「反ユダヤ的」という烙印を押された、個人、団体は犯罪者のごとく扱いを受け、ある場合は立派な犯罪者にもされてしまう法律が施行されている。
 今回は、特に去年の暮れから今年の初めにかけて行われたイスラエルによる「ガザ侵攻」があったため、当然イスラエルに対する世界の風当たりは強い。その「侵攻」時の戦争犯罪を調査する国連の調査団の入国をイスラエルは拒否しているくらいだ。

 しかし、この人種差別撤廃の傾向は今後どんなにイスラエルが「反ユダヤ主義」だと叫び、反対運動を強化しようとしても、徐々にかつ確実に強まっていくであろう。それは最終的には、イスラエルを含むあらゆる国における人種差別的傾向が改まるまで継続するとみて間違いないと思う。
 特にアメリカでオバマ氏という、アフリカ黒人の血を引く人物が大統領になった事実がこれからの世界の行く末を暗示していると見られるのだ。


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●米国に続き「不参加」続出 人種差別撤廃会議
 4月20日20時3分配信 CNN.co.jp
ワシントン(CNN) 国連が主催する20日からの人種差別撤廃関連会議を米国がボイコットしたのに続き、オーストラリア、オランダ、カナダなどが19日、相次いで不参加を表明した。
米国務省は18日、同会議で採択される文書にイスラエルを批判する内容が含まれているとの理由から、不参加を決めたことを明らかにしていた。イスラエル自体もあらためて不参加を表明したほか、イタリア、スウェーデンも同様の立場を示している。
オバマ米大統領は19日、米国が事前に、文書案が「十分に」修正されない場合は参加できないと警告していたことを強調。「人種差別の軽減には他国と協力し、世界規模で取り組みたい」との姿勢を示す一方、「(同会議は)その機会にならなかった」と述べた。
オーストラリアのスミス外相は、同会議が01年の前回会議と同様、「反ユダヤ主義などの攻撃的な思想を公言する場として利用されかねない」と懸念を示した。
ボイコット続出の事態を受け、ピレイ国連人権高等弁務官は「人種問題に取り組むうえで、ごく一部の側面だけを優先させている国があり、差別される人々への懸念が後回しにされている。人種問題はいかに困難であろうと、世界規模で討論する必要がある」と語った。


●駐スイス大使を召還―イスラエル
 【エルサレム20日時事】イスラエル政府は20日、駐スイス大使を近日中に召還する方針を決めた。イスラエルの存在を認めないアハマディネジャド・イラン大統領がスイスのジュネーブで開幕した国連主導の人種差別撤廃会議の再検討会議に招待されており、これに強い抗議の意を示す狙いがある。
 イスラエルでは20日からナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を振り返る行事が行われている。イスラエル政府は声明で、「会議にはイスラエルを地図から消し去ると公言し、ホロコーストを否定する人種差別主義者が出席している」と大使召還の理由を説明。名指しは避けつつもアハマディネジャド大統領を非難した。
 イスラエルは同会議について「反ユダヤ的」として各国にボイコットを呼びかけてきた経緯があり、ネタニヤフ首相は同日、「世界はホロコーストの教訓を学んでいない」と述べた。


●イスラエル、虐殺疑惑で国連調査団受け入れ拒否決定
【カイロ=松尾博文・日経】イスラエル政府は28日の閣議でヨルダン川西岸ジェニンでの 虐殺疑惑解明の国連調査団を当面は受け入れないことを決めた。調査団の任務の範囲や調査結果の取り扱いについて国連との調整が終わっていないためとしている。
 イスラエルは調査団に軍事専門家を加えることや調査結果をもとに軍関係者が訴追されないようにすることを求めている。軍報道官は「国連と合意しておらず、調査団を入国させるわけにはいかない」と述べた。ペレス外相は閣議決定をジュネーブで待機している調査団に連絡。同日イスラエル入りを予定していた調査団は航空便をキャンセルした。
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経済から宗教まで、時代の先を読み解くための作業を人間活動のあらゆる分野にメスを入れて行います。
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