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時代の先読み
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日本の進むべき道
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我々の心構え
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◆3月27日
浜田靖一防衛相は以下の記事にあるように、北朝鮮がテポドン2号を発射した場合、「日本に落下する場合」迎撃ミサイルを発射せよ、という命令を出したという。北朝鮮側ではこれを人工衛星といっているから、発射されたからと言って、日本への攻撃だということで撃墜するわけには行かないし、かと言って、相手の言うがまま呆然と眺めているわけにもいかず、とりあえずできる限りの措置、という意味合いがある。
唯一懸念されることは、テポドン発射が成功せず、第1段目のロケットとか、付属物とかあるいはミサイル本体そのものが誤って日本に落下するケースで、その場合どうしても「破壊」することになりそうだが、一体本当に破壊できるのか、という問題がある。
いみじくも鴻池祥肇官房副長官が述べたように、ミサイルの迎撃は至難の業のはずだからだ。つまりミサイルが落下してくる時には、その速度はマッハ10から20ほどにもなるという。しかも弾頭の大きさは、バスケットボールほどだ。これでは迎撃ミサイルがタイミングをはずさないで爆発し落下する弾頭を破壊する確率はいったいどれほどのものになるのだろうか、と疑わざるを得ない。
アメリカではそれで、点として落下してくるミサイルを面で受けて迎撃するため空中で原爆を炸裂させる方法を考えている、と言われている。原爆ほどの強烈な爆発力でようやく相手のミサイルを捕らえ破壊することが可能ということなのだろう。
それに、今のシステムで仮にうまく撃ち落とせたとしても、オフィスや民家などに“ミサイルの破片”が雨あられのように降り注ぐ危険性があることが指摘されている。
だから、今回のミサイル騒動で、一番願わしいのは、北朝鮮の発射するミサイルが人工衛星打ち上げロケットで、確かに人工衛星が打ち上げられ、無事に軌道に入り、ミサイルは太平洋上のどこかに落下した、というケースであろう。少なくとも発射に成功し、日本領土に落下するような物体はなかった、というケースだ。
そうなれば、日本は迎撃ミサイルを発射しなくて済むし、また日本列島上空を通過した、ということ、更に安保理決議違反ということで、北朝鮮に対し、制裁を要求できる立場に立てるからだ。
反対にまずいケースは、北朝鮮のミサイルが発射に失敗し、実際に日本の領土内に落下してくるケースだ。これは「破壊」しなければならないが、「破壊」した結果、上記のように破片が降り注ぐことにでもなれば、却って「破壊」しないほうがまだよかった、などとなりかねず、しかもうまく破壊できなかった場合は当然大恥をかくことになり、北朝鮮に笑われるばかりか、日本を狙って撃ったミサイルでもないのに、それを破壊できなかったとすれば、日本を狙って爆弾を装填したミサイルが発射された場合、ますます破壊できないのではないか、その場合どうするのか、それにそもそもこのために投入した莫大な資金は無駄だったとならないか、という深刻な問題を提起することになる。
願わくは、北朝鮮のミサイル発射が「成功」しますように、と祈らざるを得ない、おかしな状況になった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●<北朝鮮ミサイル>破壊措置命令を発令 MD配備で初
3月27日 毎日新聞
政府は27日午前、国会内で安全保障会議(議長・麻生太郎首相)を開き、北朝鮮が「人工衛星打ち上げ」名目で長距離弾道ミサイル「テポドン2号」を発射した際の対処方針を決定した。これに基づき浜田靖一防衛相は、ミサイルが日本の領土や領海に落下する場合に備え、自衛隊法82条2の3項に基づく「破壊措置命令」を発令した。03年にミサイル防衛(MD)の整備が始まって以来、実際に発令するのは初めて。
麻生首相は安保会議で、「どのような形であれ、国民に被害が起きるような現象は断固阻止しないといけない。万全を期して対応するように」と関係閣僚に指示した。
3項による破壊措置命令は、弾道ミサイルや人工衛星などの飛しょう物体が、日本に落下してくる可能性が生じたものの、「飛来するおそれがある」と明確には言えない場合に発令される。北朝鮮が「人工衛星の打ち上げ」と称し、落下する可能性のある海域を国際機関に通知しており、日本に落下する可能性が高いとは言えないと判断した。
法律上は3項による破壊措置命令の発令時は公表する必要がない。しかし、北朝鮮が4月4~8日のいずれかの日の午前11時から午後4時の間に発射すると通告しており、政府は国民への十分な説明が必要と判断。実際に発射が確認された際にも、速やかに発表する方針だ。
あらかじめ閣議決定されているMD運用のための「緊急対処要領」に基づき、部隊は迎撃に備える。海上自衛隊は近く、海上配備型迎撃ミサイル(SM3)搭載のイージス艦「こんごう」「ちょうかい」の2隻を日本海に展開。航空自衛隊は、浜松基地(静岡県)の地上配備型迎撃ミサイル(PAC3)を、上空を通過する可能性がある秋田県・新屋演習場、岩手県・岩手山中演習場などに移動し、関東地方の高射部隊のPAC3も首都圏に配置される。
すでに、弾道ミサイルは発射台に設置されており、「気象条件が整えば4日に発射される可能性が高い」(政府高官)との見方が強まっている。
河村建夫官房長官は27日午前の記者会見で、「(ミサイルが)不具合で落下する場合を具体的に想定すると、通常は我が国の領域内に落下することはない。平常通りの生活を続けていただきたい」と国民に冷静に対応するよう呼び掛けた。そのうえで、「政府は万が一に備え関係機関が警戒態勢をとる。発射された場合は、速やかに情報は提供する」と強調した。【古本陽荘】
●鴻池氏:「弾同士当たるの困難」北朝鮮ミサイル迎撃
鴻池祥肇官房副長官は26日の参院予算委員会で、北朝鮮の長距離弾道ミサイルに対するミサイル防衛(MD)について「ピストルの弾同士が当たるのは、なかなか難しい」と答弁した。MDを巡っては政府高官が23日、「鉄砲を撃ってきたのを鉄砲で撃っても当たらない。(ミサイルを)撃ってきたら当たるわけがない」と発言しており、鴻池氏も同様の認識を示した形だ。
社民党の福島瑞穂党首が「ピストルの弾でピストルの弾を撃ち落とすことはできないという意見をどう考えるか」と鴻池氏の見解をただした。「今ここでお答えする立場ではない」とかわしていた鴻池氏だったが、「かつてこの発言をしたことがあるか」とたたみかけられ、最後には「私は難しいとは思っている」と認めた。【中田卓二】
●夜の首都圏PAC3配備、テポドン迎撃の落とし穴
2009年03月28日 内外タイムス
・・・
航空自衛隊は、陸自の秋田、岩手両駐屯地などにも30日まで配備し迎撃態勢を完了する予定。しかしながら、これで万事安心とはいかない。迎撃失敗の可能性はもちろん、仮にうまく撃ち落とせたとしても、オフィスや民家などに“ミサイルの破片”が雨あられのように降り注ぐ危険性があるからだ。市街地上空でPAC3で迎撃した場合、破片が拡散し、かえって被害が拡大する恐れが指摘されている。
こうした指摘について外薗健一朗航空幕僚長は27日の会見で「ミサイルの進入角度や気象状況によるので、一概にどういう結果かは予想できない」と述べた。つまり、ひとつ間違えば大惨事につながりかねないわけで、そんなあやふやな状況下でPAC3を配備されても何の気休めにもならないのである。・・・以下略
●ミサイル防衛の技術的可能性
http://www.nautilus.org/archives/nukepolicy/TMD-Conference/Imaipaper.txt
2000年12月21日
弾道弾迎撃ミサイルの主要な問題点は、突入してくるミサイルを迎撃するには核爆発を使用する、という点だ。・・・迎撃ミサイルにおける論点は、超音速で大気圏に突入してくる物体を捕捉する技術が低い場合、迫りくる弾頭を迎撃するにおいては、大規模な爆発力を持つ核兵器のみが破壊することができる、ということだ。・・・以下略
浜田靖一防衛相は以下の記事にあるように、北朝鮮がテポドン2号を発射した場合、「日本に落下する場合」迎撃ミサイルを発射せよ、という命令を出したという。北朝鮮側ではこれを人工衛星といっているから、発射されたからと言って、日本への攻撃だということで撃墜するわけには行かないし、かと言って、相手の言うがまま呆然と眺めているわけにもいかず、とりあえずできる限りの措置、という意味合いがある。
唯一懸念されることは、テポドン発射が成功せず、第1段目のロケットとか、付属物とかあるいはミサイル本体そのものが誤って日本に落下するケースで、その場合どうしても「破壊」することになりそうだが、一体本当に破壊できるのか、という問題がある。
いみじくも鴻池祥肇官房副長官が述べたように、ミサイルの迎撃は至難の業のはずだからだ。つまりミサイルが落下してくる時には、その速度はマッハ10から20ほどにもなるという。しかも弾頭の大きさは、バスケットボールほどだ。これでは迎撃ミサイルがタイミングをはずさないで爆発し落下する弾頭を破壊する確率はいったいどれほどのものになるのだろうか、と疑わざるを得ない。
アメリカではそれで、点として落下してくるミサイルを面で受けて迎撃するため空中で原爆を炸裂させる方法を考えている、と言われている。原爆ほどの強烈な爆発力でようやく相手のミサイルを捕らえ破壊することが可能ということなのだろう。
それに、今のシステムで仮にうまく撃ち落とせたとしても、オフィスや民家などに“ミサイルの破片”が雨あられのように降り注ぐ危険性があることが指摘されている。
だから、今回のミサイル騒動で、一番願わしいのは、北朝鮮の発射するミサイルが人工衛星打ち上げロケットで、確かに人工衛星が打ち上げられ、無事に軌道に入り、ミサイルは太平洋上のどこかに落下した、というケースであろう。少なくとも発射に成功し、日本領土に落下するような物体はなかった、というケースだ。
そうなれば、日本は迎撃ミサイルを発射しなくて済むし、また日本列島上空を通過した、ということ、更に安保理決議違反ということで、北朝鮮に対し、制裁を要求できる立場に立てるからだ。
反対にまずいケースは、北朝鮮のミサイルが発射に失敗し、実際に日本の領土内に落下してくるケースだ。これは「破壊」しなければならないが、「破壊」した結果、上記のように破片が降り注ぐことにでもなれば、却って「破壊」しないほうがまだよかった、などとなりかねず、しかもうまく破壊できなかった場合は当然大恥をかくことになり、北朝鮮に笑われるばかりか、日本を狙って撃ったミサイルでもないのに、それを破壊できなかったとすれば、日本を狙って爆弾を装填したミサイルが発射された場合、ますます破壊できないのではないか、その場合どうするのか、それにそもそもこのために投入した莫大な資金は無駄だったとならないか、という深刻な問題を提起することになる。
願わくは、北朝鮮のミサイル発射が「成功」しますように、と祈らざるを得ない、おかしな状況になった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●<北朝鮮ミサイル>破壊措置命令を発令 MD配備で初
3月27日 毎日新聞
政府は27日午前、国会内で安全保障会議(議長・麻生太郎首相)を開き、北朝鮮が「人工衛星打ち上げ」名目で長距離弾道ミサイル「テポドン2号」を発射した際の対処方針を決定した。これに基づき浜田靖一防衛相は、ミサイルが日本の領土や領海に落下する場合に備え、自衛隊法82条2の3項に基づく「破壊措置命令」を発令した。03年にミサイル防衛(MD)の整備が始まって以来、実際に発令するのは初めて。
麻生首相は安保会議で、「どのような形であれ、国民に被害が起きるような現象は断固阻止しないといけない。万全を期して対応するように」と関係閣僚に指示した。
3項による破壊措置命令は、弾道ミサイルや人工衛星などの飛しょう物体が、日本に落下してくる可能性が生じたものの、「飛来するおそれがある」と明確には言えない場合に発令される。北朝鮮が「人工衛星の打ち上げ」と称し、落下する可能性のある海域を国際機関に通知しており、日本に落下する可能性が高いとは言えないと判断した。
法律上は3項による破壊措置命令の発令時は公表する必要がない。しかし、北朝鮮が4月4~8日のいずれかの日の午前11時から午後4時の間に発射すると通告しており、政府は国民への十分な説明が必要と判断。実際に発射が確認された際にも、速やかに発表する方針だ。
あらかじめ閣議決定されているMD運用のための「緊急対処要領」に基づき、部隊は迎撃に備える。海上自衛隊は近く、海上配備型迎撃ミサイル(SM3)搭載のイージス艦「こんごう」「ちょうかい」の2隻を日本海に展開。航空自衛隊は、浜松基地(静岡県)の地上配備型迎撃ミサイル(PAC3)を、上空を通過する可能性がある秋田県・新屋演習場、岩手県・岩手山中演習場などに移動し、関東地方の高射部隊のPAC3も首都圏に配置される。
すでに、弾道ミサイルは発射台に設置されており、「気象条件が整えば4日に発射される可能性が高い」(政府高官)との見方が強まっている。
河村建夫官房長官は27日午前の記者会見で、「(ミサイルが)不具合で落下する場合を具体的に想定すると、通常は我が国の領域内に落下することはない。平常通りの生活を続けていただきたい」と国民に冷静に対応するよう呼び掛けた。そのうえで、「政府は万が一に備え関係機関が警戒態勢をとる。発射された場合は、速やかに情報は提供する」と強調した。【古本陽荘】
●鴻池氏:「弾同士当たるの困難」北朝鮮ミサイル迎撃
鴻池祥肇官房副長官は26日の参院予算委員会で、北朝鮮の長距離弾道ミサイルに対するミサイル防衛(MD)について「ピストルの弾同士が当たるのは、なかなか難しい」と答弁した。MDを巡っては政府高官が23日、「鉄砲を撃ってきたのを鉄砲で撃っても当たらない。(ミサイルを)撃ってきたら当たるわけがない」と発言しており、鴻池氏も同様の認識を示した形だ。
社民党の福島瑞穂党首が「ピストルの弾でピストルの弾を撃ち落とすことはできないという意見をどう考えるか」と鴻池氏の見解をただした。「今ここでお答えする立場ではない」とかわしていた鴻池氏だったが、「かつてこの発言をしたことがあるか」とたたみかけられ、最後には「私は難しいとは思っている」と認めた。【中田卓二】
●夜の首都圏PAC3配備、テポドン迎撃の落とし穴
2009年03月28日 内外タイムス
・・・
航空自衛隊は、陸自の秋田、岩手両駐屯地などにも30日まで配備し迎撃態勢を完了する予定。しかしながら、これで万事安心とはいかない。迎撃失敗の可能性はもちろん、仮にうまく撃ち落とせたとしても、オフィスや民家などに“ミサイルの破片”が雨あられのように降り注ぐ危険性があるからだ。市街地上空でPAC3で迎撃した場合、破片が拡散し、かえって被害が拡大する恐れが指摘されている。
こうした指摘について外薗健一朗航空幕僚長は27日の会見で「ミサイルの進入角度や気象状況によるので、一概にどういう結果かは予想できない」と述べた。つまり、ひとつ間違えば大惨事につながりかねないわけで、そんなあやふやな状況下でPAC3を配備されても何の気休めにもならないのである。・・・以下略
●ミサイル防衛の技術的可能性
http://www.nautilus.org/archives/nukepolicy/TMD-Conference/Imaipaper.txt
2000年12月21日
弾道弾迎撃ミサイルの主要な問題点は、突入してくるミサイルを迎撃するには核爆発を使用する、という点だ。・・・迎撃ミサイルにおける論点は、超音速で大気圏に突入してくる物体を捕捉する技術が低い場合、迫りくる弾頭を迎撃するにおいては、大規模な爆発力を持つ核兵器のみが破壊することができる、ということだ。・・・以下略
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