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リチャード・クック氏
◆12月11日
アメリカの連邦準備制度が1913年に設立された以来、アメリカではこの機関がアメリカの通貨政策を仕切ってきたが、実はこの連邦準備制度なるものが、主にヨーロッパのそれもユダヤ系を中心とする大銀行の出資する民間会社として出発したということを当のアメリカ人が知らないでいる。
そもそも銀行は貸出しする時、まずは人の預けた金の90%を貸出し、利子を取る。貸し出された金は、めぐって再び銀行口座に預けられるから、その預けられた金のまた90%が貸出しに回る。それに対しても利子を取る。これの繰り返しで、結局銀行は、自分はなんらの商品も創造しないまま、ほぼ濡れ手で粟の利益を得る。連邦準備制度はこれを政府に対して行うし、その他の銀行に対しても行うから、これほど儲かるところはない。
100年近くかかって、一体どれほどの利益を彼らは上げたのであろうか。アメリカは現在、一人当たり下記のリチャード・クック氏によれば、20万ドルの借金を抱えていることになる。これは返せる額ではないだろう。
これの対策として、氏は持論でもある地方自治体などの発行する補助通貨の発行を提案している。これは自身で発行するもので、借金ではない。通貨が交換のための媒体である、という原点に戻ればそれが可能である、という。
実は日本でも政府発行紙幣というものが一時語られた。税収より国債発行額の方が大きくなる今の現状に対して、できるだけ国債という借金を少なくしたいと考えることは理解できるが、ここで政府が貨幣を発行し、それを日銀が買い取り、その日銀の資金で、民需を起こすことで問題は解決に向かうはずなのだ。それをやらない、あるいはやらないのは、外国の目を気にしているとしか思えない。インフレになる、という者がいるが、インフレ結構ではないか。今デフレだと大騒ぎしていて、これに全員が頭を悩ましているのだから。また円高だといってこれにも悩んでいるのだから、一挙両得どころか三得以上になるのだ。
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●2009年-2010年:経済的岐路
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=16489
【12月10日 by Richard C Cook】
2008年から09年に掛けての危機はアメリカの金融システムが不安定であることを示し、それが乱用の対象であり、金持ちには有利だが、その他の全ての人々を更なる負債へと追い込んだことを暴露した。
住宅バブルは、歴史上最大級のクレジット・インフレーションを基礎にしたものであった。それは住宅価格を空前のレベルに押し上げたが、それが崩壊した時には、もっとも深刻なリセッションを生み出した。6兆ドルの資産がまさに消滅したのだ。
その間、規制されない世界資本主義は富の蓄積を継続し、労賃のもっとも安い市場へ仕事のアウトソーシングを行い、結果、アメリカの失業率を上げ、地方、地域の経済の破壊を促進した。
リセッションが穏やかな回復を示しても、それは失業状態の多様化であり、安い賃金の仕事がある、アメリカは歴史的なもっとも無駄使いの財源中心、負債志向経済のままであろう。戦争支出予算では1兆ドルは足りないのだ。
回復への歩みは、連邦政府予算の毎年1兆4000億ドルの赤字のため、国債発行を異常に増やすことで、元気づけられた。これはしかし、アメリカ経済が国民一人一人(子供も含め)にほぼ20万ドルの負債を課していることになる。
あらゆる部門での巨大な政府の負債は、ケインズ主義経済の推進力としての政府雇用に依存するやり方と一緒になって、政府の税と手数料の総計を上げて、個人の収入の40%から50%にまでなっている。
「部屋にいる象」は負債に根拠を置く通貨システムで連邦準備制度によって進められているものだ。これは、1913年に考えられて以来、アメリカの通貨供給を、政府の赤字に対する貸出しも含めて、銀行貸出しに殆ど全部を任せるようにさせた。連邦準備制度法は、銀行システムに無から通貨を創造するということと、その貸出しから金利を取るという驚くべき特権を与えた。連邦政府はこの銀行システム、信託基金、投資家に対し、外国政府も含めて、ほぼ毎年金利だけで、4000万ドルを支払っている。
もしも今の金利と税をそれに加えれば、おそらくアメリカのGDPの半分がそれで消えてしまうことになるだろう。
1971年の金本位制の最終的な消滅は、ドルの価値の客観的な尺度をなくしてしまった。以来、ドルは85%の価値を喪失した。巧みな説明にもかかわらず、政府と連邦準備制度は、価値の下がったドルによって負債を削減するため通貨のインフレを起こしたことになるのだ。
議会の何人かの議員は、連邦準備制度を制御しようと図ったが、今のところそれは成功していない。通貨改革に対する多くの提案はあらゆるところから寄せられているが、連邦準備制度の権力と銀行システムによる、今の現状を維持しようとする力は巨大である。
大きな政府とケインズ的な負債を基礎とする金融システムと共に、特権を持つ大銀行が行使してきた力で、我々は、通貨とは、製造者が商品とサービスを交換する際の媒体である、と見なされていた歴史の時期のことをすっかり忘れてしまった。1913年前は、通貨の創造と使用は、ずっと中央集権化されておらず、主に市場で使用されていたのだ。
通貨の真の目的と意義は、大恐慌の時、再発見された。多くのビジネスと地方の管轄区域で彼ら自身の通貨を仮証券として発行したのだ。仮証券は、人々が法定通貨として受理を強制される銀行が創造する不換紙幣より通貨の安定的な形式である。同じことが、貿易交換で使用される自己発行の「貿易単位」にも言える。
今日、似たような動きが合法的な補助通貨の創造と使用ということを通じて始まっている。本当の経済民主主義と地方・地域の経済安定化をもたらすという目標に近いものを達成する希望があるものとしてそれがベストであろう。これを擁護する者たちは、政府に働きかけて、税の支払いでこの補助通貨を受け入れるようさせるべきだ。
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