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トルコのエルドアン首相
◆5月13日
シリアとの国境に近いトルコの町で車爆弾が2度爆発し、46人の死者が出た。これに対し、トルコのエルドアン首相は証拠を挙げないまま、シリアの情報機関が関わった、とシリアを非難した。
これは状況を知る者たちが見れば、全くの言いがかりであり、むしろ偽旗作戦(自作自演工作)の臭いさえあると言えるのである。もう何回もやられていることだが、シリアを非難されるべき状況に置く事で、「国際社会」の軍事的介入を誘う、という工作である。もう見え見えではないだろうか?
下記のインタビューでもトルコの中東専門の教授が、その点を指摘している。シリアでは政府軍がこのところ攻勢に出ており、反政府グループ側は多大な損害に苦しんでいるから、親分衆の助けが必要なので、欧米側、トルコなどの政府の直接軍事介入を引き出したい、と見られても仕方ない状況なのだ。
トルコ政府はシリアの情報機関が関わっているという証拠がある、と言っているようだが、それが何かは示されていない。それを早く示すべきであろう。また今週、エルドアン首相はオバマ大統領と会談を予定しているというから、そこからも何か動きが出てくるかもしれない。
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●アメリカの同意なければ、トルコはシリア攻撃はしない
http://rt.com/op-edge/turkey-syria-us-blessing-178/
【5月12日 Russia Today】
厳しい言論戦をしているトルコだが、シリアのアサド政権に対する攻撃は、アメリカの同意がなければ行わない、と中東専門家のジェレミー・ソルトがロシア・トゥデイ紙に語った。
トルコ当局は11日のシリア国境に近い町での車爆弾事件の容疑者として9人を拘束した。
二つの爆発で46人が死亡、100人以上が負傷したため、トルコはシリアの情報局が犯人であると非難したが、シリアはこれら一切の非難内容を否認した。
トルコのビルケント大学の中東の歴史と政治の教授であるジェレミー・ソルトは、シリア反政府勢力の中のイスラム主義者だけが、今回の攻撃による利益を得る者たちである、と語った。
ロシア・トゥデイ(RT):捜査さえまだ始まっていない状態で、トルコ政府はシリア政府が「いつもの連中」であると決め付けたのか?
ジェレミー・ソルト(JS):トルコ政府は9人を拘束したといっているのと、証拠があるといっている。シリアの情報機関と関係のある者たちだというのだ。しかし我々はその証拠というものをまだ見ていない。我々はそれが何を意味するのか、待つしかない。この段階では、シリアがあのようなことをすると考えるのは困難である。それが今シリアで何ガ起きているか見れば分かるだろう。現在シリア政府軍は反乱勢力を駆逐しつつある。反乱勢力側はこの数ヶ月で、膨大な損失を経験している。特に、ダマスカス近郊、レバノン国境付近、アレッポのハラブでさえそうだ。更には、アメリカ人はペースを落としてきていて、ロシアとこの問題を解決するため交渉をしようとしている。だから、シリアがこのようなことをする意味がないのだ。
RT:この数時間、シリアの情報相は、「アルカイダと一緒に危険なゲーム」を行うことで、トルコのエルドアン首相が今回の事件の責任を負うべき存在だ、と語ったが、どういう意味か?
JS:我々は事実としては、シリア内での主要なイスラム主義グループは、イラクのアルカイダとシリアのハブハト・アル・ヌスラは同じことだ、ということを知っている。そしてシリア内の戦闘集団は皆、イスラム主義者であり、彼らは戦術的にはジャブハト・アル・ヌスラと共にやっている。だから、シリアにはアルカイダがいることになる。我々はそのことは分かっている。それは既に立証されたことだ。しかし、そのことは初めから疑われていたことだったのだ。我々が目の前で見ていることは、この問題を誰のせいにするか、と言う点で見解がああだこうだと定まらない、ということだ。私の感じでは、今回のこの爆発の下手人は、反政府武装グループのどこかがやったということだ。それは、外部から介入してもらいたければ、事態を過熱させる必要性があるからで、それは彼らだからだ。彼らは現在、非常に深刻な状態にある。
RT:トルコの内務相は国際社会にシリアのアサド政権に対して立ち上がるよう要請している。こういったことはロシア、アメリカ、イギリスが提案している和平へ向けた努力に水をさすことにならないか?
JS:重要な事は、彼ら(国際社会)は2年以上にわたって深く関わってきていることで、彼らのシリア政権の転覆という目標は成就できていない、ということだ。だから、彼らは同じことを繰り返しているところがある。しかし、シリア政府を倒せるという見込みは、外国政府の直接的介入が無ければ、実際はありえない。アサド政権の強調している点は、シリア軍である。シリア軍は戦闘を進めているが、これは国家プロジェクトである。そしてシリア軍の兵士らは主流はスンニー派イスラム教徒なのだ。彼らは民族精神を持っている。そして、外国の政府がますますやっきになって武器を送り、飛行禁止空域を宣言したりすることは事態を悪化させるだけなのだ。
今必要なことは、解決を目指す交渉を進めることだ。オバマ政権が取った道はそれだ、何にもまして、化学兵器プロパガンダやイスラエルの攻撃などを最近数週間我々はみているが、オバマ政権はこの問題でこの紛争に介入させられるとは思わない。
RT:トルコは今回の事件に対するに、「全ての手段」を講じるだろう、と言っている。それは何であろうか?
JS:このことは深刻に捉えるべきであるが、エルドアン首相は今週、ワシントンを訪問する。そしてシリア問題が最重要事項として話し合われるであろう。そして私の感じでは、トルコはオバマが噛まない限り、自ら勝手に何かすることは無いだろう、ということだ。オバマがシリア問題でアメリカを介入させるようなことをしなければ、トルコが何かやるとは思わない。
問題は、どんな証拠がでてくるのか、ということだ。シリアの情報機関によって今回の事件が起きた、と納得できるようなことを示す証拠がでてくるのかどうか。だから、まだ分からないことが多すぎる。全てはこのワシントンでのオバマとエルドアンの会談の行方に掛かっているだろう。
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