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上海協力機構首脳会議

◆6月17日

 15日、16日とロシアのエカテリンブルクで行われた上海協力機構(SCO)の会議で、米ドルに代わる新たな準備通貨の創設の発言が相次いでなされたというし、その他、カザフスタンのナザルバエフ大統領も上海協力機構域内で加盟国通貨のバスケットによる決済単位の創設を提案した、という。いずれも米ドルに対する圧力となりその価値の下落につながる動きとなり、米ドルに対する包囲網が敷かれてきた観がする。

 この上海協力機構と同時に開催された、BRICs首脳会議では、米ドルに代わる基軸通貨創設に熱心なロシアと違って、米ドルの価値の崩壊は避けたいとする中国やインドからは、その件についての積極的な意見は見られず、メドベージェフ・ロシア大統領もその件を会議に持ち出すことをしなかったようだ。 
 しかし公式声明には盛り込まれていないのだが、BRICs4カ国(ブラジル、ロシア、インド、中国)の首脳は財務省・中央銀行に対し、準備通貨に関する提案に取り組むよう指示した、という。さらに、4カ国の首脳は域内貿易での自国通貨による決済拡大に向け提案をまとめるよう求めた、という。
 この域内貿易での自国通貨による決済拡大とは、既にこのブログの5月22日号の「ブラジルと中国はドル使用中止を目指す」で示したような、相互の通貨で貿易決済を行う動きであり、ドル決済をしない、ということで、ドルに対する需要が減少し、ドルの価値低下につながる動きである、と指摘した。
 
 このSCO会議にオブザーバーとして、自国で大規模なデモが行われているイランからアフマディネジャド大統領も参加したが、このイランでは原油取引をドル以外の通貨で決済を行っているし、ロシアも同様である。このようなドルを貿易決済通貨として使用しないという動きは南米でも進んできている。
 従ってこのようなロシア・中国を中心とする欧米以外の勢力が確実にドルの支配体制を覆す実際的な動きを強めてきているため、早晩ドルの下落は避けられない、と見なければならないだろう。


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●金融分野で協力強化
北に自制求める―上海協力機構
【6月16日時事】
 中ロと中央アジア4カ国で構成する上海協力機構(SCO)は16日、ロシア・エカテリンブルクで首脳会議を開き、金融危機克服に向けた金融分野での協力強化やアフガニスタン情勢安定化への努力などをうたった共同宣言を採択した。宣言は核実験を行った北朝鮮に朝鮮半島非核化に向けた交渉再開も呼び掛けた。
 宣言は「国際金融の管理運営で国際的協力の活発化が必要」と強調。上海協力機構として「公平で対等、包括的な国際金融秩序」の形成を目指す方針を示した。
 宣言はまた、北朝鮮に自制を求め、「過去の合意に基づき、相互に受け入れ可能な解決策を引き続き模索するよう呼び掛ける」と述べた。会議終了後に記者会見したメドベージェフ・ロシア大統領は「国際社会に脅威となる北朝鮮の行動は受け入れられない」と批判した。
 会議では各国首脳から米ドル基軸体制に代わる新秩序構築を求める演説が相次いだ。メドベージェフ大統領は「米ドルだけでなく、新たな準備通貨の創設による国際金融制度の強化が必要」と強調。カザフスタンのナザルバエフ大統領も上海協力機構域内で加盟国通貨のバスケットによる決済単位の創設を提案した。
 ただ、中国の胡錦濤国家主席は、加盟国の金融対話と通過政策の協調の必要性を訴えたものの、ドルに代わる決済通貨の創設には触れなかった。



●BRICs首脳、財務省・中銀に準備通貨に関する提案とりまとめ指示
=ロシア代表筋
6月17日4時51分配信 ロイター
 [エカテリンブルク 16日 ロイター] ブラジル・ロシア・インド・中国のBRICs4カ国の首脳は財務省・中央銀行に対し、準備通貨に関する提案に取り組むよう指示した。ロシア代表筋が16日、ロイターに明らかにした。
 当地で開催されたBRICsサミットの共同声明には盛り込まれていない。同筋によると、4カ国の首脳はまた、域内貿易での自国通貨による決済拡大に向け提案をまとめるよう求めた。


●BRICs首脳会議、国際金融制度改革推進を声明 存在感誇示
【6月17日 産経新聞】
 新興4カ国「BRICs」(ブラジル、ロシア、インド、中国)による初の公式首脳会議が16日、ロシア中部のエカテリンブルクで行われ、「世界経済の変化を反映した国際金融制度の改革を進める」ことを柱とする共同声明を採択した。 世界経済の15%、人口の42%を占める新勢力として、経済分野での国際的な発言力を高める姿勢を誇示した形だ。ただ、4カ国の経済構造・規模は大きく異なる上にBRICsやドル基軸体制をめぐる温度差も色濃く、この枠組みの将来像はいまだ不透明でもある。
 イタル・タス通信によると、共同声明は「移行経済国と発展途上国は国際金融制度においてより大きな発言権を持つべきだ」とし、先進国には国内総所得(GDI)の0.7%を途上国の支援に割り当てることを求めた。ロシアのメドベージェフ大統領は会合後の記者会見でBRICsの役割を「国際社会における集団的な原則を強化し、より公平なメカニズムをつくることだ」と語った。
 また、会合に先立つロシア大統領側近の説明によれば、4カ国は計3兆ドル(290兆円)にのぼる外貨準備を各国通貨で持ち合うことも議論したとみられる。
 しかし、BRICsと呼ばれる枠内でも中国の国内総生産(GDP)が他の3カ国分に匹敵するなど突出しており、金融危機後の成長ペースでも生産・サービス業型の中国とインドが資源輸出や農業に依存するロシアとブラジルに差をつけると予測されている。
 ロシアとブラジルがBRICsの枠組みづくりに熱心で米ドル基軸への対抗心をあらわにしてきたのに対し、中国とインドにはドル崩壊への警戒も強い。ロシアは今回の首脳会議で、「超国家通貨の創設」といった従来の主張を収めざるを得なかった。
 各国間には経済摩擦や政治体制の違いもあり、BRICsが近い将来、一つの集合体として実質的機能を持ち得るかには否定的な見方も少なくない。
 BRICs 近年、台頭してきた新興国で、ブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)の4カ国の頭文字を並べて名付けられた。いずれも広大な国土や豊富な天然資源、労働力を抱え、高度成長を実現して世界経済に占める割合も高まっている。南アフリカ(South Africa)を含め「BRICS」と呼ばれることもある。

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