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BBCが反政府デモと紹介した政府支持デモ
◆6月19日
イランの騒乱が収まらない。現在はデモ最中に死亡した人々に対する哀悼の意を示す追悼デモとなっているが、いつまたそれが過激なデモに変化するかわからない。
このような民衆の不満が爆発し、政府に対する暴力的デモになった場合、状況が思わぬ事態に変化する場合があり、例えば今年で20周年を迎えた中国の天安門事件などもその例の一つだし、前にも書いたが、ヨーロッパでの一連の「カラー革命」といわれるものも政権交代という状況を生み出したことがあった。
そんな中、各国の態度に温度差があることは当然であるが、フランスのサルコジ大統領の言動には偽善者の顔を見る思いだということを指摘したい。
以下の記事にあるように、彼はイランの今回の結果になんらの根拠も示さず、「忌むべきニュース」と断罪し、「大規模な不正行為」は「暴力的反応と比例する」と述べ、7人が死亡した抗議デモへの弾圧ぶりも非難した、という。
馬鹿を言ってはいけない。
許可されていないデモを最初は静観していたのは当局の方である。しかし車に火をつけたりしてそのデモが暴力的にエスカレートしたため、「弾圧」行動に移らざるを得なくなっただけである。
そもそもサルコジ氏は、自分がフランスの内務大臣だった頃、また大統領になってからも、政府に不満のアラブ系移民の若者たちの行動に「大弾圧」で臨んだ張本人ではないか。「大規模な不正行為」は「暴力的反応と比例する」ならば、あの暴力的若者のもともとの原因は、自分の「大規模な不正」であったはずであろう。
そのような自分のことは棚に上げ、イラン政府が法的に治安維持行動に移ったことを非難しても物事を知っている者達には通じない話である。だから、サルコジ氏をわたしは偽善者、というのである。
イランの改革派は、選挙で勝ったのは自分たちなのに、大統領とそれを支持する現政府側が不正を働いて結果を翻した、と言っているが、選挙前の世論調査などでも、現職のアフマディネジャド大統領の方が60%以上で勝っていたのであり、選挙はそれをほぼ忠実に現実の結果として表した、と考えられるのだから、デモの根拠さえ実は存在しない状況なのだ。
しかし、例えばBBCなどは、政府支持のデモを「反政府のデモ」などと説明したようで、欧米のメディアもユダヤ系の影響力の下で、イスラエルが喜びそうな報道をしているような様子であることも情けないことである。
ヨーロッパの「カラー革命」といわれるものも、大方はアメリカのCIAの設立したNGOやNPOの肩入れで進められたものだし、特にグルジアのバラ革命は、ジョージ・ソロス氏の40億円という資金が投入されて行われたものだ、とこのブログで指摘した通りである。
このような事態をイラン政府も知っているから、インターネットに対する規制などを行わざるを得ず、今のところ明確な証拠がないから外国を非難するところまで行っていないが、証拠をつかめばそういうことが発表される可能性が高い。
オバマ大統領がカイロの大学で発表したように、「各国にはそれぞれの文化に応じたやり方がある」というとおり、イランの民主主義の仕方が、欧米のやり方と違うからといって、それが「忌むべきニュース」とは言えない。もし不正があったならば、まずその証拠を示すべきであり、それなしに、ある国の状況に対する非難の言動は、ためにする、ものと思われても仕方ない。
サルコジ氏はユダヤ系であり、彼の大統領当選には、CIAが大きくかかわったと指摘され、それを指摘したジャーナリストは身辺の危険を感じてフランスを出国せざるを得なくなっているような国にしたのが、このサルコジ氏である。
身辺に危険を感じるほど、このジャーナリストの指摘は正鵠を得ていた、ということなのであろう。そんなサルコジ氏であればこそ、イランの今度の選挙結果は受け入れがたかったのであろうし、同じ立場に立つ反政府側のデモを支持し、またそれを「弾圧」するイラン政府を激しく非難するのであろう。
「忌むべきニュース」とは、氏がフランス大統領になってしまった状況の方である。
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●イラン騒乱 各国の思惑 割れる反応
【6月19日 産経新聞】
改革派支持者らの大規模デモを誘発したイラン大統領選挙の結果について、主要国首脳の反応が割れている。アフマディネジャド大統領の再選を歓迎する中国、ロシアとは対照的に、フランスのサルコジ大統領は「選挙不正」を公然と非難。国内から厳しい態度で臨むよう圧力を受けているオバマ米大統領は内政不干渉の原則とのバランスに苦慮している。各国首脳の態度には内政や経済への影響を含め、イランとの“関係”をどう利用していくかという思惑の違いが投影されている。
・・・
■フランス 人権国家の自負 明確に非難
イランの強硬保守派アフマディネジャド大統領の「圧勝」に対し、米英などが「疑問が残る」と慎重な表現で批判する中、フランスのサルコジ大統領は「忌むべきニュース」と明確に非難した。大統領の激しい気性という個人的資質に加え、人権国家フランスの自負や独自外交の伝統が背景にありそうだ。
サルコジ大統領は16日に移動先のガボンで、「大規模な不正行為」は「暴力的反応と比例する」と述べ、7人が死亡した抗議デモへの弾圧ぶりも非難した。17日の閣議でも、「非常に懸念すべき状況」などと述べてイランへの非難を繰り返した。
通常はこうした大統領の歯に衣(きぬ)着せぬ表現や強硬な態度に反発する社会党をはじめ、野党も左派系メディアも対イランでは大統領同様に強硬路線だ。フランス革命を祖とする人権国家フランスとして、イランの「圧政」は許しがたいとの認識で一致しているからだ。
一方、フランスは伝統的に米国の一極支配に抵抗して独自外交を貫いてきた。オバマ米大統領が対イラン外交の方針を決めかねているようにみえる現在、イランと同国の核問題の交渉を担っている国連安保理常任理事国にドイツを加えた6カ国による協議で主導権を握りたいとの思惑も垣間見える。
●イラン人は求めている
【6月15日 ワシントン・ポスト紙 】
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/06/14/AR2009061401757.html
イランの選挙結果は、イラン人の考えを反映したもののようだ。多くの専門家らは、アフマディネジャド大統領の勝利は操作や不正行為の結果だと主張するが、我々の3週間前の世論調査はアフマディネジャド大統領が2対1の割合で勝っていた。12日の選挙で示された実際の票差より更に大きな開きを示していたのだ。・・・以下略
●フランスで年金制度改悪、若者暴動へ
2008/1/3(木)NO=VOX(声なき者)アニー・プールさんに聞く
http://www.jimmin.com/doc/0820.htm
「サルコジ大統領に絶望した若者たちが、銃を持って反乱を始めた」こんなショッキングな実態を語ってくれたのは、一一月三〇日に来日したアニープールさん。NO=VOX(声なき者)メンバーで、ATTACフランスの運営委員も務める。一四才から社会運動に参加し、現在は、パリ郊外で貧困者の居住権獲得のための運動を担っている。
一一月に入って仏は、三〇万人が参加したゼネストや若者暴動など、政権への批判が高まっている。サルコジ政権下の仏社会運動について聞いた。(編集部)
治安部隊として軍隊が出動
今回の若者暴動は、以前のものとは明らかに違います。組織的で先鋭化しています。五月に行われた大統領選挙で郊外の貧困地域では、多くの若者がサルコジ氏に投票しました。サルコジ氏は、選挙期間中、既得権益の枠組みを痛烈に批判し、一方でフランス人としての誇りやアイデンティティを喚起する選挙戦術をとりました。貧困と差別の中に捨て置かれていた若者たちは、ある種のカタルシスを感じ、変化を求めてサルコジ氏に希望を託したのです。郊外の貧困な若者たちの投票率はかつてなく高いものでした。
しかしサルコジ氏は新自由主義派ですから、彼らの生活を改善するような具体的な社会政策はもち合わせていません。このためサルコジ氏に対する支持は、たちまち失われました。さらに彼は、彼らへの暴力的弾圧を強めたのです。警察官に加えて軍隊を出動させ、治安弾圧の前面に軍が登場したのです。
弾圧強化は、郊外だけではなく全国的です。パリ市内の銀行通りで、ホームレス家族が占拠した空きビルから強制排除され、四〇日間にわたって再入居を求めて道路を占拠して闘いました。彼らを包囲し排除したのも軍隊でした。
サルコジ大統領への期待が絶望へと変わり、弾圧が強化される中、一一月の若者暴動は、車をひっくり返して火をつけるという程度の暴動から、銃火器による対抗暴力へと変化しています。暴動というよりも蜂起に近い状態です。
ピストルなどの銃火器は、ギャングなど犯罪者集団が提供しているようです。これまでの若者暴動は、ギャングとは明確に一線を画していましたが、サルコジ後、ギャングが暴動を繰り返してきた若者と結びつき、警察・軍隊への組織的対抗暴力へと変化したようです。
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