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上海協力機構標章

◆6月15日

 15日、16日とロシアのエカテリンブルグで、上海協力機構の首脳会談が行われる。イランの再選されたアハマディネジャド大統領はオブザーバーとして参加予定であったが、自国で起きている紛争のため参加が危ぶまれているが、今年はそれでもこのイランのほかに、オブザーバーとして、アフガン、インド、パキスタン、モンゴルが参加する。

 これらの国と正式メンバー国である、ロシア、中国、それに中央アジアの諸国を加えれば、ユーラシア大陸のかなりの部分を占める国々をまとめる国際機構となるのが分かる。 当然この機構の役割なり、目標なりが気になるのだが、どうも大きすぎることでまとまりに欠け、統一的な目標なり動きなりがなかなか取れないでいるようだ。

 それでも今回パキスタンが正式メンバーになる意向を表明し、機構の拡大が必然的になりつつある。細かい差異は無視してこの機構が存続・拡大していけば、地政学的に欧米がもくろむ、リムランド(ユーラシア大陸周辺)からのハートランド(ユーラシア大陸中心部分)への包囲という戦略も頓挫することになり、それはそれで構成メンバー国の利益になるだろう。
 また今回の会議で、パキスタン首脳とインド首脳とが相まみえる機会を得て2国家間の会談の場にもなりそうで、こういった地域をまとめる機構内で、2国家間の紛争の解決について話し合うという機会が得られやすくなるわけだから、これだけでもSCOの存在意義はあるのかもしれない。
 
 ロシアはこのSCO構成国からなるCSTO((The Collective Security Treaty Organization )という安全保障機構を作っていこうとしている。このCSTOについては、既に5月29日号で書いたように、NATOに対抗する組織であり、ようするにEUとNATOの関係が、SCOとCSTOとの関係に相対されることになるのだ。従って、NATOの東進もここで限界を迎えることになる。そして丁度この2つのブロックの境界線上に位置するのが、グルジアなどの数カ国で、かれらの運命もこの2つのブロックの力関係で左右されることになるだろう。


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●パキスタン:上海協力機構に参加意思あり
【6月15日RIA Novosti】
 パキスタンは、ロシアで開催される上海協力機構(SCO)の会議前、ロシアのビジネス新聞とのインタビューで、同国大統領が同機構に参加する意向を示した。
 上海協力機構は、ロシア、中国、そのた中央アジア諸国からなっていて、パキスタンは現在オブザーバー資格で参加している。同機構の会議はロシアのエカテリンブルグで15日から2日間の予定で開催される。
 アシフ・アリ・ザルダリ大統領は、コメルサント紙に対し、この同盟機構にパキスタンが正式に参加することは重要だ、と語った。
 「我々は、この機構は地域の安全保障と信頼を固める上で重要であるし、経済協力に貢献する、と認識している。 我々は正式メンバーとしてこの機構に参加することになるだろうし、この機構の目的と使命の達成に向けて、応分の貢献を果たしていくことになるだろう」と語った。
 パキスタンは、同じくオブザーバーとして参加しているインド、イラン、モンゴルの代表団に参加することになる。
 この機構のメンバー国は、ロシア、中国、カザフスタン、タジキスタン、キルギス、ウズベキスタン。中心的には安全保障問題を扱ってきたが、経済・エネルギー分野、そして北朝鮮問題にもその範囲を広げてきている。
 ロシア人アナリストは先週、上海協力機構の拡大は長く複雑な路程をたどってきた、と語った。
 モスクワにある国際的大学の学長で、ポリティー・ファンデイション理事長である、ヴァチスラブ・ニコノフ氏は、「SCOの拡大は、政治日程には入っていない。しかし関連した話し合いは当然可能である。拡大されたSCOはより一層影響力を増すことになるだろう。ただし拡大することは長く複雑なプロセスとなろう」
 彼は、SCOのオブザーバーは、かなり異なった背景を持つ国々であり、その関心もさまざまだ、と言う。
 「たとえば、イランは自国の安全保障を増すと考えているから正式メンバーになることに関心がある。しかし他の国々は現段階では、そのような保障を与えるような準備はできていない。あるいは、モンゴルの新大統領を見れば、親欧米と言われている。5月下旬の選挙の後、このSCOに対するスタンスがどうなるか分からない」と述べた。
 ニコノフ氏は、このオブザーバー国の中で大きな矛盾が存在しているという。とりわけパキスタンとインドは大きな国であり、このSCOの拡大問題を複雑にしている。
 「もし一方がSCOに加盟し、もう一方が加盟しないとなれば、その国がオブザーバー資格でとどまるとは思えない」と語った。「従って、我々はSCOの拡大はないとは言わないが、すぐなされるとは考えていない」と述べた。
 ロシアとの2国間関係については、ザルダリ大統領は、パキスタン政府はロシアとの新しい協力関係を構築することを歓迎する、と語った。2つの国の間には、経済、貿易、とりわけコミュニケーション、エネルギー、そしてテクノロジー分野で、協力関係の発展に巨大なポテンシャルがある、と語った。


●上海協力機構首脳会議でインドとパキスタンが会談の可能性
【6月15日 ロイター】
 15日─16日にロシアのエカテリンブルクで開催される上海協力機構(SCO)首脳会議では、インドとパキスタンの首脳が会談するとみられている。
 一方、イランのアハマディネジャド大統領は再選後初めて国際社会に姿を見せる。
 インドのシン首相とパキスタンのザルダリ大統領は、昨年11月のムンバイ同時爆破事件以来初めての会談となり、両国関係の改善が期待される。ただ、これが2国間協議となるのか、単にSCO加盟国と準加盟国の全体会議に参加するだけなのかは明確でない。
 SCO加盟国はロシア、中国、カザフスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、キルギスの6カ国。
 今回の会議には準加盟国のアフガニスタン、パキスタン、インド、イランも参加する。 大統領選の結果を受けテヘランでの衝突も報じられているイランのアハマディネジャド大統領は、会議で結果の承認を得たい考え。
 ロシア大統領府の関係者によると、メドベージェフ大統領はアハマディネジャド大統領と個別に会談し、両国関係とイランの核プログラムについて話し合うとみられている。
 SCO首脳会議では北朝鮮とアフガニスタンが主要議題となる見込み。
 ロシア大統領府の外交問題担当者は、北朝鮮問題について「SCO首脳会議の議題となる。同国内の意思決定システムと国際社会の制裁に対する反応が話し合われるだろう」と述べた。
 SCO首脳会議後16日にはブラジル、ロシア、インド、中国によるBRICs首脳会議が開催される。


●中国は世界1の経済大国になるにはロシアとの協力関係は不可欠
【6月15日 Pravda.Ru】
 上海協力機構の首脳会議がロシアのエカテリンブルグで15日、16日の両日開催される。ロシア、中国、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン、の首脳が参加する。トルクメニスタン、イラン、パキスタン、インド、モンゴルの代表も参加する。毎回会議が開催される度に、その効果についての多くの質問がなされる。
 この機構は自由貿易圏を創造するために設立されたが、まだその件は達成されていない。2006年にロシアは、エネルギー・クラブをSCO内部に創造することを提案したが、それも実現されていない。
 この機構はその基本的な経済的目標を実現しないまま来ている。中国とタジキスタン、中国とウズベキスタン、中国とキリギスの間で2国間プロジェクトを進めている。しかし全ての国が参加するプロジェクトはまだ存在しない。
 中国はSCOを、経済協力連合体とみなしているが、ロシアは世界の過激派やテロリズムに対する抵抗基盤とみなしている。
 SCOの憲章では、主要目標は平和の保持、福祉、メンバー国の繁栄、地域の内外の安定および安全保障と謳っている。しかしながら、SCOには戦略的な動きも明確な長期的協力関係に対する計画もない。第1にそして最大の目標は、ワールド・パワーとしてのアメリカとNATOの戦略的な影響力に対する対応組織として存在している。
 
 従って、この組織の憲章はいかにも不明瞭であると言えるだろう。多くの画期的なメカニズムは不明瞭で、正式の目標や使命は相当限定されていて、また国際舞台でリーダーシップを取ることも目指していないし、ヨーロッパでのNATOとアメリカに取って代わるかもしれない新しいパワーが生まれることを考慮していない。
 
 同時に、SCOは現代世界では欧米の発展スタイルに変わるポテンシャルを持つ唯一の機構である。この機構は地政学的に世界の中心領域をカバーしているのだ。
 SCOについては、現代のグローバルな視点から見て2つの相互に相反する視点がある。つまり、この機構は、他の諸国がついてくるような地政学的中心のレベルにまでになるのか、あるいは地政学的に意味のない存在となり崩壊するのか、の2つだ。
 中央アジアのカザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、タジキスタンは、地政学的なリーダーシップを執れる力量は持っていない。これらの国は、政治・経済的な圧力を加えれば容易に天然資源に対する支配を奪うことができる。
 それで、紛争の広い領域はロシアとの境界線付近になるだろう。アフガンとパキスタンはそれに近い。中央アジアはそれでなくても紛争の耐えない地域なのだ。

 中国の立場はそれと異なる。中国の経済は既に世界で最大規模になっている。中国は世界の隔絶した経済大国になるチャンスがある。だから政治的にも支配的になりうるのだ。 中国はSCOに対しては自国製品の販売市場として、また投資およびエネルギー資源先と見ている。
 ロシアが中国と張り合うのは困難だ。中国の保有する2兆ドルで中国は中央アジア諸国に対し有利なクレジットを供給できる。中国は既にカザフスタンに対し今年の春、200億ドル相当のクレジットを与えたし、最近は油田の購入の機会を得ようと投資している。
 中国はアメリカとその同盟国と張り合うほどには強くない。中国はまたロシアに対して友好的な視点は持っていない。それでもこの二つの巨人は、SCOの枠組み内での協力関係も含めて協調せざるをない状況にある。
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