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いよいよ追い詰められてきたアメリカ経済

◆6月12日

 アメリカの経済にいよいよ赤信号が灯りだした。特に中流・下流の家庭が追い詰められてきている。一旦職を失うと、平均40週待たないと新しい職を見つけることができないという状態だ。職が見つかればそれはまだ良い方で、結局職を見つけられないまま、職探しを諦めた人々も多い。

 このため人々のモラルが低下し、コンビニ強盗なども増えているようだ。警察に捕まっても、そこで食わしてもらえるからいいと考える若者が出始めているのだろうか?

 5月16日に米国の財政赤字が法定上限に達っした。追加の国債発行ができるよう、上限を引き上げることが必要だが決まらないので、臨時の措置で凌いでいるが、8月が限度と言われている。上限を切り上げられず、そのまま国債の発行が出来ねば、アメリカ政府のデフォルトとなる。

 その場合、世界貿易が一時的にも停止するような事態に陥るかもしれない。特に石油の取引はドルで行ってきたので、タンカーも停止するかもしれない。その時はいよいよ世界大混乱へ突入となる。外国の持っているドルは紙くずとなる可能性が高まるだろう。アメリカでは内乱状態が予想される。

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●アメリカの家庭に迫り来る経済地獄 (その1)
http://theeconomiccollapseblog.com/archives/the-coming-economic-hell-for-american-families
【6月8日 The Economic Collapse】

 数千万のアメリカの家庭は経済地獄に突入しようとしているが、殆どの人々はそれに気付いていない。殆どのアメリカ人は「通貨政策」とか「経済サイクル」のようなことを考えている。大多数の人々は朝起きて仕事に行き家族を養うことができればよいと思っている。殆どのアメリカ人は最近は状況は厳しいと感じているが、殆どの人々は事態はやがて改善するだろうと思っている。
 残念ながら、事態はよくなることはない。多くのビジネスが傾きかけている。多くのアメリカ人が自宅を失いつつある。人々は請求書の支払いに苦労し、連邦政府は負債に飲み込まれている。悲しいが、これはまだ事の始まりに過ぎないのだ。

2008年の金融崩壊以来、連邦準備銀行と政府はかつてない経済活性化の策をとり始めた。しかしこういったあらゆる努力にもかかわらず、我々は未だに経済の不毛地帯に住んでいる。 

 では、この次の経済危機がやってきた時、一体なにがおきるのだろうか?

 最近行われたインタビューで、ピーター・シフは、以下のように語った・・・

 今現在起きている経済の不調や、3日発表された雇用統計、住宅販売数などを見てほしい。これらが、通貨・財政的刺激策を施す中で起きていることを知って欲しい。もしもこういった刺激策という支援がなければどうなったか? 

 そして6月の終わりに連邦準備銀行の量的緩和策は終了するようになっている。アメリカ議会と全米の州立法府は予算削減を語っている。借り入れと支出の額は持続不可能な状態だ。アメリカ経済は、現在の「金融的糖分の摂りすぎ」が消えたら再び収縮しだすだろうか?

 既に、経済に関するあらゆる種類の悪いニュースが出てきている。またあらゆる種類の経済指標は下落に向かっている。アメリカ人はいよいよ不安になってきている。一つの世論調査では、アメリカ人の59%はオバマ大統領の経済の取り組みを評価していないことが示された。他の調査では、63%のアメリカ人は、アメリカ経済の動きについて、「良くない」ないしは「悪い」と言っている。

 もしも殆どのアメリカ人が良い仕事を持っていて、住宅ローンを支払い、請求書の支払いを済ませていたら、経済がそんなに問題になるはずがないだろう。

 残念だが、アメリカ人家庭にとって時間は非常に厳しいし、これからもっと厳しいものになるだろう。


◆仕事:公式の失業率は9.1%になったが、この数字は全体像の一部分だけを示しているだけだ。

 ある場所ではまともな仕事を見つけることは不可能に近い状況のところがある。何百万人ものアメリカ人が自分達の家族を養うこともできなくなったことで鬱状態に陥っている。

 CBSニュースによれば、45.1%の失業中のアメリカ人は6ヶ月間以上その状態にあるという。これは大恐慌時代のどの時期よりも高い数字だ。

 たった2年前では、長期失業率はわずか2.6%であった。今日ではその数字は6.2%に上昇している。

 6ヶ月間仕事がないという状態を想像できるであろうか? どうやって生き延びるのか?

 以下の図を見て欲しい。我々がいまある状況は前代未聞の状況である。失業平均期間は今や40週になろうとしている・・・


平均失業期間が40週を超えたアメリカ


 だから、事態がやがて改善するだろうか?。4月ではアメリカではたった300万の仕事が空いていただけだ。普通は450万はある。経済は再びゆっくりと下降している。良い仕事は更になくなりつつある。このほかに不完全雇用の数百万のアメリカ人がいる。全米でハンバーガーを焼いたり小売店で仕事を一生懸命している労働者がいるが、そのくらいしか仕事がないのだ。

 殆どの臨時雇用者とパートタイマーは家族を養うだけの収入はない。しかし全員に行き渡るだけのフルタイムの仕事はない。

 残念ながら、「中流クラスの仕事」は10年前と比べて10%減少している。かつてあったような「快適な生活」への切符の数が減ったのだ。 -続く-

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イランの小型潜水艦

◆6月9日

 イスラエルの潜水艦が紅海を通過し、インド洋からペルシャ湾に入ったことがあったが、今回はイランの小型潜水艦が紅海に入ったという。

 これに対して、イスラエルでは「挑発だ」と言っているようだが、それでは彼らの潜水艦が紅海を通ってインド洋からペルシャ湾に入ったのは「挑発」ではないのか、となる。

 イスラエルは優秀なドイツ製の潜水艦を保有しているが、イランは国産の潜水艦であるし小型であるから、イスラエルのそれと比べればずっと穏当なものだ。イスラエルのそれは核巡航ミサイルをも装填できると言われている。

 それでも中東の民主化の流れが進んでいる事、特にエジプトのムバラク政権が倒されたことで、イランが着実にその力をこの方面にまで伸ばしてきている。これはイスラエルにとってはいやな事ではあろう。しかしこのような流れは今後ますます強くなっていくはずだ。

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●イランの潜水艦が紅海へ
http://af.reuters.com/article/egyptNews/idAFLDE75608O20110607
【6月7日 Reuters】

 イランは紅海へ潜水艦を派遣した、と準国営のファーズ通信が7日報じた。

 「イラン軍の潜水艦が情報収集と他国の軍艦の特定のため紅海に入った」とファーズ通信は報じた。。

 何隻のあるいはどの型の潜水艦かは報じていないが、海軍の第14艦隊に随伴して航海を続けていると報じた。

 国営プレス・テレビは5月に、第14艦隊のバンダー・アッバス戦艦とシャヒド・ナクディ駆逐艦がアデン湾の海賊と戦うために派遣されたと報じた。

 「艦隊は5月にアデン湾海域に入り、現在は紅海に入りミッションの継続中」とファーズは伝えた。

 2隻のイランの戦艦は2月にシリアへ向かう途中スエズ運河を通過したが、これはそのような動きとしては1979年のイスラム革命以来初めてとなる。イランはこのミッションは「平和と友好」のミッションの一つであるが、イスラエルはこれを「挑発」と呼んでいる。

 去年の8月、イランは国内で建造している120トンのガディール級の潜水艦艦隊を11隻に拡張した、と発表した。この潜水艦はペルシャ湾とオマン海の巡視に使用されるだろうという。

 イランはソマリア海賊と戦うため戦艦を紅海にまで展開したが、この海域に潜水艦を派遣したとは以前発表していなかった。 

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パレスチナ人は帰還する?

◆6月8日

 ユダヤ系イスラエル人は徐々にしかしよりはっきりと自分達の運命を理解しだしている。自分達は「神の選民だ」とし、聖書にパレスチナは神がアブラハムの子孫に与えた、と書いてあるから我々のものなのだ、と強弁し、詐欺的手法で掻っ攫った金の力で欧米諸国を惑わし、あるいは買収し、国連の決議を買い取って、パレスチナ人を追い出して入植したが、それは神の嘉(よみ)しない所業であったことを、自らの良心が感じている。

 だから、所詮今までの手法では行き詰ることになると、このブログでは指摘し続けてきた。従って、今や多くのイスラエル人が逃げ腰に成り出しており、逆にアラブ人、パレスチナ人が勢いづいている。この潮流はもはや押しとどめることはできない。

 今のイスラエルで権力を握っている者たち、すなわちアシュケナジー・ユダヤ人は血統的にアブラハムの子孫ではない。昔栄えたハザール帝国の子孫である。彼らは集団でユダヤ教に改宗した中央アジア系の人々だ。逆にアブラハムの真実の子孫は、今やイスラム教に改宗しているパレスチナ人だ。従って、もしも神がアブラハムの子孫にパレスチナを与えた、という聖書の言葉が今も有効ならば、パレスチナ人がその権利、すなわちパレスチナに住む権利を所有していることになるのだ。

 つまりヨーロッパからイスラエルに、シオニズムで入植したユダヤ人はアシュケナジー・ユダヤ人が殆どだから、彼らはパレスチナに住む理由も根拠もないことになる。だから、聖書を持ち出すな、というのである。イエス・キリストが「あなたの言葉があなたを裁く」と言ったとおりなのだ。

 アシュケナジー・ユダヤ人を始め、イスラエル人がパレスチナに住み続けることの出来る唯一の道は、今まで虐げてきたパレスチナ人に彼らが一番望むこと、すなわちパレスチナの真の独立を達成させ、更に彼らを物心ともども支援することで、過去の償いをなしつつ、兄弟国家として共存していく道である。これ以外に方策はない。


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●イスラエル人は移住準備、パレスチナ人は帰還準備? (その2)
http://almanar.com.lb/english/adetails.php?fromval=1&cid=41&eid=18096&frid=41
【6月4日 Franklin Lamb】


◆アラブ系イスラエル人は申請の必要なし
 
 やって来るユダヤ系イスラエル人が、「彼らの新しい国に容易に移動でき定着するための補助金が配分される」ようアメリカ議会が資金調達することを承認することを確約させる責任をイスラエルの質問者を代表しAIPAC(アメリカ・イスラエル公共問題委員会)が行うようになった。

 ディアスポラの地へ向かうための「保険的なパスポート」」を獲得することを考えているかもしれないユダヤ系イスラエル人とは別に、同じような割合の世界中のユダヤ人は移住することを考えていない。米・イスラエル関係専門のバールイラン大学の教授のジョナサン・リンホールドによれば、イスラエルないしはアメリカが爆撃を開始しない限り、ユダヤ人はアシュケロンにいるよりもテヘランにいる方がより安全である、という。

 上記の調査を行った、ないしはそれに関する知識を持つ人々とのインタビューで、イスラエル人が外国のパスポートを求める理由を説明するいくつかの要素が明らかになった。そのいくつかは超民族的イスラエル文化を考えれば驚く内容である。

 エレツ・アシュレトの研究員が「地平線に沸きあがる群雲」と説明したように、ある種の保険政策と考えられている第2のパスポートを得ようとすることに共通する事は、個人的にも民族的にも不安であり心配である。


◆その他の要素

●2世代ないしは3世代とイスラエルに住んでも、以前いたとしてもほんのわずかしかいなかった場所に自分達のルーツがあると充分には証明できていない、という事実。このためにイスラエルは子孫が自分達の本国へ帰還するという、かなりの数の「再移住」を行った。

●西岸に入植した60万人以上になる人々の中の宗教的狂信者が内戦を始めるかもしれないという恐れ。とりわけ1967年前のイスラエルに戻り超ファシスト国家になるという恐れ

●イスラエル社会内の求心的圧力、とりわけシオニズムを極端に嫌うロシアからの移住者によるものが強い。1989年にベルリンの壁が崩壊して以来、旧ソ連邦から100万人ほどのユダヤ人がイスラエルに来たことで、イスラエルの人口が25%増加し世界最大のロシア系ユダヤ人集中地帯を形成した。しかし今日では、ロシア系ユダヤ人はイスラエルから他国へ移住する最大のグループを構成するようになっている。また彼らは、シオニズム、人種差別、雇用に関する約束および「イスラエルでの快適な生活」が反故にされたことに反発し、ロシアに大量に帰還している

 1990年からイスラエルに来たロシア系ユダヤ人の22%、約20万人がロシアに帰った。2000年からロシアの首席ラビであるラビ・ベレル・ラルザールによれば、「どれほどの人々が帰還しているか、全く驚くべきことだ。ユダヤ人が去った時そこにはなんら共同体は残っておらず、ユダヤ的生活もなかった。人々はユダヤ人であることは彼らの家族にとっては歴史上の過ちである、と感じた。今や、彼らはロシアに共同体の一部として住むことができるし、イスラエルは必要ないと分かっている」という。

イスラエル指導部に対しなんらの信頼も尊敬ももてないこと。殆どの指導者の者たちは腐敗していると考えられている。

シオニズムがユダヤ教をハイジャックしたという罪悪感と心配があるのと、伝統的なユダヤ的価値観が腐敗しつつあるという感覚がある。

●ヨーロッパやその他から来たユダヤ人である自分達の家族が、明らかに元から住んでいて他の場所からきたわけではないパレスチナの人々の土地や家を奪って住むことが出来るのは何故なのか、という、教育が行き届き家族の歴史に目覚めた子供達の疑問に対して、一貫性のある回答を与える事が困難になりつつあること。

●「住む土地のない人々のための住む人のいない土地」という前世紀のシオニストの宣言を完全に覆す、説得力のある挑戦的な最近のパレスチナ人の話に対する、インターネットと継続するパレスチナ人の抵抗運動によってかなり煽られた評価。

●イランの爆弾から数え切れない「テロリスト」、新たなホロコースト、あるいは家庭をがけっぷちに追いやることで、このような環境下では子供達を養育したくないと結論つけることになる実存的な脅威まで、政府の政策を人々が支持するように図られた政治指導者たちの恐怖扇動


 一市民として話しているのであり、外国のイスラエル民主党のメンバーとしてではないと説明しながら、ニューヨーク生まれのヒレル・シェンカーは、イスラエルに来たユダヤ人は、「やってきた場所に帰れる選択肢を持つ事ができることの保証を求めている」と言う。また、「現代生活に存在する不安材料と隣国のどの国とも平和に生きることをしていないイスラエルが、多くのイスラエル人をしてヨーロッパのパスポートを求めさせている」と述べた。
 
スイスに本部のある海外アメリカン・アカデミーの元アメリカン・ジューイッシュ・フェローのジェネ・シュルマンは、更に大胆に、全てのユダヤ人は「どんなにアメリカが支援を継続したとしても、イスラエルの運命を死ぬほど恐れている」と語った。

 多くのイスラエル社会の研究者は、ユダヤ人がパレスチナを去る主要な最近の動因は、過去3ヶ月間に起きたアラブ世界の覚醒運動でイスラエルの地域に於ける支持者のキーとなる者たちが倒されたことである、と見ている。

 6月5日南レバノンでブルーラインまで行われる「ナスカ」行進の準備を進めている、シャチラ・キャンプから来たパレスチナ人学生であるラヤルによれば:「パレスチナの占領者のシオニストがカイロのタヒール広場から南レバノンのマルン・アルラスまで見たものは、多くのイスラエル人を納得させたことで、すなわち、まだ誕生したばかりのアラブとパレスチナ人の抵抗運動はやがて巨大で大規模な平和的うねりに成長していき、武器や人種差別政策でパレスチナに於けるシオニストの未来を保証することはできなくなる、ということだ

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移住するのかユダヤ人?

◆6月7日

 最近の中東の「民衆革命」とアメリカのオバマ大統領の中東和平に対する対イスラエル姿勢を見てか、多くのユダヤ系イスラエル人がヨーロッパやアメリカへの移住を考え、そのため外国のパスポートを取得ないしは、取得しようと考えている、という。

 常にこのブログで指摘してきたことだが、イスラエルが生き残る道はただ一つ、1967年の第三次中東戦争勃発前の境界線に戻ることであり、パレスチナ国家の樹立を実現し、その新生国家と平和条約を締結し、更にはその新生国家に対して内外共の支援をするところにある。 

 それをなすことで、ようやくパレスチナの地でユダヤ系イスラエル人は生存していく事ができようが、それを嫌いこれからも武断的で人種差別的タルムード的支配を継続しようとすれば、世界の情勢のゆえ早晩できなくなっていくであろう。その結果、イスラエルを出て外国に移住するしかなくなるであろう。

 その場合、多くはヨーロッパやアメリカに流れていくのであろうが、ごく少数ながら日本に来る者たちもいよう。我々は彼らがタルムードを捨てるのならば、受け入れる用意はある、と言えるが、そうでなければ、来てもらう事は迷惑である

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●イスラエル人は移住準備、パレスチナ人は帰還準備? (その1)
http://almanar.com.lb/english/adetails.php?fromval=1&cid=41&eid=18096&frid=41
【6月4日 Franklin Lamb】

 「もしも我々の父祖がヨーロッパから逃げ出す為にイスラエルのパスポートがあればと夢見たとしたら、今やヨーロッパへ逃げ帰るための第2のパスポートを夢見ている者たちが一杯いる」とギデオン・レビは語る。

 今日では、70%のイスラエル人が外国大使館に接触し、パスポートと市民権について問合せをしたり申請をしている、と見られている。1990年以来イスラエルに来たロシア人が約20万人、ロシア系の22%がロシアに帰ってしまった。イスラエルにやって来るユダヤ人は、「やってきた元の場所へ帰還できる可能性を確約することを望んでいる」。イスラエル人は必要となるかもしれない場合を想定して家族のルーツを根拠としてヨーロッパのパスポートを求めている。

 人類史の流れを見てきた歴史家や文化人類学者は恐らく、パレスチナ人に加えて我々のために場所を特定できるだろう。最近入国した植民者の群集が出国の権利を行使しようとしている反面、千年のルーツを持ちながら民族浄化の犠牲者である、それより更に多くの人々が帰還する権利を行使しようと準備している。

 パレスチナにおける19世紀のシオニストの植民事業の本質的なアイロニーの一つは、このますます消耗するプロジェクトは、迫害され「帰還」するヨーロッパ系ユダヤ人のための中東の安息所として20世紀には宣伝されたものだった、と言う事実だ。しかし21世紀の今日では、パレスチナの不法占拠者の多くの者たちにとっては、帰還する中東のユダヤ人が羨望する安息所として見られているのは、ヨーロッパなのだ。

 ユダヤ人のジャーナリストであるギデオン・レビの言っている、「もしも我々の父祖がヨーロッパから逃げ出す為にイスラエルのパスポートを夢見たのならば、今やヨーロッパへ逃げ出す為に第2のパスポートを夢見る者たちが一杯いる」である。

 イスラエルでのいくつかの研究とAIPACが主導した研究、それにもうひとつ別の在ドイツユダヤ人国民ファンドの研究は、イスラエルに住んでいるユダヤ人の半分ほどは、現在の政治・社会的トレンドが変わらなければ、数年後にはパレスチナを去るだろうということを示している。

 エルサレムに本部のあるメナヘム・ベギン・ヘリテージ・センターの2008年の調査では、イスラエル人の59%が市民権獲得の申請やパスポート取得を目指して外国大使館と接触ないしは接触を考えていることを発見した。今日では、その率は70%になると見られている。

 パレスチナを去ることを考えているイスラエル人のこの数は、バールイラン大学の研究者らに寄れば、急速に増加しているという。彼らは最近エレッツ・アシュレトという、文化間対話を促進することを主張しているイスラエルのNGOで発表された研究を行った者たちだ。

 このバールイランの研究で分かったことは、10万人以上のイスラエル人が既にドイツのパスポートを取得している、ということだ。そしてこの数は毎年7000件増加しつつあるという。ドイツ人高官らによれば、2000年以来7万人分のパスポートが与えられたという。

 ドイツに加えて、百万人以上のイスラエル人がイスラエルで生活することが困難になる場合に備えてその他の外国のパスポートを所有している。イスラエル人にとって魅力的で移住を考えている外国、そこは恐らくは彼らを歓迎してくれそうな国は、アメリカである。現在では50万人以上のイスラエル人がアメリカのパスポートを取得し、25万人近い人々が申請中である。

 ワシントンで行われたイスラエルのネタニヤフ首相外交団とアメリカのイスラエル機関との会合で、もしも必要な際には、アメリカ政府はアメリカのパスポートを要望するどんなユダヤ系イスラエル人にも迅速に発行するという確約がAIPAC職員らから出された。(つづく)

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ギリシャのデフォルトが懸念されている

◆6月6日

 世界経済が二番底に突入するのでは、とうい懸念が広まっている。アメリカもヨーロッパもそして今や日本も抱えている問題が大きく、即座に事態を好転させる可能性は見えていない。

 アメリカで3日発表された経済指標が期待するほどの内容でなかったためドルは円に対して更に下げ、80円を一旦は切って多少戻したが、現在も80円台の前半で推移している。

 アメリカだけでなくヨーロッパはギリシャの負債問題を抱えている。ギリシャに続いてスペインとかポルトガルなどが控えている。日本は今回の震災で特に製造業、漁業、農業などに打撃を受け、原発問題が更に暗い影を落としている。

 日本のこの大震災は、今後世界に転写されていく、と言われており、今回起きたチリの火山爆発はその転写の一つの例かもしれない。それが地震多発国だけで起きるのではなく、地震などおきそうもない場所でも起きる可能性があり、それらは必ず世界経済に大きな影響を与えていく。

 二番底に対しては、可能性ではなくそれが来るものとして、準備する必要があるだろう。

 
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●二番底に対する世界的な懸念が増大
http://www.timeslive.co.za/sundaytimes/article1101022.ece/Global-double-dip-fears-mount
【6月5日 By RENÉ VOLLGRAAFF】

 世界的な第2の景気後退に突入する可能性は低いが、世界経済の成長鈍化の可能性は非常に高い。

 アメリカの労働省は3日、アメリカ経済は5月に予想されていたものより雇用が進まなかったとし、失業率は9.1%に上昇したと発表した。全米供給管理協会(ISM)は今週、5月の購買担当者指数 (PMI)が減少したと発表した。

 S&Pインデェシーズのインデックス委員会議長のデイビッド・ブリッツァーによれば、第一四半期の米国住宅価格ケース・シラー指数の3.61%の下落は、「アメリカの住宅価格の二番底を示すものだ」という。

 元労働省長官のロバート・レイヒは3日、アメリカ経済のリカバリーは頓挫し、アメリカがまだ二番底に入っているとはいえなくとも、その可能性は高まっている、と語った。

 しかし民間のアナリストは、世界経済の本格的な二番底を恐れるのは正しくない、と言っている。

 「景気の回復は短期で終わると恐れていた一年半前は、二番底は新たな本格的なリセッションを意味した」と、アブサキャピタルの調査部長のジェフ・ゲーブルは語った。

 「もしも、二番底がある種の成長率が抑制気味ということを意味するならば、第2四半期にそれがおきたことは殆ど確かな事だ。しかし、もしも世界経済が新たな困難な状態に突入しつつあるということを意味するのならば、私はそうとは思わない」

 ゲーブルは、5月に17カ国の内16カ国のPMIが下落したとしても、それでも50ポイント以上にあると述べた。

 「だから、16カ国では製造部門はまだ成長しているが、恐らく前よりかは力強くないことを示している」

 「それは、穏やかな成長は可能であることを意味すのであって、2008年・2009年の再来を恐れるべきではない」

 経済協力開発機構(OECD)は今週、機構内のGDPの成長率は第一四半期で0.5%であったと発表した。これは去年の第四四半期の成長率と同じである。機構内の7大国の内、日本とアメリカだけが昨年の第四四半期より悪かったのだ。日本経済は前の四半期0.8%の収縮だったのに比べ0.9%の収縮だった。アメリカ経済は、前の四半期の0.8%の成長と比べて0.5%の成長に留まった。

 NKCインデペンデント・エコノミストのエコノミストであるクリスティー・ヴィルジョンは、各種の指標に示される緩和された成長はある部分は、3月に日本で起きた地震の影響によるものである、と語った。 

 「日本は基本的には停止状態になった。それが世界の製造業に影響を与え出している」

 シタデル社の投資戦略部長のデイブ・モールは、二番底の可能性について語る際には、その底の原因について考察されるべきだ、と語った。「リセッションの原因の大部分はアメリカの住宅市場のクラッシュだ」と彼は語った。

 「住宅市場内の動きは鈍いが、もっと悪化するとは思わない」

 「アメリカで二番底が起きるとすれば、政府が赤字を減らそうとするあまり急激に増税することだ。しかし、彼らは状況がいかに厳しいかを知っているからそういうことはしないだろう」

 モールは、ギリシャのデフォルトの可能性は、ドイツとフランスの銀行のバランス・シートに載っているギリシャの負債の額のため、ヨーロッパが落ち込むことになるかもしれないと語った。 
 格付け会社のムーディーズは1日、ギリシャをB1からCaa1へ格下げした。
 
 「ヨーロッパ中央銀行はギリシャのデフォルトを非常に恐れている」とモールは語った。「彼らは、ギリシャのデフォルトはリーマン・ブラザース破綻と似た危機を引き起こすということを分かっている」

 リーマンのサブプライムローン危機による2008年9月の破綻は、世界経済メルトダウンを引き起こす要素の一つである、と考えられていた。 

 「しかし我々がリーマン問題を経験したので、ヨーロッパの当局者らは似たような状況を出来る限り避けるように努力するだろう」

 二番底のその他の可能性ある原因として、例えば中国など新興市場で深刻なまでに何かが悪化するような場合である。

 しかし大方の新興市場では乗り越えることができるだろう。
 「彼らは多少インフレ気味で金利を上げたので、成長は鈍化するだろう。しかし、それでも彼らは成長し続け、何らかのショックの原因となることはないだろう」

 ゲーブルは、もしも世界的二番底が南アフリカに影響を与えるとすれば、最初は日用品価格に現れるだろう。目に見えないところからだ、と語った。

 モールによれば、ヨーロッパの最悪のシナリオは南アフリカの輸出に悪影響を与えるかもしれないが、南アフリカの経済は過度に製造業と輸出に依存しているわけではない、と語った。

 「外部からの大きなショックで、我々の回復は頓挫する」と彼は語った。
 
 そのようなショックがくれば、二番底とは石油価格が下がり南アでの外因性のインフレの低下を意味するので、金利の上昇が予想よりゆっくりと起きることになるだろう。

 ヴィルジョンは、アメリカとヨーロッパでの低金利が長引いていることと、アメリカで更なる量的緩和策が取られる可能性があることは、南アのランドの為替レートが強いままで継続することを意味する、と語った。

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