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◆5月10日

 「イランの核計画問題」がこの数年ずっと「中東の危機」を演出してきたが、イランが核計画を進める理由には、実はイスラエルの「核兵器」の存在があるからで、むしろ問題はイスラエルの核兵器である、ということが言われたことはかつてなかった、少なくとも主要メディアが大きく取り上げたことはなかった。

 イランの核計画を世界が問題にする前に、イスラエルの「核兵器」を問題にすべきなのだが、世界の超大国(だった)アメリカを始めとし、世界の国の中でイスラエルの核を問題視し、公にそれに対する対応策を提示したのは、シリアのアサド大統領だけだったと思う。彼は中東を「非核地帯」にすることを提唱しており、それは暗にイスラエルの核兵器を念頭に置いたものであることは明らかである。

 この「中東を非核地帯に」とするシリアの提案は、間違いなくオバマ米政権の思惑と一致すると思われるから、今後紆余曲折はあったもシリアとアメリカとが接近することはほぼ間違いない。反対に「核兵器」を所有し、周囲の中東ばかりか、時に暗に欧米をも脅すことをも排除しないイスラエルの姿勢に、アメリカは今後圧力をかけていくものと思われる。

 そのためアメリカは、レバノンの元首相のハリリ氏が暗殺された事件直後召還していた駐シリア・アメリカ大使を、近く任命する意向であることを示した。これは、ハリリ氏の暗殺にシリア政府がかかわったとする旧米政権(ブッシュ政権)の認識に「否」を示したということであり、それは同時に、シリアを貶めようとしたブッシュ政権に対する疑惑を暗示していることとなる。いや疑惑というより、黒幕であることは承知しているであろう。
 ただしバランスを取るために、従来通りシリアに対する経済制裁は1年延長を決定している。これはオバマ大統領の思慮深さを示すものでなんら問題はない。

 下記の記事にあるように、オバマ政権はイスラエルが核兵器保有国であることを前提の発言をし、かつイスラエルの「核拡散防止条約(NPT)加盟が望ましいと」言及し、東京新聞は、それがアメリカの中東外交の焦点になる可能性もある、と伝えている。

 4月中旬に、アラブ連盟のムーサ事務局長は「アラブにとっての脅威はイランの核開発ではなく、イスラエルの核(兵器)だ」と述べている。
 このようにして、いよいよ中東問題の「本質」にメスが入れられようとする時期になった、ということであろう。
 
 世界はこれから、間違いなく「チェンジ」していくことになるだろう。
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

●アラブ各国 イスラエルの『核』懸念 米高官もNPT加盟望む
【5月8日東京新聞】
 イスラエルが保有しているとみられる核兵器への懸念を、周辺アラブ各国が相次いで表明している。オバマ米大統領が「核兵器のない世界を目指す」と核軍縮を宣言して以降、目立ってきた。米政府高官も五日、イスラエルの核拡散防止条約(NPT)加盟が望ましいと言及。長く謎に包まれてきたイスラエルの核がイランの核開発と並び、中東外交の焦点になる可能性もある。
 エジプトのアブルゲイト外相は三日、カイロを訪問した中曽根弘文外相との会談で、イランの核問題に関連し「イスラエルについても考える必要がある。西側諸国はイスラエルと協議すべきだ」と述べた。
 アラブ連盟のムーサ事務局長も四月中旬、サウジアラビア紙に「アラブにとっての脅威はイランの核開発ではなく、イスラエルの核だ」と語った。
 イスラエルは核兵器保有について肯定も否定もしていないが、周辺国は「保有は確実」と一致している。米国はこれまでイスラエルの核について追及してこなかった。
 ニューヨークで開かれているNPT再検討会議に向けた準備会合で、米高官は五日、インド、パキスタン、イスラエルなどNPT非加盟国の名を挙げた上で「NPTへの信用獲得という目標が残っている」と述べ、加盟を望む意向を表明。これに対し、イスラエル高官は「NPTは(加盟国の)イランの核開発に非力ではないか」と反発している。



●米政府、近く駐シリア大使を任命か 関係改善の一環で
【5月9日 CNN】
 オバマ米政権が意欲を示すシリアとの関係改善で、米政府高官は8日、駐シリア大使の任命が近いことを明らかにした。2005年以来、ダマスカスには代理大使しか派遣していない。
 また、米国務省が最近、高官をシリアに派遣し、ダマスカスでの米国大使館の新築に備え、治安状況を調べたことも明らかにした。
 米政府は4年前、レバノンのハリリ元首相暗殺事件にシリアが関与していると指摘、大使を引き揚げさせている。シリア政府は事件とのかかわりを否定しているが、国連の独自調査は、シリアが背後にいると示唆していた。
 オバマ大統領は、イラク政策や中東和平努力の一環として、シリアとの関係改善を模索。フェルトマン国務次官補代行(中東担当)ら米高官がシリアを訪問するなどしている。同次官補代行は最近、同国を今年3月に続いて訪れ、ムアレム外相らと会談している。
 米政府高官によると、フェルトマン氏はシリア高官との会談で同国が具体的な行動を示せば、米国が発動する対シリア経済制裁の解除を検討する用意があると説明したという。また、シリア経由で外国人戦闘員がイラクへ侵入するのを阻止するためシリア政府による国境封鎖も打診したとしている。


●シリアへの経済制裁延長を決定、オバマ大統領が議会に通告
【5月9日CNN】
 オバマ米大統領は8日、米政府が4年前に打ち出したシリアに対する経済制裁を延長することを議会に通知した。制裁は、今週末に期限切れを迎えるが、シリアによるテロやイスラム過激派支援などで米国の懸念を解消させるまで至っていないことを理由にしている。
 オバマ大統領は、イラク政策や中東和平努力の一環として、シリアとの関係改善を模索。フェルトマン国務次官補代行(中東担当)ら米高官がシリアを訪問するなどしている。同次官補代行は最近、同国を今年3月に続いて訪れ、ムアレム外相らと会談した。
 米政府高官によると、フェルトマン氏はシリア高官との会談で同国が具体的な行動を示せば、経済制裁解除を検討する用意があると説明したという。また、シリア経由で外国人戦闘員がイラクへ侵入するのを阻止するためシリア政府による国境封鎖も打診したという。
 シリアに対する経済制裁は毎年見直される。米国はシリアをテロ支援国家に指定している。


●シリア情報相、「イスラエル・シリア間の和平交渉はない」
(全訳記事)
【2008年8月6日 IPS】
・・・
ビラル情報相:イランは中東の中でも非常に重要な国です。イランの核開発計画は軍事目的ではなく民生用のものです。イランは決して核兵器について言及しません。しかし、シリアは核兵器には全く反対の立場です。実際、我が国は(イスラエルも含め)中東全体を非核兵器地帯にすると宣言した国連決議を求める文書を安保理に預けています。・・・以下略
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