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イランのナタンツの原子力発電所施設
◆5月3日
イスラエルのネタニヤフ首相は、イランが核兵器を保有するようになれば、世界最大の脅威になる、と語ったが、これは現イラン政権がイスラエルの政権を認めていないからであるが、最近イランの大統領は、パレスチナ問題に絡んで、「2国家共存」を認める発言をしている。
もともとイランのアフマディネジャド大統領の発言と言われている「イスラエル滅亡」発言というものは、欧米のユダヤ寄りのメディアによる意図的な誤謬で、彼が述べた内容は、パレスチナ国家を認めないイスラエルの「政権」は滅びる、と述べたのであり、「イスラエル国」そのものの滅亡を語ったものではない。(en.wikipedia.org/wiki/Mahmoud_Ahmadinejad_and_Israel)
上記の2国家共存の考え方に戻ると、これは要するにイスラエルという国家の存在を認めることであるから、イスラエルがイランが核を保有すれば、イスラエルを殲滅する核攻撃をするだろうから、その前にイランの核施設を破壊するべきだ、という論拠が崩れることを意味する。
勿論、イランが核保有国となれば、イスラエルの力の政策や核保有国としての隠然たる脅しがあまり利かなくなることは当然で、それを嫌気することで、やはりイランの核施設を攻撃したい、というタカ派の考えは変わらないかもしれない。
それに現在、パキスタン情勢が急変し、タリバンにパキスタンが倒されかねない情勢なので、そうなると今までは一応親米政権だったパキスタンが反米と見られるタリバン政権となりかねず、パキスタンが既に核保有国であるため、中東に反米・反シオニスト政権で核保有国がパキスタンとイランという2国家も出現しかねない、ということでイスラエルにとっては更に頭の痛い問題が持ち上がることになる。
しかし、ゲーツ長官が5月1日に語ったように、もしイスラエルがイランの核施設を攻撃・破壊できたとしても、それはたかだか時間稼ぎをするだけで、攻撃されたイランでは、次はIAEAにも監視させず、報告もせず、心を頑なにして核兵器製造をまっしぐらに目指すようになる可能性が高まるであろう。
それでは却って藪蛇となるので、どうせ攻撃・破壊するのならば、イランをイスラエルが攻撃する場合には、今後数世紀はイランが立ち上がれないほどの殲滅戦にも似た、大規模な攻撃が必要になるかもしれない、と言える。
しかしそのような攻撃をすることは、全世界を敵にまわすことになるから、早晩イスラエル自身の滅亡をも意味することになろう。もっともそんな攻撃をすれば、ロシアが黙ってみていることはないとも言えそうだ。ロシアは自分たちが支援して建設したイランの原子力発電所に対する攻撃は、ロシアに対する攻撃と見做すと発言している。
それに、今の状況ではアメリカでさえイスラエルを押さえるための何らかの圧力を行使するかもしれない。
したがってその選択肢は実際は取れない。
現在のオバマ政権が、イスラエルと同調してイラン攻撃を行うということはないことは明らかなので、イスラエルはどうにも動きが取れないまま、最終的には2国家共存の線でパレスチナ問題を解決する方向に動かざるを得ないのではなかろうか。
もし、ロシアがイランに、最強と言われるS-300ミサイルを提供すると、イスラエルのイラン爆撃が相当困難になることが予想されるから、攻撃するのならば、S-300がイランに配備される前がイスラエルにとっては望ましい。つまりもう時間的には待てない情勢に入りつつあるかもしれないのだ。イスラエルの元モサド長官が、昨年6月の時点で、イランが核兵器を保有するようになるに後1年もない、と発言しているからタカ派はあせっているであろう。
しかし、6月に予定されているイランの大統領選挙では、改革派が勝つ勢いなので、イランの姿勢も変化することが予想される。当然、パレスチナ問題で「2国家共存」が保証されれば、イランはそれをよしとすることが予想される。
そうなれば、今度はイランがイスラエル政権滅亡を目指す論拠も消失し、両者(イスラエル・イラン)が中東で共存できる事態に落ち着くことになるから、それがもっとも望ましい結果と言えるだろう。
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●米国防長官:イラン爆撃で核脅威阻止はできない
【5月1日 Telegraph.co.uk】
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/middleeast/iran/5257343/Robert-Gates-bombing-Iran-would-not-stop-nuclear-threat.html
イランを爆撃しても、イランが核兵器を製造するのを阻止することはできず、時間稼ぎに終わる、と米国防長官は語った。
上院歳出委員会で、ゲーツ長官は証言し、イランの核計画を阻止するために軍事力を使用することに対し反対の意見を述べた。 「ナタンツのウラニウムの濃縮施設を破壊することはできたとしても、今度はIAEAの監視無しでイランはそれを再建するだろう。核兵器製造をイラン政権が決意しているならば、軍事攻撃はイランの核計画を遅らせるだけで、却ってより一層かたくなになってその製造を行うだろう。軍事攻撃で時間稼ぎができたとしても、それでより一層相手は隠すようになるだけだ」、と4月30日、ゲーツ氏は述べた。
「イラン政府の姿勢は重要な要素だ。アメリカが目指すべき事は、イラン政府に、核開発はイランだけ関心を持っているわけではない、ということをはっきりさせる点にある」、と語った。「彼らの安全保障問題における関心は、核兵器を保有するという方向で、となってきている。中東での核兵器競争を始めんばかりだが、結局は現在より一層安全保障は脅かされるようになるだろう」と語った。
もしイランが核兵器を保有するようになれば、中東におけるライバル、特にエジプト、サウジアラビアも後に続こうとするだろう。イランが、大規模に濃縮作業を始めた2006年以降、中東の13諸国が核エネルギー計画に乗り出している。
これらは民間における計画だが、専門家はこれらの国々は将来の選択肢を未定のままにするだろうと見ている。
ブッシュ政権時の2006年に国防長官となったゲーツ氏は、オバマ政権でも引き継ぎ、イラン攻撃に対する反対という姿勢を明確にした。
2007年、下院議員の私的会合で、イラン爆撃は「ジハード世代を生み出し、我々の孫たちはアメリカ国内で敵と戦うようになるかもしれない」と語ったと、ニューヨーカー誌は書いている。
オバマ氏は、イラン説得のために外交・経済的圧力行使を選択した。
IAEAは、2月までにイランが低濃縮ウランを約1トン製造した、と発表した。
専門家は、1発の原爆に必要とされる兵器級ウランを来年末には製造しているだろうと見ている。
イスラエルのネタニヤフ首相は、核保有国となったイランは、世界平和に対する最大の脅威だと述べた。ゲーツ長官はイスラエルがイランの核施設に対する先制攻撃をしないよう説得に努めるものと見られている。
●イラン大統領「2国家共存」容認
2009年4月27日(月)8時0分配信 産経新聞
【ワシントン=有元隆志】イランのアフマディネジャド大統領は26日放映の米ABCテレビのインタビューで、パレスチナがイスラエルとの「2国家共存」を受け入れた場合、容認する考えを示した。同大統領は「イスラエル抹殺」を主張していたが、「(パレスチナの)どのような決定であれ結構だ」と述べた。
核開発問題に関しては、米国も参加を決めた交渉に臨むにあたり、近く新提案を提示する考えを示した。
イランとの対話を呼びかけているオバマ米大統領の姿勢は歓迎しつつも、「私は(オバマ氏の当選に対し)祝電を送った。このことに国内から批判されている。にもかかわらず返答がない」と不満をもらした。
ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)否定発言については「より研究が必要だ」として撤回しなかった。同大統領が米テレビ番組に出演するのは異例。
●イランにミサイルシステム提供していない─ロシア当局者=インタファクス
【モスクワ15日 ロイター】
ロシアのインタファクス通信は15日、当局者の話として、同国はイランに対し最新鋭のS-300対空ミサイルシステムを提供していないと報じた。
当局者は、インタファクス通信に対し「何も起きていない。何も提供していない」と述べた。
ロシアがS-300対空ミサイルシステムをイランに売却した場合、米露関係の緊張が高まることは確実。
ロシア政府幹部はこれまでも、同国がイランにミサイルシステムを売却する可能性があるとの報道を繰り返し否定してきた。
●元スパイが、イランの核爆弾所有を阻止するには後1年しかない
【2008年6月28日 Telegraph.co.uk】
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/middleeast/israel/2212934/Israel-has-a-year-to-stop-Iran-bomb-warns-ex-spy.html
モサドの元長官は、イスラエルはイランの核計画を破壊するのに12ヶ月を残すのみで、さもないとイスラエル自身が核攻撃の脅威にさらされることになると警告した。
彼はさらに、もしバラク・オバマ氏が次期大統領になるとすると、攻撃の時期を早めねばならなくなるだろうと示唆した。
イスラエル議会の国防・外交委員会の影響力あるアドバイザーであるシャブタイ・シャビツ氏は、サンデイ・テレグラフ紙に対し、イラン指導部が核爆弾を所有するのを阻止する時間はどんどん失われていくと語った。
イスラエルの諜報部員を1996年に引退したシャビツ氏は、イランがひとたびその能力を獲得すれば核兵器を使用するようになるということは疑いないし、イスラエルはそれを知った上で行動すべきだと警告した。・・・以下略
●改革派候補に学生7割支持=アハマディネジャド氏は2割弱-イラン大統領選
2009年5月1日(金)
【テヘラン30日時事】6月12日投票のイラン大統領選挙で、改革派のムサビ元首相陣営幹部は30日、独自に行った世論調査の結果、首都テヘランにある大学の学生のうち72%がムサビ候補に投票すると判明したことを明らかにした。保守派のアハマディネジャド大統領に投票すると回答した学生は18%にとどまったという。
選挙はアハマディネジャド大統領とムサビ候補による保革対決の様相となっている。同幹部によると、調査は大学生5200人を対象に実施した。首都の大学生という改革志向の強い有権者のみを対象とした調査だが、結果はアハマディネジャド政権に対する国民の不満が強いことを裏付けた形だ。
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