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ダガン元モサド長官とネタニヤフ首相

◆6月5日

 イスラエルのイラン攻撃について、実際の戦争を扱う部門の者たちはイラン攻撃がイスラエルにとっては取ってはならない選択肢であるという認識だが、こと政治家となると反対になるようだ。現場と後方の認識の違いとも言える。

 今回元モサド長官のダガンがイラン攻撃は「するな」と語ったが、それはやはりイスラエルの首脳部では相変わらずイラン攻撃を考えているからだ、と考える者も多いようだ。

 今は微妙な時期だ。今までの世界や地域での潮流が変化している時期である。中東・イスラム圏での「民衆革命」は進行中であるが、同時に欧米・イスラエル側も弱点が露になってきている。特に経済問題が再燃しだしており、これが欧米社会を今年一杯で混乱に陥れて行くことだろう。

 イスラエルがイランを先制攻撃するようなことがあれば、前時代に戻ってしまうことになりかねない。前時代とは20世紀のことであり、それは詐欺的な背景を持つ戦争と革命の時代であり、金融資本勢力が大きく跳梁跋扈した時代のことだ。しかし21世紀はあの9・11が最後の事変であり、これからはもう金融資本勢力も戦争などをしている余裕は無くなる。

 日本で起きた巨大地震と津波、それが原発に及ぼした問題、アメリカでの竜巻現象、フランスや中国での旱魃問題、ドイツで始まった大腸菌問題、などなどはこれから地球と人類が遭遇する大変動の兆候に過ぎない。

 イラン攻撃などをしている時ではないのだ。諜報機関の長であった人物だからこそ、イラン攻撃の危うさをよく理解している、と言えよう。イスラエルが生き延びる道は今回オバマ大統領が示した、1967年の第3次中東戦争前の国境線に戻っての、パレスチナの独立で落着する。イランがイスラエルを攻撃することは無いのだから、中東問題の大半はそれで終焉する。


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●元モサド長官:イラン攻撃はするな
http://www.thetruthseeker.co.uk/?p=27676
【6月4日 By wmw_admin】

 元モサド長官のメイアー・ダガンはネタニヤフ首相に対しイラン対策について厳しい警告を発した。テルアビブで1日開催された会議で、イスラエルはイランの核計画を完全に阻止することは出来ないだろうと語り、先制攻撃をしたとしてもたかだか計画を遅らせるだけだ、と述べた。

 更に悪いのは、そのような攻撃をした結果について深刻な検討が必要であるとし、先制攻撃をすることがパンドラの箱を開けることになることを知るだろう、と警告した。

 「イラン攻撃の影響がどういうものかを知ることは重要であり、イスラエルが国際的な批判の場に晒されることを知るだろう」とダガンは語った。

 「イランに対する攻撃は、地域における戦争を意味し、その場合イランに核計画を継続させるもっともな理由を与えることになろう。それは、イラン人が「我々は核能力があるという外国の国に攻撃された。今や我々は戦略的な能力を持つ国に対抗出来る国防を選択せざるを得なくなった・・・大規模な核計画に向かう正当性のある原則論が出てくることになる」と彼は述べた。

 「その戦争は単なるイランに対する戦争と言うことではないことを知ることが重要だ。それはシリアの領域にあるヒズボラを標的として攻撃する必要が出てくれば、シリアを含む地域戦争になるということだ。イスラエルが直面するこの地域的な問題は不可能なことである」

 公的に語るということは元イスラエル諜報機関の責任者であった者には特別なことではあるが、ダガンがこのように辞職して直ぐに、しかも公的な場で語ることでイスラエルでは大きな注目を集めた。

 ダガンのこの公的に示された警告については、イスラエルはイラン攻撃を事実準備している、と多くの者は見ている。また彼の見解を全面的に支持する者たちも多い。

 ハアレツ紙に寄稿しているアルフ・ベンはダガンのスピーチを総括して、「全てのイスラエル人が理解できる単純なメッセージだ」と語った。

 「エルサレムから出る政治的メッセージを首相が完全に統制してきた2年間だったが、ここにきてとうとう立ち上がって、『ビジョンと責任感を喪失している』リーダーシップにある本質的な危険性について公的に警告する人物が出てきた」

 最近数ヶ月で、ガビ・アシュケナジ参謀総長と、シン・ベト保安庁のユヴァル・ディスキン長官が辞職した。ダガンと一緒にこのトリオ組みはバラクとネタニヤフの対抗組みと考えられていた。

 3日、ダガンはバラクとネタニヤフに対してより一層対抗意識を出した発言をしている。

 「辞職する前、ディスキンとアシュケナジと私は危険なアドベンチャーを阻止できたので、私は発言することを決意した」とダガンは語ったと言われている。

 「今や私はビビとバラクを阻止する人間がいないことを怖れている」とネタニヤフのニックネームを使用してダガンは語った。

 ダガン氏は、辞職する前はメディアと接触することを避けてきたが、在職最後の週に記者会見を開き、イラン攻撃に対する懸念を表明した。しかし、軍事検閲で彼の発言内容は公にされなかった。

 「ダガンはイスラエル全般に自分のメッセージを送りたいと考えたのだ。しかし検閲が阻止した」と、ジャーナリストのロネン・バーグマンが思い出して語っている。「それで、彼は今は公職を離れたので検閲なしで公で語れるようになった」

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経済から宗教まで、時代の先を読み解くための作業を人間活動のあらゆる分野にメスを入れて行います。
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