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シリアに侵入を開始したリビアの兵士ら
◆12月3日
リビアの新政府であるリビア国民評議会が、シリアに「革命」の輸出をしようとしているようだ。600名のリビア兵士がシリア領内にトルコ国境から侵入したという。
このリビアの新政府はこの時点ですでに、国際法違反行為を行った、となる。簡単に言えば、シリアに対する「侵略行為」を行ったことになる。
このように、NATOが支援してできた新しいリビアの新政府が、実は「ごろつき集団」であったことが図らずも露呈したことになる。この「新リビア政府」に対して、カダフィ大佐の長女が「反乱」を呼びかけている。
これらの動きに対して、ロシアはシリアに対する武器輸出には何らの問題もないとする声明を発表し、シリア支援を明確にしている。これはアラブ連盟や欧米側のシリア制裁に対する対抗措置となる。
既に示してきたように、シリア内の騒乱は今年の初めから頻繁に行われている、武装勢力によるゲリラ的破壊行為が原因であり、今回の「新リビア政府」の動きはこれを言わば、公然と行う形にしたことになり、新リビア政府を含む欧米側の露骨なシリア不安定化作戦の一段の強化となる。
これに対して、シリア政府は国民と一丸となって、ロシアからの支援も受けながら断固としてこの動きに対抗することになろう。その間、流血の騒乱は継続し、多くの犠牲者が続出することになろう。
しかし、このブログでは、シリアの騒乱はリビアのような形になるとは予想していない。軍事力の大きさからも、シリア軍を打倒することは簡単ではないし、今回シリアの領海に入ってきているロシア艦隊は空母クズネツォフを含む艦隊と言われているから、リビアのようにシリア軍が簡単に制空権を奪われるとは考えられないからだ。
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●リビア新政府:シリアに600人の兵士を侵入させる
http://rt.com/news/libya-syria-fighters-smuggled-475/
リビア政府はカダフィ政権打倒に成功した体験をシリアでも行おうとしているようだ。アサド政権に対抗する武装勢力支援で600人の兵士をシリア領内に侵入させた、と報じられた。
この兵士らは自由シリア軍という、シリア政府に対する攻撃を行っている武装勢力に合流した、とエジプトのアル・ライ・アル・アラビ新聞サイトが報じている。この報道では、この兵士らはトルコ国境からシリアに侵入したという。
この侵入行動はリビア国民評議会(NTC)議長であるムスタファ・アブドゥル・ジャリル氏の合意の下で行われた。NTCはこの動きに志願者が参加することを歓迎していると言われている。
イギリスのメディアは11月25日、イスタンブールでこのNTC側とシリアの武装勢力との間で秘密会談が持たれたと報じた。このリビアの新しい統治者は武器、資金、兵士をシリアに送ることを約束したと報じられている。
バシャール・アサド政府は繰り返し、外国勢力が武装勢力と武器をシリアに送っているため暴力が拡大していると非難してきていた。
10月半ば、このリビアのNTCは反乱側であるシリア国民評議会をシリア人を代表する正当な代表者である、と最初に認めた政府となった。
リビア人は多くの武器を所持し続けている。これは内乱時に、軍事施設から奪ったり、密輸したり、NATOから、あるいはカタールなどの国からの支給品として受け取ったものである。
リビアのNTCはこのかつての反乱者から武器を取り上げることができずにいる。彼らは自分自身を守るためにも、あるいは生活のために武器を所有し続けたがっているのだ。
11月に、リビアの首都のトリポリで、反乱者らの大衆デモが行われた。彼らはNTCに対して賃金の支払いを要求している。中には要求が満たされねば、カダフィ政権を倒したように新政権も打倒するぞと、この新しい政府の転覆を公言する者もいた。
したがってNTCにとって、失業した血の気の多い若者らが武器と一緒に他国へ行くことは望ましいことかもしれない。しかしシリア政府はこれらの者たちを傭兵と見るであろう。トルコ政府は国連安保理の制裁決議がなければ不可能である全面的な軍事作戦の代わりに、この兵士らを自国内に抱え込むことにした。
●ロシア副首相:シリアへの武器出荷の障害はない
http://www.sana.sy/eng/22/2011/12/02/385538.htm
【12月2日 SANA】
ロシアのセルゲイ・イバノフ副首相は12月1日、ロシアのシリアに向けた武器輸出には何らの障害もない、と強調した。
「ロシアは両政府によって合意で禁止されたこと以外の全てを行うだろう」とモスクワでの記者会見上で語り、ロシアからシリアへ向けた武器出荷には何らの問題もない、と語った。
外務大臣のアレキサンダー・ルカシェビッチのスポークスマンは、アメリカ軍艦が東地中海に派遣されたことは、シリア問題をより複雑にさせる行為だと語り、この地域に更なる緊張を強いることになり、問題の政治的解決に対しては何らの助けにもならないと語った。
●カダフィ大佐の長女、アイシャ氏が反乱呼びかけ
【12月1日 産経新聞】
フランス通信(AFP)によると、10月に殺害されたリビアのかつての最高指導者カダフィ大佐の長女アイシャ氏は29日、シリアの放送局を通じ、大佐支持者らに向けて「(リビアの統治機関、国民評議会の)政府に反乱を起こせ」と呼びかけた。アイシャ氏は、同国の首都トリポリが陥落した8月下旬にアルジェリアに逃れ、政治に関わらないことなどを条件に亡命生活を送っている。今回の声明はそれに違反する可能性が高く、評議会がアルジェリア政府への反発を強める可能性がある。(カイロ 大内清)
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