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再選挙で戦うことになった各政党党首

◆5月20日

 ヨーロッパで起きていることは要するに人類が到達した今の体制である金融資本主義体制というものの矛盾の顕現である。世界統一政府を目指す世界的金融資本勢力はヨーロッパ連合と統一通貨ユーロの導入で、ヨーロッパ合衆国を目指しているが、その目論見が成功するか失敗するかの瀬戸際にきている。

 ギリシャに対して再度資金注入をしても、所詮それはギリシャの負債となり、ギリシャ国民はその膨大な債務のくびきに拘束される期間が延びるだけであり、債務が残っている限り彼らの生活は奴隷のそれに陥るだろう。既に今の現状がそれに近いものになっている。そして彼らにはその負債を返せる見込みはないのだから、ギリシャ国民は永遠にその債務のための奴隷状況に甘んじねばならなくなるのである。

 ヨーロッパのそれぞれの国民は、その歴史的に異なる発展内容をもっているのであり、仕事に対する姿勢も、人生に対する姿勢も異なるものであるから、その国に適合した産業と、財政と金融があって初めてその国に合った国家運営が可能である。それを金融をヨーロッパ中央銀行に託してしまえば、各国の財政との間に齟齬が生じざるをえず、ギリシャのように強い産業が少ない国家は衰退するしかなくなるであろう。

 ユーロ圏から離脱することが現実的なギリシャの復活の唯一の方法である。勿論一時的には輸入物資の高騰などで生活は苦しくなるであろうが、その代わり安いドラクマのために一番の産業である観光が大いに盛んになり、時間の経過とともにゆっくり経済も軌道に乗るようになるだろう。

 しかし、その道を辿るかどうかは分からないし、その間に他のヨーロッパ諸国がギリシャと似た状況に陥る可能性が高い。それが悪化すれば金融資本主義体制そのものの崩壊という道程を辿るであろう。それが天の意思かもしれない

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●ギリシャと資本主義の世界的危機
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=30901
【5月18日 by Chris Marsden】

 ギリシャの政治的、経済的、社会的崩壊は、より一層大きいレベルでのヨーロッパと世界の資本主義の危機の直截的な顕れである。

 この小さな国家の運命は、世界的金融資本と各国政府首脳としての彼らの政治的代表者等の強欲のあり方、及びヨーロッパ連合、欧州中央銀行、国際通貨基金のトロイカにのみに懸っている。

 ギリシャの労働者にとっては、このインパクトは破壊的だ。彼らは既にナチスによる占領以来の生活水準の最大限の低下に苦しんできている。失業率は22%で青年層では50.8%であり、数百万人が不定期あるいはパートである。大量失業と貧困は一体となって悪化している。

 ギリシャの反革命は全ヨーロッパのベンチマークとなりつつある。 経済危機が統制できなくなりつつあり世界が2008年のリーマンショックで引き起こされた時以上の不況に陥りつつある。

 5月6日の選挙後のギリシャの政治的行き詰まりはヨーロッパ、アメリカ、アジアの悪化する経済状況の中で起きている。世界の株式市場の不況、失業率の増加、そして停滞し低下する成長率は不況に陥りつつあることを示している。

 アメリカでも、大量の失業者、貧困、ホームレスが蔓延している。そしてヨーロッパで進められている緊縮財政のやり方が州やその他の地方自治体で行われている。スペインより大きくイタリアに匹敵する経済規模のカリフォルニアでは、州知事がヘルスケア、教育、公務員給与の大幅削減を要求している。

 ギリシャで行われている公的な議論には現実的でない雰囲気がある。政治家とメディアのコメンテーターは銀行に更に資金が供給され、労働者に更なる苦難を押し付けるために、経済崩壊と社会的荒廃がすぐにも起きるようなことを語っている。 

 危機に対処するために提案されたやり方は、危機を更に深めるものである。ギリシャに支払われたはずの資金は主要な債権者の金庫にまっすぐに入ったのだ。そして追加のローンは同じ貪欲な獣の食欲を満たすことになるであろう。

 更なる犠牲を要求することは不可能となっている。大勢の労働者階級の緊縮財政に対する抗議はヨーロッパ中で高まっている。これはギリシャの選挙で示されただけでなく、緊縮財政を主張する政党を拒否したフランスその他のイギリスやドイツでの選挙でも示されたのだ。

 これは大衆の基本的な要求と資本主義的ヨーロッパの制度との間の両立できない矛盾の存在を源とする社会的緊張の頂点を示すものである。 

 ギリシャの労働者は救済条件に妥協することに直接介入した政党-PASOK(全ギリシャ社会主義運動)と新民主主義党を拒否することで自分たちの抗議の姿勢を表したのである。しかしこの感情の主な受益者は、債務削減の面で大衆の抗議を懐柔するために経済崩壊と表面的な改革を避けるために債務返済の拡大を望んでいるギリシャのブルジョワのある階層の代弁者であるSYRIZA(急進左派連合)である。SYRIZAはヨーロッパ連合とユーロを擁護しているが、自分たちを緊縮財政反対の政党としている。しかしこれは一致しない。緊縮と労働者階級に対する強められた攻撃は銀行家らのEUとそれを守る資本家グループの一致した要求である。

 ギリシャ共産党によって示された解決策はユーロ離脱とドラクマへの回帰であるが、これは世界中のコメンテーターたちに受け止められている。しかしこれもギリシャの労働者を世界的金融業者らの成すがままの状態に置くことになり、資本家たちの支配は無傷のままにさせる反面、労働者の住宅、賃金、少ない貯金はたちまち80%ほどの価値を失うであろう。

 支配階級のかつてないほどの拡大された階層は、ギリシャがユーロ圏を離脱せざるを得なくなるだろうと言う結論を持ち始めている。これは何とかできると豪語し、ギリシャは最後のユーロが人々から引き出されるまでただ叩くべきだという者がいる。他の者は金融危機がヨーロッパ中に、更にそれを超えて伝染しているのでユーロの存続は脅かされていると警告している。

 この後者の見方が現実により一層根ざしている。世界の金融機関はギリシャに5360億ドルの債権を持っているが、国際金融協会はギリシャがユーロを離脱する場合には「殺人的損失」と言われる1.2兆ドルになると予測している。ヴィルトシャフト・ヴォッヘ誌は、ギリシャのユーロ離脱はユーロ圏諸国だけでも、3000億ドルの負担になり、ヨーロッパは1930年代の恐慌型の不況に押しやられるかもしれないと言っている。

 更に重要なのはギリシャの離脱は、スペインやポルトガル、イタリアなどの奈落の淵をふらついているより大きい経済をもつ国々の崩壊を必然的に早めるであろうということだ。2010年以来既に三分の一の預金を失ったギリシャの銀行の経営には危機が迫っている。銀行の全面的な取次騒ぎが起きればヨーロッパの銀行に連鎖反応が起きる可能性がある。

 ギリシャとヨーロッパの労働者は資本主義システムの失敗の結果と直面している。目の前の経済危機のその時その時の解決策というものが、更なる社会的破壊と野蛮性の増長をもたらしてきたのだ。 

 ギリシャの二度目の選挙は6月17日に予定されているが、今月起きたこと以上の危機解決の可能性はない。

 唯一もっとも急進的な解決策だけが現実的であるという新しい時代が来ている。ギリシャの労働者は前に横たわる問題を基礎づけるための革命的社会的かつ国際的展望を持つべきである。同じことがヨーロッパやアメリカ、そして世界的に言える。

 支配階級は階級闘争の高まりを予想しかつ期待し準備をしている。その闘争でギリシャの運命が決まることを彼らは知っている。PASOKのミハリス・フリソコイディは、ユーロからの離脱で、「カラシニコフを持ったギャングが出てきて、誰が一番カラシニコフを持っているかが争われ、ギリシャは内戦状態に陥るだろう」と警告した。

 歴史的に、ギリシャのブルジョワは自分たちの支配を維持できるならば軍事独裁も含めて平気でなんでもやることを示してきた。労働者階級はこのことを知って行動すべきである。

 求められていることは、労働者たちの政府を生み出すことを目指して産業的、政治的攻勢を強化することである。そのよな政府は、ギリシャ経済の指導的立場を握ることをしなければならないし、銀行と企業のアセットを握り、資本のフライトを防止しなければならない。トロイカの代表たちは退場するべきであり、ギリシャの資源は、人々の苦難を軽減するため、しっかりとした仕事を供給するため、そして教育、住宅、医療分野で必要とされるあらゆる施策の資金に使用されるべきである。

 これらの施策は、ギリシャの悲劇と苦難を生み出した者たちに対するヨーロッパの労働者階級の広範な政治的動員の一部としてのみ実現可能であろう。ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、そしてイギリスの労働者は、その国の政府に対する戦いを始めるべきである。ヨーロッパ連合の大きな資本と金融パラサイトに対抗して、統一的な社会主義的ヨーロッパ合衆国が展望されるべきである。

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映画「2012」のポスター

◆5月16日

 しばしばこのブログでは天変地異などについて語ってきた。マヤの暦に関しても言及した事があった。日経新聞などの伝える経済情報にのみ関心のあるような人々はこのブログの経済情報にだけ関心があるかもしれない。しかし、それだけではやはり足りないはずだ。2009年12月12日「巨大な政府債務はGDP総計をやがて追い越す」でも今回取り上げた映画「2012」に触れた。

 記事の中で「エリート達」と語っている人々は、このROCKWAY EXPRESS で言っている「国際金融資本勢力」とほぼ同じ人々のことである。また記事で示された見解は、正鵠を得た面が多いと考える。ただし、一昨日の記事に記したように彼らの思惑は成就しないという点がこのブログの見方である。そこが異なる。

 太陽フレアーが地球の内部から地球を暖めるということ、それによって火山の噴火や巨大地震が頻発すること、エリート達がそういったことを知って準備している事、などはその通りであろう。その地球大混乱を通じてエリート達が新世界秩序を作り単一世界政府を作り、全世界を支配しようとしていることもその通りであろう。

 しかし残念ながらその彼らの思惑は成就しないのだ。なんとなれば、彼らにはまだ理解されていない、太陽の電磁波の働きがあり、地球の動きがあり、自分たちの物質的・肉体的利益のために他を犠牲にするような根性の持ち主たちはサバイバルできない世界がやってくるからである。人間の身である彼らが何をどうしたって太陽と地球の働きのまえには、なす術もないのだ。だから彼らの思惑は成就しない。太陽と地球を持ち出す前に、サルコジが大統領職から追われたように、彼らの思惑は人間ベルでも挫折しだしているのである。大衆は目覚めだしている。
 
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●映画「2012」に隠されている象徴的意味
http://vigilantcitizen.com/moviesandtv/the-hidden-symbolic-meaning-of-the-movie-2012/
【5月15日 The Vigilant Citizen】(部分訳)

 映画「2012」は、数千年前の古代のマヤに予言されている地球の破壊に関するものである。そこには、スペクタル・シーンが満載であるが、同時にこの世のエリート達の新世界とアクエリアス時代に対する計画についての象徴とメッセージが示されている。

■警告:大規模災害がやってくる
 
 2009年に封切られたロランド・エマーリッチの「2012」は、「マヤ人は2012年に世界は終わるって言っている」ということをベースにした恐怖を扱ったものだ。この映画の終末論的物語は2012についての人々の最悪の恐怖を描いている:あらゆるものの破壊、あらゆる人々の死、しかし2012はまた、多くの聖書的、神話的、歴史的な内容も取り上げられているので、物語により一層深味を与えている。更に特別なメッセージが、映画の中の危機的状況の扱われ方を通して理解されるようになっている。基本的には、「何かが起きた場合には、金持ちと権力者らは救われるが、残りの君たち、とんま野郎たちは死ぬことになる」ということを言っている。

 世界のエリート達は2012年の問題を数年前に知り、秘密裏に自分たちの救済計画を立てる(大衆には知らせずに)ことで、世界の破滅後の新しい世界ではエリート達だけが生きることになる。わずかな普通の人々がエリートたちの船に何とかもぐりこむ事になることで、ハッピーエンドになっている。もっとも、多くの人々が死に自分もその中に入っているように感じ馬鹿にされている感じもある。

 この映画は2012年12月23日に起きることを正確に予言したものであろうか?そうではないだろうが、エリート達の新世界秩序とアクエリアス時代に対する計画についての特別なメッセージを絡めていると考えられる。


■導入部分
 
 宇宙の出来事から大変動が引き起こされる:惑星直列だ。地上では科学者の中で巨大太陽フレアーが地球の核の温度を上昇させる事を発見する。アメリカ人の地理学者のアドリアン・ヘルムスレイは、世界の終わりが急速に近づいていることを知る。その事を最高権力者らに知らせるが、既に彼らはその事を知っていたばかりか、何年も前から救済計画を推進していたのだ。

 2012年の救済計画を知っている人々は世界で最も権力のある人々だけである。チケットは個人にも販売されていた。チケット代? 10億ユーロだ。つまり、普通の人々が救済される道は無いという事だ。いつものように大衆はパニックと暴力沙汰を起こすお馬鹿な群集として描写されている。


博物館館長は事故に見せかけられ殺害される

 この大掛かりな陰謀は完璧な秘密ではなかった。重要人物の中にはこの事実を知り大衆に知らせようとするものも現れるがすぐさま沈黙させられる。フランス博物館館長がその人物だが、彼がカーアクシデントで殺されるのが、ダイアナ王妃が事故にあったと同じトンネル内なのだ。この映画は、「博物館館長がこのトンネル内で殺害されたのが、カーアクシデントとされたのならば、ダイアナ妃の場合はどうだったのか?」と示唆しているのかも知れない。そして良心基準を持つものは博物館館長だけでなく、多くの人々も同様だったが、彼らもことごとく奇妙な状況下で死んでいったのだ。そんな中、中国政府は、「箱舟」と名づけられた船を建造する責任国になる。


■アトランティスよさらば
 
 この映画の主人公のジャクソン・カーティスは、離婚した普通の父親で、真実を知り箱舟に乗り込もうとする。彼はあまり売れない作家で「アトランティスよさらば」という本の著者である。アトランティスは、実在した超古代の大陸で、今の世界のオカルト知識の源であったということで、オカルトを信奉するエリート達の秘伝の中では大変重要である。大洪水を逃れて各地にたどり着いたアトランティス人は、古代エジプト人、マヤ人、恐らくはケルト人らにオカルト知識を授けた教師と考えられている。聖書の大洪水の話は、実際はアトランティス沈没と消滅のことを語っていると、秘教を教える学校では言われている。

 今日の秘密結社内ではフリーメーソンとバラ十字会によって建国されたアメリカの事を「新アトランティス」ととらえている。フランシス・ベーコンの1605年の「新アトランティス」は、フリーメーソンとバラ十字会の原則である、科学と理性によって成り立つ理想世界を描いている。この本はアメリカ建国の青写真と言われている。


フランシス・ベーコンの1605年の「新アトランティス」

 映画の主人公のジャクソン・カーティスの「アトランティスよさらば」は、アメリカの破滅を描いている。アトランティスが完全に水没したように、今日のオカルト・エリート達の本拠地であるアメリカも似たようア運命に遭うかもしれないという。


■大変動
 
 地球は熱くなりだしロサンジェルスには亀裂が入り始める。大変動が間近に迫っているのだがマスメディアは大衆を平静に保たせる為に大きく取り上げる事はしない。何が起きているのかを知っている非エリートは、森に住んでいる変人のチャーリー・フロストという陰謀論者だ。ハリウッド映画では、真実を追究する者たちは分別ある人物としては描かれないという事のようだ。真実を知る事は「クール」ではないのだ。フロストはジャクソンに全ての事を伝え、箱舟の場所を示す地図を渡す。

 世界が崩壊し出すといくつかの重要な記念建造物が破壊される場面が出てくる。一つはブラジルの巨大キリスト像だ。サダム・フセインの銅像が引き倒されるようにこの巨大彫像が倒れていく。別の場面では、ヴァティカンの聖ペテロ大聖堂が集まって祈っている群衆の頭上に崩れ落ちる。その他の宗教の象徴物も似た状況に遭遇する。エリート達の新世界には、こういった旧世界に存在した宗教は存在しない事を示唆しているのだ。宗教だけでなく政治の分野も同様である。それらは、世界の単一政府ができる新世界には旧世界の各国政府は存在しないという事を示している。

 アメリカ大統領が最後の演説をしている。「自由世界の指導者」が普通の人々と共に死ぬ為にワシントンにとどまっているのだ。つまり、民主的な選挙で選ばれた民衆の代表者たちには、エリートたちの新世界の政府内に居る場所はないのだ。


■エリートたちのノアの箱舟
 
 世界の人々が地震と洪水で死んでいく中、「選ばれた者たち」は巨大箱船に乗船する為に中国へ向かう。箱舟に乗船できる基準はフェアとは到底言い難いものである。たとえば2012年の大変動を発見したインド人科学者は取り残され、欲深なロシア人の億万長者は乗船を許可されているのだ。


「選ばれた者たち」であるエリートたちは巨大箱船に乗船する

 映画の最後にはアフリカ大陸だけを残して全世界が水没する。箱舟は「希望峰」と象徴的に名づけられた文明の揺籃の地に向かって進む。これはハッピーエンドなのかどうかは、あなたがエリートか、そうでないかによるだろう。


■アクエリアス時代
 
 秘教の学校では、約25000年をかけて太陽が黄道帯の十二宮を巡る「大太陽年」を教えている。
 ほぼ2000年ごとに太陽は新しい宮に入る。過去2000年間は太陽はうお座(二匹の魚で象徴)にあり、我々は双魚宮時代にあるという。キリスト教では魚を象徴としてきた。今世界はアクエリアス(宝瓶宮)時代に入ろうとしている。キリスト教の象徴的な建造物が崩壊する事を示す事で、また大洪水の跡に新世界が生まれる事を示す事で、この「2012」という映画はアクエリアス時代の到来を告げているようだ。


■結論
 
 「2012」はしばしば大パニック狂乱映画と言われるが、それでも多くのメッセージと特別な効果を含んでいる。この映画の、歴史的、聖書的、神話的、秘教的コンセプトは、映画により一層深い意味を与えている。それは、現在のオカルト・エリート達の世界観にマッチするものである。宗教の消滅、国家の消滅、選ばれたエリートの賛美。こういったことはデンバー国際空港やバンク・オブ・アメリカの建物の壁画に描かれている物語を彷彿とさせる。

 もっと秘教的なレベルでは、この映画はアメリカをアトランティスと同じと見なしている。大洪水で滅ぶ進んだ文明の地だ。秘密結社のオカルト知識の源泉と言われている古代のアトランティスの生き残りの者たちは、自分たちの知識を永続させる為世界にそれを伝えた。太陽フレアーが2012の大変動の原因とされ、大洪水が地球破滅の原因となっている。このシンボリズムを通して、この映画は双魚宮時代が終焉しアクエリアス(宝瓶宮)時代の始まりを宣言しているようだ。

 しかしこの映画は隠蔽工作と殺人でなされる民衆に対する大掛かりな陰謀を描いている。最後にはエリート達は何十億もの人々を死ぬに任せてしまうのだ。この陰謀はこのような危機が地球に迫った場合の唯一の解決策として示されていると言える。新世界秩序の示しているやり方で解決されるかも知れない危機に対して大衆は準備できているのであろうか? この映画のプロモーショナル・ポスターではっきりと書かれてあるように:「我々は警告を受けたのだ」

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◆5月14日

 ギリシャの危機からスペイン、イタリアなどに金融・経済危機が顕著になってきており、特に青年層を中心に政府の「緊縮政策」に反対する抗議デモなどが起きだしている。この件については4月14日号「ヨーロッパ経済危機を示す27の指標」や、2月1日号の「ヨーロッパが恐慌に向かっていることを示す20のサイン」、昨年の11月29日号「ギリシャ→アイルランド→ポルトガル→スペイン→イタリア→イギリス?」などで示してきた。

 写真に見れるデモ隊の参加者の掲げるプラカードには「1984 G.ORWELL」の文字が見える。これは勿論、ジョージ・オーウェルの「1984年」という近未来世界を描いた小説の事であり、イリュミナティー勢力が目指している全体主義的世界体制を示したものと、もっぱらのうわさとなっている作品のことである。

 ギリシャでも「緊縮財政派」と、「反緊縮財政派」とに分裂し、組閣もできず再選挙になりそうである。フランスは「緊縮財政派」のサルコジが破れ、「反緊縮財政派」のオランドが大統領に選出された。サルコジは、国際金融資本勢力の手先であり小間使いであったことを見れば、そしてオーウェルの「1984年」に出てくる「ビッグ・ブラザース」がこの国際金融資本勢力のお偉方たちをさしている事を考えれば、あのプラカードを掲げたスペインの若者も事態の深層部分を理解していることになりそうだ。

 たとえ緊縮財政を実施しても、ヨーロッパの諸国が抱える財政・金融・経済問題は解決しない。そこで上記の勢力はヨーロッパの諸国に財政の権利をも、ヨーロッパ中央政府のようなものを作り出して、そこに差し出せと迫るであろう、要するにヨーロッパ合衆国の創設だ。その中央政府を牛耳るのは、やはり上記の国際金融資本勢力の者たちであるから、結局この者達がヨーロッパを支配する事になってしまうという計算であろう。しかし彼らの思惑は、結局成就はしないであろう。彼らが夢見る「1984年」の世界は、できない。

 今年はこのヨーロッパの財政・金融問題に始まる混乱の激化と世界的な天変地異とが同時にやってきて、次の2013年以降の大激変期の序曲時代となるだろう。そのような大激変期に要となる国と国民は、この日本であり、日本国民である。

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●スペイン中で緊縮政策反対の抗議デモ
http://rt.com/news/mass-protests-spain-madrid-118/
【5月12日 Russia Today】

 スペインの80の都市が国家財政のあり方に抗議する「怒り」のデモ隊で膨れ上がっている。

 首都のマドリッドでは各地から数千人のデモ隊が叫びを上げドラムを叩きながらプエルタ・デル・ソル広場に集結してきた。

 当局は大衆運動の震源地であったこの広場にキャンプを張ろうとする者たちを阻止するよう万全の体制をとっている。デモ行進はバルセロナ、ビルバオ、マラガ、セルビアなどでも行われた。

 この四日間に渡ったデモ行進は、日ごとに悪化するスペインの経済に対して「怒り」の抗議運動を行った一周年目に行われた。

 失業率は25%に上り、これはユーロ圏で最高であり、25歳以下のスペイン人に限ればその半分が失業中である。スペインは今年は300奥ユーロの歳出削減に直面しているが、デモ隊参加者らは、この削減で公共サービスで大幅に資金不足状態をもたらしていると言う。

 政府は、国がリセッションに深く嵌っていく中、スペインもギリシャのようにじきに支援要請が必要になるでのは、という恐れから新たな緊縮策を打ち出そうとしている。この政策の中には、固定資産税や所得税の引き上げ、最低賃金の据え置き、ヘルス・ケアと教育への支出の削減、年金受給者の医療給付金の削減などが含まれる。

 「我々は経済分野のエリート達が押し付けている緊縮財政に前からずっと怒っているのでここにきている」、と21歳の学生のビクトール・バルデスはAFPに語った。他の参加者は、「我々がここにいる」ことを政府が知っている事が大切であると語った。

 政府は昨年のように、マドリッドの中心にテント村ができるような事が繰り返される事はないようにと身構えている。昨年はデモ隊と警察が激しく衝突し、テント村は強制退去させられたのであった。

 マドリッドのスペイン政府は、土曜日の5時間の集会の許可は出していた、そしてデモ隊は、午後10時までには広場から退去しなければならない。翌日また広場に戻る事はできる。

 しかしながら、活動家らは、プエルタ・デル・ソル広場で4日間を通じて「常設の集会」を呼びかけるとメディアに語った。政府は取り締まりを実行するに十分な2000名の警備隊がいると、警告を発している。


●スペインで10万人が反緊縮デモ、欧州全域に拡散
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2012051496058
【5月14日 東亜日報】

強力な緊縮政策によって失業と景気低迷など深刻な副作用に直面した欧州で、緊縮に抗議する大規模デモとテロが同時多発的に広がっている。フランス大統領選とギリシャ総選挙、イタリア地方選挙で一斉に表出された緊縮政策に反対する民心が、欧州全域に拡散している。

ユーロ圏で深刻な失業率と景気後退で救済金融説が絶えないスペインは12日、マドリードで3万人、バルセロナで4万5000人など全国80ヵ所で少なくとも約10万人が緊縮政策に反対するデモを行った。デモ隊は、警察の解散命令にもかかわらず、「私たちはできる」と叫んで広場を占領し、午前0時に抗議の意味で、手を空に向けて上げ、1分間沈黙デモをした。


デモは、昨年、格差拡大と金融資本に反対し、グローバル「占領」デモの一環として起こったスペインの「怒れる者たち」集会1周年(5月15日)に合わせて、4日間の日程で始まった。群衆は、デモの震源地だったマドリードのプエルタ・デル・ソル広場でテントをはり、4日間のデモに突入した。スペインの失業率は24.4%、25才未満の若者の失業率は52%にのぼる。


ハンガリー・ブダペストでも同日、極右政党のヨッビク(より良いハンガリーのための運動)の主導で、2500人が政府の増税と緊縮措置に抗議する集会を開いた。ヨッビクのガボール・ヴォナ代表は、「政権与党のフィデス党と前社会党政権が、外国の銀行と多国籍企業に国を売り飛ばした」と主張した。ロンドンでも600人余りのデモ隊が、略奪的資本主義体制の終息を求め、銀行を批判する集会を開き、警察と衝突して12人が逮捕された。テルアビブ(5000人)やエルサレム(1000人)などイスラエルの主要都市でも、数千人が物価高騰に反対して社会正義の実現を求めるデモを行った。


莫大な国家負債に苦しむイタリアでは、無政府主義者が経済不安に乗じてテロを行っている。12日、リヴォルノ市では、不審者が国税庁の建物に2本の火炎瓶を投げて逃げた。また、航空防衛産業の企業であるフィンメッカニカの核関連系列会社の社長が、無政府連合組織員から銃撃を受けた。緊縮の象徴である税務機関と大企業に対する攻撃が相次ぎ、70年代にイタリアで多くの犠牲者を生んだ極端主義者の政治暴動が再発するのではないか憂慮されている。


このような中、ユーロ圏の危機の風向きを計る独仏首脳会談が15日にドイツで開かれる。「成長」を訴えて勝利したフランスのオランド大統領当選者は、就任式を終えた後、ドイツ・ベルリンを訪れ、緊縮を推し進めるドイツのメルケル首相と新財政条約問題を協議する。会談の最大争点である緊縮中心の新財政条約にオランド氏が主張する成長を加える案が話し合われるもようだ。また、民間ファンドを引き入れ、欧州連合(EU)内のインフラとエネルギー産業に大々的に投資する案も論議されている。


両国の実務陣は、財政危機を深める恐れのある一時的なてこ入れ策よりも、中長期的な成長対策づくりが必要だという原則の下で意見を調整してきた。バンクオブアメリカ・メリルリンチの欧州チーフエコノミスト、ローレンス・ブーン氏は、「両国は初期の摩擦は避けられないが、緊縮と成長の適切な妥協のほかに代案はない」と強調した。オランド陣営の選挙対策委員長を務めたピエール・モスコビッシ氏も、「ユーロ圏の危機打開に向けた合意があるだろう」と見通した。

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高性能爆弾によるダマスカスの爆弾テロ現場

◆5月11日

 シリアで大規模な爆弾テロが起きた。自爆攻撃という見方もあるようだが、要するに車爆弾であり、自爆とは限らない。この事件をレバノンの日刊紙がCIAとモサドの犯行だと指摘したのを、トルコの日刊紙が取り上げ報じた。

 レバノンではこの規模の大規模爆弾テロを、2005年2月14日に起きたレバノンのハリリ元首相暗殺事件で経験しているので、明確な判断ができたものであろう。またトルコ紙は、自国のエルドアン政権がかつて友好関係にあったアサド政権に対して手のひらを返すような、裏切りにも似た姿勢を取っていることに対する反発もあって、このレバノン紙の記事を取り上げているようだ。

 このハリリ元首相暗殺事件で使用された爆弾は特殊で大変な破壊力をもっていたが、今回のシリアでの車爆弾も、写真で見れるようにコンクリートのビルの片側を全面崩壊させるような、そして55人の死者と372人もの負傷者を出すほどの強力な爆弾であったことを見ても欧米側の高性能爆弾であると思われる。つまり、レバノンのアル・ベナア紙やこのトルコのアイディンリク紙の報ずるようにCIAやモサドの仕業と考えるのが妥当であろう。

 政府側が弾圧を正当化させるための「自作自演」であるという、反政府側勢力の主張はナンセンスである。彼らに言わせれば、アサド政権は今まで一年以上も「弾圧」を続けてきたはずであり、その結果、反政府側の拠点であったホムスも解放されたのに、なんで今更「弾圧」を正当化するための、(ばれたらやばいことになるはずの)自作自演の爆弾テロで市民を殺傷せねばならないのだ、ということになるのである。そのような必要性は存在しない。

 アサド政権がこの一年以上にわたって努力してきたことは、いかに武装勢力のテロから自国民を守るかということであり、同時に外国の干渉・介入を排して、自国をゆっくりと民主化の道程に乗せていくことである。そして、それこそがシリアにとっては最良のやり方である。

 今回の車爆弾テロはシリアを混乱と疑心暗鬼の巷に、そして内乱へとひっぱってゆこうとする勢力の仕業であり、それが欧米・イスラエルの情報機関である、という可能性は非常に高い。
 
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●トルコ新聞:CIAとモサドによるシリア爆弾テロ
http://stratrisks.com/geostrat/6020
【5月10日 StratRisks】

 トルコの日刊紙のアイディンリク(Aydinlik)紙は、自爆攻撃はCIAとモサドによって扇動方法としてイラクで行われてきたが、今回はそれがシリアで行われた、とレバノンのアル・ベナア紙が報じた、と伝えた。

 「CIAとモサドは、イラク、パキスタン、リビヤなどいくつかの国でこの自爆攻撃を行ってきた」と、アイディンリク紙は月曜日の記事で報じていた。

 このレポートは、イラク占領時にCIAとモサドの工作員がモスクを爆弾攻撃することでシーア派とスンニー派の間の軋轢を増幅させてきたことを示している。

 「これらの工作員は、シーア派とスンニー派のモスクを標的にすることで自分たちの目的を達成してきた。全ての爆弾攻撃は自爆攻撃と宣言され、自爆攻撃者は死亡したと発表されてきたが、事実はそうではない」とアイディンリク紙は報じている。

 この新聞はCIAとモサドは同じ方法をコフィ・アナン特使の国連のシリアに向けた計画を挫折させる目的でシリアでも使用している、と指摘している。

 「政治アナリストは、この自爆攻撃はこれからシリア内で増えるであろうが、疑いなくモサドとアメリカの情報機関が黒幕である」、とこのトルコの記事は記している。

 「しかしながら、自爆攻撃はシリア内での扇動と混乱のためとしては最も危険なやり方であるが、不幸にもトルコがモサドとCIAを支援しているのでトルコ国境がこの作戦の後方戦線となるだろう。つまり、トルコはアサド政権に対するこの作戦のパートナーである、ということだ」とアイディンリク紙は報じている。


●シリア首都で爆弾テロ、55人死亡372人負傷
読売新聞 5月10日(木)

【カイロ=貞広貴志】シリアの首都ダマスカス南部で10日、強力な爆弾2発が相次いで爆発し、内務省によると、通学中の子供を含む55人が死亡、372人が負傷した。

 昨年3月に反体制デモが始まって以来、首都では最大規模のテロ事件で、「停戦」の行方に暗雲が漂っている。

 爆発は、シリア治安機関前の幹線道路上で、通勤通学の市民でごった返す時間帯に起きた。車2台による自爆攻撃とみられる。軍施設と要員を標的とした従来の爆破・襲撃と異なり、市民の犠牲を見越した無差別テロの可能性が高い。道路に開いた深さ3メートル以上の穴からも無差別殺傷の意図は明らかだ。

 10日午後(日本時間同日夜)現在、犯行声明はない。政府と反体制派は互いの仕業として非難し合っている。

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太陽が2重極構造から4重極構造になると・・・

◆5月9日

 日曜日に起きた竜巻はかつて見た事のないほどの大型で強力なものだった。大量のヒョウが降ったことも珍しいことで、まさに異常気象であり、天変地異の中の天変の方だ。

 この異常気象はどうも太陽の変化に原因がありそうだと指摘され始めている。太陽の磁場に変化が出てきており、奇妙な磁場を形成しつつあるようなのだ。それが起きると過去の現象として、小氷河期になると言われている。といって寒いばかりではなく場所によってはこれまた異常に暑い所も出てくるようだ。

 この件については、既に伊勢白山道ブログでは夙(つと)に指摘されてきた事であった。温暖化も太陽の電磁波によるものと指摘されて久しい。それが今科学的裏づけを持ち始めていると考えられる。つまり、これからの地球と我々の生活や運命について伊勢白山道ブログは有益な情報をもたらしてくれると言えよう。これが、ROCKWAY EXPRESSが伊勢白山道ブログを引用し、推薦する理由である。

 なお、以下の記事にあるように「太陽の大局的磁場が4重極構造になる兆候が発見された」のだが4重極構造になった場合、地球はどうなるか、という点についての質問には、伊勢白山道の回答は「大自然が動きます。渦をまくように」というものである。

 備えあれば憂いなし

※伊勢白山道ブログ  ↓ 
 http://blog.goo.ne.jp/isehakusandou

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●地球は小氷河期に向かうのか?
http://iceagenow.info/2012/05/heading-ice-age-astrophysicist/
【5月8日 Ice Age Now】

 「小氷河期(マウンダー・ダルトン)循環形式が出始めている。世界の寒冷化が早まっている」と天体物理学者のピアース・コルビンは語る

 「太陽の磁場が変形し、この変化は5月に顕著になった」とコルビンは語る。「太陽は変形磁場状態に入りつつある。この奇妙な現象は、日本の国立天文台と理化学研究所が最初に指摘した。過去太陽活動の減少期に起きたものと同じようだと語っている。これが起きると世界は寒冷化が進み、長い冬と寒い春、ひどい夏がもたらされると言う」 

 「同じ時期、独立の観察者が世界で小氷河期型気象が増大していることに気付いた。イギリスやアイルランドなどで、ジョット気流がずっと南に移動したことでより極端な降雹(ヒョウが降ること)とサイクロンを伴う寒い天候が目立って起きている」

 「これらの変化と発見は、我々が2年前に行った世界全体が寒冷化するという予測に対する自信を深めるものである。また毎月各地域に対して、例えば5月にイギリス・西ヨーロッパの中央・東部での特別に寒い天候や、東ヨーロッパの非常に暑い天候などの予測がある」

 「こういった循環形式の発達は、一般的にジェット気流の振幅の拡大によると言われ、ある地域では暖かかったり非常に暖かくなる場所も出てくる。これは3月に通常は寒い北半球だがイギリスやアメリカでは暖かかったり非常に暖かかった事に現れていた」

 「5月は更に劇的なコントラストを見るだろう。気象の変化が起きている。これは太陽によって起きているものであり、CO2によってではない!」


●衛星「ひので」、太陽北極の磁場の反転中の証拠を確認 - 将来は4重極構造に
http://news.mynavi.jp/news/2012/04/23/016/index.html
「2012/04/23」

国立天文台と理化学研究所(理研)を中心とする国際研究グループは、太陽観測衛星「ひので」に搭載された可視光・磁場望遠鏡により太陽極域の磁場観測を定期的に行ってきたが、この度、極域磁場の極性が通常より早く反転しつつあることを捉えたと発表した。

成果は、国立天文台と理研のほか、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、米国航空宇宙局(NASA)、英国科学技術会議、欧州宇宙機関(ESA)などの国際共同研究グループによるもの。可視光・磁場望遠鏡が持つ高空間分解能・高精度偏光解析能力と、長期間にわたり安定的に行われた「ひので」の運用による成果でもある。

現在、太陽活動は極小期を過ぎ、やや上昇してきている状況だ。今回の極小期の太陽磁場は、大局的に見ると、太陽の北極がマイナス極・南極がプラス極となっている。太陽の大規模磁場の極性反転は特に珍しいことでも危険なことでもなく、1997年時点にSOHO衛星が観測した時は、実は現在とは逆で北極がプラス極・南極がマイナス極だった。

よって、次の極性反転も予想されており、これまでは2013年5月頃に起きると考えられている太陽活動極大期(黒点の平均的数が最大になる時期)にほぼ同時に反転すると予想されていた次第である。

太陽の極域磁場は、太陽活動の源泉である黒点の源となっていると考えられており、その振る舞いは、今後の太陽活動を予想する上でも大変重要だ。このため、これまでは地上の太陽望遠鏡により極性の反転が観測されていたが、分解能が足りないため、平均的な磁場強度と極性がわかるのみで、太陽極域で何が起きているのかは確認できていなかったという経緯である。

2007年9月に行われた、「ひので」の可視光・磁場望遠鏡の超高空間分解能と高精度偏光解析能力による観測によって、太陽極域に黒点と同じ磁場強度を持つ大きな斑点状の磁場が存在することが初めて明らかとなった。

「ひので」は、その後も極域の観測を、太陽活動の極小期を過ぎ太陽活動が上昇しつつある4年間にわたり定期的に行い、その結果、予想される時期より約1年早く、北極磁場がほぼゼロの状態に近づいていることが、2012年1月の観測で発見されたのである

北極の磁場を担う斑点状の磁場の数が急速に減少し、低緯度から逆極性の斑点が現れたのだ。この結果、現在太陽の北極域では、逆極性の磁場の大規模な消滅と極性の反転が発生していると考えられている状況である。

この観測の結果から予想されるのが、太陽の北極磁場がまもなくマイナスからプラスに転じるというものだ。しかし、一方の南極では極性反転の兆候がほとんど見られず、安定してプラス極が維持されていることを「ひので」は観測している。

太陽の磁場は、大局的には双極(2重極)子構造(例えば、太陽の南極がプラス、北極がマイナスの棒磁石のような構造)をしているが、今回の「ひので」の観測結果から、南北の両方がプラス極になる4重極構造になると想定され、「ひので」の観測データを用いた太陽の磁場構造の把握が数値計算によって行われているところだ。

太陽の極域の観測は、今後の太陽活動を予測する上でも極めて重要である。太陽活動の前活動周期の終わりから今周期の始めにかけての極小期は、予想以上に長く続いた(通常の太陽周期が約11年なのに対して12.6年であった)。

また、現在までのところ、今周期の太陽活動は、前周期に比べて低調に推移している。さらに、今回の「ひので」の観測により、太陽の大局的磁場が4重極構造になる兆候が発見された。

これらの観測結果は、太陽の内部で磁場を生み出すダイナモ機構の状態が、現代的な太陽観測が始まって以来初めて、変動を来していることを示している。地球が寒冷であったといわれる「マウンダー極小期」や「ダルトン極小期」には、太陽がこのような状況にあったと考えられており、今後の推移が注目されるところだ。

これらの研究成果は、これまでの太陽極域磁場の極性反転過程に対する認識に変更を迫る極めて重要な結果である。2012年10月頃に北極域の集中観測を実施し、今後の推移を明らかにする計画だ。「ひので」による研究の進展により、太陽のダイナモ機構に関する基礎研究や太陽の地球環境への影響の理解が進むと期待されると、研究グループはコメントしている。

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