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人類歴史の岐路

◆10月16日

 今年の冬、チュニジアで始まった、「アラブの春」運動はアラブ世界に拡大し、このブログではその時点で、それがアメリカやヨーロッパ、世界に飛び火する、と予見したが、現在、世界中でデモが起きている状況になった(8月1日号「イスラエルで福祉政策改善を求め15万人デモ」・9月19日号「ニューヨーク金融街にデモ隊」)。

 これはその広がりが世界的になりつつあることを見てもわかるように、単に一国における経済是正のための運動ではない。これは、その底流には、前回号で示したように、世界規模で起き始めている、人類歴史の進化と飛躍のための現象なのだ。

 このデモ隊が掲げるスローガンが満たされる方向に世界全体が進むのか、それを抑える側の思惑通りに世界が進むのか。いずれにせよ、世界の人々が二つのグループに大きく分かれ、衝突する現象が深まることになるだろう。
 
 これは以下に示すように、世界経済がいよいよ窮地に入り込むことで更に増大していくだろう。この事態を収拾することは恐らく無理であり、せめてその流れを緩やかにすることだけが、我々にできることだろう。

 金融資本主義体制とそこに巣食う者たちは、滅びが近いことを理解し、そこから離脱することを真剣に考える時(秋)である。

 
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●7つの警告
http://www.moneyandmarkets.com/7-major-advance-warnings-47579
【10月9日 Martin D. Weiss Ph.D.】

 大規模な破たんの可能性を見るので、待たないことにする。緊急に警告する。
 あなた方が危機に直面している資金を救うための時間が必要だ、ということは分かっている。そして我々は金融の災厄が我々の時計に従順ではないことも知っている。

 それは突然襲うのだ。特に株と債券市場でだ。そこでは迫りくる問題を予見して投資家らがしばしば売りを開始する。・・・(省略)

 新しい警告を発する時がやってきた。我々の40年間で最も重要なものである。

 新しい警告は、ヨーロッパに集中している。しかし下記に説明しているように、アメリカと世界中にいる投資家らに対して、ほとんど人生を変えるほどの影響を持つものになるだろう。 


◆警告1
 ギリシャのデフォルトは間近い

ギリシャの債権を保有している銀行とその他の投資家らは既に大きな損失を見ている。2年物国債で50%以上、その他の債権ではそれ以上だ。

 現在まで、ヨーロッパ諸国は自分たちの銀行がこういった不良債権を額面通りの価値を持つものとして会計簿に記していることに目をつむっている。それが最良で全く問題ないかのように扱っている。ソブリンデットの破たんなど決して起きないかのように振る舞っている。
 しかし今やヨーロッパ当局はとうとう、銀行は「危機の解決に参加」すべきだということを認めつつある。
 言い換えれば、銀行は腹を固めてギリシャ・ローンに大ナタをふるわねばならないということだ。彼らは正式に少なくとも損失があったことを認めねばならない。

 結論:銀行がこの解決の仕方を意欲的にか、あるいはそうでないにせよ認めることはギリシャのデフォルトを意味する。


◆警告2
 恐れに対する感情が伝染し拡大する

 世界中の投資家らがギリシャのデフォルトには見て見ぬふりをするだろうと考える者は、大きなショックを受けるだろう。
 ギリシャは第三世界の小国ではない。ギリシャはヨーロッパ連合のメンバー国でありユーロ圏の国だ。ギリシャは、3280億ドルの負債を抱えているが、これはアイルランドとポルトガルのそれを合わせたものより大きい。
 更に、ギリシャだけではないのだ。投資家らはそのことを知っている。ヨーロッパの国がデフォルトすれば、その他の国もそうなるということを、彼らは自動的に予見するだろう。その予見をもとに、彼らは大きな負債を抱えている政府にはそれ以上の貸し付けを拒否する、ないしはとてつもない利回りを要求するだろう。


◆警告3
 ヨーロッパの大銀行が破たんする

 いくつかのヨーロッパの大銀行はソブリンデット問題とそこから発する大量引出のために破たんするだろう。
 巨大な住宅バブルとその破裂から生じた住宅ローンの不良債権問題を抱えているスペインの銀行は特に脆弱だ。
 実際今年は、欧州銀行監督機構(EBA)はヨーロッパの大銀行に対するストレステストを実施したが、テストで不合格となった8行の内5行はスペインの銀行だ。
 フランスの大銀行も問題が同様にある。彼らはどうにかテストには合格した。そのような事実があるにも関わらず、彼らはギリシャ、ポルトガルあるいはアイルランドに対する貸付での損失を会計簿に書き入れないで済ますことが許されている。

◎BNPパリバは2.7兆ドルの資産を持ち、世界最大。
◎クレジット・アグリコルは2.1兆ドルで、世界第4位。
◎ソシエテ・ジェネラルは1.5兆ドル

 合計すると、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、シティグループを合わせたものより多いのだ。
 この3行はPIIGS諸国の不良債権の海で溺れかかっている。この3行すべてが危険である。しかしもっと差し迫った問題がある:大量引出だ!
・・・(省略)
 ヨーロッパの大銀行は、アメリカの銀行よりもずっと短期資金に依存しているので特に脆弱性を持っている。今現在、多くの銀行が引出で大きな問題に直面しつつある。
 そのために、ヨーロッパ中央銀行が先週400億ユーロの緊急融資で大量引出に直面した銀行の救出に動いたのだ。しかし400億ドルは、PIIGS諸国の負債の1ドルに対して1セントの効果しかない。 

 これからの数週間で、大銀行が破たんするのを政府は手をこまねいてみているだろうか? 最初の内は、否だ。そこで以下のようになるだろう・・・


◆警告4
 ヨーロッパ諸国の国債の格付けが下げられるだろう

 ヨーロッパ連合で最も豊かな政府、フランスとドイツは、破たんする彼らの銀行の救済に取り組むだろうから、世界市場はしばらくは息をつけるかもしれない。
 しかし、最近の歴史が示していることは、銀行救済の考え方は以下のような理由で深刻なダメージを受けている。
◎銀行と経済を救済せんとするため、政府自身の財政バランスを損なっている。
◎自分たちの優良であるとの信用格付けを失うことで大きなダメージを受けている。
◎更なる借金をした途端に、彼らはより高い利率で支払わねばならなくなる。
 言い換えれば、破たんに瀕する銀行を支援しようとすることで、政府は自分自身を破たんの淵に追いやっているのだ。

 先週、フランス・ベルギーの巨大銀行のデクシアが、破たんしかかっているということを知った。フランスの巨大銀行に比べればまだ小さいのだが、それでも、その資産はベルギー経済の1.5倍はあるのだ。
もしベルギー政府が銀行を救済しようとすれば、何が起きるだろうか? 間違いなくまだ良好な信用格付けを失うことになるだろう。
  10月7日、ムーディーズはデクシアのような銀行の救済をしなければならなくなる可能性を理由に、既にベルギーを格下げの方向で見直しつつあると発表した。
  ムーディーズは、ベルギーの格下げを考慮中である理由は、「必要となりそうな追加の銀行支援策を持つ既にぎりぎりの政府のバランス・シートに対するインパクト」である、とはっきりと指摘している。
 また大銀行の救済が必要になりそうだということが、他のPIIGSの国々が最近、格下げで一層苦しくなっている主な理由だ。

 
◆警告5
 スペインとイタリアが次のデフォルトに直面する国

 スペインとイタリアは3.4兆ドルの負債を抱えている。これはギリシャのほぼ10倍だ。
 しかし彼らが支払う利息の額が上昇し、彼らの大銀行が支払えなくなりつつあるので、彼らは今までの負債を支払うための新しい借り入れができなくなるだろう。
 
結果:スペインとイタリアはデフォルトの危機に直面するだろう。


◆警告6
 世界的な国債市場は危機的なメルトダウンに直面

 スペインやイタリアも含める国々のデフォルトが予見される中、世界の国債市場は投資家らがパニックに陥り市場から撤退するため閉鎖されるようになるだろう。
 このパニックはPIIGS諸国の借入能力を損なうだけでなく、彼らのデフォルトを推し進めることになるだろう・・・しかし、それは更にフランス、ドイツ、日本、イギリス、アメリカなどの債券市場をメルトダウンさせる恐れがある。それが起きれば、金利の急上昇が起き、最終的には、借入不能となるだろう。


◆警告7
 ソブリンデット・デフォルトの悪循環と銀行破たんが世界的恐慌を引き起こすだろう

 ソブリンデット・デフォルトは更なる銀行破たんの引き金となるだろう。銀行の更なる破たんは、更なるソブリンデット・デフォルトを引き起こすだろう。
 この悪循環は、ビジネスや世帯向けの貸付を断ち切ることになり、世界経済は沈み恐慌になり、悪循環は永久に繰り返すことだろう。
 最終的には、世界全体で何十億という人々が経済的な大災厄の中に投げ入れられる状況を長く見ることになるだろう。

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信頼されていない主流メディア

◆9月26日

 アメリカ人が主流メディアに対する信頼を失いつつあるという。アメリカのメディア界が久しくユダヤ系に牛耳られてきていることは知られており、それがアメリカの世論を形成し、政治や外交の面で影響力を発揮してきたことは事実だ。

 所詮はビジネスとしての面があるから、メディアを支えているのも金の力であり、大株主や広告主の言う事を聞かざるを得なくなる。

 フジテレビが韓国偏向だということで、抗議のデモ行進が行われたことは最近の日本のメディア界にとっても特筆すべき出来事だった。公的性格のつよいテレビが視聴者が見たいものではなく、大株主が宣伝したいものを偏向して放映すれば、非難されて当然である。ケーブルテレビならいざしらず、だが。

 従って、視聴者としては、メディアの示すニュース内容も話し半分として聞かざるを得なくなるのだ。残念であるが、それが実態である。

 このブログでもリビアやシリアでの、「アラブの春」の延長のような大衆運動が起きているかのように報道する、NHKを初めとする主流メディアに対抗して、そうではないという実態を示してきたが、とても間に合いはしない。テレビ放映の影響力は絶大である。

 しかしアメリカの今回の世論調査で示されたように、アメリカ人では、主流メディアに対して覚めた目で見る人々の数が過半数を超えているということは心強いものがある。早く日本でもそのようになることを願わざるを得ない。

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●ギャロップ世論調査:主流メディアに対する信頼感は過去最低基準
http://www.naturalnews.com/033667_mainstream_media_public_trust.html
【9月25日 Jonathan Benson – Natural News】

 アメリカ人で主流メディアが正確で中立的な報道をしているという面で信頼できると応えた者は、44%ほどだったことがギャロップの調査で分かった。昨年の10月には、この数字は43%でこれは過去最低だった。

 多少の誤差を考慮すれば二つの数字はほぼ等しいと考えていいだろう。これはかなりのアメリカ人が真実だといってニュースを売り歩いている主流メディアに対して信頼していないことを示している。

 55%の回答者は、マスメディアを殆どないしは全く信頼していないと言っている。メディアを信頼しない理由については、「リベラルすぎる」とか「保守的過ぎる」など個人の政治的な傾向で異なる場合もあるが、多くは単に正確でないということで信頼していない、と言う。

 同じ調査で、ギャロップは47%の人々がメディアは、「リベラルすぎる」と考えている反面、「保守的過ぎる」と考えている者は、13%に過ぎないことを示した。36%の人々がニュースメディアは「ほぼ正しい」と考えており、これらの人々は、メディアをかなりあるいは相当信頼しているとした人々と同じ人々のようだ。

 アメリカ人がかつては好意的だった主流メディアに対する信頼をうしないつつあることは驚くに値しない。六大メディアと言われる、GE,ウォルト・ディズニー、ニュース・コープ、タイム・ワーナー、ヴィアコム、CBSが、今のメディア界を支配していることは、常識となっている。
 
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カダフィ側のアメル・ムサ将軍の自宅

◆9月22日

 リビアの情勢はまだ予断を許さない、と指摘したが、首都のトリポリでも、倒されたカダフィ政権側の戦闘員が国民評議会(NTC)側と衝突を繰り返しているようだ。

 昨日のブログでは、カダフィ大佐の生誕地のシルトやカダフィ側の本拠地となったバニ・ワリドではカダフィ側戦闘員がNTCの側の攻撃を撃退していることを指摘した。

 リビア南部はいくつかのアフリカ諸国と国境を接しているから、資金の続く限りカダフィ側はそのようなアフリカ諸国の傭兵を募ることもできるだろう。

 このリビア攻略を率先して進めたフランスのサルコジ大統領は、今フランスの複数の高名な弁護士らから、戦争犯罪で訴えられようとしている。

 このブログでは、フランスの大統領は足元からやられる、と指摘したが、正にそのようになりつつある。奢れる者久しからず・・・である。

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●トリポリでカダフィ側勢力の抵抗が継続中
http://news.xinhuanet.com/english2010/world/2011-09/21/c_131150234.htm
【9月21日 Xinhua News Agency】

 リビア国民評議会(NTC)の戦闘員とカダフィ側の治安部隊との衝突がトリポリで20日(木)の夜間に起きたと新華社通信が伝えた。

 4人の親カダフィメンバーがNTC側との交戦の後、捕らえられたと目撃者は語った。
 捕らえられた者たちの名前は確認されなかったが、彼らはカダフィ政権では重要な軍人だった人物の自宅と考えられるビルで捕らえられた。

 この4人が捕らえられる前、彼らはビルの中からNTCの戦闘員に対して対戦車ロケット砲を撃っていた。NTCの戦闘員らは情報筋からこの4人の位置を知らされていた、と新華社通信は伝えた。また、NTCの戦闘員らはすぐさま反撃を開始し、交戦は30分ほど続いたと言う。

 バド・アル・アジジィヤ軍事基地近くにあるビルは衝突後火災に見舞われ、死亡者はいないが、NTCの戦闘員が数名負傷した。

 数日中には新政府の陣容がNTCから発表されると言われているが、リビアの首都トリポリでは散発的に射撃音が聞こえるが、とりわけ夜間は激しい。

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反カダフィ戦闘員が、カダフィ側からの狙撃を避けている

◆9月21日

 リビアではカダフィに忠誠を誓う者たちが未だに頑強に抵抗し、リビアの新政府側が戦闘では敗退する場面もある。新政府側は寄り合い所帯であり、統率に欠ける面がある。カダフィ側は一体化している。だから、今後のNATOの出方次第では、両者の運命は逆転もありうるだろう。

 欧米諸国、特にフランス、イギリスは地上部隊を送ってはいない、ということにしている。空爆だけしている、というスタンスだ。しかし実際は、地上部隊ないしは地上戦闘員つまり傭兵を送っている可能性は否定できない。これは明確は国際法違反になるから、送っていないことにしないと大変なことになるから、送っていないと言っているに過ぎない。

 今回のように、フランス人やイギリス人がカダフィ側に捕まっているとしたら、言い訳が苦しいだろう。そこで裏取引のようなことが起きるかもしれない。

 新政府もなかなか発足できないでいる。さまざまな勢力の思惑が交差しているからだろう。所詮、欲の皮の突っ張った者たちが集まっているのだから、出来上がる新政府が本当の意味で、リビア人のためになるとは思えない。

 アフガンのようにやがては再び元の勢力に権力が移っていく可能性もあるだろう。特にカダフィが生存している限り、その可能性は残る。要は一般リビア人がどれだけカダフィの復権を望んでいるか、あるいはどれだけ新政府を支持するのか、が鍵となる。
 
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●リビアにフランス人傭兵が・・・フランスは否定
http://af.reuters.com/article/libyaNews/idAFL5E7KJ0EC20110919
【9月19日 Maria Golovnina and Alexander Dziadosz – Reuters】

 カダフィ側勢力が維持している町の近くでの戦闘でイギリス人、フランス人を含む17人の外国人戦闘員を捕らえたと発表した後にフランスは19日、リビアに傭兵は送っていないと語った。

 カダフィ側スポークスマンのムサ・イブラヒムの、親カダフィ勢力の基地であるバニ・ワリドでの戦闘で、外国の治安部隊員が捕まったという主張は、立証されておらず、また証拠は示されていない。 

 これは、リビアの新しい統治者側が戦場と政治舞台で厳しい反撃を受けている際に出てきていることだ。

 カダフィが権力から追放されてからほぼ一ヶ月後、バニ・ワリドとカダフィのホームタウンであるシルトで、国民評議会側(NTC)勢力が繰り返し行った攻撃をカダフィ側勢力が撃退している。NTCの戦闘員はカダフィ側基地攻撃で失敗し混乱の中に敗走した。

 NTCは、東にあるベンガジを本拠地にしているが、部族ごとに分裂してしまった国家を統一できるかどうかの問題に直面している。より一層多くの分野の人々を含む臨時政府を樹立するという長いこと約束してきたことは、一晩で失敗してしまった。

 「17人の傭兵達のグループがバニ・ワリドで捕まった。彼らは技術面での専門家らで、顧問も含まれる」と、カダフィ側勢力のスポークスマンであるイブラヒムは、カダフィを支援してきたシリアのアレイ・テレビで語った。「殆どはフランス人で一人はアジア人だが国は特定できていない。二人はイギリス人、もう一人はカタール人だ」と語った。

 フランスのアラン・ジュッペ外相は、国連総会に出席するためニューヨークに来ていたが、記者会見で、「リビアにフランスの傭兵はいない」と語った。

 イギリスの外務省は、その話が真実かどうかの情報を持っていない、と語った。またカタールの外務省はコメントできないと語った。カダフィ側勢力の拠点に対する攻撃を始めたNATOは、リビアにNATO戦闘員はいない、と語った。

 欧米諸国は過去、特殊部隊を送った事があり、メディアは、民間の警備会社が反カダフィ勢力を、訓練その他で援助したと報じた。湾岸諸国も同様、訓練員と武器を送っている。

 リビアでの外国警備員の目撃情報の中には、5月にベンガジの検問所にてフランスの警備会社の責任者が撃たれて死亡したことがあるのと、イギリスの特殊部隊員らが三日間捕らえられていたことがあった。

■敗走
 トリポリの南東150kmにあるバニ・ワリドを掌握しようとの臨時政府の試みは、何度も町に突入しようとしたが親カダフィ側勢力によって撃退され敗走した。

 19日、NTC勢力は町を攻撃しようと北側の門に接近しようとしたが、カダフィ側の激しい射撃のため出来なかった。

 18日戦闘員らは戦車とロケット・ランチャー装備のトラックで攻撃する自分達の計画は失敗したと語った。歩兵部隊が突入しよとしたが、撃退された。

 「組織面でうまく言っていない。歩兵はあっちこっち走り回っていた」とトリポリに基地を置く部隊の古参の戦闘員のザカリア・トゥハムは語った。

 多くの戦闘員はバニ・ワリドの部隊と国のその他の地からやってきた者たちとの間に軋轢が見られることを語っている。

 命令に従わない戦闘員もいる。ある事件では、バニ・ワリドから来た一人の将校が、空に向かって撃つことを止める命令を出すと、トリポリから来た部隊によってやじり倒されたと言う。

 NTC側勢力とNATO航空機はカダフィの生誕地であるシルトを攻撃したが、撃退された。数百もの世帯が19日町から逃げ出した。NTC側勢力が膨大なロケット・ランチャーと大砲でやってきたからだ。

 この包囲された海岸の町の報じられた状況に人道団体が警告を発している。

 「電気、電話が使えない。何もない」と検問所で家族が乗っている車の脇に立って、イブラヒム・ラマダンは語った。臨時政府側の勢力がジュースを一般人に配り荷物をチェックして武器の有無を調べている。

 住民らは、町の秩序が失われたので自宅は破壊され車は衝突し壊れたと語った。「人々は嫌気がさしている。いたるところで爆発があるし、どこから銃弾が飛んでくるか分からないのだ」と、町からの脱出を考えているアブバクルは語った。

 「これを見てくれ」と彼はブラインドにあいた穴を指して、「弾は上から来ている。めちゃくちゃに撃っているのだ」

 ベンガジでは、臨時政府のマハムド・ジブリルは18日、提案内容が現行メンバーからの十全な支持を受ける事ができなかったので新閣僚の名前を告げることが出来なかった。

 「我々は候補者の何人かでは合意している。もう少し話し合わねばならない者たちがいる」とジブリルは18日の記者会見の席上で語った。

 交渉について詳しい筋では、ジブリルの役割が問題だと語った。またリビアが「解放された」と宣言する前に、臨時政府を形成することが正しいかどうかという点で合意できない者たちがいる。NTC高官らは、カダフィ勢力が敗北した時に始めて解放された、と言えると言っている。 

 政治的な内紛は、カダフィに対する嫌悪から内戦では一体化して戦った同盟に存在する亀裂を示している。親欧米自由主義者、イスラム主義のゲリラ、カダフィ政権からの離反者らの間に亀裂が存在しているのだ。

 NTCはリビア東部にその源があるが、カダフィをトリポリから追放した民兵らは西部の町の出である。戦闘員らは、全面的調整のないまま、ホームタウンで組織されて部隊となっている。

 それでも、多くのリビア人は、40年間全ての反対を押しつぶしてきたカダフィを追放した代わりに生じている新しい支配者達の間の混乱は耐えられると言っている。

 「新政府が遅れているのは重要ではない・・・回復するには時間が必要だ」と、エンジニアのムスタファ・サアブ・ビン・ラグヘブはトリポリの殉教者広場でロイターに語った。そこではカダフィがいなくなってから初めて交通整理の警官が立っていた。

 「見てくれ、やっとあの血塗られた猿から解放された。前より良くなるさ。我々は奴と奴の息子達の首に縄を掛けるぞ。そうすれば自由に息をすることができる。政治を語るには早すぎる」と彼は語った。

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外国勢力の支援で売国的リビア人に簒奪されたリビア

◆9月20日

 リビアでのNATOに支援された反乱勢力のリビアでの動きは、「アラブの春」運動のような大衆運動ではなく、また民主化運動でもなく、新植民地主義勢力としてあるNATOの手先となる者たちによるリビアの簒奪行為であり、その犠牲者は一般のリビア人である。

 独裁者ないしは独裁政権の存在そのものが、悪ではないことをここに明記しておく。勿論独裁者はかなりの確率で、とりわけ長期に政権を維持することで、腐敗していく傾向は否めない。それでも独裁政権の故、国内の秩序が保たれ、そこで人々の生活が安定的に確保されているケースもまた存在するものである。人々にとっては日々、安定的な生活を営める、ということは非常に重要なことである。

 その点では、リビアなどはその一つの例となる。シリアのバース党政権も似ていると言えよう。そこでは安定的な生活が営まれていたのである。イラクのフセイン政権には問題も多かったが、人々の一般生活とその安定の面から見れば、今のイラクよりましかもしれなかったのだ。

 今回のリビアの政変は、リビア人が率先して始めたものではなく、NATO勢力の工作により、将来自分達がリビアのうまみを独占できる、と扇動された売国的リビア人たちがNATO勢力の誘惑に乗って起こしたものだ。今シリアで起きていることもほぼ同様の内容である。

 結局安定していた生活を破壊され、この紛争のさなかに命を落とした者たちの数が膨大な数に上っていることを見ても、NATO勢力の犯罪には目に余るものがある。このリビアの紛争に介入したNATO諸国とリビアの政権を簒奪した売国的リビア人の将来は暗い。
 
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●リビア反乱勢力は親カダフィ側墓地に数百体の死体を遺棄
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=26657
【9月19日 by Jason Ditz】

 リビアの反乱勢力にとって今現在、一番困っている点と言えば、カダフィによって5万人が殺戮されたと主張したのだが、4万9000人ほど多すぎるということである。

 死体は出てきているが、反乱勢力が願っていた者たちではない。説明されない理由によって反乱勢力によって殺害された身元不明の数百の死体が「親カダフィ」墓地に投げ捨てられていると報じられている。ある墓地では、身元不明の死体約800体が遺棄されているという。

 これらの死体が政権側の殺害された軍人たちなのか、あるいは単なる抵抗した者たちなのかどうかは不明だ。反乱側はいくつかのビルを刑務所に衣替えしていると言われている。カダフィ政権時存在していた刑務所では親NATO政権が拘留している人々を収容するには不十分だからだ。
 
 ミスラタでは、反乱勢力は元小学校を刑務所に変えて収容しているが満杯になっている。犯罪行為で起訴された者はいないが、「ミスラタに対して犯罪を犯した」と言われている。そして地方の反乱勢力側の者たちがこの者たちを今後どうするかを決めるようだという。この小学校が満杯なので、より大きなビルを探していると報じられている。

 リビアの反乱勢力の犯罪がどの程度の規模のものかもう暫くはは不明のままだろう。町や村での説明されない人口の減少と、ミスラタの民兵たちが黒人達に入るよう命令した難民キャンプを攻撃する傾向があるので、膨大な数の人々の行方が分からなくなっているからだ。
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経済から宗教まで、時代の先を読み解くための作業を人間活動のあらゆる分野にメスを入れて行います。
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