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ダガン元モサド長官とネタニヤフ首相

◆6月5日

 イスラエルのイラン攻撃について、実際の戦争を扱う部門の者たちはイラン攻撃がイスラエルにとっては取ってはならない選択肢であるという認識だが、こと政治家となると反対になるようだ。現場と後方の認識の違いとも言える。

 今回元モサド長官のダガンがイラン攻撃は「するな」と語ったが、それはやはりイスラエルの首脳部では相変わらずイラン攻撃を考えているからだ、と考える者も多いようだ。

 今は微妙な時期だ。今までの世界や地域での潮流が変化している時期である。中東・イスラム圏での「民衆革命」は進行中であるが、同時に欧米・イスラエル側も弱点が露になってきている。特に経済問題が再燃しだしており、これが欧米社会を今年一杯で混乱に陥れて行くことだろう。

 イスラエルがイランを先制攻撃するようなことがあれば、前時代に戻ってしまうことになりかねない。前時代とは20世紀のことであり、それは詐欺的な背景を持つ戦争と革命の時代であり、金融資本勢力が大きく跳梁跋扈した時代のことだ。しかし21世紀はあの9・11が最後の事変であり、これからはもう金融資本勢力も戦争などをしている余裕は無くなる。

 日本で起きた巨大地震と津波、それが原発に及ぼした問題、アメリカでの竜巻現象、フランスや中国での旱魃問題、ドイツで始まった大腸菌問題、などなどはこれから地球と人類が遭遇する大変動の兆候に過ぎない。

 イラン攻撃などをしている時ではないのだ。諜報機関の長であった人物だからこそ、イラン攻撃の危うさをよく理解している、と言えよう。イスラエルが生き延びる道は今回オバマ大統領が示した、1967年の第3次中東戦争前の国境線に戻っての、パレスチナの独立で落着する。イランがイスラエルを攻撃することは無いのだから、中東問題の大半はそれで終焉する。


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●元モサド長官:イラン攻撃はするな
http://www.thetruthseeker.co.uk/?p=27676
【6月4日 By wmw_admin】

 元モサド長官のメイアー・ダガンはネタニヤフ首相に対しイラン対策について厳しい警告を発した。テルアビブで1日開催された会議で、イスラエルはイランの核計画を完全に阻止することは出来ないだろうと語り、先制攻撃をしたとしてもたかだか計画を遅らせるだけだ、と述べた。

 更に悪いのは、そのような攻撃をした結果について深刻な検討が必要であるとし、先制攻撃をすることがパンドラの箱を開けることになることを知るだろう、と警告した。

 「イラン攻撃の影響がどういうものかを知ることは重要であり、イスラエルが国際的な批判の場に晒されることを知るだろう」とダガンは語った。

 「イランに対する攻撃は、地域における戦争を意味し、その場合イランに核計画を継続させるもっともな理由を与えることになろう。それは、イラン人が「我々は核能力があるという外国の国に攻撃された。今や我々は戦略的な能力を持つ国に対抗出来る国防を選択せざるを得なくなった・・・大規模な核計画に向かう正当性のある原則論が出てくることになる」と彼は述べた。

 「その戦争は単なるイランに対する戦争と言うことではないことを知ることが重要だ。それはシリアの領域にあるヒズボラを標的として攻撃する必要が出てくれば、シリアを含む地域戦争になるということだ。イスラエルが直面するこの地域的な問題は不可能なことである」

 公的に語るということは元イスラエル諜報機関の責任者であった者には特別なことではあるが、ダガンがこのように辞職して直ぐに、しかも公的な場で語ることでイスラエルでは大きな注目を集めた。

 ダガンのこの公的に示された警告については、イスラエルはイラン攻撃を事実準備している、と多くの者は見ている。また彼の見解を全面的に支持する者たちも多い。

 ハアレツ紙に寄稿しているアルフ・ベンはダガンのスピーチを総括して、「全てのイスラエル人が理解できる単純なメッセージだ」と語った。

 「エルサレムから出る政治的メッセージを首相が完全に統制してきた2年間だったが、ここにきてとうとう立ち上がって、『ビジョンと責任感を喪失している』リーダーシップにある本質的な危険性について公的に警告する人物が出てきた」

 最近数ヶ月で、ガビ・アシュケナジ参謀総長と、シン・ベト保安庁のユヴァル・ディスキン長官が辞職した。ダガンと一緒にこのトリオ組みはバラクとネタニヤフの対抗組みと考えられていた。

 3日、ダガンはバラクとネタニヤフに対してより一層対抗意識を出した発言をしている。

 「辞職する前、ディスキンとアシュケナジと私は危険なアドベンチャーを阻止できたので、私は発言することを決意した」とダガンは語ったと言われている。

 「今や私はビビとバラクを阻止する人間がいないことを怖れている」とネタニヤフのニックネームを使用してダガンは語った。

 ダガン氏は、辞職する前はメディアと接触することを避けてきたが、在職最後の週に記者会見を開き、イラン攻撃に対する懸念を表明した。しかし、軍事検閲で彼の発言内容は公にされなかった。

 「ダガンはイスラエル全般に自分のメッセージを送りたいと考えたのだ。しかし検閲が阻止した」と、ジャーナリストのロネン・バーグマンが思い出して語っている。「それで、彼は今は公職を離れたので検閲なしで公で語れるようになった」

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プーチン首相とストロス・カーン元IMF専務理事


◆6月2日

 IMF専務理事だったストロス・カーン氏がセックススキャンダルで告発されたのは、陰謀である、とこのブログでは指摘したが、ロシアのプーチン首相も同様の匂いを感じているようで、それを政府の公式サイトで掲載したという。

 こういったことは大統領のメドベージェフ氏からは出てこないであろう。彼はプーチン氏と違って欧米側につく人物のようだからだ。それに比べれば、プーチン首相はロシアの愛国者と言って良いであろう。だから、欧米側が仕掛けたと思われるこの事件について、攻撃的な見方を発表するに妨げるものはない。

 この事件の一つの原因として、ストロス・カーン氏が、アメリカのフォート・ノックスに保有されていると言われている金塊がことごとく紛失していることを知ったからだ、ということが上げられている。(http://www.whatdoesitmean.com/index1489.htm)

 昨日のブログで指摘したように、リビアに「上陸」する仏英を支援する姿勢を見せているアメリカだが、その足元で再び金融危機の時限爆弾が破裂寸前になってきている(http://www.bloomberg.com/news/2011-05-30/mobius-says-fresh-financial-crisis-around-corner-amid-volatile-derivatives.html)から、もしも上記の話が本当で、ストロス・カーン氏がそれを暴露すれば、アメリカが金融崩壊の波に呑まれる状況になったかもしれない。

 しかし、ストロス・カーン氏を刑務所に送ったとしても、アメリカの経済問題が解決するわけではないのだから、近い内に再び金融津波の第二波がやってくることは避けられないであろう。その際には、外国が所有しているドルは紙くずになる可能性が高く、保護されるのはアメリカ人の持っているドルだけだ、と見る向きがある。

 
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●プーチン首相:元IMF専務理事のストロス・カーンは陰謀の犠牲者
http://www.dailymail.co.uk/news/article-1392463/Vladimir-Putin-claims-Dominique-Strauss-Khan-victim-conspiracy-force-out.html?ito=feeds-newsxml
【5月31日 By David Gardner】

 ロシアのプーチン首相はドミニク・ストロス・カーンはIMF専務理事という地位から追い落とすため仕掛けられた陰謀の犠牲者であろう、と語った。

 プーチン氏は、この62歳になるフランス人のセックス・スキャンダルについての疑惑を表明した最初の世界的指導者である。ただし彼の主張は、元IMFのボスをびっくりさせることだろう。このIMFのボスは逮捕前には、プーチン氏が彼を追い落とす為に熱心だったと考えていたからだ。

 ロシアの首相は政府公式サイトでストロス・カーンを弁護するコメントを掲載した。彼は、このフランス人の大統領候補が32歳の客室係りの女性に性的な暴行をしようとした、という申し立てはアメリカ当局によるでっち上げだろう、と示唆した。

 プーチン首相は:「隠された政治的意図を推し量ることは困難であるが、最初に発表されたこの件の内容を信じることはできない。腑に落ちない」と語った。

 アメリカの検察側ではこの主張をロシア首相の悪い冗談だ、と取り合わなかった。

 ニューヨークのタイムズ・スクウェーにあるホテルで言われているような暴行をしたことで5月14日に逮捕される前日、ストロス・カーン氏は友人に、プーチン氏が自分をIMFから追い出そうとしている、と語ったと言われている。

 更に、ストロス・カーン氏はこれからの長期にわたる裁判に対処するため元CIA工作員やメディア関係者らからなる「強力な(クラック)チーム」を編成した。

 IMF強姦スキャンダルの中の客室係りの家族:「我々の妹は生活をやり直すためにアメリカへ行ったのに・・・このひどい事件のため永遠にダメージを受けてしまった」

 EUタイムズ紙によれば、フランスの社会主義政治家のクロード・バトロヌ氏は、「彼はロシアが、特にプーチン氏がフランスと組んで大統領選挙に出れないようにする為、IMFから彼を追い出そうとしていると言っていた」と語ったという。

 ストロス・カーン氏の支持者らは強気で、彼は、フランス大統領選に彼が出るのを妨げるための国際的陰謀の一部として仕掛けられた罠に嵌ったのだと考えている。

 6日間の勾留後、保釈されたストロス・カーン氏は、強姦、性的虐待、不法監禁で告発されることになっている。

 彼はパリに帰る航空機に乗り込む際に逮捕され、月3万ポンドのマンハッタンの別邸に裁判まで軟禁状態にある。

 プーチン氏のこの元IMF首脳に対する思いがけない支援に、彼を男性優越主義者であると非難している彼の批判者らが飛びついた。

 ストロス・カーン氏は2006年に、モシェ・カツァブ・イスラエル大統領(当時)の強姦事件について冗談を言っているのを聞かれて物議をかもしたことがあった。

 彼は以下のように語ったと言われた:「なんて強い男だったんだ! 10人の女性を強姦したとは-彼がそこまでやるとは思わなかったね」

 「我々はびっくりしたね。うらやましい限りだ」。彼のスポークスマンは、この問題ある冗談は誤訳されたと言った。

 カツァブは後に強姦で有罪となり7年の禁固刑で収監された。

 先週、元首相のゴードン・ブラウン氏はこのスキャンダルを、ストロス・カーン氏に対する「個人的な悲劇」だが、逮捕に関しては何も怪しい点はないと語った。

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リビア上陸を計画しているキャメロン英首相とサルコジ仏大統領

◆6月1日

 フランスのサルコジ大統領とイギリスのキャメロン首相はリビアのベンガジに一緒に訪問する計画だそうだ。ということは、今までの空爆は上陸を前にしての掃討作戦だったということらしい。

 これに合わせるように、アメリカの空母ジョージ・H・W・ブッシュが地中海に到着したという。地中海の第六艦隊が更に強化された形になったようだ。

 この空母に加えて強力な強襲揚陸艦がその他の揚陸艦を従えて来るのも、上陸作戦が発動されることを伺わせるものだ。

 民間人の保護と称して他国に侵略することを平気で行うこの「仏英」両国の未来は暗い。それを支援する形のアメリカもそろそろ自国内部に目を向けた方がよくなるだろう。「想定外」のことが起きて初めて目を覚ますのかもしれないが


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●リビア上陸を図るサルコジ大統領とキャメロン首相
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=25063
【5月31日 by Manlio Dinucci】

 G8の終わりに、サルコジ仏大統領はリビアのベンガジをイギリスのキャメロン首相と共に訪問する計画だと発表した。彼らは、「同じ考え方」をしており、とりわけ、「カダフィと妥協することはできない」という点では一致しているからだという。オバマ大統領は同様の考え方を表明した:「リビアの民衆が保護され、圧制が止むまで我々は手を抜く事はできない」という。要するに、彼らはリビア占領をする準備をしているのだ。

 そしてG8で、「力の行使を即刻停止するよう」リビア政府に要請している間に、NATOは空爆を強化してきた:8週間に満たない期間内で、8500回の出撃がなされた。殆どの爆撃機はイタリア南部の基地から出撃した。ピサではアメリカのキャンプ・ダービー基地からのC-130その他の貨物機が行き交っていた。これらの貨物機は爆弾、ミサイルなどを南方の基地に向けて運んでいる。恐らくイギリスのアパッチが同伴する形で、フランスのタイガーヘリコプターが作戦に加わったことで、空爆は上陸のための準備、ということが確認されたことになる。

 更に重要な点は、最新鋭のニミッツ級空母のジョージ・H・W・ブッシュに率いられた強力な攻撃部隊が地中海に到着したことだ。この名称は、1991年のポスト冷戦期でペルシャ湾での最初の戦争を行った大統領の栄誉をたたえて名づけられたものだ。


空母ジョージ・H・W・ブッシュ

 この空母は、全長333m、幅40mあり6000名の乗務員を抱えている。56機の航空機(20秒間隔で飛び立てる)と15機のヘリコプター、そして最新鋭の戦争システムを装備している。このようにこれは一つの大きな軍事基地である。同時にこれは移動式の原子力発電所である:二基の加圧水型原子炉を持ち、4つのプロペラの蒸気タービンを動かしている。福島の原発より更に危険な原発を持っているこの空母はナポリ湾その他に入ってくる。

 この空母ジョージ・H・W・ブッシュは、トラクスタンとミッチャーのミサイル駆逐艦、ゲティスバーグとアンツィオのミサイル巡洋艦、それに8飛行中隊から成る攻撃部隊に随伴されている。これらは原子力潜水艦のプロビデンス、フロリダ、スクラントンを含むその他の部隊と共にナポリに司令部のある第六艦隊を強化することになるだろう。

 第六艦隊に加えられるのは、ヘリコプター、垂直離着陸機、大砲、戦車を搭載でき、2000名の海兵隊を上陸させることのできるワスプ級強襲揚陸艦のバターンに率いられる水陸両用攻撃グループである。


強襲揚陸艦バターン

バターンは他のメサ・ヴェルダとホイッドビー・アイランドの2隻の揚陸艦に随伴される。この2隻は5月13日から18日の間、イタリアのタラントに寄港していた。ホイッドビー・アイランドは4機の大型のエアクッション型揚陸艇を搭載している。これは半径300マイルにある沿岸に陸上から見られることなく非常にすばやく200名を上陸させることができる。

 リビアへの「人道的」上陸の準備は全てできている。ヨーロッパ人は、空母ブッシュに守られながら最初の上陸の栄誉をほしいままにする事だろう。(John Catalinotto の英訳文)

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リビア攻撃に参加したフランス海軍

◆5月31日

 リビアに対する国連決議の内容は、「飛行禁止空域を設定」し、「一般人を保護する」、というものであったが、8000回以上にわたるNATO側の出撃、3000回以上の空爆(http://www.nato.int/nato_static/assets/pdf/pdf_2011_05/20110527_110527-oup-update.pdf)などでリビアの「一般人」が多く犠牲者となっている
 
 フランスやイギリスのリビア攻撃がその石油利権の掌握にあることをこのブログで早々に指摘してきたが、今回フランス人弁護士が立ち上がり、フランスのサルコジ大統領を「人道に対する罪」で告発する準備を進めている、という。

 当然である。無理が通れば、道理が引っ込むとは言うが、それは今までの世界ではそういうこともあったかもしれないが、これからはそういうことはうまくいかなくなりつつあるのである。だから、このような現象が起きてくる。つまり、リビア人ではなく当のフランス人弁護士からフランス大統領が告発される、とい現象だ。

 昨日の「フランスでは水使用制限を拡大」で指摘したように、足元の原発が稼動できなくなる可能性が高まっていることを取ってみても、このブログで指摘したように、「フランス国民も因果な人物を大統領に選んだものである。この大統領の下では、フランスはいい目は見ることはできないのではないだろうか」。

 弁護士のヴェルジュは、「フランスはやくざと殺し屋に率いられている」と言ったようだが、これはサルコジがCIAの工作員、という情報を裏付ける視点である。ヴェルジュもまたサルコジの正体を知っている、ということであろう。

 そして彼ら二人の弁護士は、「我々は沈黙の壁を破るつもりだ」と述べたという。つまり多くのフランス人がその事を知っているのだが、危ない目に遭いたくないから「沈黙」しているということであろう。やくざの前では多くの人間はそういう態度にならざるを得ない。しかし、もう黙っておれない、という人間が出てきてもおかしくない。この二人の弁護士はそのような人間なのだろう。

 どの世界にも、悪魔に魂を売る人間もいれば、断固として悪を許さない、という姿勢を保持し行動に移すことのできる人間もいるものである。フランスもまだまだ捨てたものではないようだ。


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●リビア攻撃でフランス人弁護士に訴えられるサルコジ仏大統領
http://www.breitbart.com/article.php?id=CNG.a85c640cbadb4de71d422967ab68293e.581&show_article=1
【5月30日 Breitbart.com】

 二人のフランス人弁護士がリビアに対するNATO主導の攻撃について人道に対する罪でニコラス・サルコジ仏大統領に対する法的手続きを開始する計画であると30日に語った。

 リビアの司法省高官のイブラヒム・ブクザムはトリポリの記者に対して、ジャック・ヴェルジュとロラン・デュマの二人がNATOの爆撃で犠牲となった家族を代表することを申し出たと語った。

 「二人の弁護士はリビア人の家族の名義でフランスの裁判所に申し立てを行うであろう」と、29日に行われた犠牲者の家族を代表する30人が出席した記者会見でブクザムは語った。

 過去にナチスの戦争犯罪人のクラウス・バルビーとカルロス・ザ・ジャッカルのための弁護をしたことのあるヴェルジュは、「フランスはやくざと殺し屋に率いられている」と断罪した。

 「我々は沈黙の壁を破るつもりだ」と彼は述べた。

 社会党の閣僚だったデュマは市民を保護するというNATOの使命は、実際はそういう人々を殺すことだった、と語った。

 彼は、「主権国家に対する残忍な攻撃」であると今回の攻撃を非難し、もしもリビアの指導者であるカダフィが国際刑事裁判所(ICC)に引き出されたら、彼を弁護する用意がある、と語った。

 今月初め、ICCの主席検事のルイス・モレノ・オカンポは人道に対する罪の調査の一部としてカダフィ、息子のセイフ・アル・イスラム、従兄弟のアブドゥラ・セヌシの逮捕状を請求した、

 3月19日、反政府勢力が支配していたベンガジ市に対してカダフィの勢力が迫ってきたため、サルコジはリビアに対する軍事攻撃を発表した。これを欧米諸国とアラブの同盟国が支援した。

 飛行禁止空域の設定と一般人を保護することを要請している国連決議を最初に実施したのフランスの軍用機であった。

 デュマとヴェルジュは二日間に渡ったリビア訪問の最後に語った。彼らは30日にフランスに帰国したらすぐ法的手続きに入るだろうと語った。

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冷却水が足りなくなりだしているフランスの原発

◆5月30日

 5月24日号の「IMFの政権交代:でっち上げられたストロス・カーン逮捕劇 (その2)」で、以下のように書いた。
 「今、フランスは旱魃で水不足から原子力発電所の冷却が危険な状態になっている、と言われている。政敵を葬って喜んでいる場合ではないのだ」

 日本では5月に本格的な台風の直撃を受け被害がでているが、フランスや中国では今、水が足りなくて困った状況に陥りだしている。

 特にフランスでは全国にある川沿いに建設されている原子力発電所の冷却水が足りなくなり出している様子で、このまま恵みの雨が降らねばブラックアウトになるかもしれない、という状況のようだ。恐らく相当なところにまで追い込まれることだろう。

 フランスは原発推進国であり、発電量の7割以上が原発によるという。その原発が水不足で操業停止などに追い込まれたらどうなるであろうか? フランスは自国の原発は日本のようなお粗末な事故は起こさないという自信を示してきたが、どうであろうか? そのような驕りが、自然のちょっとした変動である降水量の不足、水不足、という一事で吹っ飛ぶような脆弱なものでしかない事を理解するべきであろう。

 また中国でも「今後、気温が上昇するにつれ、干ばつはいっそう悪化すると懸念されている」と言われているから、全く予断を許さない状況のようだ。本来ならば、中国で降る雨が日本に降っているのかもしれない。

 これから始まる地球規模の大変動は、このような人間の傲慢性を一挙に吹き飛ばし、人間が自然の脅威(怒り・慟哭)の前では、木の葉のような存在であることを思い知らされることになるだろう。そしてそれでも<生かされていることに感謝する心>をもつことの大切さを知ることになるだろう。

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●フランスでは水使用制限を拡大
http://www.boston.com/news/world/europe/articles/2011/05/28/
france_widens_limits_on_use_of_water/
【5月28日 boston.com】

 ヨーロッパ連合の農産物生産者地域での旱魃が長期化しているため、フランス当局は水使用制限を全国の県の半分以上に拡大した。

 26日時点でフランスの96の県の内50の県で水使用制限ないしは禁止措置が取られている。環境省のオンライン情報によれば5月20日時点では42県であった。

 フランス気象庁によれば、フランスの主要な小麦生産地域であるオルレアン市では、今月の雨量は 0.14インチであるという、5月の平均は2.64インチである。この地域では過去4年間のデータによると、フランスの小麦生産量の内13%を生産している。

 「旱魃が市場を支配している」と、パリに本部のあるアグリテル(Agritel)社はウェブサイトで書いている。先週この会社は、フランスの小麦生産は12%下落するだろうという予想を示した。

 「小麦生産における重要な段階における現在の気象状況を考慮すれば、生産量の更なる下落も考えられる・・・」とアグリテルでは言っている。

 穀物、ブドウ、菜種が生産されているフランスの北半分の土壌は、4月末で50年来の旱魃に襲われていると環境省が先週報告している。山岳地帯の雪として蓄えられている水の量は、1995年から2005年までの間の5月平均から見れば「非常に少ない」と環境省では言っている。


●干ばつが原子力発電所の操業に脅威を与えている
(http://www.qetic.jp/blog/pbr/?p=3528)(翻訳文)
http://ecologie.blog.lemonde.fr/2011/05/16/la-secheresse-menace-le-bon-fonctionnement-des-centrales-nucleaires/
【5月16日 Le Monde】

 フランスで農家を苦しめている干ばつが影響を与える範囲は農業だけの問題ではなくなってきた。原子力発電所の機能と操業に関係しているのだ。

 現在のフランスでは、干ばつによって 26の州で取水制限がおこなわているが、これが長引いた場合、いくつかの原子力発電所が機能停止せざるをえないと見られている。
 フランスでは、 58の原子炉のうち、44カ所が川沿いにあり、川の水を使用している。
 現在、フランスの原発が機能停止の脅威に立たされていると考えられる問題点は以下の三つだ。
 
 まず、原子力発電所の操業は、川の水の量に関しての基準を満たさねばならない。

 操業のためには川の水の流れが規定以上あることが必要だが、現在続いている干ばつにより、川の水の量が規定を下回りつつある。

 原発は停止しても冷却を続けなければならないが、そのための冷却水を欠く恐れがあるのだ。
 現在、 22の原子炉ですでに冷却水の不足の可能性が指摘されている。
 
 二点目としては、冷却装置からの廃水の温度が一定の限度を超えるときには、出力を落とすか、停止するかしなければならない規定がある。現在、フランスの 20の原子炉がこの基準を満たせない恐れが出ている。

 三点目に、廃水放射性物質が十分に希釈されるために、河川の水の流量が一定量に満たない場合は、水の流量が回復するまで廃水を貯水池にためておかねばならない。しかし、長引く干ばつで貯水池が満杯になれば、原子炉を数週間の間、停止しなければならない。

 環境保護活動をしているステファン・ロム氏によれば、上記のような冷却水に関する規定を越えて操業を続けた場合、メルトダウン(炉心溶融)のような深刻なトラブルまで起こり得るという。

 原子炉安全の責任者たちは安全な方法での電気供給への努力は怠らないと述べているが、上記のそれぞれの問題に該当する発電所と原子炉が複数にのぼっており、専門家たちは原発停止による電気供給の停止を懸念する。



●長江中・下流域で深刻な干ばつ=507万人の飲料水に影響―中国
Record China 5月29日(日)14時24分配信

 2011年5月28日、新華社は長江中・下流域の干ばつについて報じた。

 中国国家洪水干ばつ対策総指揮部弁公室によると、26日時点で干ばつ被害を受けた耕地面積は617万ヘクタールに達した。507万人、家畜344万頭が飲料水不足に悩まされている。

 5月中旬、国家洪水干ばつ対策総指揮部及び水利部は被災地に対し、1億3500万元(約16億9000万円)の対策費を拠出した。また三峡ダムは5月に入ってから27億6400万立方メートルの水を追加放流している。

 昨秋以来続く干ばつはきわめて深刻な事態を招いており、特に湖北省ではここ50年で最悪の干ばつとなった。今後、気温が上昇するにつれ、干ばつはいっそう悪化すると懸念されている。(翻訳・編集/KT)

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