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アメリカの社会主義運動家のジョイシー・シェディアク
◆5月26日
アメリカの社会主義運動家のジョイシー・シェディアクが、シリアの反政府デモは実は親政府デモだ、と言っている。アル・ジャジーラなどの欧米系のメディアが嘘の報道をしている、と指摘している。
この件では既にこのブログでも前から指摘してきたことである。アル・ジャジーラはアラブ系メディアではあるが、その実欧米系でもあるから、反米のシリアで起きたデモは何が何でも反政府デモとしたかったようだ。しかし実際は親政府・親アサド・デモが数多く起きているのだ。
彼女はマルクシストの政治観が必要だと言っている。ブログ子はマルクス主義者ではないし、どちらかというと所謂マルクス主義には反対する者であるが、それは主に彼らが唯物主義者であるという点から同意できないということでであり、彼らの史的唯物論とか弁証法的唯物論は真理ではないと考えるからで、社会的不平等などに対する視点を無視していいということではない。
そして帝国主義者と言っている存在も、要するにこの世で追い求めるものは他国の支配であり、そこの労働力の支配であり、資源の支配であり、結局それは物質的な繁栄とか、物質に対する限りない欲望を満たす為の事業でるという点からすれば、マルクス主義者と同様の唯物主義者なのだ。この物質は今は金で買えるから、結局金を多く持つ事で、全てを支配しよう、という考え方になっているのが、帝国主義者である。だから、この世界では究極的には金融資本家の天下となっている。
シリアは中東和平問題でも鍵を握る国家であるから、その運命は世界の将来の構造にも関係する。シリア民衆の支持がまだ生きているこの今の時期に、アサド大統領の才覚がどういう形で現れるか、今後も注目していくべきだろう。
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●シリアの抗議運動の背後に誰がいるのか?
http://www.iacenter.org/archive/syria051511/index.html
【5月11日 by Joyce Chediac】
世界の人々は中東で起きている民衆のデモに対して同情の思いで見ている。しかし全ての反乱が必ずしも同じ条件で起きているのではない。
例えば労働者に対して非常に厳しい対応をしてきたエジプトとかチュニジアのような欧米の顧客となっている政権に対する抗議運動は、圧制と貧困から人々を解放する可能性を持っている。しかしながら、リビアとシリアでは事情は異なるのだ。
これらの政府は勿論欠陥はあるが、アメリカの言いなりにならない姿勢を保持してきたので、何十年にもわたるアメリカの不安定化の工作の標的であった。アメリカに率いられる欧米はこの地域で起きている運動を利用して、リビアとシリアに介入し欧米の植民地主義の支配下に置こうとし、そこの労働者を帝国主義のための日雇い労働者に貶めようとしている。
そこで住んで働いている労働者らから長いこと離反している、アメリカに支配されているバーレーンとイエメンと比較してみよう。これら両国政府はデモ隊に対して射撃し、逮捕、拷問をしてきた。それでも、飛行禁止空域などは設定されていない。また両国とも制裁の対象になっていない。しかしながらリビアでは、「欧米」の「人道的介入」が「一般市民の保護」のため行われたが、それが意味することは、六週間にわたる空爆であり、そのため多くの市民のインフラが破壊されたのである。
今や、リビアを空爆している同じその欧米勢力がアラブ世界でただ一国、独立を保ち残っている世俗国家であるシリアを脅している。欧米社会はシリア政府高官に制裁を課した。なぜか?
一つは、アメリカはイランとシリアの戦略的同盟関係を破りたいと考えているからだ。アメリカはまたシリアがレバノンのヒズボラとパレスチナのハマスにしている支援を阻止したいと考えている。この目的のためアメリカはシリアを不安定化し、主権を破壊し、帝国主義者の影響力下に引っ張ってこようとしている。
■誰がシリアで抗議運動をしているのか?
デモ隊はシリアのバシャール・アサド政府に対して起こされている。アサド政府は少なくとも何回かは武力でもってそれを押さえ込もうとした。しかし、こういったデモ隊の正体は不明確なままだ。どこまでが本当に民衆の反乱なのか? 国を指導しているシリア社会主義アラブバース党の対応はどうだったのか?
非常にはっきりしている事は、アメリカ帝国主義はこの抗議運動を自分らの利益になるよう利用しようとしていることだ。それは2006年にIMFによって押し付けられた緊縮計画のために苦しんでいるシリア人労働者らが要求している事柄とはなんらの関係もないものだ。ミッシェル・チョスドフスキー教授は5月3日に、抗議運動の中には、ヨルダンからダラアを通ってシリアに入った「武装したギャング・グループの組織化された反乱」が含まれていると書いている。ダラアから抗議運動が始まっているのだ。
一方、シリア政府のメディアは多くを語らないが、欧米企業メディアとアル・ジャジーラは抗議運動とシリア政府の弾圧を大げさに報道していることで非難されている。4月30日の「今日のロシア」は、シリアにいる特派員の情報として、親アサド大統領の集会が、アル・ジャジーラでは「反アサド大統領」の集会として報道されている;アル・ジャジーラとロイターで報道された反政府デモは起きていない;他の国のデモの映像がシリアでのデモの様子として報道された、と述べている。
一面に掲載されている記事からの印象は、反アサドのデモが殆ど全シリアで起きているというものだが、殆どの中東の専門家らは、この時点ではシリア政府は殆どのシリア人によって支持されている、と認めている。
■マルクス主義的政治観が必要
世界の金融資本とそのメディアの代弁者らはシリア政府を「嵌めよう」としているようだ。しかし、帝国主義は全能ではない。戦って敗れる事もありうる。シリア政府と民衆はアメリカが介入することを避ける為になにができたか、また何ができるか? 今のこの動きを何が阻止できるか? マルクス主義がこういった問題に応える道具を提供するだろう。
シリアにある政府はマルクス主義の言い方では、「ブルジョア民族主義者」と言う。これはリビア、イラン、それにアメリカの侵略前のイラクにも言えることだ。彼らは帝国主義者による支配から解放されている立場にある国家を発展させようとしているので、民族主義者だ。また彼らは、搾取階級の資本家らによって支配されているのでブルジョアである。
マルクシストは帝国主義に抵抗するこういった政府を支持する。それは、抑圧されし者たちの民族自決の表明であるからだ。これはマルクシストがこれら政府のあらゆる政策を支持することを意味するわけではない。
マルクシストはまたこれらの政権が二重の性格を有していることを認める。ブルジョア民族主義者は労働者をより強く搾取できるから帝国主義者を追い出そうとする。しかし、帝国主義者が国家主権を脅かす時には、労働者たちと共通の利害関係を持つようになる。しかしながら、これらの政府は帝国主義と終始一貫して戦うことはできない;労働者階級のみが戦えるのだ。
■イスラエルと対峙する前線で
シリアはどう対処しているのか?
シリアは1966年以来アラブ社会主義バース党が支配する政府によって統治されてきた。現在の国家元首はバシャール・アサドだ。シリアはイスラエルと国境を接する「前線国家」だ。この事実はシリアの歴史のあらゆる方面に影響を与えている。またそのために常時、帝国主義者とシオニストの圧力にさらされてきた。それがシリア人の運命をパレスチナの戦いと結び付けている。
アメリカの石油パイプラインをシリアが国営化したことで1967年の戦争が始まった。イスラエルはシリアのゴラン高原、パレスチナの西岸、ガザ、エジプトのシナイ半島を占領した。ゴラン高原はそれ以来イスラエルに併合されたままだ。
シリアがこの地域の進歩的な役割を果たしている時、これは常に起きることではない。1976年シリア政府はイスラエルによって武装されたレバノンのファシスト主義者側について革命的パレスチナ・レバノン同盟に対抗してレバノン戦争に介入した。シリアの資本家は革命的レバノンがシリア人労働者によってシリア政府を転覆させるのではと恐れたのだ。
アメリカとイスラエルからの容赦のない圧力やゴラン高原返還が拒否されたことでシリア政府は反帝国主義の姿勢に戻った。イラン、ヒズボラ、ハマスの同盟国家であるという今のシリアが果たしている役割は、アメリカとイスラエルがこの地域で侵略的になるのを押さえ込んでいる重要な要素である。
■資本家の業績悪化で独立性を持つ国家に揺らぎが
他のブルジョア民族主義政府と同様に、シリアは資本主義世界市場と共に崩壊することはなかったし、そのような展望を持っていない。代わりに、欧米の銀行によって完全に支配されているその市場でよりましな立場を得ようとしている。経済が悪化している間、シリアのような民族主義政府はウォール街によって経済的譲歩を強いられた。それは労働者を直撃し「ブルジョワの買弁」である親帝国主義のエリートの成長を促した。これによって、帝国主義者からの政府の独立性は揺らぎだし反面労働者から乖離しだした。
2006年にシリアはIMFの緊縮政策を採用し、賃金凍結、外国銀行に経済を開放、国営企業の民営化が始まった。労働者側からすれば、これは失業、インフレ、社会条件の悪化を意味した。帝国主義者はこのことを知っている。
シリアは全ての町に電気を敷いた、しかし民衆の必要を満たすという社会契約を達成できなくなり、・・・とニューヨーク・タイムズ紙が4月30日に書いている。
「政権の批判者は経済自由化は携帯電話会社のシリアテルなど重要な数多くの経済を支配しているアサドの母方の従兄弟であるラミ・マクロフのようなエリート・ビジネスマンのグループが利益を得るところとなった、と批判している」 (Financial Times, April 26)。
ニューヨーク・タイムズ紙の記事によると、反政府側が槍玉に挙げているマクロフは、「資本主義の仲間であり、貧乏人を更に貧乏にし、金持ちの仲間を途方もない富豪にしている」という。
労働者の支持があることがシリアを最も強くさせているのであり、その労働者に対する経済的打撃をひっくり返せば、シリア政府は帝国主義者の不安定化の工作から自らを防衛することはできるかもしれない。方法としては、外国資本の進出を阻止することで経済の開放を逆転させる;電気、通信、その他のキーとなる産業の再国営化;食糧生産を優先させる;補助金の復活などが含まれるだろう。
このような措置を取る事で、抗議運動をしていた者たちに勝つことができるだろうし、彼らの信頼を取り戻す事ができる。帝国主義者の不安定化工作に対してシリアは良い土壌ではないことを示すことができるだろう。
同時に、労働者と革新主義者らはシリアに対するアメリカの介入に断固反対すべきである。帝国主義者が全面的な支配を再び獲得すれば、抑圧された中東ならびにアメリカの労働者階級と抑圧された人々にとって最悪となるだろう。
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親イスラエルNGOがアラブ民主化を支援している
◆5月25日
アラブ世界の民主化を推し進めているグループの背後には、親イスラエルグループが存在していると、大阪在住の中東アナリストであるマイク・オカセイルが指摘している。
イランなどでは早くからそのようなことが指摘されてきたのだが、中東でもその傾向があるという。特にイエメンではそうらしい。またこのブログで指摘してきたように、シリアではレバノンに拠点を置くグループがシリア人を扇動し、武器や資金を援助していることを指摘してきたが、その背後にはやはりこのような親イスラエルの組織がいることであろう。勿論、アメリカのCIAなども間違いなくかかわっているはずだ。
従って、アラブ世界で起きている「民主化」の動きには、自然発生的で、間違いなく民衆の自発的な動きから始まった民主化運動もあるのだが、時間の経過と共に、資金を援助する組織などが出てきて、結局そのような資金の豊富なグループがその運動の主導権を握っていく事になる場合があり、その資金援助をするNGOなどに、親イスラエルのあるいは隠れイスラエルのNGOなどが存在すると見られる。
丁度ヨーロッパや中央アジアで吹き荒れた「カラー革命」が、その背後にCIAなど欧米の組織からの資金援助を受けていたことがあったように、今回のアラブ世界での「民衆革命」もまた同様に、欧米側、とくに親イスラエル・グループからの支援を大きく受けている者たちが存在しているのだ。
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●親イスラエルグループが中東の反政府グループを支援している
http://thepassionateattachment.com/2011/05/23/press-tv-o-cathail-names-pro-israelis-backing-mena-dissidents/
【5月24日 Maidhc Ó Cathail】
プレスTVは大阪在住の中東アナリストで調査ジャーナリストであるマイク・オカセイルとのインタビューを行った。
欧米のグループで親イスラエルのグループと反政府組織とが繋がり中東諸国での騒乱を引き起こしたと言う。
マイク・オカセイルは親イスラエルグループと中東の反政府組織との繋がりを暴露している。
◎プレスTV:イエメンで今日起きている事柄についてどのように理解しているか語ってください。
■オカセイル:予想通りのことが起きていると思います。ここ数ヶ月続いてきたことです。サーレハは辞任せざるを得ないでしょう。しかし広い観点で見る必要があります。サーレハを辞任に追い込む勢力に注目しなければなりません。勿論、イエメン人は民主主義を求めています。またサーレハの独裁的な支配に倦み疲れています。
しかし同時に、これを通じて誰が利益を得るのかという点も見なければなりません。また誰がデモ隊を支援しているのかを。ここ数ヶ月だけではなく、この数年間を見る必要があります。
ワシントン・ポスト紙とニューヨーク・タイムズ紙の記事を見ると、ナショナル・エンダウメント・フォー・デモクラシーやその関連グループの、ナショナル・デモクラティック・インスティチュート、インターナショナル・リパブリカン・インスティチュート、フリーダム・ハウスなどがあらゆる種類の支援、訓練や資金援助をアラブ世界の反政府グループに対してを行っている事がわかります。
◎プレスTV:この全体的な状況で利益を得ている者のことを語っていましたが、それが誰なのか教えてください。
■オカセイル:この件にかかわっている者たちを見ると、例えばナショナル・エンダウメント・フォー・デモクラシーの会長を長らく務めているのはカール・ガーシュマンですが、この人物は1960年代には、「名誉毀損防止連盟(ADL)」の調査局に務めていた者です。皆さんご存知のように、この組織はイスラエルを弁護しイスラエルに批判的は者たちを攻撃する組織です。またその調査はしばしばイスラエルを批判する者たちに対する諜報活動をすることを意味します。
ナショナル・デモクラティック・インスティチュートの会長が誰かというと、ケニース・ウォーラックです。この人物は1970年代には、「アメリカ・イスラエル公共問題委員会(AIPAC)」の法務局長だった男です。
例えば、アラブ世界とイランで民主化を推し進めようと活動する者たちを支援している「cyberdissidents.org」のようなオンラインのグループがあります。そのような活動は素晴らしいと思うかもしれませんが、誰がそのような組織を作ったのか、を見るべきです。
これはアデルソン・インスティチュートによって設立されました。この組織はエルサレムのシャレム・センターに存在しています。シェルドン・アデルソンとかロナルド・ラウダーのような人々が支援しています。こういった人々はベンジャミン・ネタニヤフの親しい友人たちです。
ナタン・シャランスキーという人物が責任者でした。このナタン・シャランスキーとは、人権活動家を装っていますが、ガザから撤退を決めたアリエル・シャロン政府を辞職した人物です。シャランスキーは「ひとつのエルサレム(onejerusalem.org)」というグループの責任者でした。この組織はエルサレム内のいかなる部分であってもパレスチナ人の主権を拒否するグループです。
このような人々がアラブ世界とイランで反政府グループを支援しているのです。
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サルコジとストロス・カーン
◆5月24日
フランスの大統領選挙で、CIAの工作員だと言われるサルコジが再選されることは、アメリカの、少なくともその筋の願いであろう。だから、サルコジより人気のあるストロス・カーンを貶めた。これは多くの者たちが感じていることだ。
ストロス・カーンは最初保釈を拒否され、こともあろうに、映画にもなった悪名高い凶悪犯罪者用刑務所であるライカーズ島に送られた。ずいぶんひどい取り扱いである。
ニューヨークでは性的犯罪などはいくらでも起きている。実際は強姦未遂だというのだから、実際に強姦事件を起こした者よりも、取り扱いは軽くてよいはずだが、最も厳しい取り扱い方をしたことになる。これだけ見ても、今回の事件が、ストロス・カーンを貶めるためのでっち上げ事件だという見方が正当であろう。
これは、ストロス・カーンに精神的ダメージを与えることも意図されていた可能性がある。かくして彼が次のフランスの大統領選に出る事もなくなり、罠を仕掛けた方は目的達成したとほくそ笑んでいるかもしれない。その中にはフランス大統領のサルコジも含まれることだろう。
しかし、このような悪巧みをする者たちの、栄華の時期はそう長くは続かないであろう。フランス国民も因果な人物を大統領に選んだものである。この大統領の下では、フランスはいい目は見ることはできないのではないだろうか。今、フランスは旱魃で水不足から原子力発電所の冷却が危険な状態になっている、と言われている。政敵を葬って喜んでいる場合ではないのだ。
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●IMFの政権交代:でっち上げられたストロス・カーン逮捕劇 (その2)
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=24866
【5月19日 by Prof. Michel Chossudovsky】
◆ワイズナー・サルコジ・コネクション
ストロス・カーンはメリサ・ジャクソン裁判官によって保釈を拒否された。マイケル・ブルームバーグの子分で被任命者である。彼は市長という肩書きに加えてウォール街の実力者である。
マンハッタン地区検事サイラス・バンス・ジュニアは、曖昧な証拠をもってストロス・カーンに対して「7つの犯罪で訴えた。その中には、強姦未遂、性的虐待、強制的接触、不法監禁などが含まれる」
◆サイラス・バンス・ジュニアって誰?
この男はカーター政権で国務長官を務めた故サイラス・バンスの息子である。
しかし見えてくるものがある。1977年にクリスティーヌ・ドゥ・ガネと結婚したCIAの有名な高官でニコラス・サルコジの継父のフランク・G・ワイズナー2世は、マンハッタン地区検事の父であるサイラス・バンス・シニアの指揮下で国務省事務局次長(Deputy Executive Secretary)を努めた人物だ。
◆関連しているのか?
このバンスとワイズナーの家族らは個人的に親しい関係にある。そしてニコラス・サルコジは継父のフランク・ワイズナーの家族と親しい関係を持っていた(彼の異母兄弟らはアメリカにいて、一人はサルコジの選挙キャンペーンにかかわった)。
またフランク・G・ワイズナー2世はアメリカの悪名高いスパイであったフランク・ガーディナー・ワイズナー(1909年~1965年)の息子であり、イランのモハメド・モサデク政府を1953年に倒したCIAのクーデタの背後で指揮した人物である。ワイズナー・ジュニアはロックフェラー・ブラザー・トラストの管財人である。
こういった人間関係がストロス・カーンが仕組まれた罠の標的であったという証拠にはなるわけではないが、サルコジが彼の継父を通してCIAと繋がっているということは、フランク・G・ワイズナー2世とサイラス・バンスの家族との繋がりは無視しても、間違いなく調査に値する事である。フランク・G・ワイズナーは2011年の抗議運動の最中に、オバマ大統領のエジプト特使として重要な役割を果たした。
◆CIAはなんらかの役割を果たしたのか?
ストロス・カーンは、オバマ大統領やティム・ガイトナーを含む彼が政治的に繋がる人々によって嵌められたのか?
◆公正な審理?
疑わしきは罰せず? アメリカのメディアは既に評決を出している。裁判手続きは操作されるだろうか?
人はストロス・カーンが公正な審理を受けることを期待するだろう、つまりニューヨーク市で性的攻撃をしたということで逮捕された何千もの者たちに与えられている待遇と同じ待遇を。
ニューヨーク市で似たような性的攻撃をしたと言われる事件が月に何件起きているか? 基本的なパターンはどうなのか? こういった事件のどれだけが警察に通報されているか? 苦情が提出された際、警察の追跡調査対象となる事件は何件か?
警察に提出された苦情の内、逮捕する事件は何パーセントか? 逮捕された事件で裁判沙汰になる事件は何件か?
逮捕された事件で、裁判沙汰にならずに釈放された事件は何件か?
裁判に訴えられた事件で、裁判長が却下した事件は何件か?
却下されなかった事件の内、裁判長によって保釈が即座に拒否された事件は何件か? 保釈を拒否する根拠は何か?
何件、保釈が認められたか? 保釈は平均して月何件か?
不十分で不完全な証拠を根拠として、保釈なしで収監される事件は何件か?
保釈を拒否された者の内何名が、悪名高い凶悪犯罪者用刑務所であるライカーズ島にマイケル・ブルームバーグの命令で送られたか?
◆外交特権
ニュース・メディアは、完全な外交特権は国連機関とブレトン・ウッズ機関に対しては適用されないとしている、つまりアメリカはその議定書を批准していないのだ。
「国際的機関のための特権と免除を殆どの国家は批准している。国連機関の責任者らに対してその機関が存在する国家において広く免除を与えるものである。しかしアメリカ政府はこの条約のメンバーになったことはない。国際機関の被雇用者は限定された免除のみ与えるアメリカの法令によって取り扱われる」
関連する問題として、この限定された免除の規定が実際にどのように適用されたか、ということがある。つまり、この限定的免除が与えられる人々(国連職員、ブレトン・ウッズ機関職員)の内、何名が逮捕され凶悪犯罪者用刑務所に送られたのか?
ストロス・カーンは「限定的免除」の規定の下で逮捕された者たちと同様の待遇を受けたのであろうか?
ストロス・カーンの逮捕劇は、通常の型にあったやり方だったのか? あるいは、ストロス・カーンは、性的攻撃をしたということで逮捕された人々の数多くのケースに適用されたような、通常の政治的・司法的手続きの型とは異なるやり方で取り扱われたのか?
背後で活動する非常に強力な人々によって準備された陰謀工作がなかったとしたら、IMFの代表者は完全に異なるやり方で取り扱われたであろう。ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグとティモシー・ガイトナーは彼の救出に来たかもしれなかった。著名な公人の名声を保護する為と言う観点から、この事件はもみ消されたかもしれなかった。しかし、そうはならなかったのだ。
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罠に掛かったか? ストロス・カーン前IMF専務理事
◆5月23日
IMFの専務理事だったストロス・カーンがセックススキャンダルに巻き込まれた。いくらでもとびっきり上等な超美人のその筋の女性を好きに出来る立場にある人物が、問題になりそうな場所で、しかも外国で、なんら特別な魅力がありそうとも思えない普通の移民女性に飛び掛るものだろうか、という問題一つ取ってみても、この事件が仕組まれた罠であり、でっち上げの事件だという情景を示している。
この事件がアメリカの仕掛けた陰謀である、という視点からミッシェル・チョスドフスキー教授が解説している。要点は二つだ。一つはIMF自体にアメリカに都合のいい機関になってもらうこと。もう一つは、フランスの大統領選挙にカーンが出れなくなるようにすることで、親米のサルコジを大統領選挙で再選させることだ。
長文なので、二回に分けて掲載する。
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●IMFの政権交代:でっち上げられたストロス・カーン逮捕劇(その1)
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=24866
【5月19日 by Prof. Michel Chossudovsky】
IMF専務理事のドミニク・ストロス・カーンの逮捕はどう見ても強力な金融エスタブリッシュメントたちの命令ででっち上げられたとしか見られない。これにヨーロッパ連合とフランスの利益を犠牲にしてアメリカの利益に奉仕するニコラス・サルコジの大統領任期との問題が絡まっている。陰謀だという証拠は今のところ存在しないのだが、彼の逮捕と投獄の尋常ならざる状況は慎重な調査が必要である。
カーンの逮捕の直後に、アメリカからの圧力で、ヨーロッパ人ではなくアメリカ人ないしは「緊急性を要する経済」の分野から選抜した候補者か発展途上国からの人材をもって、IMF専務理事という立場にある彼に代わる人材を立てるよう強い圧力があった。
1945年のブレトン・ウッズ体制の機関として、世界銀行はアメリカ人が引っ張ったが、IMFは西欧の支配下にあった。
ストロス・カーンは表面には出てこないエリート・グループの一員である。彼はビルダーバーグに属している。世界で最も影響力のある人物というカテゴリーに入る人物であり、銀行家というよりかは学者であり政治家である。IMFの彼の前任者とは違い銀行業界ないしは金融機関との直接的な関係はない。
しかし同時に彼は騙されやすい人だ。彼の「へま」は、アメリカ・ウォール街と対決しIMF内の改革を推し進めた事だ。それはこの機関内部のアメリカの重要な利権と衝突するようになったのだ。
ストロス・カーンがいなくなる事で、アメリカのIMFに対する覇権と支配を強化することに繋がるだろう。それはドナルド・ラムズフェルドがかつて言った「古いヨーロッパ」を犠牲にしアメリカを利することになる。
◆大統領候補としてのストロス・カーンを阻止
最近数年間、ヨーロッパの政治状況に大きな変化が起きた。親米政府がフランスとドイツで誕生したことだ。社会民主勢力は弱体化した。
仏米関係は再定義された。ヨーロッパで出てきている新しい政治家の世代の中で、アメリカが重要な役割を果たすようになってきている。
ニコラス・サルコジ大統領のフランス政権は、多くの点でアメリカの規定の「顧客政権」であり、EU内でのアメリカ企業の利益に資するようになっていて、またアメリカの外交政策と密接に繋がっているものだ。
このストロス・カーン事件のでっち上げ仮説には、二つの重なった相互に関連する問題が存在する。最初の問題は、IMFの政権交代にかかわる問題で、二つ目は、フランスの大統領選挙における候補者という問題である。
両方とも競合するアメリカとヨーロッパの経済利益の衝突に絡まっている問題だ。それにはユーロ通貨システムの支配と言う問題も含まれる。
社会党をひいきするストロス・カーンは、「パリの我々の人材」であるニコラス・サルコジを次の大統領選で追い落とすかもしれなかった男だ。ティアリー・メイサンが論文で指摘しているように、CIAがゴーリストの党を弱体化させ、サルコジを大統領にさせる役割で影の主役を演じた。
カーンが大統領になり「社会主義者」政権が誕生すれば、アメリカは深刻な影響をうけ、仏米関係の重大な変換が起きるだろう。
それはヨーロッパにおける政治的力関係上のアメリカの役割を減少させたであろう。またそれは「古いヨーロッパ(つまり独仏同盟)」とアメリカの力関係のバランスに影響を与えることになっただろう。
それは大西洋同盟とNATO内のアメリカの覇権的役割の内部構造に影響を与えたはずだ。
ユーロ圏の通貨システムと、ウォール街がこのヨーロッパ通貨構造に決定的影響を与えようとする意図が行き詰ってしまうだろう。
◆でっち上げ?
5月17日の世論調査ではフランスの57%の人々は、このストロス・カーン事件をでっち上げと考えており、罠に掛かってしまった、と考えていることを示している。彼は性的に強要し暴行したとして乏しい証拠のまま拘留された。彼は、犠牲者である匿名の客室担当女性係員の代理となる、自分が宿泊していたソフィテル・ホテル側からの訴えの下に拘留された。
ニューヨーク市警のポール・J・ブラウン広報官によれば、この32歳になる女性は当局に、15日(日)の昼過ぎに部屋に入ったところ、彼から暴行を受けたと、いう。彼女は、一日3000ドルの部屋の清掃を告げられたと言う。その部屋は空室だと思ったそうだ。
供述によると、この女性は警察に対して、ストロス・カーンはバスルームから裸で出てきて廊下を追い立ててベッドルームに引きずり込み、そこで彼女を性的に暴行したという。彼女は、彼から離れようと彼と争ったら彼はバスルームに引っ張っていき、今度はオーラルセックスを強要し、下着を脱ぐように言ったという。この女性は彼を振りほどいて部屋を脱出し、ホテルスタッフに事の次第を説明したのだ、と当局は説明した。彼らは警察を呼んだ。
◆ワシントン・コンセンサスに対する挑戦
ストロス・カーンが舞台から消える事で、何が問題かというと、IMFの「政権交代」である。
オバマ政権はより協力的な人材が専務理事になるよう要請している。ニューヨーク連邦準備銀行CEOであったアメリカ財務省長官のティモシー・ガイトナーは、ドミニク・ストロス・カーンはIMF専務理事の仕事をもはや務めることはできないと示唆して彼の交代を進めていた。
「ガイトナーは、IMFの副官にあたるジョン・リプスキーが暫定期間、臨時の専務理事となることを、IMF理事会によって正式に承認することを要請した。ストロス・カーンは辞任しなければならないが、IMFは彼の将来について議論するため彼の顧問弁護士と接触中だと情報筋は言っている」
このでっち上げられたシナリオの背後に何があるのだろうか? どんな強力な利権が絡んでいるのだろうか? ガイトナーはストロス・カーンと個人的に親密な関係を持っている人物だ。
上院では5月18日、マーク・カーク上院議員(イリノイ州)がストロス・カーンの辞任を要請し、IMFの副専務理事のジョン・リプスキーが臨時専務理事として「IMFの全責任を担う」ことを要請した。恒久的代替のプロセスは「即刻開始」されねばならない、と彼は語った。ジョン・リプスキーはウォール街と親密な人物であり、JPモルガン投資銀行の副会長だった人物だ。
IMFは論理的には国際的な政府間の機関であり、歴史的にはウォール街とアメリカ財務省によって支配されてきたものだ。IMFの構造調整政策(SAP)と呼ばれる「厳しい経済薬」は、数多くの発展途上国に押し付けられ、とりわけ貸方銀行と多国籍企業を益するものだった。IMFは数百万人を貧困に追いやり、反面、第三世界の低い賃金経済で外国投資家らのためには「良好な環境」を作り出した、これらの荒廃する経済改革の主要なる設計者ではない。
貸方銀行は命令する。IMFは官僚主義的機関だ。その役割は支配的な経済利益グループのために、こういった経済政策を実施し強化するところにある。
ストロス・カーンの提案する改革は、IMFに「人間的側面」は与えるが、方向性に変化はない。ネオリベラリズムの枠内で策定されている。彼らは修正はするが、IMFの「経済薬」の中心的役割を危うくすることはない。ストロス・カーンの指導の下でのIMFの「ショック療法」の社会的に荒廃をもたらす影響は広く行き渡っている。
ドミニク・ストロス・カーンは2007年11月にIMFの専務理事になった。2008年9月・10月のウォール街の金融メルトダウンが起きる時まで1年に満たない時期だ。構造調整計画は変えられなかった。ストロス・カーンの下で、歴史的に発展途上国にのみ採用されていたIMFの「ショック療法」は、ギリシャ、アイルランド、ポルトガルに適用された。
ストロス・カーン専務理事の指揮下で、IMFはニューヨークとシカゴのマーカンタイル取引所での商品の価格が上がっている時、発展途上国に対して、食糧・燃料補助金を取り除くことを要請した。
食糧・燃料価格の上昇は、2008年の9月・10月のウォール街のクラッシュ前にあったが、大きくは市場操作の結果であった。穀物価格は大規模な投機操作によって人工的に押し上げられた。投機筋を説得し、食糧・燃料の価格を抑える代わりに、IMFの役割は、これらの価格が上昇することを防ぐことで、負債のある発展途上国政府が「自由市場」にどんな理由があっても介入しないよう確約することだった。
公然とした操作の結果である食糧価格の上昇は、世界中の民衆の貧困化をもたらした。食糧価格の上昇は世界的貧困化のプロセスの新しい一面を構成するようになった。
ストロス・カーンはこの市場操作のプロセスでは共犯なのだ。チュニジアとエジプトでの食糧・燃料補助金の停止は、IMFによって要請されたものだ。食料・燃料価格は急騰し、人々は貧困に陥っていったことが、2011年1月の社会抗議運動への道筋をつけたのだ。
財政上で慎重であることがチュニジア当局の最重要な優先事項であった、彼らは現在の国際的環境下では2010年での財政政策を維持することの必要性を感じていたのだ。公債率を顕著に下げようとするこの十年の努力は、甘過ぎる財政政策によって危険にさらすべきではなかった。当局は補助金を含む現在の支出を統制する決意を固めていた・・・(IMFチュニジア:2010 Article IV Consultation - Staff Report; Public Information Notice on the Executive Board Discussion; and Statement by the Executive Director for Tunisia)
「IMFはエジプト当局に対して、食糧・燃料補助金改革を進めるよう促していた。またエジプト当局の、効率を上げ食糧補助金プログラムを標的としようとする意図を歓迎していた。
「ダメージを受けやすいグループを保護するための社会プログラムを強化しつつ、国内の燃料価格のゆがみを最小にする自動的調整メカニズムを導入することが考慮されねばならない(つまり、国家の介入しない燃料価格の劇的上昇だ)。(IMF Executive Board Concludes 2008 Article IV Consultation with the Arab Republic of Egypt Public Information Notice, PIN No. 09/04, January 15, 2009)
ストロス・カーンの指揮下でIMFは2008年にエジプトで、ムバラクの民営化プログラムの拡大化への努力を支持しつつ、全面的な緊縮政策を押し付けたのだ。 -続く-
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中東問題で演説するオバマ大統領
◆5月20日
5月18日号の「イスラエルの運命」で、以下のように書いた。
「その際、イスラエルを全面的に支えてきたアメリカのオバマ政権がどう出るか、と言う問題があるが、オバマ大統領は、アラブ世界ないしはイスラム諸国との対決を避けると言う使命観を持っているしそれを宣言もしてきたのだから、当然イスラエルの譲歩を要求することになるだろうと見られる」
オバマ大統領は国務省で行った中東に関する演説で、正にこのブログが長年主張してきた点を主張した。すなわち、パレスチナ問題の解決は、1967年の第三次中東戦争前の国境線に戻ることにある、と言う点だ。
この点を例えば、近いところでは4月20日号の「中東四者連合は1967年のパレスチナ国境線を支持」でも以下のように指摘した。
「4月13日号の『弱体化するアメリカに不安を覚えるイスラエル』やそれ以前の関連記事で指摘してきたように、イスラエルとパレスチナとの紛争解決は、イスラエルが1967年の第三次中東戦争以前の国境線に戻ることにある」
従って、イスラエルの辿るべき道は、今回のアメリカ大統領の演説ではっきりと示された、と見るべきである。中東問題とは、イスラエル問題である、とこのブログでは指摘してきた。そして世界で起きている様々な政治・外交問題の多くが、この中東問題から派生してきたものである。それはあのビン・ラディン問題も含まれる。
なぜ中東問題が深刻か、というと、キリスト教、イスラム教、そしてユダヤ教がこの地から発生し、しかもこれらの宗教には、「終末観」というものが存在し、それは、キリスト教ではイエス・キリストの再臨問題に、イスラム教では同じく最後の審判問題に、そしてユダヤ教では再臨ならぬ、メシア降臨問題に繋がるからだ。
特にキリスト教の原理主義では、このキリストの再臨が起きる前に「ハルマゲドン」の戦いが起きる、と見る者が多い。つまり俗に言う世界最終戦争だ。しかもキリストが再臨しそれによって自分達が永遠に救われるためには、その前にハルマゲドンの戦いが不可欠であり、それなくしてキリストの再臨はないのだから、そのハルマゲドンを自分達で起こそう、という考え方が存在するのである。
日本人にとってはばかばかしい考え方であっても、真剣にそう考える者たちが多い。それがどうにかして世界を混乱状態に持っていき、最終的には中東から始まる大戦争を引き起こそうと願うようになるのだ。
ところが、オバマ大統領は今はキリスト教徒であるが、イスラム教の環境内に長くいたことがあるため、普通のキリスト教徒の見るイスラム教ないしはイスラム教徒に対する考え方と異なる視点がある。
これが、実は正に絶妙な天の配剤となっているのだ。アメリカにこの大統領が出てきたことで、世界はなんとか納まる方向に向かうことだろう。
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●67年境界線でパレスチナ国家=イスラエルに譲歩迫る―米大統領
時事通信 5月20日(金)6時38分配信
【ワシントン時事】オバマ米大統領は19日の中東政策演説で、イスラエルとパレスチナ国家の国境を1967年の第3次中東戦争直前の境界線に基づいて決めるべきだとの見解を示した。同戦争後、イスラエルはヨルダン川西岸各地に入植地を拡大。オバマ大統領の見解は、イスラエルにこれら入植地からの撤退を求めるものだ。ネタニヤフ・イスラエル首相は、これを拒否した。
●オバマ大統領:アメリカの未来は中東に懸かっている
http://en.rian.ru/world/20110520/164126130.html
【5月20日 RIA Novosti】
アメリカの未来は中東に懸かっており、この中東で起きている民衆の反乱状態を中東諸国に民主主義を広めるため、アメリカはこの「歴史的機会」を利用するだろう、とオバマ大統領は19日に語った。
「改革を進め民主主義への移行を支援することはアメリカの政策である」と、国務省での45分間の演説でオバマ大統領は語った。
「我々は歴史的機会に遭遇している。我々はチュニジアの通りの屋台商人の尊厳の方を、独裁者のむき出しの権力よりも価値あるものと見る」と、農作物を警察が押収したことに抗議して自らの体に火を付けた、中東での民衆の反乱のさきがけとなったチュニジア人の通りの屋台商人を引き合いに出して、大統領は語った。
アメリカは、「民衆に対する暴力と弾圧に反対する。また普遍的価値を擁護する」、その中には、「話す自由、平和的な集会、宗教選択の自由、法の下での男女平等、自らの指導者を選択する自由」が含まれる、と大統領は語った。
リビアについては、時間は「カダフィ大佐に不利に動いている」と語り、彼は今やリビアを支配しておらず、「何十年にも渡った挑発は」彼が、「権力を去るかあるいは追われることで、終わるだろう」と語った。
アメリカ大統領は、政府による弾圧で数百人が死んだと言われているシリアに対しては、「シリアの民衆は、民主主義を要請することで勇気を示した」と語った。そして、シリアのアサド大統領は以下の選択肢を持っていると語った。それはアサド大統領が「その民主主義への移行を指導していくのか、道から外れるのか」という選択肢だという。
オバマ大統領は、シリア政府に対して、デモ隊に向けて射撃することを停止するよう促し、平和的な抗議運動を自由にさせ、政治犯を釈放し、反対派との「真剣な対話を開始すること」を要求した。
オバマ大統領はその演説の中で、イスラエル・パレスチナ問題を取り上げた。大統領は両者に対して交渉を再開するよう要求した。「この交渉の基礎的部分は明確だ:存続可能なパレスチナとイスラエルの安全保障だ」と彼は語った。
交渉は、「両国間で、パレスチナとイスラエル・ヨルダン・エジプトとの永久的な国境線とイスラエルとパレスチナとの永久的な国境線が決定されるべきだ」と大統領は語った。
パレスチナ国家は、「土地の相互の合意の交換」を伴って1967年の国境線内に創設されるべきである、とオバマ氏は語った。「パレスチナ人は自治の権利を持ち、国としての可能性を発揮する権利を、主権ある国家の中で持つべきである」と大統領は語った。
オバマ氏はまた、アメリカの「不動の」イスラエルの安全保障に対する支援を語り、「いかなる国家も、自衛の権利を保有するものであり、イスラエルもまた自らの力でいかなる脅威に対しても自衛できるべきである」と繰り返した。
現実的条件が整えばイスラエルが徐々にパレスチナの安全保障の責任を引き渡していくことを認めた。「イスラエル軍の完全で段階的な撤退は、パレスチナ人の安全保障における責任能力が主権あるかつ非軍事国家の下でなされているという前提でなされるべきだ」と語った。
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