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時代の先読み
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日本の進むべき道
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我々の心構え
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アメリカは立ち上がるのか?
◆8月18日
刻々と迫るDデー。アメリカ復興の唯一の道は、海外に移った仕事を再び国内に呼び戻すしかない、とポール・クレイグ・ロバーツ氏は指摘している。企業は儲けを増やすが、アメリカ人は仕事を失い貧困層に陥っている。
仕事があり、経済が回り、金が回る。その仕事が無ければ、全てがストップする。これはどこでも同じだ。日本でも企業は利益を挙げているが、日本人が豊かになったとはいえない。
アメリカはそこにもってきて巨大な軍事費が財政赤字を拡大させている。それにメスをいれるために、即刻戦争を停止せよという。意味の無い戦争であることは上層部では誰でも知っているだろう。戦争に関連する企業だけが儲けている。アフガンではそれに加えて、麻薬の密売による利益がCIAなどに回っている。
アメリカ人が立ち上がるかどうかは、彼らが自国政府およびその周辺に存在してる魑魅魍魎たちがしていることを認識するかかどうかにかかっているだろう。認識している人々の数は日々増大していることは確かだ。要するに時間との競争なのだ。魑魅魍魎たちが支配を固める方が早いのか、人々が目覚め、立ち上がる方が早いのかの競争である。これは日本も同じだろう。
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●恍惚の帝国:アメリカ解体が瀬戸際に
革命が起きなければ、アメリカ人は歴史になる
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=20650
【8月17日 by Paul Craig Roberts】
アメリカ合衆国は貿易赤字と財政赤字をコントロールできない状態に陥りつつある。状況は緊急事態であるが、2010年は実体のない回復の誇大宣伝をして無駄に終わろうとしている。最近ででは8月2日、ガイトナー財務長官は、ニューヨーク・タイムズ紙に「ようこそ景気回復」と題するコラムを書いた。
ジョン・ウィリアムズが何回にもわたって明らかにしたように、景気が回復しているように見えるのは、水増しされた雇用数とインフレを少なく見積もることで作られた回復である。ジェラルドセレントと私が警告することは注目されずじまいであったが、最近ボストン大学のローレンス・コトリコフ教授とデイビッド・ストックマンから、共和党が大支出する民主党のようになったと非難する反応が返ってきた。
赤字幅は既に大きすぎるので、ドルが基軸通貨として生き残ることは無理だし、赤字国債発行による赤字財政の支出では、海外に出てしまった仕事にアメリカ人が戻ることもできないのだ。しかしながら、問題があると理解し始めた人々が示す解決策には失望させられる。コトリコフ教授は解決策は、大規模な社会保障とメディケアーのカットか、大幅な増税ないしは大規模負債をハイパーインフレーションで吹き飛ばすことだと考えている。
おそらくエコノミストは想像力に欠けるのではないだろうか、あるいはウォール街から見捨てられ、補助金が出なくなることを恐れているのだろう。しかしとりわけドットコムやデリバティブ、不動産のバブルによる個人年金の侵食を考慮すれば、社会保障とメディケアーは現在のレベルでも不十分である。今までの収入の15%を支払ってきている社会保障とメディケアーのカットは、人々に餓死と治療可能な病気による死をもたらすだろう。
増税は更に意味を成さないことだ。大多数の世帯は一つだけの職では暮らしていけないことは広く知られていることである。夫も妻も仕事をし、しばしば二つ掛け持ちで仕事をする場合もあるのだ。増税すれば生活ができなくなるので、更なる差し押さえ、更なるフードスタンプ、更なるホームレスという結果をもたらすことだろう。どんなエコノミスト、あるいは慈悲深い人がこれを解決策と考えることができるというのだ?
しかし我々は富裕層には増税するだろう。これがいつもの愚かさだ。富裕層は充分なお金を持っている。単純に儲けなくなるだけだろう。
本題に入ろう。政府がやりそうなことは以下のことだ。ワシントンのお馬鹿連中が、ドルは危機に瀕しており、これ以上外国から借りて戦争に投入する資金がもうないということをひとたび理解すれば、政府は年金は税が掛けられていなかったからといって年金に税を掛け始めるだろう、あるいは政府は年金ファンド・マネージャーに年金で財政赤字を埋めてくれるよう命ずるだろう。こうすることで政府は多少の時間的余裕を獲得することができるだろう。こうして年金が無価値な債権を購入する資金となってしまうだろう。
ブッシュの2008年の財政赤字は4000億から5000億ドルの間にあった。これは中国、日本、OPEC諸国の対米貿易黒字額に相当する。通常は、こういった貿易黒字はアメリカに還流し、連邦政府の赤字の埋め合わせに使用されてきた。2009年と2010年には、連邦政府の財政赤字は2年連続で1兆4000億ドルに跳ね上がった。この赤字幅を埋め合わせるほどの充分な貿易黒字はない。どこから金はまわってきているのか?
答えは、株式市場から「安全な」と言われている国債に逃げてきている個人の金と救済された銀行の金である。銀行は超過している準備金を国債購入に充てている。
こういった金融操作は一回限りのトリックだ。ひとたび人々が株式市場から逃げ出し終えれば、国債を購入する動きはおしまいになる。そうすると次はどこから金は回ってくるのか?
ニューヨークの銀行とヘッジファンドが「ユーロ危機」に拡大したギリシャ危機のおかげで財務省は多くの負債を帳消しにすることができた。金融メディアはヨーロッパの負債とユーロについてパニックを作り出すことで、財務省の金融兵器として働いた。ドルからユーロに逃げた個人や中央銀行はパニックに陥り、あわててアメリカ国債の購入に走った。
このユーロからドルへの動きはドルに代わる基軸通貨を弱体化させ、ドルの下落を止めた。またアメリカの大規模な財政赤字を埋めてしばらくの間持たせることになった。
このゲームはスペインやアイルランドの負債でも演じられるかもしれないし、またその他、ヨーロッパ連合の軽率な拡大によって取りこめられた不幸な国が狙われるだろう。
しかしウォール街の投資銀行とヘッジファンドによって不安定にさせられる国家がなくなれば、アメリカの財政赤字を何が埋め合わせるのだろうか?
残っている唯一のものは連邦準備銀行だけだ。国債が市場で売れなくなれば、連邦準備銀行がそれを購入せざるを得ないだろう。連邦準備銀行は国債を、新しい要求払預金口座ないしは当座預金口座を開設することで国債を購入するだろう。
財務省が新しい借り入れの収入を使うため、アメリカのマネーサプライは連邦準備銀行の財務省債券の購入規模によって拡大する。
商品とサービスは同じ額だけ拡大するだろうか?アメリカの仕事が海外の外国人に与えられたため輸入は増えるだろう。そのため貿易赤字はますます増えることになる。連邦準備銀行が国債を購入する際、国内で生産された商品やサービスの供給以上にマネーサプライは増えるだろう。それで価格は上昇することになる。
どれほど上昇するか? 政府がその請求書に対し支払うことができるようにマネーが作られれば作られるほど、ハイパーインフレーションが進むだろう。
経済は復興していない。年末には、財政赤字1兆4000億ドル以上になることが明らかになるだろう。2兆ドルかそれ以上?
そのサイズがどれほどであっても、ドルが基軸通貨として機能することができないほどの量が印刷されているのを世界は知ることになるだろう。その時点で、外国の中央銀行が無価値な通貨となったドルを投売りするようになる。
ドルの崩壊はアメリカ人が依存している外国商品の輸入価格の上昇をもたらすだろう。ウォルマートの買い物客は、間違ってニーマンマーカス(高級デパート)に入ってしまったかと思うかもしれない。
増大するマネーサプライがアメリカ人がアメリカ国内で製造していた商品とサービスを追いやるので、国内価格が暴騰する。
基軸通貨としてのドルはこの大火を生き残ることはできない。ドルが崩壊すれば、アメリカは貿易赤字を埋め合せられなくなる。そのため、輸入は激減するので、エネルギー輸入国のアメリカは、国内のインフレが更に高まり、輸送問題が起き、それは仕事と食料雑貨販売業者のデリバリーを途絶させるだろう。
パニックが日常茶飯事になる。
農場が襲われないだろうか? 都市部に閉じ込められた者たちは暴動や略奪に走らないだろうか?
これが「我々」の政府と「我々の愛国的な」企業が我々のために生み出した未来の姿ということなのか?
レーニンの言葉を借りれば、「何をなすべきか?」だ。
以下はそのなすべきことだ。軍関係者と安全保障関連企業とイスラエルの領土拡張に資するだけの戦争は、即座に終わらせるべきだ。これは年間数千万ドルの割でアメリカの財政赤字を減らすだろう。軍関係の予算削減で更に数千万ドル減らせる。このアメリカの軍事関連予算は、現在の全世界の軍事予算を合せた額を上回っているのだ。
アメリカ軍事予算は、アメリカ帝国と世界覇権という到達不能で狂っているネオコンの目標を反映させてそんなに巨額なものになっている。政府のどの馬鹿者たちが、アメリカの中国に対する覇権のために中国がアメリカに融資すると考えているのだろうか?
アメリカが経済を復興することのできる唯一の道は、海外に移った仕事を国内に戻すことだ。これらの仕事を失ったことでアメリカ人は貧困に追いやられた。その反面、ウォール街や株主、企業幹部には不相応な利益を与えてきたのだ。製品が付加価値をつけた場所に従って企業に税を課すことで、これらの仕事は自分たちのいる国内に戻すことができる。もし商品やサービスの価値が中国で付加されれば、企業は高い税金を支払うようにさせ、もしアメリカでなら、企業は低い税金ですむようにさせるのだ。
企業に対するこの税制の変更は安い海外の労働力を帳消しにするだろう。海外の安い労働力がアメリカ人の仕事を奪ったのだから。これは上昇願望へのはしごを作ることになり、アメリカをチャンス社会にするだろう。
もし戦争が即座にやめられず、仕事がアメリカに戻ってこないのならば、アメリカは歴史のゴミ箱に投げ入れられることになる。
企業とウォール街は間違いなく自分らの金融力を、仕事を国内に持ってくることで短期の収入とボーナスを減らすような法令化を阻止する為に使用するだろう。アメリカ人にとってウォール街と企業、それに彼らの娼婦である議会とホワイトハウス以上の敵はいやしない。
アメリカの両政党と殆どのメディアを支配しているイスラエル・ユダヤ、及びそれと同盟しているネオコンは恍惚の帝国を夢見ている。
ネオコン、ウォール街、企業、議会とホワイトハウスにいる彼らの卑屈な奴隷どもを打ち負かすことができなければ、アメリカ合衆国と3億人の幸福な生活を復帰することはできない。
革命が起きねば、アメリカ人は歴史となる。
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貧困化するアメリカ
◆8月13日
嵐の前の静けさだ(7月29日号)、と書いたが、そろそろアメリカ経済の崩壊の動きが、というより世界経済のそれが加速しだしたようだ。経済の先行きを懸念して株や債権が売られ、あるいはその資金でゴールドなど実物が買われだしている。
アメリカ経済は今年後半から更なる落ち込みを始めると指摘してきたが、下記の調査などでも、アメリカ経済が上向く可能性が見えないことが分かるだろう。
というようりか、資本主義というシステムの崩壊、ということが今やテーマなのだ。世の中は根本的に再編されていくと見て間違いないだろう。問題はどこまでこのシステムが持つのか、そして崩壊する時の規模はどれほどのものになるのか、という点である。
今は小さなダムの決壊が起きている、あるいは土石流が起きている、という状態かもしれないが、やがて、世界最大のあの中国の山峡ダムの決壊がおきた場合の規模となるかもしれないのだ。
それは、現在のアメリカはCDSの負債が3京ドルになっていると言われているからであり、これが知られるようになれば、その時点でアメリカのドルの崩壊が始まることになるからだ。これは山峡ダムの決壊する場合と同じような、空前の被害をもたらすことになるだろう。
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●経済復興は見えない:アメリカ経済崩壊を示す40の統計値
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=20591
【8月12日 Global Research】
殆どのアメリカ人は「リセッション」はまもなく終結し、事態は元に戻る、という幻想の中で動いている。残念ながら、これは真実から程遠い。我々が今目撃していることは、アメリカ経済の根本的で完全な崩壊の初期段階である。アメリカ政府、州政府、地方自治体、ビジネス、消費者らは一致して負債を積み上げており、それはほぼGDPの360%と同額である。大恐慌時のどの時期にも(わが国の歴史上)なかった値に近づいたことになかった数字である。我々は世界がいまだかつて見たこともないような最大の負債の山を築いてしまい、その負債のバブルが今やはじけようとしているのだ。このカードの館が崩れる時、経済的な痛みは想像を絶するものとなろう。
失業は衝撃的な高さにある。差し押さえと個人破産は記録の更新を続けている。ビジネスは信じがたいほど操業停止に追い込まれ、4000万人以上のアメリカ人がフード・スタンプのお世話になっている。そしてアメリカ政府は盲目的な速さで負債を積み上げている。
以下は、アメリカ経済の崩壊を示す、40の統計値である。
1. 28%の世帯が少なくとも一人が常勤の仕事を求めている
2.ピューリサーチ社の最近の調査では、リセッションが始まってから、55%の労働人口は、失業ないし賃金引下げ、労働時間短縮、パートタイムへの望まない移動、を経験している。
3.失業保険を受け取っていない920万人の失業者が存在している。
4.仕事を見つけるのに、平均35.2週間掛かっている
5.2007年以来、アメリカは1050万の仕事が無くなった
6.中国貿易収支の黒字(多くは対アメリカ)は1年前と比べて140% 増加した
7.アメリカ人労働者は以下の情勢に対応しなければならない:中国の衣料品労働者は1時間86セント、カンボジア人は22セント稼いでいるだけ
8.2009年の調査では、「常にあるいは通常」その日暮らしをしているアメリカ人は、2007年の43%、2008年の49%に比べて今や61%になっている
9.ブルームバーグの調査では、71%のアメリカ人が経済は未だにリセッションにあると感じているという
10.銀行は2010年の第2四半期で 269,962 件の住宅を回収した、これは記録を塗り替えた
11.銀行はサウス・フロリダの2010年の最初の月で4000件の不動産を回収したが、これは2009年の同月に比べ83%増加だ
12.RealtyTracによると、2010年前半期で、165万件の不動産が差し押さえ通達を受けた、という
13.不動産銀行協会は最近、住宅購入ローンの申請数が13年来の低さになったと発表した
14.アメリカの世帯でトップの5%のみが、1975年以来上昇する住宅費用にマッチする収入増を得ている
15.2009年には141万人が個人破産を申請したが、2008年に比べ32%増だ
16.各退職者社会保障給付金は1950年には16人の労働者によって支払われた。今日、それはほぼ3.3人によって支払われる。2025年になると、二人の労働者によって一人の退職者に支払われる計算になる、という
17.新しい世論調査によると、10人の内6人の非退職者は自分達が退職した時には社会保障給付金は支払われることはないだろうと考えている
18.43%のアメリカ人は退職用に1万ドル以下の貯金しかもっていない
19.ある調査によれば、36%のアメリカ人は退職後のための貯蓄になにもしていない、と言う
20.最近の調査では、24%のアメリカ人労働者は自分達の退職年を延期したと語っている
21.全国産業審議会の消費者信頼感指数は6月52.9%の大幅な下落を示した。殆どのエコノミストは7月の指数は62ほどになると予想している
22.アメリカの小売は6月は連続して2ヶ月落ちた
23.ショッピングセンターの空き室と賃貸率は2010年第2四半期更に悪化している
24.アメリカの消費者金融は過去16ヶ月の15ヶ月収縮している
25.2010年の第1四半期、少なくとも3ヶ月超過のローン合計は16四半期継続して増加している
26.カリフォルニアでは事態はいよいよ悪化してきていて、首府サクラメントのビジネスは6件に1件操業停止に追い込まれている
27.イリノイ州では、公債証書所有者デフォルトで世界で8番目にランクされている。カリフォルニアは9番目
28.アメリカ人の25%はクレジットスコア599以下となっている。それの意味するところは破綻寸前だ、ということ
29.8月6日、アメリカ当局はフロリダで3つ、南カロライナで2つ、ミシガンで1つの銀行を閉鎖した、合計2010年で閉鎖されたのは96件になる
30.FDIC(連邦預金保険会社)の預金保険は207億ドルの赤字だが、2009年末よりか多少改善されている
31.連邦政府財政赤字は3ヶ月残して1兆ドルに上った
32.アメリカ財務省の議会に付したレポートによれば、アメリカの負債は今年13.6兆どるになる、2015年には19.6兆ドルになると予想されている
33. M3マネーサプライは2010年第1四半期で年率9.6%の落ち込みだった
34.44歳から75歳までのアメリカ人で、61%が金に窮するようになるのが一番の恐怖だと語った。残り39%は死ぬ方が怖い、と言う
35.ある研究では、アメリカの低層の80%の世帯は2007年の時点で7%の流動資産を持っていたのが分かったという
36.アメリカの下層40%の所得者は合計して国家の富の内1%以下しか所有していない
37.公的な貧困ライン以下の収入のアメリカ人の数は、2000年から2006年の間で15%上昇した。2008年には3000万人以上のアメリカ人労働者は1時間10ドル以下しか受け取っていない
38.最近の調査によると、アメリカの全ての子供の21%が2010年の時点で貧困ライン以下の状況にあるという。これは20年間で最高の値である
39.アメリカの歴史始まって以来、4000万人以上のアメリカ人がフードスタンプで生きている、また農務省は2011年にはその数が4300万人に上昇すると予想している
40.ラムッセン・リポートはアメリカ人投票者のわずか23%が、連邦政府が被統治者の同意を受けていると考えているということを発見した
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イスラエルのイラン攻撃ルート
◆8月11日
アメリカがイラン攻撃をする場合、その狙いは何か? 以前からこのブログではアメリカのこの地域に対する戦略を、シルクロード戦略法の観点から示してきた。第1義的にはこの地域の保有する化石燃料の戦略的奪取である。特にイランは石油売買の決済でドルを使用しなくなっている。イラクのフセインも同様の措置を取り、これが命取りになった。ドル防衛上からもこの地域を押さえたいのが、アメリカだ。第2義的にはそれを通じて徐々にロシアを追い詰めていくこと。最終的にはハートランドと言われる世界制覇の要となるこの地域を親米にさせることで、地政学的なグローバリゼーションを達成することにある。
そのため、丁度イラク戦争を始める時、イラクが大量破壊兵器を所有している、という言いがかりをつけて攻撃した、と指摘したように、このドミトリー・セドフ氏も、アメリカがイラン攻撃の言いがかりをつけて戦争を始めようとしている、と指摘している。その言いがかりが「核兵器計画」である。
「いつか来た道」、というやつだ。
このアメリカのイラン攻略、ということに対し、ロシアはどう対処すべきか、ということを以下の論文は示している。ようするに、ロシアはイランを守れ、と言っている。今のロシア政権はイランに対する見方で以前に比べて厳しいものになってきているから、セドフ氏はロシアに対して、しっかりしろ、と激を飛ばしているように思える。
ロシアが確固とした姿勢を示せば、実はアメリカもイスラエルもイラン攻撃を実行することは容易ではなくなる。戦争一般について、このブログでは「反対」の姿勢を明確にしている。従って、戦争抑止の上からも、ロシアはイラン保護を明確に世界に示すべきである、と書いておく。
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●グローバリズム促進のためのイラン攻撃
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=20547
【8月9日 by Dmitry Sedov】
イラクから撤退した後にアメリカがイランを攻撃するということは疑いないことだ。アメリカの軍関係の支出はあまりに巨大となっているため、近い将来その流れに変化を期待することはできない。アメリカの軍産複合体とそのペンタゴンのパートナーは最悪の対応の仕方であるイラン攻撃の計画を長いこと練ってきている。
イラン戦争の準備は、アメリカがイラクを攻撃した動きにほぼ似ている。サダム・フセインは大量破壊兵器を隠し持っていると言いがかりを付けられたが、現在のイラン指導部もまもなく世界的な大問題となる核兵器計画を持っていると非難されている。
イランの声明では、IAEAの査察員を受け入れる準備はできている、としているが、丁度イラクが自国の施設に西欧の専門家らを受け入れることを承諾した時のように、それは退けられた。アメリカは、イランの核の脅威は確定されたもので、それに反対する意見はまったく受け入れられないとしている。
さらに、アメリカは同時に中東に非核地帯を設定する提案を拒否しているし、パキスタンの非合法的な核兵器所有問題から発するずっと現実的な危険に対しては、鈍い反応しか示さないでいる。アメリカ軍のイランを標的とする向こう見ずな冒険は世界的にネガティブな反応を生み出すという事実に加えて、ロシアはイランに注ぎ込んだ自国の利権を考慮せざるを得なくなるはずだ。
その問題を取り上げてみよう:アメリカのグローバリズムは、信頼できる商品の供給者としてのロシアの役割を地球をまとめるパックス・アメリカーナのために自動的に削減させるので、ロシアに対して直接的脅威となる。グローバリズムは、各国が自らの政治的・文化的主権を維持する機会を失わせることになり、従ってロシア文化の中核的な価値を危機に陥れるものとなる。
企図されている戦争は、ひとつの選択肢として、グローバリゼーションとイスラムの間の紛争というプリズムを通してみることができる。この段階で、シーア派のイランはこのグローバリゼーションの進む道において最大の障害となりうるのだ。
忘れていけないことは、宗教的要請から、イランは欧米の経済では当然の利息を取るということをしていない、ということだ。イランの銀行業は、利息を取ることを避けていて、そのようなメッセージを世界に向けて発信している。
これがイランとアメリカの袋小路にはまっているイデオロギー的な論争点なのだ。それは、お金を必要としている者たちから合法化された搾取をすることを基礎とする、アメリカの無慈悲な質屋業の持つ性格を露にさせている。
イランの宗教的指導者らの正当な見方はアメリカのグローバリストを怒らせている。イスラム世界でイランが反アメリカの砦となったことは自然なことだ。またイランが現在の状態で留まれば、中東を変革する計画をアメリカは進めることはできない。
中東をグローバリズム方向に向けようとする勢力が目指しているものは、シーア派のイラン政権を倒し、そこに親米の政権を打ち立てることである。ロシアから見て、イランに親米政権ができることの結果としてなにがあるだろう?
アメリカ化というものはグローバリゼーションの提案者によって自然なステップである、と見なされるので、カスピ海地帯とロシアの隣国、アゼルバイジャンとトルクメニスタンは、新たな不安定地域に引き込まれるかもしれない。オレンジ革命におけるウクライナ、アゼルバイジャンやトルクメニスタンのようなロシアに非友好的な政権の誕生は、ロシア政権の気に入らない動きをすることで対立の元凶となるだろう。アゼルバイジャンにもう一人のサーカシビリがでれば、とりわけアルメニアには大きな問題となるだろう。トルクメニスタンの内部に侵食するアメリカの動きの結果がどうなるか分からないとは言え、明らかにネガティブなものになるはずだ。
経済分野からみたら、ロシアがイランへの重要なつながりを持っているということは何の価値も無い。ロシアとイランの協力体制には既に圧力が掛けられているし、イランに政権交代があれば勝ち目はなくなる。
イラン問題で自らの立場を明らかにするために、ロシアは基本的な問題に対する答えを慎重にだすべきである。
それらの問題とは:
1.ロシアは現在のイランの体制の存続を良しとするのか?答えは、そのとおりだ、イランはロシアと協力していこうとしている。イランは難しいパートナーではあるが、それはいつものことだ。イランの見方はイスラム社会の見方を反映している。ロシアを尊重するイランをロシアはベストを尽くして確保しておくべきだ。
2.ロシア政府の親米的な動きは、ロシアの利益の観点からポジティブな動きか? そうではない。イラン問題でアメリカへ妥協することで、ロシア政府が長期の保証された「リセット」を獲得しようと望むならば、今の動きは明らかに近視眼的である。このリセットは、アメリカの利益である限りは現実化するという類のものだ。アメリカ問題のロシアの専門家は、このリセットのストーリーがどのようになされたかに関する自らの観点を示すべきだ。いかなるファクターが働いてアメリカがリセットするようになったのか、そしてアメリカの動機にどれほどの善意があったのか、今やそれを冷静に分析すべき時である。見たところ、善意が重要な役割を果たしたとは言いがたい。
譲れない点は、イランに関する点ではロシアの政策がアメリカに影響されることがあってはならない、ということだ。
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ユダヤ系が主流のトルコ軍
◆8月9日
イスラム教徒であるトルコ民衆の大多数の支持を受けているエルドアン政権に対する軍事クーデターの危険が迫っているようだ。
この構図を理解するには、トルコの軍とトルコ民衆とは異質な人々で構成されていると見るべきだろう。
トルコ軍の主流はユダヤ系であるという。近代トルコを生んだアタチュルクがそのユダヤ系といわれ、そのアタチュルクが作ったのが、このトルコ軍だから、その主流もやはりユダヤ系が握っているのだ。
ところが、2008年から09年にかけてイスラエルがガザへの侵攻を行い、激しい非人道的な攻撃を行ったことで、トルコのエルドアン首相がイスラエル非難を行い、今回はガザへの支援船である自由船団に対するイスラエル軍の殺戮行為が決定的にトルコ民衆を反イスラエルにさせたため、エルドアン首相の政策はトルコ民衆の全面的支持を受けている。
そのトルコ政府はイスラエルとの外交断絶の寸前まで来ているのだが、それに対し親イスラエル勢力であるトルコ軍がこの反イスラエルのエルドアン政府を倒そうと、とかねがねその機会を窺ってきていた、ということなのだ。
軍が政治に介入することを通常の国では厳しく禁じているものであるが、トルコではたびたび軍のクーデターが起こり、政権交代などが行われてきたため、政府関係者も常に軍の顔色を窺う傾向を脱し切れてこなかったのではないか。そこに持ってきて今回は、上記事柄を通して民衆レベルでの反イスラエルの機運が盛り上がってきているため、軍も下手な行動には簡単に出れない情勢となっている。
エルドアン首相の微妙な舵取りが要求されるこの時期であるが、軍のクーデターが起きても、トルコ民衆の今の機運ではそのクーデターは失敗する可能性が大いにある。もうかつてのような情勢ではないことをトルコ軍関係者は理解すべきであろう。
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●イラン攻撃前にトルコでクーデタ?
http://aangirfan.blogspot.com/2010/08/coup-in-turkey-before-any-attack-on.html
【8月4日 aangirfan】
イランに対するいかなる攻撃があろうとも、その前にトルコでクーデタがあるかもしれない?
トルコ政府は、イランと友好関係にあり、イスラエルとは不和になっている。
2010年8月1日 トルコの最高軍事評議会は軍内の将官らの昇進と解雇について議論する年次総会の二日目を迎えた。
そしてトルコ軍事評議会はクーデター疑惑組みの昇進を画策している。軍は政府打倒の計画で起訴されている11人の将軍たちを昇進させようとしている。報道によれば、トルコのエルドアン首相はこの11人の昇進のキャンセルを要求しているという。しかし将軍たちが要求する指名をキャンセルする力を彼は持ち合わせていない。
アブドゥラ・グル大統領がその力を持っている、というのは、この軍事評議会の決定は大統領の署名をもって法制化されるからだ。過去、軍の計画に大統領が拒否権を行使した例はない。
グル大統領は、もしこの11人の将軍が昇進されるのならば、署名しないと示唆することで、軍に対しこの昇進計画を進めないよう要請したといわれている。
トルコの法廷は最近、11人の将軍と91人のその他の12人の元将軍を含む退役将官たちに対する逮捕令状を出した。「ハンマー」というコード・ネームを持つこの計画に参加したという疑惑で、彼らは2010年12月に法廷に立つようになっている。
既に、2003年にエルドアン政府に対するクーデターを画策する動きとしてこの「ハンマー」の計画は立てられた。
起訴状によると、この計画を画策した者たちは、情勢不安を生み出し、軍事クーデターを決行することのできる下地をつくるため、イスタンブールのモスクを爆破し、またギリシャとの間に緊張状態を醸成することをもくろんでいた、という。
102人の被疑者の内、わずかに1名が逮捕されているに過ぎない。残りの者たちは逮捕令状に対し訴えている状態だ。
退役した将軍を含む将官の内の何人かは、CIAとモサドに繋がるファシスト・グループである「エルゲネコン」のメンバーとして法廷に立っている。
将軍たちの政治的影響力を封じるよう企図された憲法の改正は2010年9月の国民投票に掛けられることになっている。
政府はクルド武装勢力の攻撃の波に対処することに忙殺されているが、この武装勢力はエルゲネコン、CIA、モサドの支援を受けていると言われている。
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イランが4基保有しているというS-300ミサイル防空システム
◆8月7日
ロシアが世界最強ともいえる防空システムであるS-300のイランへの供給を渋っているため、イランはベラルーシその他のところからこのシステムを合計4基購入している、という報道があったようだ。
これが本当だとすると、ロシアは出し抜かれたことになる。またイスラエルはイラン攻撃が大変リスキーになったことを考慮せざるを得なくなるだろう。 肉を切らせて骨を絶つという戦法でやろうとすれば、できなくもないが、肉を切らせることで、自分も滅びるのでは元も子もなくなってしまう。
S-300は防空システムであるから、攻撃側にとって脅威とはなるが、そのまま攻撃も何もしなければ、脅威でもなんでもない。勿論イランからの攻撃ということになれば、イスラエルはイスラエルで独自の防空システムを持っているのであるから、その面では互角である。
従って、両者が攻撃をしなければ、何も問題はない。イランがイスラエルを攻撃するか、と言えば、これはない。なんのメリットもないからだ。イスラムの大義があるではないか、という筋もあるかもしれないが、大義を通すためにイスラエルを絶対攻撃しなければならない、とはならない。
ようするにイスラエルがイラン攻撃をしたいのは、既に木曜日(5日)号で語ったように、中東で唯一の核保有国という地位を保つことで、隠然たる脅しとなるので、自分の政策をごり押しできる、というメリットがあるのが、イランも核兵器を保有するようになれば、そのごり押しができなくなるからだ。
イスラエルがごり押しをすることで、世界平和は脅かされてきた経過があるのだから、世界はイスラエルがごり押しのできない世界を求めているのであるから、イランがS-300を保有することでその世界が一歩近づくならば、それの方がお互いのためにもいい、と判断できるだろう。
イスラエルもイランがS-300を持ったからには、もう一方的なイラン攻撃はリスクが大きすぎるので、イラン攻撃はしないで、政治的な方法で対処せざるを得ない、となって、却って頭が冷静になった時点で、パレスチナ独立問題を話合えるようになるだろう。
それがいやでイラン攻撃を実行した暁には、それが失敗し、急速に右派政権は崩壊し、パレスチナ独立を承認する政権へと交代することになるだろう。自分達が賢い政権としてイスラエルを生かす道を自ら切り開くか、そうでない政権となって、自滅の道をいくか、選択するべき秋となるのだろうか。
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●イラン:S-300地対空ミサイル保有を主張
http://www.google.com/hostednews/ap/article/ALeqM5hypqn1fVhsmrj
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【8月4日 Ali Akbar Dareini ・Associated Press】
ロシアがその引渡しについては否定しているにも係わらず、イランは4基のS-300地対空ミサイルを保有した、と準国営のイランの通信社が4日発表した。
イランの最強軍事力を持つ革命防衛隊と連携しているファース通信社は、イランはベラルーシから2基、他の未確認の供給元から2基ののこのミサイルシステムを購入したと語った。ファース通信社は詳細は語らず、またこの報告についての公式の追認はされていない。
ロシアは2007年にイランに対しS-300ミサイルを売却する契約に署名している。このミサイルでイランの防空体制は大幅に強化されることになる。イスラエルはイランにS-300 が引き渡されることで、中東の軍事バランスが変わることをを怖れている。
このS-300地対空ミサイル防衛システムは航空機、巡航ミサイル、弾道ミサイルの弾頭を90マイル(144キロメートル)の射程で高度2万7千メートル以上の高空で撃ち落とす能力を持っている。
ロシアは6月、イランに対する国連安保理事会の新しい厳しい制裁でロシアがイランにミサイルを供給することができなくなったと語ったが、イランはロシアに対し、このミサイルの引渡しは契約上の義務である、と主張している。
「イランは4基のS-300PTミサイルを保有している」とファースは報じている。
この通信社は、イランがミサイルを保有しているという事実は昨年、アル・メナールTVが最初に暴露していると語った。この通信社はイランが支援しているレバノンのヒズボラと繋がっている通信社だ。ファースはイラン政府高官はこの報道を否定していない、と語った。更にイランはミサイルを自作し始めるかもしれない、と語った。
ロシアは、イランとの何十年もの政治的・経済的なつながりを損ねたくはないと考えているから、イラン問題で国際的に難しい状況に置かれている。それでもロシアは最近、イランとの軋轢が高まっていることを示していて、先月には新しい制裁を支持した。
イランは自国の核計画は発電用その他平和目的であるとしている。アメリカと同盟国は、イランが民生用核計画は原爆製造を隠すためのものだ、とイランを非難している。
ロシアはイランに別の地対空防空システムを供給している。例えば Tor-M1だ。このシステムは2万フィート(約6000メートル)までの空中の標的を撃ち落とすことができる。
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