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時代の先読み
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日本の進むべき道
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我々の心構え
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ドバイに林立するビル群
◆11月29日
ドバイの危機が世界に及ぼす影響はどれほどのものか、まだ断言できる状況ではないが、昨日のブログで指摘したように、その影響は今後少なからず広がることが懸念される。
以下の記事では、ドバイ発の金融危機がソブリン・デフォルトに至る可能性がある、と指摘している。もしそのようなケースとなれば、新興市場への資金の流れを止めるため、そのような市場の崩壊を導き、それが更に影響を拡大し、新興市場ではない、昨日指摘したように、イギリスやアメリカの世界的な主流市場をも危機に陥れる可能性が出てくるだろう。
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●ドバイ危機は大規模なソブリン・デフォルトに繋がり得る
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=aSDypi9pbVkw&pos=2
【11月27日 By Tal Barak Harif】
ドバイの負債問題は悪化して「主要ソブリン・デフォルト」に繋がり、それは開発途上国を混乱させ、新興市場へ流れる資金の流れを止めてしまうと、バンク・オブ・アメリカは言う。
「テール・リスクとして、この問題が主要ソブリン・デフォルト問題に発展しないとは誰も断言できない。それは2000年のアルゼンチンや1990年代後期のロシアのような世界の新たな市場に同様の影響を及ぼす」とバンク・オブ・アメリカのストラテジストであるベノイト・アンとダニエル・テネンガウザーのレポートが記している。
ひとつのデフォルトというものは、「新興市場への資金の流れが突然止まること」に繋がる。また、世界的な金融危機からの回復における「大きな後退」になる、と言う
世界中の新興市場の株式はドバイ・ワールドの590億ドルの負債問題のため2日間に渡って下落したが、世界的な信用凍結による評価減と損失の1兆7200億ドルを増大させることになるだろう。
MSCIの新興市場インデックスは1.9%下落し、940.30となり、今週の下落率を2.6%にした。
ドバイは、経済を観光と金融のハブにするために4年間の建設ブームで800億ドルを借りた。しかし今度のリセッションで世界でもっとも厳しい不動産価格の落ち込みを経験した。
フランクフルトのドイツ銀行によれば、住宅価格は2008年のピークから50%下落したという。
◆最良のケース・シナリオ
「最良のケース・シナリオでは、UAE当局による何件かの救済措置ないしは、債務の再編措置を伴う形での、ドバイの企業分野の問題で終わるというものだ」と彼らは報告している。
バンク・オブ・アメリカは、ドバイの負債総額は880億ドルと評価していて、その外債は自国のGDPの103%に上ると言う。
韓国のウォンは1.7%下落、25の新興市場の中では、最大の下げだった。フィリッピンがそれに続いた。
ドバイ国営企業のクレジットは、フィッチレーティングスにより本日付けで、ムーディーズとS&Pは今週はじめ、UAE政府の、貸し手支援の能力が危ぶまれることを考慮して、格下げされた。
◆アメリカ株式
世界的な下落と一緒になって、アメリカの株式も下落した。S&P500インデックスは最初の15分で2.4%まで下落した後、1.7%の下落となった。
アメリカは政府系投資会社による負債の支払い延期に関する動きについて、ドバイの状況を詳しくモニターしていると、財務省高官は語った。
イギリスのゴードン首相は、彼とマリオ・ドラギ財政安定理事会議長は、ドバイの負債問題は収束に向かうことに自信を持っていると語った。
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ダーリング英財務大臣
◆11月28日
ドバイ・ショックで震撼した世界は、週末に入り、来週からの世界経済がどうなることやらと関係者らは身構えているようだ。
ドバイに一番投資していたのは、イギリスのようだが、そのイギリスのダーリング財務大臣は、リセッションが思ったより更に深いということを認めているようだ。だから、今回のドバイ・ショックがどのように影響するのか、まったく予断を許さない状況になってきているだろう。
そもそも昨年来の金融危機で、一番の衝撃を受けているのは、金融立国であり、それがアイスランド、イギリス、アメリカだ。アイスランドは破綻状況にあり、イギリスがそれに続く可能性が高まってきている。アメリカはマティアス・チャン氏が指摘しているように、来年の第2四半期までが勝負、だといわれている。
アメリカがそうならば、イギリスはいつまで持つのか、これも似たような状況であるとすれば、来年はドバイ発だけでなく、イギリス発のあるいはアメリカ発のショックが重なることが予見されるわけだ。
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●リセッションは恐れていたより更に悪い
財務大臣はかつてないほどの不況を予想
http://www.dailymail.co.uk/news/article-1231282/Recession-worse-feared-Chancellor-predicts-steepest-slump-ever.html
【11月27日 By Sam Fleming】
イギリスのアリスター・ダーリング財務大臣は、リセッションは恐れていたより更に深くなってきていることを来月の予算報告書で認めるようだ。
大臣は、近代になって記録が開始されてからかつてなかったほどの、厳しい年間の落ち込みを予想することになりそうだ。
しかし、彼は、第4四半期ではイギリスは成長を回復すると、将来の展望では力強いものを示そうとするようだ。
昨夜、国家財政委員会筋は、ダーリング大臣は12月9日の声明で、2009年が4.75%の落ち込みという、相当厳しい経済予測を示すだろうと示唆した。
これは、銀行業の危機でひどい損害がでた1930年代の大恐慌の最悪時に匹敵する内容である。
この予算では、大臣は3.5%の収縮を予想している。この差異は、巨大な負債を抱え借入金は記録的な額に上っている国家財政に大きな問題をもたらすことになりそうだ。
成長の回復は2010年に、かなり穏やかな1.25%の経済成長を記録することになり、これは、3月の予想と大体一致している。
しかし、これは、すでにリセッションを抜けつつあるライバルのドイツ、フランス、日本に遅れを取っていることになる。
昨日、ダーリング大臣は、独立系のアナリストは、今年の国内総生産は4.7%の落ち込みを予想していると、経済展望について示唆した。
●UAE向けエクスポージャーは英銀が最大、HSBCの融資目立つ
【11月28日ロイター】
国際決済銀行(BIS)のローンに関する統計によると、アラブ首長国連邦(UAE)向け融資額は英銀行が格段に大きいことが明らかになった。
アナリストは、英国は伝統的に中東との関係が深く、他国に比べてエクスポージャーが大きいと指摘した。
BISのデータによれば、世界の銀行によるUAEへの融資総額は6月末時点で1230億ドル。このうち英銀行は500億ドルで、フランス(113億ドル)、ドイツ(106億ドル)、米国(106ドル)、日本(90億ドル)を大幅に上回っている。
UAEの銀行協会による2008年末時点の推計では、英HSBCホールディングスの融資額が175億ドルと目立って多かったが、6月末時点の半期業績報告では159億ドルに縮小していた。
HSBCは問題のあるドバイ向け融資についてコメントを控えた。
ゴールドマン・サックスのアナリストは、UAEに関連したHSBCの損失について、当初は6億ドルをやや上回る程度にとどまるとの見方を示した。
UAEの銀行協会の推計によれば、HSBCに続き融資額が多かった外国銀行はスタンダード・チャータード(スタンチャート)で、78億ドルだった。バークレイズの36億ドル、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)の22億ドルがこれに続いた。
米金融機関としてはシティグループのエクスポージャーが最も大きく、融資額は19億ドル。欧州大陸の金融機関ではフランスBNPパリバが17億ドルで最大だった。
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イスラエルの新戦略
◆11月27日
イスラエルがイランを攻撃するとすれば、それは12月以降である、という指摘が10月17日号の「イスラエルは12月後にイラン攻撃? 」で紹介した記事中にあった。
今イランはウラン濃縮をイラン外で行う件で、国際社会と折衝中であり、困難な局面にはなりつつあるが、今なお結論はでていないので、イスラエルも行動には出ないであろう。その間彼らにはやらねばならない準備があり、それがこのイランからのミサイル攻撃に対処するシステムの整備だ。このシステムは来年には配備されるというから、やはりあるとしても、イスラエルのイラン攻撃は来年になってから、と言えそうだ。
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●イスラエルはイランに対し最新鋭兵器で向かう
http://www.huffingtonpost.com/2009/11/25/israel-readying-new-cutti_n_370297.html
【11月25日 Josef Federman and Steve Gutkin】
対空ミサイルシステムと2隻の核搭載可能潜水艦をもって、イスラエルはイラン、および近隣のイランの代理勢力からの反撃に対する防衛力を強化している。
ガザ侵攻時におけるハマスの火力の拠点を破壊することに失敗、また2006年のレバノン戦争時のヒズボラに対する戦闘にも失敗したイスラエルは、防衛技術の新鋭化を強化している。
このシステムは進入してくるガザやレバノンからのロケットを撃ち落とすための金属雲を発射することができ、そのテストに成功したと、製造元は発表した。このシステムは来年配備予定だという。
イスラエル軍は、アロー防衛システムの新世代を開発中、イランからのシハブ長距離ミサイルを大気圏外で撃ち落とすよう設計されている。
イスラエル軍はまた、ドイツ製のドルフィン型潜水艦を3隻保有している。また2隻を購入中だ。これらの潜水艦は核弾頭ミサイルを搭載でき、イラン沖合いの海中に潜むことができる。イスラエルは、イランが、否定はしているが、原子兵器を獲得しようといている、と言っている。ドルフィン級潜水艦が核能力を持っているかどうか、確認はされていないが、上級将校は司令官たちは、外交が失敗した際の攻撃計画を作成する作業を進めている、と言う。
このミサイル・プロジェクトにはイスラエル内に批判者がいて、その効果を疑い、あまりに高額になると指摘している。
また多くのイスラエル人は、クリントン元米大統領の最近発したイスラエルに対しする警告に同意している。それは、イスラエルの真実の安全保障は、いつでも攻撃する能力を向上させることができると言っている敵との和平を達成することで獲得できるというもの。
イスラエルの絶滅を繰り返し叫んでいるイランの核により全滅するという彼らの支配的な恐れがあるが、当面の脅威は、イランが支援しているヒズボラとハマスから来ているものだ。
イスラエル軍は、ヒズボラは兵器を3倍に増やしていると考えている。4万発のロケットは、そのいくつかはほぼイスラエル全域をカバーできる。2006年に使用された短距離ミサイルに比べて劇的な改良がなされている。
ハマスもまた昨年の冬の戦闘以来ロケットを増やしていると、上級将校は語った。ハマスは最近、60km飛翔するロケットをテストしている。これはテルアビブ地域を射程に収めることができる。
イスラエルの防衛産業は、まもなく鉄のドームを配備するようになる、という。このシステムは、飛来するロケットを捉えるカメラとレーダーを使用、撃ち落とすものだ。このシステムは大変精妙で、風、太陽、その他の条件を加味しつつ計算し直して、ロケットがどこに落下するかを殆ど即座に割り出すことができる。
ミサイルを撃ち落とすというのは、弾丸を弾丸で止めるようなものだ。しかし鉄のドームの開発者の一人である、エヤル・ロンは、彼のシステムは、迎撃体を発射し、爆発して細かな雲状に拡散するので、直接当てる必要がなくなる、と説明している。
「非常に早い速度で飛翔する標的に迎撃体を持ってくるのは大変に難しいから、このシステムは大きな利点を持っている」とロン氏は語る。
彼は、イスラエルの南部砂漠地帯での最近のテストは成功した、と言う。最終リハーサルは、12月に予定されている。
ガザからのロケット弾に何年もさらされてきたイスラエルは、この鉄のドームを歓迎している。
「10発のロケット弾発射があるような時に向いているが、戦争となったら話は別だ。そのようなシステム開発に投資するのは、破産しようとするようなものだ」、とイスラエル安全保障研究所の軍研究計画主任のガブリエル・サボニ氏は語る。
鉄のドームは、戦車数の増大、対戦車ミサイルを跳ね返す技術の施されている装甲兵員運搬車などを含むより大きな戦略の一部である。
最後の切り札は、イスラエルが確認を否定しているが、誰も疑うことの無い、核兵器である。
ガザとレバノン戦争ではっきりした戦略は、単純なもので、相手が更に攻撃ができなくなるよう圧倒的な力量でたたく、というものだ。
この政策は、イスラエルに脆弱な平穏をもたらしたが、しかし多くの犠牲の上で達成できたものだ。
軍人らは、国連のレポートにある戦争犯罪の記述を含む、ガザ戦争に対する国際社会のイスラエルに対する非難を重く受け止めていて、これが将来の戦争のあり方を縛ると考えている。
軍人らは、匿名を条件に、更なる精密兵器の開発に資源が振り向けられている、と語った。たとえば、狭い地域で損害を出せる爆弾、本当の爆弾を落とす前に市民を怖がらせる騒音発生爆弾などだ。
誰も今の平穏がずっと継続するとは思っていない。全方向に対する武力の誇示が平和な中東のたよりなさを示している。
イランは核施設に対する攻撃から防衛することを企図しての大規模な防空軍事演習を今週行っている。
イスラエルは最近、戦艦を紅海からイラン方面に移動させた。また3週間前、イスラエル海軍は、フランコップ貨物船を拿捕した。彼らは、イラン製兵器をヒズボラに向けて運ぶ途中だったと指摘している。
先週、ネタニヤフ首相は、潜水艦、ついでミサイル艦に搭乗している。このミサイル艦がイラン製兵器を押収した艦船だ。彼は搭乗員に対し獲物を押収したことを感謝し、イスラエルはイランの最初の標的であるが、「最後ではない」と語り、イランの野望は単にイスラエルだけではない、と指摘した。
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フランス・パリにあるソシエテ・ジェネラルのツインタワー
◆11月26日
ドルを無から作って支払いに充ててきたアメリカだが、そのドルは本日86円台に突入した。代わって金は上昇を続け、1オンス1200ドル目前にまで急上昇して来た。
マティアス・チャン氏は、来年の第1、第2四半期までにアメリカ経済が崩壊することを予見し、その最悪の結果は、米・英・イスラエル枢軸と残りの全世界との対決となる、と言っている。その場合、日本は一体どちらにくっつくのか、と言われれば、日米安保がある限り、米英イスラエル側に付くしかないのであろう。
もちろん我々は、そのような最悪の事態を避けるべく、最善の努力をしなければならないが、いかんせん、事態は進みすぎている。少なくともアメリカ経済の大混乱は避け得ないし、このブログでも、アメリカの内乱の可能性については、言及してきた。
これが来年から徐々に地平線上にその姿をあらわしてくることであろう。その余波は、計り知れない。個人として考えられる準備を進めるしかないであろう。
もしそこで、アメリカの連邦準備制度に大鉈が振るわれ、その大改革とオバマ大統領のリーダーシップが発揮されれば、あるいは事態の改善を劇的に進める事ができるかもしれない。
しかしオバマ大統領は国際金融勢力から締め上げられ、自由な采配を振るえる環境にない。何らかの内部のクーデター的変動があれば、別であるが・・・
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●警告:金融津波の第2波 (3・最終回)
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=1621
【11月22日 by Matthias Chang】
◆ゲームの終わり
現在のフォールアウトは単純な言葉で要約できる:
諸国の市民らが汗と涙の激しい労働で生産した商品を、破綻している国(アメリカ)は何も無いところから金を作り出し、その商品を購買することを許しておくべきなのか?
踏んだり蹴ったりなのは、同じこのドルでは今や、以前に比べてずっとわずかしか買うことができない。ならばその価値をどんどん失っている通貨で支払われる効用は何なのか?
その反面、アメリカは世界に向かって、特に中国人に、もし現在の状況に満足できねば、他の国に販売し、その国の通貨を受け取ることに何の問題もない、と言っている。しかし、もし彼らが堂々たるアメリカに売りたいならば、米ドルと、何も無いところからそのドルを作る権利を認めねばならない。
これは究極のポーカーゲームであり、最初に瞬きする人が失い、回復不能の金融的な損失を蒙るだろう。しかし、誰がいい目を見るのだろうか?
アメリカではないし、中国でもない。
この状況は長くは続かない。アメリカにしろ中国にしろ、戦略的な利益を得ようとテーブルにどのカードを投げようかと考えても、短期の利益はピュリス王の勝利(犠牲が多く割に合わない勝利)であろう。というのも、それは潜在する敵対的矛盾の解決をもたらすものではないからだ。
システムの存続が信用貸しの可能性(更なる負債を重ねること)に依存する時、、借り方と貸し方の両者が避けることのできない事態、つまり負債は決して返済されない、という結末を迎えるのは時間の問題となる。そして貸し方が負債を帳消しにする意思が無ければ、未払いの負債を取り立てる徹底した手段を行使するようになることは避けられない。
アメリカが静かに抵当物件を処分させると考えるのは、ナイーブ過ぎるだろう。我々がその段階に至れば、戦争は避けられないだろう。これは米・英・イスラエル枢軸対全世界の構図となるだろう。
◆大詰めのプレリュード
アメリカ経済はこれからの数ヶ月でコントロール不能に陥っていく。そして2010年の最初の四半期の終わりに危機的状況に陥り、第2四半期の終わりには崩壊することだろう。
巨大な数兆ドルの刺激策資金は経済を回復させることに失敗する。大量の輸血は患者を生きながらえさすかもしれないが、複数の臓器に疾患があるという兆候が幾つもある。
12月の終わりから2010年の初め頃には、住宅用、およびもっと重要な商業用不動産の差し押さえの波がやってくるだろう。
そして2009年に差し押さえられた不動産は、市場に出れば不動産価格を押し下げる。住宅および商業用不動産の価格が落ち込む。銀行のバランスシートはひどい内容になり、2009年の後半の2四半期の「記録的な利益」は、追加の赤字を埋めることにはならないだろう。
上記の状況を前提として、連邦準備銀行は、市場を活性化するために担保抵当権付き有価証券(MBS)を買い続けるだろうか? 連邦準備銀行は、すでに数兆ドルをファニーメイと不レディマックの住宅ローンを買い取るのに使っている。他にこれを買い取るバイヤーはいない。従って、連邦準備銀行のバランスシートは自身で救済した「大きすぎて破綻させられない」銀行と同じようにひどい内容となっている。
こんな状況では、誰であっても、最悪の状態は去ったとか、世界経済は回復の途上にあると断言することはナンセンスだ。
そして大銀行がうまくいっているわけではないという確かな兆候は、ニューヨーク連銀のウィリアム・ダドレイ会長のプリンストン大学での最近のスピーチだ。彼は連邦準備銀行は、十分な担保で支払い能力のある会社を補強することで将来の流動性危機を抑制するだろうと語ったのだ。
ダドレイは実際は、「中央銀行は最後の貸し手であるよう決意することはできる・・・そしてそれは、他の貸し手が何を考えているかということについて貸し手の間にある不確実性のために起きるパニックのリスクを減らすだろう」と言った。
彼の言っていることを率直に言えば、連邦準備銀行はベアースタンズ、リーマン・ブラザース、AIGの崩壊が繰り返されるのを避ける努力をするということだ。またこれは、残存している大銀行は問題を抱えているということを示唆している。
11月初旬のブルームバーグのレポートが、シティ・グループとJPモルガン・チェースが、現金を溜め込んでいることを暴露していることを指摘するのは興味深いことだ。
シティ・グループは殆ど2倍となる、2442億ドルの現金を持っている。JPモルガン・チェースの場合は、現金総額は4536億ドルになる。一流銀行によるこの現金の貯蔵を考えると、連邦準備銀行は、金融業界に対し、巨額流動資金を金融システムに注入する用意があることを再保証しなければならなかったのだ。
ドルの価値が下落することに驚いていてはならない。通貨の質が低下すれば、株式市場のボラティリティが大きくなる。しかし利益はリスクに見合うものではない。そして誰かまだ市場に参入しているならば、2010年の第1四半期で一掃されてしまうだろう。
S&Pは、今年はじめから25%急上昇したかもしれないが、金の方が更に上昇している。利益は公式のアメリカのインフレ率に遅れている。
メレディス・ホイットニが「今なにが市場で起きているのか分からない。わけが分からない」と言ったのは、市場からは速やかに撤退する時だ、ということだ。
顧客向けのレポートで、ソシエテ・ジェネラルは、次の2年間の国庫借入金は膨大になると警告した。それはイギリスでGDPの105%、アメリカとアメリカでは125%、日本では270%で、世界的には45兆ドルに上る。
やがてある時点で、これらの一切の負債は支払われねばならない。どのようにしてこれらの負債が支払われるであろうか?
バーナンキが語り、行っていたことを基準とすれば、更にトイレット・ペーパー通貨が作られて負債の支払いに充てられる、ということになる。
その結果、通貨の劣化は継続し、これは現在の競争している経済の緊張を更に高めることになる。そして 貸し方がこのトイレット・ペーパー詐欺に我慢ならなくなれば、激しい反応を起こすだろう。
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ゴールドマンサックスビル
◆11月25日
連邦準備制度やその他の国々の中央銀行が、民間銀行と結託して、「大きすぎて破綻させられない」という口実の元、ドル紙幣を大量印刷し、ないしは最後はバーチャルなコンピューター上の帳簿の記入という入金作用をとおして、破綻している大銀行に資金注入し、それらの大銀行がゾンビのごとく生き返って、今も巷を徘徊している。ここで主要な働きをしたのがゴールドマンサックスとチャン氏は見ている。
軍事力を背景としたドルの支配力があったからアメリカのこのような行動が可能であった。しかし、今やこの状況が最後の段階を迎えるにいたったようだ。
この問題の解決には、問題の元凶である、連邦準備制度の解体ないしは大掛かりな再編成が必要であろう。
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●警告:金融津波の第2波(2)
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=1621
【11月22日 by Matthias Chang】
◆新しいゲーム
ゴールドマンサックスの金融アーキテクトは、マスタープランを持っていた。世界的金融システムを支配するというものだ。この金融権力を達成する手段は、隠れた銀行システムというもので、その要点は、デリバティブ市場、資産の証券化だ。投資金額は巨大だ、数百兆ドルで、市場を変える方法は、金融ゲームのあらゆるレベルでレバレッジを利かせることを通して行う。
しかしこの全体のスキームには根本的な欠陥があった。インフレへの脅威、もっと詳しく言えばハイパーインフレーションへの脅威である。システム内のこのような巨大な流動資金は必ず準備通貨の価値の低下を引き起こすし、システムに対する信頼を損ねるものだ。そこでシステムとして物価インフレを抑える必要があり、トイレット・ペーパー準備通貨の購買力に対する幻想を維持しなければならないのだ。
それで中国が登場する。中国が世界の工場となり、問題は解決された。前は600ドルしたスーツが、100ドル以下になったし、靴は5ドル以下になった。信用詐欺の黒幕らは、歴史上最大のカジノに対し、予見される脅威はない、と結論を下した。
中国なしではこのシステムは維持できないのだが、中国は10億以上の人々を食わせていくために、また何億もの職を人々に与えねばならないので、この交換条件を呑んだ。しかし中国は元を基礎とする国内経済と米ドルを基礎とする輸出経済の2つの「経済システム」を持つほど実用主義的で、そうすることで、輸出経済における利益とメリットが中国を変えて国内経済を活力に満ち成長する軌道に乗せ、輸出依存の経済に取って代わるだろうと期待した。
これは悪魔と行った取引だが、この重要な時期に、ソ連の崩壊の後だけに他の選択肢が無かったのだ。
◆ゲームの次の段階
ゲームは、世界的な銀行でコンピューター上でマウスをクリックする単純な操作を通して、トイレットペーパー準備通貨が文字通りバーチャルなものになった時に次の段階に入った。
ゴールドマンサックスのビッグボーイらとその他の世界的な銀行は、喜んでラスベガスと惨めなほどの数十億ドルの上がりをマフィアに明け渡した。バーチャル・カジノからの数百兆ドルの上がりに比べれば、この利益はダイム(10セント)くらいに感じられた。これは彼らのたわいのない夢を更に超えた金融的征服だった。彼らは自らを、「宇宙の支配者」と呼んでいる。巨大な負債を作り出すというのが、新しいゲームなのだ。そしてビッグボーイらは元金の40倍のレバレッジを掛けることができた。資産価値は巨大な流動性と共に急上昇し、良質の資産を駆逐した。
しかしながら、金融の魔術師らは、ゲームを続けるために必要だった金融商品を評価することに失敗し、更に/あるいは、それを過小評価した。彼らは資産の証券化という金融工学に訴えた。そして実物資産が証券化に不足しだすと、合成資産が生み出された。まもなく、投資家と言われる者たちである原資産保有者に償還無しでも、貪欲な者たちが売り出す限りは、有害廃棄物のような債券類さえもがゲームの上では正当な債券類とされた。
しばらくは、金融魔術師が、カジノ・モンスターに餌を与える問題を解決したように見えた。不幸なことに、音楽は停止し、バブルははじけた。そして彼らが言うように、その後のことはご存知でしょう。
◆ゴールドマンサックスの損害回復方法
損失が数兆ドルとなり、残った資産や資金が数十億ドルとなった時、我々は巨大な問題、金融のブラックホールに直面することになった。ゴールドマンサックスの金融操作黒幕による完璧な損害回復方法は、新たないかさまをでっち上げることだった。それは、世界的な銀行が破綻してシステマティックな崩壊の引き金を引くと、ハルマゲドンになってしまう。この「大きくて破綻させられない」銀行は、資本構成を改善し、貸借対照表上の彼らの有毒債券類から彼らを解放させるためにバーチャルな資金の大量投入が必要である、とした。
先進国の主要な中央銀行は、ゴールドマンサックスとぐるになって同じ調子で歌ったのだ。この救済を正当化するため、あらゆる種類の陰謀が繰り出された。
突き詰めれば、何がなされたかと言えば、左のポケットから右のポケットへお金を移しただけだ。ただ、銀行は政府が金融危機を乗り越えられるように支援した、というように捻じ曲げられた。
連邦準備制度と主要な中央銀行は、「大きすぎて破綻させられない」世界的な銀行にゼロないしはほぼゼロ金利で「バーチャルな資金」を貸すことに同意した。またこれらの銀行は、お返しに、これらの資金を合意された金利で連邦準備銀行や中央銀行に「預金する」ことになった。
これらの処理は帳簿に記入するだけだ。連邦準備銀行と中央銀行からのその他のローン(ゼロないしはほぼゼロ金利)は、国債購入に充てられた。これらの国債発行による資金は実物経済の復興と失業者のための仕事を作るために必要とされる刺激策のための費用である。だから、本質的には、これらの銀行は、政府に貸し付けるための、合意されたまったくリスクのない金利の「自由貨幣」を与えられたのだ。これがいかさまだ、ということだ。
これらの「資金」は、ドル紙幣でさえない。何も無いところから、単なる帳簿に記入された資金である。
だから、連邦準備銀行が数兆ドルを銀行システムに注入した時、連邦準備銀行にある「大きすぎて破綻させられない」銀行の口座に、その額が貸し出されたということなのだ。
このシステムが国際的貿易に適用されると、中国や日本からの商品の支払いのため同様の操作方法が使われた。
その他の国々では、商品の購入はドルで行われていたので、必要な商品を購入するためには、商品やサービスを生み出して、それを売却しドルを受け取る必要があった。
簡単に言えば、彼らは商品であれ、サービスであれ、それを購入するためには収入を得る必要がある。その反対に、アメリカが必要なことと言えば、何も無いところから金を作り出し、それを使って輸入品の支払いをする、ということだけだ。
アメリカが、このペテンでやってこれたのは、このペテンを押し付けて強制する軍事力があるからだ。
前記にあるように、この状況は冷戦時には特に受け入れられた。ソ連崩壊後は多少の不本意な思いで、しかしアメリカは最後の消費者となる、という条件付で、受け入れられた。
この取り決めは、いくらかの安堵感を与えた。それは、アメリカに商品を売った諸国は、その他の国からドルで商品を購入することができるからだ。世界の貿易においては80%以上、特に世界の経済の生命線と言える原油の取引が、
ドルで決済されている。
しかし、アメリカが完全に破綻している今、アメリカ人(世界最大の消費者)が中国、日本その他の国々のさまざまな商品を買うためのお金を、もう借りられなくなっているので、ドルに対する需要は弱くなってしまった。準備通貨としてのドルの地位とその有用性は今や疑問視されだしたのだ。
( 続く)
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