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ロシアからイランに供給されるかもしれない、S-300防空ミサイルシステム
◆10月7日
ロシア製のS-300地対空ミサイルシステムがロシアからイランに正式に引き渡される可能性が出てきた。イランの外務省が契約成立が間近であると発表した。
イランがこのシステムを獲得すると、その防空体制は一挙に強化されることになる。それはずっと言われてきた、イスラエルのイランに対する先制攻撃を無力化することになるかもしれない。だからこのシステムは「ゲーム・チェンジャー」と言われている。
反対にイランはイスラエル全土を射程に入れることの出来るミサイルを開発しているから、今度はイスラエルがイランからの報復攻撃を迎撃する必要に迫られる。
つまりイスラエルはイランの核関連施設を破壊したくとも、それを果たす事はできず、却って自国がイランのミサイルで荒廃する危険性の方が高まる、ということになり、先制攻撃がしにくくなるのである。
従ってこのロシアの防空ミサイルシステムがイランに供給されることは、イスラエルのイランに対する暴挙を抑止し、戦争を抑止することになるので、早急に実現されることが望ましいのである。
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●イラン:ロシア製地対空ミサイルシステム引渡しの交渉が決着間近
http://www.presstv.ir/detail/2013/10/05/327790/iran-russia-continuing-talks-on-s300/
【10月5日 Press TV】
イランはロシアとの間で、ロシア製S-300ミサイル防衛システムのイランへの引渡し契約交渉が決着間近であると伝えた。
「イランとロシアの友好関係によって、担当高官と専門家との間の交渉が継続中であり、それによってロシア側の国際的義務が果たされるので、S-300システムの契約が成立されることになるだろう」と5日、イランのマルジエ・アフカム外相が語った。
2007年になされた契約では、少なくとも5基のS-300システムがイランに引き渡されるとなっていた。
しかしながら、ロシアはイランに対する四回目の国連安保理の決議によって契約不履行を余儀なくされたという口実で、引渡しを実施しなかった。
2010年9月、ロシアのメドベージェフ首相はイランに対するS-300システムの供給を禁止する法令に署名した。
ロシアがこのシステムの引渡しを拒否したことをで、イランはロシアの兵器会社であるロソボロネクスポートに対し、ジュネーブの国際仲裁裁判所に提訴した。
5月30日、ロシア・テクノロジー(Rosteck)のCEOであるセルゲイ・チェメゾイは、ロシアが裁判で勝つチャンスは非常に少ないので、イランのロソボロネクストポートに対する訴訟を取り下げることで合意に至れるよう求めている、と語った。
チェメゾイは、アメリカがこの取引が国連制裁決議に違反する、と言って合意しないようロシアに大きな圧力を掛けていた、と語った。彼はアメリカは、国連決議はS-300に特化してはおらず、ロシア自身で引渡しを中止したのだ、と言って、後にその言い回しを変えた、と語った。
7月31日、イランの駐ロシア大使であるセイド・マハムド・レザ・サジャディは、S-300に代わる取引の交渉は存在しない、と語った。
6月、サジャディは、ロシアがイランにS-300の代わりにトール対空ミサイルシステムを引き渡すという提案を拒絶していた。
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シリアのクルド人武装組織である人民防衛部隊(YPG)
◆10月4日
この世に完全な政府などありはしないし、完全な国もありはしない。シリアはバース党が国家を導く党である、と憲法にあり、確かにパース党が独裁的に国家を運営してきた。これはカダフィのリビヤも似たようなものであった。そしてそれで国家はそれなりの繁栄を築いてきたのである。
今、「アラブの春」運動を利用して、戦略的陰謀を企てる者たちがシリアに「擬似アラブの春」運動を起こし、そこで死者や負傷者を大量にだすことにし、それを湾岸アラブ諸国の運営するアル・ジャジーラとかアル・アラビア、それに欧米のメディアを利用して、死者や負傷者がでたのは、アサド政権が血の弾圧をしたからだ、と喧伝することで、反政府勢力側への支援を正当化し、それを実施してきたため、今の泥沼のシリアの現状を生み出したのである。
そして一度はアラウィ派が主導権を握るシリアの政府軍から離脱した軍人達が自由シリア軍(FSA)を編成したが、欧米、湾岸アラブ諸国、トルコなどが支援するため外国人傭兵がシリアに流入、その彼等のシリア領内でのあまりの蛮行に幻滅したFSAの者たちや、かつてはシリア政府と戦っていたクルド人が、”シリア政府の方がマシである”、と認識を新たにし、今漸く祖国防衛の戦線で共闘を始めようとしているのである。
こうしてシリア領土で生活をしてきた、政府軍、自由シリア軍、クルド人らが、そして勿論その他のキリスト教徒もドゥルーズ教徒も、アルメニア人も、理想とは言えないが、そうひどいわけでもないシリアでの生活を守る為、再びアサド大統領を中心としてまとまって、「シリア愛国勢力」として、「外国人傭兵侵略者」と戦う覚悟を固めているのである。
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●対トルコでアサド政権はクルド人と共闘へ (その2)
http://english.pravda.ru/hotspots/conflicts/01-10-2013/125784-syria_assad_turkey-0/
【10月1日 Lyuba Lulko - Pravda.Ru 】
アサド大統領の特使のオマール・オセは更に、イラクのクルド人首領であるマスード・バルザニがシリアのクルド人を助ける命令を出す時には、シリア政府はイラクのクルド軍のシリア領土での活動を妨げるつもりはないことを保証した。「協調しながらやればいいのだ」とオセの言葉だと、ルダウは伝えた。
確かに、アサドは対トルコでクルドと共闘すべきである。トルコのエルドアン首相は、自分の以前の友人(シリア)を破壊したいと願っている者に対しては、誰でも支援する用意があるのだ。トルコの高官らは繰り返し、彼等はPYD(民主統一党)とクルド労働者党(PKK)との近い関係を懸念している、と語った。このPKKはトルコの南東部でクルド人自治のためにトルコと戦っている。
トルコ政府はアサドがPYDを武装させ軍事侵攻を企んでいると主張している。シリアの大統領がそんなことが出来るはずもないことは語る必要もないことだ。しかしながら、シリアでは禁止になっているPKKのプロパガンダはクルド人地域で浸透し始めている;1999年以来トルコの刑務所にいるPKK指導者のアブドゥラ・オカランの写真はどこでも見られるようになった。
クルドはシリアの2300万強の人口のほぼ10%を占める。クルドの独立のため戦う者たちの主なる支援者の一人がソ連であった。ロシアはこのシリア紛争で最も微妙な立場にあるのがクルドであると認識している。ロシア政府はジュネーブ2会議にクルドが参加することを主張している。この会議はシリアのあらゆる関係者らが参加する会議で、シリア政府と反政府代表者も参加する)。
クルド人はシリア人と違って、国をすぐ離れようとしないで、銃を取って自分達のつつましい生活を守ろうと戦う方を選ぶ。ルダウ紙は、アザドという名のギリシャに逃れた数少ないクルド人の難民の話を掲載している。「難民キャンプでの生活はシリアの刑務所よりひどい」とアザドは語った。「生活状況はひどい。なんの医療も受けられない。警察は粗暴だ。その写真を撮ろうとしたら手ひどく殴られた」とアザドは語った。
欧米は「血に飢えたアサド」が権力を手放そうぅとしないため死んだ「シリアの人々」に、軍や人道的その他の援助を見せびらかす。しかしそうした軍事支援が欧米に難民が溢れる事態を惹き起こし、しかも難民達は「アサドの刑務所」よりもひどい待遇に遭遇しているのだ。
「どうしてアメリカは突然、シリアは不安定化されねばならないと決め、シリア政府は転覆させられるべきである、と決めたのか?」と、カーター大統領の時の安全保障アドバイザーであるブレジンスキーが、ナショナル・インタレスト誌とのインタビューで自問した。そして「今でも分からないのだ」とつぶやいたのである。
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自分達の生活を守る為に銃を取るクルドの女性たち
◆10月3日
クルド人が既にアサド政権と共闘の形を取って、反政府勢力と戦っていることはこのブログでも指摘してきた(8月14日号「クルド系イラク人:シリアのクルド人を防衛する決意を表明」、9月25日号「49カ国から13万人の外国人傭兵がシリアにきてテロ活動」など)
結局、このクルド人の指導者らが語っているように、シリアのアサド政権は、反政府勢力に比べれば、”ずっとマシなのだ”、ということが真相である。それであるが故、自由シリア軍も昨日の記事のように、いまやアサド政権と肩を並べて、イスラム主義過激派の外国人傭兵テロリスト集団と戦う方向でまとまろうとしているのである。
この構図を見れば結局は、「シリア人(クルド系も含めて)VS外国人傭兵」、との戦い、あるいは、「シリアの愛国者VSシリア侵略者」、との戦いということがシリア紛争の実態となっていることがわかる。
そして米英仏とサウジ、カタール、トルコ、イスラエルがこの外国人傭兵側を、つまり「侵略者側」支援しているのであるが、その外国人傭兵とは、実態はイスラム主義過激派テロリストなのである。自分達自身で、「テロリスト」と規定し、「テロとの戦争」、で戦うべき相手、とした、そのテロリストたちなのだ。だから全く矛盾した狂った戦いをしている、狂った者たちとしか思えないのである。
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●対トルコでアサド政権はクルド人と共闘へ (その1)
http://english.pravda.ru/hotspots/conflicts/01-10-2013/125784-syria_assad_turkey-0/
【10月1日 Lyuba Lulko - Pravda.Ru 】
シリアのクルド人は自由シリア軍(FSA)とジハーディスト(聖戦主義者=イスラム主義過激派)と激しい戦闘を繰り広げている。クルド人はアサド政権転覆を叫び、政府軍と戦ってきていた。しかしシリア政府の外交の成果で状況は変化した。クルド人にとって、アサド政権は反政府勢力よりかマシなのだ。
先週末、二日間に渡ったアトマ、ジンダリス、ハサケでの戦闘で、クルド人は30人ほどの過激派を殺害したが、その中には過激派の、アブ・オマール・アル・チェチェナなど数人の指導者も含まれていると、通信社が伝えた。トルコのメディアも、”シリア・クルド国民評議会(KNC)”の穏健派のクルド人グループや”民主統一党(PYD)”のクルド人らと、”穏健派のFSAとアルカイダ系グループのアン・ヌスラ”や”イラク・レバント・イスラム国(ISIL)”との間の戦闘と、この情報を確認した。
13の反政府グループの指導者らが、シリア反政府革命軍の国民同盟に対する親欧米亡命政府の地位を拒否した後、シリア大統領を国内の勢力で追放する可能性は、とりわけクルド人がアサド支持ということがハッキリしてからはかなり遠のいた。
サウジアラビアの支援で大カリファ国を作ろうとするFSAのイスラム主義者とISILは、シリアで大クルディスタン国の理想を追っているクルド人と衝突している。トルコはこの紛争の第三番目の当事者だ。トルコは大オスマン帝国を復活させることを夢見ている。この政治的紛争の下では経済的対立が存在している。クルド人地区にある石油とイラン・イラク・ヨルダンを通って地中海に至る石油パイプラインの支配問題だ。
力の不均衡(トルコはスンニー派を支援)は、クルド人をアサドと同盟する方向に押しやっている。アサド政権は2011年にクルド人に広範な自治を与えているのだ。
「これらの過激派(イスラム主義グループの)は、アサド政権よりひどい。彼等に対する支援はありえない」とクルド労働者党の一翼を担うKNCの指導者の一人であるイブラヒム・バアザドは語った。トルコはイスラム主義者のギャングを使って我々と戦わせている。武器や弾薬を供給している。それを証明できる;トルコはセレカニヤの東の地雷原を一掃し国境への道を安全にした、とトルコのタラフ紙にPYDの指導者であるサリ・ムスリムは語った。
シリア政府はクルドとの同盟を優先事項と見ている。そこでアサド大統領の特使のオマール・オセがイラク・クルディスタンの首府であるエルビルを9月初旬に訪問し、クルド人にシリアとの同盟が両者にとって都合がいいことを保証した。
「現在のシリア政府はクルド人にとっては反政府勢力よりずっとましである。アサドが政権を担っていることはクルド人の利益に繋がる」と、オセが語ったとルダウ紙が報じた。彼によれば、トルコはテロリストを支援し、クルドには自治の機会を与えようとしない、という。「彼(アサド)は我々クルドに敵対するものではない、ということ、我々は友人であり、戦場で同じ側として戦っている、ということを知って欲しいと語った。もしシリアが破壊されれば、イランが次ぎにやられるし、イランの次はクルドだ、と」と、アサドの言葉として語った。
・・・ その2に続く
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自由シリア軍の戦闘員
◆10月2日
シリア政府軍を離脱した兵士らで構成されている自由シリア軍が、自分達の反政府革命運動が外国人でイスラム主義の過激派グループによって乗っ取られたことに幻滅し、今、政府との和解の道を探っている。
これで実際にFSAと政府軍とが和解し統合し、FSAがシリア政府軍の別働隊のような形で共闘して、イスラム主義過激派グループとの戦闘を始めたら、欧米や湾岸アラブ諸国は、あるいはトルコやイスラエルはどうするつもりなのであろうか?
イスラム主義過激派がシリアを乗っ取れば、シリア内のスンニー派以外の、キリスト教徒、アラウィ派、ドゥルーズ教徒、クルド人etcは抹殺されるか、殺される前に難民となってシリア国外に逃れるしかなくなるであろう。また残されたスンニー派教徒であっても、イスラム主義の頑迷固陋な生活を余儀なくされ、特に女性たちは今までのシリアで味わえたような自由は一切剥奪され、厳格な生活様式を押し付けられることで、苦悩が深まるであろう。
シリアの「反政府勢力」を支援してきたアメリカやフランス、イギリスなどは、それでもアルカイダ系のグループを「反政府勢力」として支援し続けるのか? しかも彼等はシリア外相に言わせれば、83カ国からシリアに密入国した、殆どが外国人の傭兵達なのだ。だからそれは自分達で「テロリスト・グループ」として断罪したグループを支援する愚行となるが、どうするのか?その非論理性、非合理性、非整合性をどう説明するつもりなのか?
このように、もともと陰謀で始まったこのシリア紛争で、早い時期からアルカイダ系過激派が反政府勢力に加わって、シリア政府軍と戦っていることは分かっていたのだから、今更欧米も、湾岸アラブ諸国も、トルコも引くに引けないはずだ。こうして、自分達の非論理性の罠に自らががんじがらめにとらわれて自滅していくのである。愚かで哀れな者たちがみにくい姿で、右往左往するのが見えるようである。
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●シリア:自由シリア軍とアサド政府が対話を開始
http://www.independent.co.uk/voices/comment/a-syrian-solution-to-civil-conflict-the-free-syrian-army-is-holding-talks-with-assads-senior-staff-8847615.html
【9月30日 By Robert Fisk — The Independent】
6週間前、ダマスカスに二人の代表団員が秘密裏に到着した:アレッポからきた市民で自由シリア軍(FSA)を代表しているものだった。自由シリア軍は大まかに紛争の最初の年にアサド政府軍から逃亡した戦闘員で構成されている、反政府グループである。彼等は安全が保証されている中やってきたもので、アサド大統領のスタッフの一人の有力高官と面会した。彼等は驚くべき計画を持ってやってきた。戦争に対する「シリア的な解決方があると考える」FSAの将校とシリア政府との話し合いである。
この代表団は四点を示した:
●シリア内部の対話
●公私共の適切な時期
●市民、宗派、少数派の軋轢を非難し終わらせること
●法が支配する民主的シリアのために働くこと
そこにはこの段階では、アサド大統領の辞任への要求は無かった。
この回答はすばやくなされた。
●「シリア内部での対話」はまさに必要である
●条件無しでの対話
●FSAの会談参加者に対する安全の保証
そして現在は、更に注目すべき動きが進んでいるようだ:アレッポの7つの反政府勢力側が支配する地域、その多くはFSAが支配しているのだが、一般市民の雇用者は自分達の仕事場に戻り仕事をする事ができるようになる、そして政府機関と学校は再開すること、である。過去2年間で戦闘員であった学生たちは武装を解き、学生に戻ることになる。
FSAのメンバーの中には、「シリア救済国民連合」と呼ばれるものを組織した者たちがいる。政府の支配の及ばない地域にある反政府グループのメンバー達であるが、政府軍を非難し、またこの連合に属するメンバーらによれば、宗派的なコメントを語り、シーア派とイランを非難して会合を妨害してきた者たちだ。先週、FSAからアルカイダ系のアル・ヌスラ戦線に鞍替えした者たちが出た。これは事態をより一層複雑にした。もしFSAが政府と会談を目指しているのなら、両者の間での合意に参加する者たちはどれくらい残っているのだろうか?
既に数ヶ月になるが、親政権の将校たちは離反した軍人たちをどう呼び戻せるか、探っていた。またアル・ヌスラ戦線の成長とその他のイスラム主義グループはFSAの何千人ものメンバー達を幻滅させてきたことは確かなことである。このメンバー達は自分達のシリア政府に対する革命運動がこういったイスラム主義グループによって奪われてしまったと感じているのだ。そしてホムス地域では、FSAと政府軍との戦闘は事実上停止状態になっているというのは本当だ。政府が掌握している村落や町では、FSAのメンバーらが何の問題もなく存在している。
アサド側に有利になることははっきりしている。もしもFSAメンバー達が政府軍に戻ることを納得すれば、反政府側が支配している地域は政府が支配する地域に変わることになる。一度は離脱した兵士らが戻った政府軍はアル・ヌスラとそのアルカイダ系グループに対し、国民連合軍として立ち向かうことになるだろう。
イスラム主義の戦士達は、この戦争に関わる全ての者たちにとって深い憂慮の源泉となっている。それは、反政府勢力側に武器を供給すべきか、ためらい続けているアメリカ人も同じである。例えばアメリカがジョン・マケインのアドバイスに従ったとしたら、FSAの中の三つの部隊がイスラム主義グループ側に寝返ったのだから、FSAに渡った武器のいくつかは既にアル・ヌスラ側に渡ったかも知れないのだ。
イスラム主義の戦士達はシリアのキリスト教徒にとってはその存在そのものが脅かされる深刻な脅威となっている。シリア全土からカトリックの司教や東方正教会の総主教などが27日、レバノンのベイルートで、中東のキリスト教徒のエクソダス(出エジプト=大量脱出)を嘆く集会を持った;レバノンのカトリック・マロン派の枢機卿であるベチャラ・ライは、キリスト教徒にとっては「アラブの春」は冬に変わり、鉄と炎に変わったと語った。
高位聖職者らはとりわけ、今はアル・ヌスラ・グループが支配しているラッカの教会の大規模な破壊を目の当たりにして、またマアルラに対するアル・ヌスラの攻撃を目にして狼狽した。私自身、先週、ダマスカス北方のシリアのキリスト教徒のこの町に対するひどい攻撃の様子を目撃した。キリスト教徒の家では十字架刑で蹂躙されたが、アル・ヌスラの侵略者らは、家庭を破滅する中で邪悪な喜びを感じているようであった。ある地下室では冷蔵庫の食料を空にしてそこに靴を詰め込んであった。
今こそ心を集中するべきだ。
■おかしなことが国連レポートに
さて、世界はアサド政権は8月21日にサリンガス攻撃を行ったと確信したのだが、今こそ、国連化学兵器調査団のシリアからのレポート全体を読む時である。ダマスカスのゴウタ地区の無垢な人々の苦しみと死の詳細は恐ろしいものである。同じ建物の中に住んでいた40人の大家族で、生き残ったのはたった二人の兄弟であった。しかし一つか二つの段落は再読する必要がある。
「反政府勢力の当地の傑出しているとされる指導者は・・・国連使節団の受け入れをするよう要請され指名された」とある。とすれば、国連の調査団は安全を確保したいと願ったであろうが、実際は彼等は、反政府グループの中にいた事になるのだ。生き残った者たちに対する質問リストもまた、「反政府側の者たちに知らされていた」のだ。
更に不安なのは、22ページの短い段落である。サリンガスのミサイルが落下した場所で、調査団は、「この場所は国連調査団が到着する前に、他の人々によって訪問されてきている・・・・これらの場所で過ごしたこの期間、怪しげな弾薬を運ぶ人々がやってきていた、ということは証拠となるようなものは移動したり操作されたことを示している」ことを発見したのだ。
操作された? おかしい、しかし、調査団のレポートの件でメディアがそこを引用したことがあるのかどうか、思い出せない。
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国連総会の場で演説するシリアのモアレム外相
◆10月1日
シリアで化学兵器が使用されたことから、欧米や同盟国のアラブ諸国のメディアや政府によってシリアのアサド政権が非難され、アメリカなどはこれをもってシリア攻撃の口実にしようとしたが、ロシアなどの猛烈な反対で、またそれ以上に国際世論と国内世論の反対で、攻撃そのものは実施されずに済んだ。
しかし国連の調査団が入って調べたにもかかわらず、化学兵器が使用されたことははっきりしても、一体誰がそれを使用したかについては、調査団としての発表は無いまま終わってしまった。そのことが一番重要であるにもかかわらず、である。
しかし実は早くから、ロシアやシリアは反政府グループが使用した証拠がある、としてそれを発表していた。要するに、これもまた一つの「偽旗作戦」つまり、欧米側の自作自演の陰謀工作であったわけだ。だから、今回、国連総会の場で、全世界を前にして、シリアのモアレム外相が堂々と、化学兵器の使用者の名前の公表を欧米側が妨げていると非難したのだ。
またロシアのラブロフ外相も、欧米側が証拠も無いのに化学兵器使用はアサド政権の仕業だと決め付けていることを国連総会の場で非難した。世界の諸国の代表者らがこれらの演説を聞けば、良識ある者たちならば、欧米・湾岸アラブ諸国などとロシア・シリアと、皆どちらが真実を語っているかは明瞭であろう。
ただ国際社会というものは、力関係が支配している場であるから、経済力にしろ軍事力にしろ、情報力にしろ、大きい方が支配的になるのは致し方ないことかもしれない。しかし、力の支配では支配される方は心から支配されているわけではない、ということもまた事実であろう。だからいつか、その力の支配は崩壊する時がくるものだ。今、その限界が見え始めているようだ。
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●シリア:欧米は化学兵器攻撃の下手人の名前の公表を妨害している
http://en.alalam.ir/news/1521452
【9月30日 ALALAM】
シリアのモアレム外相は”臓物を食べる者たち”を支援している欧米とそのアラブの同盟国に対して国連総会にて非難の演説を行った。ニューヨークの国連総会の場で、外相はアメリカ、イギリス、フランスがシリアにおける化学攻撃の本当の下手人の名前を公表することを妨げていると非難した。彼は、この内戦で政府と戦っている「テロリスト」は、化学兵器を受取っている、と指摘したが、どの国が供給しているかは指摘しなかった。
アメリカのオバマ大統領は国連で先週、化学兵器攻撃の黒幕はシリアのアサド大統領だと語った。この攻撃でダマスカスで数百人が殺害され、アメリカのシリア攻撃の可能性が高まった。
シリアは化学兵器を廃棄することを誓約し、国連安保理は9月27日全会一致で、化学兵器禁止機構による計画に沿って実施するよう義務付ける決議を採択した。
モアレム外相は全ての者にとってアルカイダの分派が、「世界で最も危険なテロ組織である」ことは明らかであるが、その分派組織がシリアの内戦で戦っている、と語った。しかしそれを認めない国も存在している、と語った。
「殺害、虐殺、人間の心臓を食べるシーンなどは、テレビのスクリーンで放映されたが、盲目の良心には何も感じられなかったのだ」と外相は語った。
「無垢な市民の首がグリルの上の置かれていた。彼らがただ過激派の考え方に従わなかった、そしてアルカイダの考え方と一致していなかったからである。シリアには人間の四肢を生きながらに切断しばらばらにする殺人者がいる。そして切断した四肢を彼等の家族の元に送るのだ。ただ彼等が世俗的で統一的なシリアを擁護したからだ」
5月にシリアの武装反政府勢力の者たちが、シリア兵の遺体が横たわっている傍で人間の心臓を食べている映像と思われるものがサイトに掲載された。外相が引用した別のビデオは、反政府グループの者たちがシリア兵の首をグリルで焼いている映像と言われるものであった。
心臓が映っているビデオは人権団体と反政府グループの主力勢力の一つであるシリア国民評議会の非難を呼び起こした。
モアレム外相は、彼が内戦ではなくテロとの戦争と呼ぶ紛争の政治的解決をすることに、シリア政府が真剣に取り組んでいると語った、
「我々の政治的解決に向けての取り組みは、ホムスやアレッポで起きたように、また現在はマアルラで起きているように、我々のモスクや教会が破壊されるのを見ていることではない。このマアルラはイエス・キリストが話した言葉を未だに話している、世界で唯一の場所である」
化学兵器を国際的監視組織の監視下におくことに同意することで、シリアの指導部はシリアに対するアメリカが率いる侵略を避けてきている。
この動きは国際社会で称賛され、国連安保理の五カ国は全会一致でシリアの化学兵器についての決議を採択し発表した。
●ロシア外相:アメリカは証拠無しにアサドを非難している
http://en.alalam.ir/news/1520781
【9月27日 ALALAM】
ロシアのラブロフ外相は27日、欧米のことを証拠無しにアサド大統領が化学兵器攻撃を行ったと非難したことを非難した。「化学兵器の使用は許せないことである。しかしそれは、非難する権利を独占しそれで評決が出たと言えるわけではない」と国連総会の場で外相は語った。
アメリカ、イギリス、フランスはアサドの軍が8月21日の化学兵器攻撃を行ったと非難した。しかしロシアはアサド側に付き、外国が支援する反政府武装勢力側を非難した。
アメリカとロシアは27日、国連安保理でシリアの化学兵器を廃棄する決議案で合意した。しかしラブロフ外相のコメントは、ロシアがシリアを守る点については、大きな変化は無いことを指摘した。
ラブロフは国連総会の場で、「化学兵器使用に関連するあらゆる事態は、誰がそれを使用したにしても、専門的で中立的な方法で調査が行われねばならない」と語った。
彼は、非難というものは、「国連安保理で特別に、言いがかりや憶測ではなく、事実に基づいて吟味されること」が必要だと付け加えた。
ラブロフは、世界の指導者らが、「中東で自分達の利益を確保するために軍事力を使用する権利」について話し合うのを聞くと「驚かされる」、と語った。
ロシアの外相はアメリカとは言わなかったが、アメリカのオバマ大統領は24日、アメリカの核心的利益を守る為に中東で軍事力を使用する用意がある、と語っていた。
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