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3日朝、アルカイダ系テロリストによる爆弾で破壊されたアレッポ市の建物

◆10月4日

 ここ暫くシリア情勢から遠のいたが、9月5日号「アルカイダ指導者:5000名の戦士のシリア派遣で米・サウジと取引」で示したように、シリア政府軍と反政府勢力側の戦力がアレッポで激突してきたのが、この1ヶ月であったようだ。

 トルコ政府はシリアとの国境に「 安全地帯」を設置しようとしてきたが、それが成功したかどうか分からない。しかし今回の新華社通信の記事によれば、アレッポでの戦闘で、シリア政府軍側はトルコからの供給路を絶つ作戦に成功したようで、反政府側は孤立し始めているようだ。また3日の朝には、1000kg級の爆発物による爆弾事件が起き、34名が死亡、122名が負傷する事件が起きた、という。一般市民が犠牲者になっている。これが反政府勢力が外国人傭兵である証拠の一つにもなろう。シリア人の命などなんとも思っていない輩なのだ。

 大事な点は、もしもシリア国民が1年半前に本当に現アサド政権に対して反政府の大掛かりなデモを各地で起こした、というのが本当ならば、今のこの時点でもシリア全土でそのような反政府デモが頻繁に起きておかしくないし、そのデモに対し政府が鎮圧の作戦をあちこちで展開している、というニュースがどんどんあっておかしくないにもかかわらず、シリアに関してのニュースは、大規模爆弾騒ぎがあった、と言うくらいで現在は殆ど報じられることもなくなっていることだ。

 結局は、シリアでの「アラブの春」などという大衆デモは殆ど起きておらず、テロリストによる破壊工作に対し、アサド政府を支持するデモばかりがあったのが今までの実情であったのだ。そして外国から侵入してきたスンニー派武装テロリストが湾岸諸国から資金を受けて破壊工作をシリア領内で行ってきたのを、シリアのアサド政権が断固として殲滅を決意し実行し今日に至っているのである。

 これをROCKWAY EXPRESSは当初から支持してきたのであり、シリア政府転覆が簡単にはいかないこと、またシリア政府が転覆するようなことがあれば、それはそれで収まる話ではなく、中東全体の大戦争に発展すると警告し、だからシリアのアサド政権を転覆させてはならない、と指摘してきたのである。

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●シリア情勢:アレッポで政府軍は強化、反乱側は供給路を絶たれ孤立
http://news.xinhuanet.com/english/world/2012-10/03/c_131885860.htm
【10月3日 Xinhuanet.com】

 シリアでの戦闘は2日も継続した。政府軍では北方のアレッポ県で増援部隊が到着し決着がつけられようとしている。

 国営通信社のSANA通信は政府軍は2日、アレッポの空港に通じる高速道路のアルラムセ橋に立てこもる武装勢力を攻撃、全メンバーを殲滅した、と報じた。

 アレッポのシェイフ・クドゥル市近郊のアルジャンキエ果樹園では、数十人の「テロリスト」らが殺害されたと報じた。

 SANAは更にその他の場所でも政府軍が数十人のテロリストを殺害したと報じた。

 反政府側では、イギリスに本拠地のあるシリア人権監視団は、アレッポ国際空港に近いスレイマン・アルハラビとアルアークアブで激しい衝突が起き、その際66人の非武装のシリア人、19人の武装反乱者、数多くの政府軍兵士を含む110人が殺害されたと語った。

 彼らはシリアでの人権問題を扱っている勇名な法律家の一人であるハリル・マトウクが2日朝、ダマスカスで政府軍によって拘留されたと語った。マトウクは活動家でもあり、多くの囚人たちの弁護をしてきている、と言われている。この活動家の弁明は客観的には知ることができていない。

 情報筋が2日新華社に伝えたところでは、アレッポ県で政府軍に増援部隊が到着した、という。

 この情報筋は、政府軍は「トルコ国境から武装反乱者への供給ラインを切断しアレッポ市を孤立化」させることができたことで、アレッポ市からまもなく武装勢力を一掃することが期待されている、と語った。

 この高官が語る内容は、親政府系のアルワタン紙の内容と一致している。アルワタン紙は2日、武装反乱勢力側が弾薬を切らしつつあり、供給ラインが切断されたことで、「現在の戦争は政府側に有利な形で収束するだろう」、と軍事専門家と観測筋の見方を紹介しながら、説明した。

 アルワタン紙は、武装メンバーらは戦闘に疲れ、自分らのやってきたアレッポ県の村やその他の地域に戻っていると語った。

 同紙は、政府軍がアレッポで援軍を得た、と語り、「これはアレッポの残存勢力を殲滅する決意でいることを示している。とりわけ東側地域に対しては出来るだけ早期にやる決意だ」と言う。

 焦点はアレッポにあるが、ダマスカス郊外での状況にはあまり改善は見られない。政府軍はアレッポでの作戦と協調しながら、ダマスカス郊外の反乱勢力を殲滅することを進めていくつもりだ、という。

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遼寧艦の甲板に勢ぞろいする中国海軍兵


◆9月27日

 中国の初の空母ということで「遼寧艦」の就役式には胡錦濤国家主席や温家宝首相も参加したという。陸軍国であった中国が、海軍国としても一流になりたいという願いが露になった一件である。

 しかし、この遼寧は実際は使い物にならない、と言われているという。良くて中国の周辺国に対する「脅し」用だ、というわけだ。そもそも航空母艦といわれるが、この空母に乗せられる艦載機がない。乗せても離着艦ができない。つまりだたの飾り、という実態なのだ。

 大人のおもちゃというと、変なものを連想する向きもあろうが、そんなにかわいいものではないが、これは一種の大人のおもちゃである。南シナ海でその「威容」を示せば、フィリピンやベトナムが震え上がるだろう、と読んでいるのかもしれない。しかし、実際はベトナムの所有するロシア製Su-30はこの「空母」の脅威となるものであり、実際の戦闘でも起きようものなら、遼寧からは航空機は飛び立てず、反対に陸上基地から発信するベトナムのSu-30がこの空母にダメージを与えることになろう、というのだ。

 それでも中国は「空母」なるものを持ちたかったのだ。空母保有国のリストの中に中国も入りたかったのだ。

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●空母を就役させる中国、しかし専門家は効果に疑問
http://www.nytimes.com/2012/09/26/world/asia/china-shows-off-an-aircraft-carrier-but-experts-are-skeptical.html?_r=0
【9月26日 By Jane Perlez – New York Times】

 中国首脳のトップの参席する儀式の中、中国は最初の空母を就役させた。この動きは、周辺海域で周辺国との間で緊張が高まっている中で、中国が増大する軍事力を見せるためである。

 将校らはこの空母は廃棄された船をウクライナから1998年に購入し、中国が改装したもので、国家主権を防衛する為のものだ、と語った。この問題は東シナ海の島の所有権で日本と言い争っている政府の試金石となっている。

 胡錦濤国家主席、温家宝首相の見守る中、就役したにもかかわらず、また中国の軍事専門家らのこの船の重要さに関しての熱のこもった評価にもかかわらず、この船は当分の間は訓練とテストにのみ使用されるだろう。

 空母に書かれている16のしるしは、訓練に限られることを示している、と中国その他の専門家は語った。中国はこの空母に離着できる航空機を所有していないので、離着訓練は陸地で行われると彼らは語った。

 そうであっても、この空母が大連に現れることは、日本では尖閣諸島、中国では釣魚台と呼ばれている東シナ海の島について、中国と日本の間で議論が戦わされているこの10日間の間高まった愛国的感情を高揚させる機会として利用された。

 この空母は「中国海軍の作戦能力全体を向上させる」であろう、また中国が「国家主権、安全保障、発展の面での利益を効果的に保護するため」に資するであろうと国防大臣(国防部部長)は語った。

 10年に一度指導者の交代が行われる共産党大会は10月に開催が予定されている。空母の就役はこの共産党大会を前に国家的統一を盛り上げるイベントとしてあった。

 国際的見地からは、この空母の就役はアメリカの同盟国のフィリピンを含む南シナ海の諸国に対し、中国が今後この海域に展開する重要な艦隊を増大させていることを示すシグナルとして意図されていると見られている。

 アメリカの軍事作戦関係者らは、この空母の試運転の意義を大きく評価しなかった。ある海軍将校は、それは金の無駄使いだから、中国は自前の空母と護衛艦船の建造を進めたほうが良いと言ってやりたいと語った。

 別の中国以外の軍事専門家らはこの意見に賛成だ。

 「実際のところは、この空母は中国海軍にとっては無用な代物だということ」と、シンガポール国営大学のヨウ・リ客員研究員はインタビューの中で語った。「アメリカに対して使用するのならば、残存性はない。中国の周辺国に対して使用するのならば、お山の大将の印ということだ」

 ベトナムは中国と戦争をしてきたが、ベトナムは地上配備のロシア製Su-30を使用している。これは空母に対する脅威となる、とヨウ氏は語った。「南シナ海では、もしも空母がベトナム人によって損傷させられれば、面目を大いに逸することになる」、と彼は語った。「そんなことのための空母などは何の価値もない」と述べた。

 現在まで、中国人パイロットは模擬空母着艦訓練を25年前のソ連製MIG-23で陸上航空基地で行うよう制限させられてきた、とヨウ氏は語った。中国は適切な航空機を所有していないため、動く空母甲板での難しい着艦訓練をすることはできなかったのだ、とヨウ氏は語った。

 中国が自前の空母建造に向かうかどうかは、中国が空母着艦のための航空機を開発できるのか、ということにかかっている、と彼は語った。「そのような航空機を開発するのは非常に長期のプロセスになる」と彼は語った。
 中国以外の軍事専門家によって示された懐疑論に反して、中国海軍研究所の研究員であるリ・ジエは、人民日報のインタビューの中で、この空母は伝統的な中国海軍の考え方を変えるかもしれないと語り、自分たちの作戦スタイルと構造に変化をもたらすかもしれない、と語った。

 中国軍は軍事費支出を明らかにしていないが、外国の軍事専門家らは、海軍は陸軍や空軍に比べ予算は少なく割り当てられている、と言っている。

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隣国シリアに武装ゲリラを送っているエルドアン・トルコ首相

◆9月26日

 9月12日号「トルコ経済:シリア危機とイラン制裁で奈落の底に」で、以下のように、「おそらくはトルコ国民もそろそろこのエルドアンの親欧米・イスラエル・湾岸アラブ君主国寄りの外交政策に反旗を翻しておかしくない時期に来ている」と指摘したが、今回の記事では、やはりトルコ政府の対シリア政策に反対するトルコ国民によるデモが数千人の規模で起きた、という。

 ここで重要なことは、エルドアン自身が生粋のトルコ民族の出自ではなく、隠れユダヤである、ということだ。これはトルコ軍を作り、建国の父と言われているアタチュルクも実は隠れユダヤである、ということがあり、トルコの枢要な部分がトルコ人ではなく隠れユダヤによって構成されている国家がトルコである、ということなのだ。

 従って人類歴史の大きな曲がり角を迎えて、それぞれの国民国家が己の運命を決定していくこれからの期間において、自分たちの本性が露にされてくるのである。トルコがこのままシリア政権転覆という国家的な犯罪行為に加担し続ければ、トルコはそのことの引き起こす反動を受け取ることになっていく

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●シリア情報大臣:トルコのエルドアン政権の崩壊が近い
http://english.farsnews.com/newstext.php?nn=9106242250
【9月25日 Fars News Agency】

 シリアのオムラン・ゾアビ情報大臣は、シリアの内紛にトルコ政府が介入していることを嘆いているが、そのシリア介入というトルコ政府の間違った姿勢が政府の崩壊をまもなく引き起こすと警告した

 アル・マナール・テレビのインタビューで、ゾアビは、「エルドアン政権の崩壊は間近である」と語り、「シリア政権の崩壊に関する彼の立場については、我々の側から回答する価値はない」と述べた。

 彼はトルコがシリアの反乱グループに支援していることを非難し、周辺国との国境からシリア領内に十分に武装された数千人もの民兵らが侵入したと言い、特にトルコ国境から侵入した者が多い、と語った。

 「自由シリア軍なるものは存在せず、分裂した武装グループがあるだけだ。彼らはシリア内で、欧米・イスラエルの意図に基づいて活動している」と、ゾアビは指摘した。

 昨日、イランの最高指導者付き軍事顧問の一人がトルコ政府に対して、「この紛争においてトルコは敗北する側についている」と警告した。

 イラン北部にあるアルデビル市に集まったバシジ(志願兵)らに対する演説で、ヤーヤ・ラヒム・サファヴィ中将は、シリアの紛争についてトルコはアメリカの道具としてアメリカに奉仕している、と語った。

 「シリアを叩くことで、アメリカの代理としてのトルコと、アラブ諸国による金融支援は実際は、この紛争で主要な役割を果たしているが、この戦場では主要な敗北者である。そして彼らはこの地域を越えた大きな勢力の道具として使用されてきた者たちだ」とサファヴィは語った。

 トルコでは政府の反シリアの姿勢に対する抗議運動が大きくなってきている、と彼は指摘し、トルコ国民はイスラム教徒であり、当然ながら彼らの国が別のイスラム教の国家であるシリアに対して取っている姿勢に反対である、と語った。

 先週、シリアとの国境にあるトルコのアンタキヤ地方で、数千人のトルコ国民がエルドアン政権のシリアに対する政策に反対してデモを行った

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イスラエルのドルフィン級潜水艦

◆9月25日

 イスラエルとイランの角逐から中東大戦争、果ては第三次世界大戦の懸念まで出ている今日この頃であるが、核兵器を持っていないイランに対して、核兵器を持っているイスラエルが「核の先制攻撃」をする、という狂った構図がある。

 こうなると、イスラエルという国が世界平和を乱す元凶となるのだが、世界のマスメディアがユダヤ系に握られている為、その狂った構図を「狂っている」と指摘するメディアが存在しない。メディアが指摘しないから、世界の人々もそのイスラエルの姿勢が狂っていると思わない。

 イスラエルは核兵器をイランに対して使用する、という姿勢を示すことでイランを牽制、その核計画を中止させようとしているようだが、イランがそのような脅しに屈するとは到底考えられない。

 だとすれば、このイスラエルの潜水艦から実際に核搭載巡航ミサイルが発射される日がいつかやってくる可能性は否定できないことになる。しかし、イランがイスラエルから核攻撃を受ければ、イランの全ミサイルがイスラエル本土に殺到し、イスラエルもまた壊滅的打撃を受けることになるだろう。勝者のいない戦争になる、ということ。だから戦争がいかに愚かな行為であるかを、戦争を始める前に当事者たちは熟考し、あらゆる事態を想定することで、戦争回避の道を探らねばならない。

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●イスラエルの核搭載潜水艦がペルシャ湾に
http://www.jpost.com/IranianThreat/News/Article.aspx?id=176874
【9月24日 Jerusalem Post】

 イスラエルは核搭載潜水艦をペルシャ湾に常駐させることを計画している、と23日サンデータイムズ紙が報じた。

 イスラエルの潜水艦は以前にもペルシャ湾に入ったことがあるが、少なくともその内の一隻が常駐するという決定はなされていなかった。

 タイムズ紙は、イスラエル政府が三隻の核搭載潜水艦の内、少なくとも一隻をペルシャ湾のイランを攻撃できる範囲内に常駐させる決定をした、と主張している。

 この記事によると、この潜水艦はシリア、イラン、ヒズボラからの増大するミサイルの脅威に対応するためペルシャ湾に移動しているという。

 イスラエルの潜水艦は、定期的にこの海域に来るが、常駐するかもしれないという報道は始めてである。

 ディーゼルエンジン搭載のこの潜水艦はドルフィン級で、イスラエルからの特注でドイツで製造された。

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分離独立を目指すカタロニア(カタルーニャ)州

◆9月24日

 ヨーロッパの金融・債務問題は収束するには程遠く、ますます混迷を深めているが、スペインではこの問題がとうとう分離独立問題にまで発展している。

 スペインの中でも最もリッチな自治区がカタロニア(カタルーニャ)州であるところから、カタロニアは他の州に比べて裕福なため、中央政府に貢ぐ金額も大きい。従ってカタロニアの住民はそれが不服であり、独立を本気で考えているのだ。

 これは人事ではない。そもそもユーロ圏自体が同じ理屈で分解の危機にあるのだ。従ってこのスペインのカタロニア分離独立問題は、EUそのものの矛盾の象徴的現象である。

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●スペインは分裂するかもしれない
http://www.testosteronepit.com/home/2012/9/21/catalonia-cries-for-independence-spain-might-break-apart-and.html
【9月21日 Testosterone Pit】

 スペインには問題が多い:債務危機、住宅バブルの後遺症、25%以上の失業率、50%以上の青年層の失業率、「構造改革」に反対する大規模デモ・・・そして今回新たな問題が生じた:国家の分裂の可能性だ。軍はそれぞれ加担する側を選択している。

 それは先週、バルセロナで始まった。ここはカタロニア州の首都である。カタロニアはスペインでも最も裕福なところである。750万人の住民の内、8%から20%になる60万人から150万人が、独立を叫んで大通りに出てデモに参加したのだ。

 カタロニアとスペインの間にある敵対関係は長期に渡るものだ。しかしスペインの金融問題がこの対立を深刻化させた。すっからかんのカタロニアは中央政府に救済を要請せざるを得なくなったのだ。カタロニア人は不満で爆発しそうなのだ。彼らは、現在の国庫の方針では、カタロニア人は年間1600万ドルを中央政府に上納しており、そのためにこの州は破産状態に陥ったのだ。今や、救済の代わりに、中央政府は医療、教育、その他のサービスを削減することになる緊縮策を強要してきた。

 20日、カタロニアの知事のアルトゥール・マスは当初、新しい税制について要請するためにマリアノ・ラホイ首相と面会した。しかし、バルセロナでの大規模デモのために独立をも話し合いの議題に入れたのである。ラホイ首相は、憲法がそのような独立は認めていないとして、彼の要請を切り捨てた。

 「憲法は改定することもあるが、人々の意思を服従させることはない」と、会合の後、マス知事は嘆いた。カタロニア民主統合党リーダーとして、また集中と統一(CiU)議長である彼は中流階級の代表であり、曖昧な表現ではあるが、カタロニアの独立を支持してきた。今までは。「カタロニアは自分の道を進むだろう」と彼は語った。議会は来週、「次のステップを話し合う為」に開かれる。

 ホセ・ガルシア・マルガヨ外務大臣は「不法で致命的だ」と怒鳴り、もしも独立すればEUから締め出されるとカタロニア側を脅した。どちらの国家がEUに加盟することを許されるかの決定は全会一致でなければならず、スペインの拒否権でカタロニアは「無期限に」加盟を阻止されるかもしれない、と彼は語った。

 それにもかかわらず、21日朝、集中と統一のスポークスマンのフランセス・ホムスはこの計画を推し進めた:11月25日に選挙が行われて、議会は独立に向けた動きを始めるかもしれない。それは国民投票かもしれない。しかし、違ったことも考えられる、と彼は語った。「例えば、議会は国家として宣言することを可決する」ということなどだ。

 CiUはまだ自分たちの選挙計画に国家としての要請をどう文章化するか決定していない。しかし、独立に向けた戦略は、「後戻りできない工程」にある、とホムスは語った。彼はスペインのことを、唯一の武器が「機敏さ」であるガゼルを襲っているライオンであると言っている。

 EUから追放されるという脅しはどうか?「カタロニアはヨーロッパ市民である」と彼は言う。そして彼らをどうやって追放することが可能なのか分からない、と語った。しかし彼は、重要なあらゆるビジネス業界のことは心配していなかった。「事態が民主的に表現されれば、投資を失うことはないだろう」と彼は語った。

 反応は早かった。カタロニアの独立はビジネス業界にとっては「非常に大きな問題」になるだろう、とスペイン雇い主同盟(CEOE)議長のヨアン・ロセルは語った.雇い主らは現在の経済混乱状況から抜け出る為に単一市場を支持している、という。

 国家であると宣言することに法的価値はない、とソラヤ・サエンズ・デ・サンタマリア副首相は閣僚会議の後の記者会見で語った。また政府は早期の選挙を望んでいない、と彼女は語った:「政治的不安定」は危機を悪化させかねない。しかし彼女は骨を投げてやった:政府は自治区の金融モデルを改革することにやぶさかではない、と。

 独立の核心についての議論が開始された:中央政府の債務の分配。カタロニアは20%あるいは16%か?あるいはゼロ、それは国債を発行したのはスペインであってカタロニアではないから。カタロニアはスペインの枠内に留まるほうがいいのか、それとも独立したほうがいいのか?それは金融的に可能なのか?噂が流れている。連立政府のメンバーが欧州委員会に、スペインは合法的にカタロニアの分離を止めることができるのかどうか、そして独立したカタロニアをEUから拒否権を行使することで追放することができるのかどうか、ということを尋ねたという噂だ。分離を許可する法は存在しないから、それを制する法もまた存在しない。従ってすべては不明なままである。しかし、この問題が深刻な注目を集めている、という事実は、事態が相当なところにまで進んでいることを示している。
 
 そして軍は自らの役割を注視している。フランシスコ・アラマン大佐は、もし彼らが独立を選択したならば、ハゲタカどもを捻り潰すと約束している。「カタロニアのための独立?私の屍を超えてだ」と彼は言う。「ライオンが眠っているとしても、ライオンにちょっかい出すな。何世紀にも渡って証明してきた残虐性を表すだろうから」これはクレイズド・フリンジの言葉なのか? 明らかに違う。「軍隊の相当部分にある深く根ざした考え方である」と、退役陸軍中将のペドロ・ピタルクが説明する。そしてそれは欧州物語の中のまったく新しい章を開くことになる。正反対のことは起きないというあらゆる保証にも関わらず、事態は更に不明瞭になってきているのだ。

 ドイツの憲法裁判所が強張った笑いと共に、ESM救済ファンドと財政同盟条約について同意した時、政治家たちはほっとため息をついた。ドイツの反乱は終わった。しかし蒸気はユーロ圏の混乱したパイプから再び漏れ出している。今回はフランスだ。そこは財政同盟条約は口封じにされてきたところだ。

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経済から宗教まで、時代の先を読み解くための作業を人間活動のあらゆる分野にメスを入れて行います。
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