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遼寧艦の甲板に勢ぞろいする中国海軍兵


◆9月27日

 中国の初の空母ということで「遼寧艦」の就役式には胡錦濤国家主席や温家宝首相も参加したという。陸軍国であった中国が、海軍国としても一流になりたいという願いが露になった一件である。

 しかし、この遼寧は実際は使い物にならない、と言われているという。良くて中国の周辺国に対する「脅し」用だ、というわけだ。そもそも航空母艦といわれるが、この空母に乗せられる艦載機がない。乗せても離着艦ができない。つまりだたの飾り、という実態なのだ。

 大人のおもちゃというと、変なものを連想する向きもあろうが、そんなにかわいいものではないが、これは一種の大人のおもちゃである。南シナ海でその「威容」を示せば、フィリピンやベトナムが震え上がるだろう、と読んでいるのかもしれない。しかし、実際はベトナムの所有するロシア製Su-30はこの「空母」の脅威となるものであり、実際の戦闘でも起きようものなら、遼寧からは航空機は飛び立てず、反対に陸上基地から発信するベトナムのSu-30がこの空母にダメージを与えることになろう、というのだ。

 それでも中国は「空母」なるものを持ちたかったのだ。空母保有国のリストの中に中国も入りたかったのだ。

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●空母を就役させる中国、しかし専門家は効果に疑問
http://www.nytimes.com/2012/09/26/world/asia/china-shows-off-an-aircraft-carrier-but-experts-are-skeptical.html?_r=0
【9月26日 By Jane Perlez – New York Times】

 中国首脳のトップの参席する儀式の中、中国は最初の空母を就役させた。この動きは、周辺海域で周辺国との間で緊張が高まっている中で、中国が増大する軍事力を見せるためである。

 将校らはこの空母は廃棄された船をウクライナから1998年に購入し、中国が改装したもので、国家主権を防衛する為のものだ、と語った。この問題は東シナ海の島の所有権で日本と言い争っている政府の試金石となっている。

 胡錦濤国家主席、温家宝首相の見守る中、就役したにもかかわらず、また中国の軍事専門家らのこの船の重要さに関しての熱のこもった評価にもかかわらず、この船は当分の間は訓練とテストにのみ使用されるだろう。

 空母に書かれている16のしるしは、訓練に限られることを示している、と中国その他の専門家は語った。中国はこの空母に離着できる航空機を所有していないので、離着訓練は陸地で行われると彼らは語った。

 そうであっても、この空母が大連に現れることは、日本では尖閣諸島、中国では釣魚台と呼ばれている東シナ海の島について、中国と日本の間で議論が戦わされているこの10日間の間高まった愛国的感情を高揚させる機会として利用された。

 この空母は「中国海軍の作戦能力全体を向上させる」であろう、また中国が「国家主権、安全保障、発展の面での利益を効果的に保護するため」に資するであろうと国防大臣(国防部部長)は語った。

 10年に一度指導者の交代が行われる共産党大会は10月に開催が予定されている。空母の就役はこの共産党大会を前に国家的統一を盛り上げるイベントとしてあった。

 国際的見地からは、この空母の就役はアメリカの同盟国のフィリピンを含む南シナ海の諸国に対し、中国が今後この海域に展開する重要な艦隊を増大させていることを示すシグナルとして意図されていると見られている。

 アメリカの軍事作戦関係者らは、この空母の試運転の意義を大きく評価しなかった。ある海軍将校は、それは金の無駄使いだから、中国は自前の空母と護衛艦船の建造を進めたほうが良いと言ってやりたいと語った。

 別の中国以外の軍事専門家らはこの意見に賛成だ。

 「実際のところは、この空母は中国海軍にとっては無用な代物だということ」と、シンガポール国営大学のヨウ・リ客員研究員はインタビューの中で語った。「アメリカに対して使用するのならば、残存性はない。中国の周辺国に対して使用するのならば、お山の大将の印ということだ」

 ベトナムは中国と戦争をしてきたが、ベトナムは地上配備のロシア製Su-30を使用している。これは空母に対する脅威となる、とヨウ氏は語った。「南シナ海では、もしも空母がベトナム人によって損傷させられれば、面目を大いに逸することになる」、と彼は語った。「そんなことのための空母などは何の価値もない」と述べた。

 現在まで、中国人パイロットは模擬空母着艦訓練を25年前のソ連製MIG-23で陸上航空基地で行うよう制限させられてきた、とヨウ氏は語った。中国は適切な航空機を所有していないため、動く空母甲板での難しい着艦訓練をすることはできなかったのだ、とヨウ氏は語った。

 中国が自前の空母建造に向かうかどうかは、中国が空母着艦のための航空機を開発できるのか、ということにかかっている、と彼は語った。「そのような航空機を開発するのは非常に長期のプロセスになる」と彼は語った。
 中国以外の軍事専門家によって示された懐疑論に反して、中国海軍研究所の研究員であるリ・ジエは、人民日報のインタビューの中で、この空母は伝統的な中国海軍の考え方を変えるかもしれないと語り、自分たちの作戦スタイルと構造に変化をもたらすかもしれない、と語った。

 中国軍は軍事費支出を明らかにしていないが、外国の軍事専門家らは、海軍は陸軍や空軍に比べ予算は少なく割り当てられている、と言っている。

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