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ギリシャのサマラス首相

◆10月9日

 ギリシャに発したヨーロッパの債務・経済・金融危機は、対処療法的に今までしてきたが、このROCKWAY EXPRESSで常に指摘してきたように、根本問題は解決していないから、時間の経過と共に必ず再び問題が生じる。今回はギリシャの首相がもうギリシャが国としてやっていけなくなる、と警告するまでになった。

 ユーロの問題点については既に指摘した。昔日本が韓国を併合する際、日本国内でも反対論が多かった。今の韓国人は知らないかもしれないが、当時の日本の賢明な政治家や経済学者らは、近代国家観からして、教育や社会制度、その他あらゆる分野から見て、日本と朝鮮は違いすぎてこの二つの国が同じ国家としてやっていけるとは考えられない、という意見があったのだ。やれば、間違いなく日本からの一方的な支出が必要で、その負担にたえられるのか、というのである。実際歴史はその通りになってしまった。日本から朝鮮への支出は膨大なものであり、しかもそれは金銭的支出のみならず、人的にも大変な数の人々が朝鮮の近代化のために注がれたのだ。しかし、そのお陰で朝鮮は30年あまりで近代国家に切り替わった。それは殆ど奇跡的なことだったのだ。

 しかしドイツはそこまでやる気がないのだから、ギリシャの経済問題の根本解決は、ギリシャがユーロ圏を出て、自国通貨に戻ることである。そして自国通貨を発行することで国庫を満たし、給料をそこから支払うことしかない。勿論インフレになる。ヒトラーの経済政策がワイマール共和国のあのスーパーインフレを克服したことは学ぶべきである。何もヒトラーのような独裁者を必要とするものではない。今の民主主義的政権がその手法を取り入れれば良いだけの話である。
 
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●ギリシャ首相:国が崩壊すると警告
http://www.smh.com.au/world/greek-pm-warns-of-societys-collapse-20121006-27642.html?skin=text-only
【10月7日 Helena Smith – SMH】

 ギリシャは今すぐ空っぽに近い国庫に緊急の金融支援がなされなければ、崩壊の危機に直面する、とギリシャの首相が警告を発した。

 ギリシャで始まったヨーロッパの債務問題のほぼ3年後、ギリシャを覆いつくした経済危機は今や民主主義そのものが危機に瀕するほどまでに悪化した、とアントニス・サマラスは語った。

 「ギリシャの民主主義は恐らく最大のチャレンジというものに直面している」とサマラスはドイツの経済新聞のハンデルスブラッツでのインタビューで語った。この新聞はメルケル首相が今週にもアテネを訪問するとベルリンで発表する1時間前に発行された。

 言葉を慎重に選んで使用する人物としては相当に踏み込んだ言葉を使用して、サマラスはネオナチの黄金の暁党の台頭を語ることでギリシャが直面する脅威を強調して、「ギリシャは丁度ドイツでワイマール共和国が終わる頃に起きたような増大する失業率によって脅かされている」と語った。

 「国民はこの政府がギリシャの最後のチャンスだと知っている」とサマラスは語った。彼はEUとIMFで、ギリシャ経済を復活させるため救済協定の煩わしい条件を緩和するよう幾度となくアピールしてきた。

 EU・IMFの新しい緊縮政策が出る前に盛り上がった反緊縮政策の怒りの波はギリシャ政府の隙を突いた格好となり、サマラス首相の連立内閣は生き残れるのかという首相の手腕に対する恐れを高官らが口にし出している。

 10月4日に造船所労働者らが数百人、デモを組んで国防省を襲ったかつてなかった出来事で政府高官らは非常に動揺している。5日、サマラスは、「法と秩序の意味を理解しない者たち」と非難した。

 貧困と失業率の記録的な高さを引き起こした増税と経費削減について語って、「政府はギリシャ国家の信用と将来のためあらゆる分野での戦いをしているので、ギリシャによってなされた犠牲は無駄となってはいない」と彼は語った。

 保守主導の連立政権は、更なる支援を確保するため135億ユーロの緊縮政策パッケージで妥協しすぎたのではないかと恐れている。アメリカの11月の大統領選挙が終わるまでギリシャが次ぎの支払いを受けるのが延ばされるだろうという推測がこの懸念を強めている。

 5日、EU高官は、現金が枯渇しているギリシャにとって再出発するために必須であるこの支払いについての決定が10月18日のEUサミット会議でなされることはないだろうということをはっきりさせた。

 サマラスはギリシャの準備金は11月末で枯渇するだろうと強調した。

 「大事なのは流動性だ」、「だから我々にとって次のクレジットトランシュが非常に重要なのだ」と彼は語った。

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