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イランのアハマディネジャド大統領

◆8月5日

 アメリカでイラン攻撃を欲しているのは空軍だということは以前から分かっている。彼らは高い空から爆弾を落とす、ないしはミサイルを撃つだけだ。しかし、イランが攻撃されれば、それと連動して何が起きるか分からない、という状況で、ペルシャ湾に浮かぶ艦船、イラクやアフガンの陸上にまだ残っている部隊は、空軍と違ってどこからどんな手法で攻撃されるか、という不安が常に付きまとう。

 たとえ、純軍事的な作戦という面からだけ見れば、「イラン攻撃」なるものが、「成功」するかもしれないが、彼らが隠密裏で進める「民主化運動」がうまく作動せず、逆にイラン人の愛国心に火をつけ、再び反米・反イスラエルで決定的に国がまとまった暁には、どうなるであろうか?ペルシャ湾が火の海となり、機雷海となり、世界のタンカーは航行不能、この地域から石油を輸入している日本を含む多くの国々が大変な状況に追い込まれることになろう。

 それは徐々に世界経済全体の混乱から破壊への道を強め、世界大乱へと繋がることにもなろう。

 彼らは、イランが核兵器を製造していると見ているが、IAEAは今に至るもその証拠は無い、と言っている。それに、この中東地域で核を保有しているのは、イスラエルでありイランではない。その次はパキスタンである。イスラエルもパキスタンも両者ともアメリカとの近い関係があるから、無視しているわけか。そして未だ核を保有していないイランに対し、「核を保有するだろう」、という見込みだけで戦争を仕掛ける、というのがアメリカの正義か。これでは正義もなにもあったものではない。

 このワシントン・タイムズ紙の掲載記事に出てくる軍事オタクたちは、簡単に戦争を語っている。その姿勢こそ、傲慢の極みである。

 以前アメリカは、フセインのイラクが「大量破壊兵器を保有している」から、と言ってイラク戦争を始めたことがあった。しかしその後の調査で、結局イラクはそのような「大量破壊兵器」は保有していなかったことが分かった。その落とし前はつけないまま、再び今度はイランに対し、同じような言いがかり、つまり、「核兵器を製造しようとしている」、ということで、国際法違反となる戦争を仕掛けようとしている。

 もし、これをアメリカが行い、イスラエルが待ってましたとばかりにそれに組すれば、この両国の未来は暗澹たるものとなろう。ただではすまないことだけは言える。人が許しても天と地が許さない、ということがある。


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爆撃機、ミサイルでイランの核に終止符http://www.washingtontimes.com/news/2010/aug/2/bombers-missiles-could-end-iran-nukes/
【8月5日 Rowan Scarborough】

 アメリカ軍の参謀総長が戦争計画ができていると語った後、アメリカが核兵器を製造するイランの能力を破壊しようとすれば、B-2爆撃機と巡航ミサイルに特化して攻撃する可能性が強いであろうと、アナリストは語った。

 海上艦船、潜水艦、B-52爆撃機から発射される巡航ミサイルは、防空網と核関連施設を破壊するだろう。
  B-2爆撃機は、イランが核兵器のためのウラン濃縮を行い、また弾頭を製造していると見られている、地下に建設され強化された施設に貫通爆弾を含む何トンもの爆弾を落下させるだろう。
 「イラン人が自らの国を取り戻すためのベルベット革命を起こす隠密作戦と共に行われる空爆が主体の攻撃となるだろう」と、戦闘機乗りだったトーマス・マキナニー退役空軍中将は語った。


 マキナニー将軍は、B-2爆撃機がイラン上空を飛翔する間、巡航ミサイルは沖合いから発射されるとし、その作戦は数日間継続する、と語った。

 Global Security.orgを運営する軍事アナリストのジョン・パイク氏は、イランには多くの潜在的な標的が存在するが、わずか半ダースほどの施設が重要で、それが破壊されれば、核計画は相当に遅らされることになるだろう、と語った。
 「殆どは遠隔地に存在し、一般人の犠牲者はそんなに問題にはならないだろう」と、パイク氏は語った。「殆どはスタッフ用の集合住宅がある。だからそれを爆撃しスタッフを殺害することで、核計画は一世代遅らせることができる」と言う。

 彼のウェブサイトのシナリオでは、「アメリカのイラン空爆は1981年のイスラエルがイラクのオシラク原子力発電所を攻撃したものよりはるかに大掛かりなものになるだろう。2003年のイラクに対する戦争の最初の数日間に行った空爆に似た規模となるだろう。ディエゴ・ガルシア基地かアメリカ本土から出撃する使用可能なB-2ステルス爆撃機を全投入することになるだろう」としている。

 オバマ政権はこの夏、イランに対する国連の新たな経済制裁を勝ち取ったが、銀行取引と貿易を制限することがイスラム政権の強硬派をギブアップさせ、核兵器保有国になることをあきらめさせるかどうか疑わしい。

 マイク・マレン統合参謀本部議長は、「ミート・ザ・プレス」の番組で、イラン攻撃の計画を軍は持っているのか、との問いに対する答えで、一般人の関心を軍事オプションに再び向けさせた。
 「我々はその計画を持っている。イラン攻撃は重要なオプションだ。それに対する理解は得ている」と語った。

 マレン提督の答えは、国防総省の戦略家たちが、イラン攻撃の計画を練り上げ完成したものを既に持っていることを示唆している。

 8月1日イランでは、イラン革命防衛隊のヤドラ・ジャバニ参謀副長は、もしアメリカが攻撃すれば、ペルシャ湾沿岸地域を危険な地帯にするだろう、と語ったとAFPが伝えている。
 「もし、アメリカが何らかの誤った行動にでれば、この地域の安全は確保されなくなるだろう。ペルシャ湾の安全は完全に保証されるかまったく無いか、どちらかだ」と、IRNA通信に語った。

 元国防関連高官だった人物は、ワシントン・タイムズ社に、ブッシュ政権時の統合参謀本部の参謀たちはイラン攻撃に関するシリーズものの会合を持っていたと語った。しかし、当時は海軍司令官だったマレン提督を含む、司令官の誰も攻撃を支持する者はいなかった、と言う。その主要な理由は、軍の責任者らは、イランの民衆が政権を支持することで民主化運動が頓挫することを恐れたからだ、という。

 だからこそ、現地でイランの神権政府を不安定化させる隠密作戦が重要になるのだ、とマキナニー将軍やその他の軍事オプションを支持する者たちは語った。

 もし制裁が効果を表さねば、アメリカ政府はジレンマに直面する:イランに爆弾を製造させるままにさせる、イランはそれをもってイスラエルその他アメリカの同盟国を脅すだろう、あるいは、空爆を実行するか。
 「私は二つの結論から出てくる意図しない結果を語る。そして世界でもっとも不安定な地域で起こることを予見することが難しいのが、これら意図せざる結果というものなのだ」

 2003年のイラク空爆で使用されたF-177ナイトホークが退役した後、空軍は2種類のステルス攻撃機を保有している:B-2とF-22ラプターだ。F-22はイラク戦争やアフガン戦争では使用されていない。ペンタゴンは、北朝鮮に対する威嚇用に先月アジア地域に送った。

 もしも攻撃計画がイラン上空に攻撃機を送り込む計画ならば、イラン攻撃にはF-22があっている。強化された防空網を突破して標的を空爆する能力を持っているからだ。
 「攻撃後に更に攻撃する際には、地下施設を攻撃しなくてはならないことは分かっている。我々はそれをすることができるだろう。B-2がそれを行える」とチャールス・A・ホーナー退役空軍将軍は語った。彼は1991年の湾岸戦争での空軍司令官だった人物だ。「それはキーとなるシステムだ」と語った。

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