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イランが4基保有しているというS-300ミサイル防空システム

◆8月7日

 ロシアが世界最強ともいえる防空システムであるS-300のイランへの供給を渋っているため、イランはベラルーシその他のところからこのシステムを合計4基購入している、という報道があったようだ。

 これが本当だとすると、ロシアは出し抜かれたことになる。またイスラエルはイラン攻撃が大変リスキーになったことを考慮せざるを得なくなるだろう。 肉を切らせて骨を絶つという戦法でやろうとすれば、できなくもないが、肉を切らせることで、自分も滅びるのでは元も子もなくなってしまう。

 S-300は防空システムであるから、攻撃側にとって脅威とはなるが、そのまま攻撃も何もしなければ、脅威でもなんでもない。勿論イランからの攻撃ということになれば、イスラエルはイスラエルで独自の防空システムを持っているのであるから、その面では互角である。

 従って、両者が攻撃をしなければ、何も問題はない。イランがイスラエルを攻撃するか、と言えば、これはない。なんのメリットもないからだ。イスラムの大義があるではないか、という筋もあるかもしれないが、大義を通すためにイスラエルを絶対攻撃しなければならない、とはならない。

 ようするにイスラエルがイラン攻撃をしたいのは、既に木曜日(5日)号で語ったように、中東で唯一の核保有国という地位を保つことで、隠然たる脅しとなるので、自分の政策をごり押しできる、というメリットがあるのが、イランも核兵器を保有するようになれば、そのごり押しができなくなるからだ。

 イスラエルがごり押しをすることで、世界平和は脅かされてきた経過があるのだから、世界はイスラエルがごり押しのできない世界を求めているのであるから、イランがS-300を保有することでその世界が一歩近づくならば、それの方がお互いのためにもいい、と判断できるだろう。

 イスラエルもイランがS-300を持ったからには、もう一方的なイラン攻撃はリスクが大きすぎるので、イラン攻撃はしないで、政治的な方法で対処せざるを得ない、となって、却って頭が冷静になった時点で、パレスチナ独立問題を話合えるようになるだろう。

 それがいやでイラン攻撃を実行した暁には、それが失敗し、急速に右派政権は崩壊し、パレスチナ独立を承認する政権へと交代することになるだろう。自分達が賢い政権としてイスラエルを生かす道を自ら切り開くか、そうでない政権となって、自滅の道をいくか、選択するべき秋となるのだろうか。


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イラン:S-300地対空ミサイル保有を主張
http://www.google.com/hostednews/ap/article/ALeqM5hypqn1fVhsmrj
MxzTvSw6u3vaeHAD9HCHU003
【8月4日 Ali Akbar Dareini ・Associated Press】

 ロシアがその引渡しについては否定しているにも係わらず、イランは4基のS-300地対空ミサイルを保有した、と準国営のイランの通信社が4日発表した。

 イランの最強軍事力を持つ革命防衛隊と連携しているファース通信社は、イランはベラルーシから2基、他の未確認の供給元から2基ののこのミサイルシステムを購入したと語った。ファース通信社は詳細は語らず、またこの報告についての公式の追認はされていない。

 ロシアは2007年にイランに対しS-300ミサイルを売却する契約に署名している。このミサイルでイランの防空体制は大幅に強化されることになる。イスラエルはイランにS-300 が引き渡されることで、中東の軍事バランスが変わることをを怖れている。

 このS-300地対空ミサイル防衛システムは航空機、巡航ミサイル、弾道ミサイルの弾頭を90マイル(144キロメートル)の射程で高度2万7千メートル以上の高空で撃ち落とす能力を持っている。

 ロシアは6月、イランに対する国連安保理事会の新しい厳しい制裁でロシアがイランにミサイルを供給することができなくなったと語ったが、イランはロシアに対し、このミサイルの引渡しは契約上の義務である、と主張している。
 「イランは4基のS-300PTミサイルを保有している」とファースは報じている。

 この通信社は、イランがミサイルを保有しているという事実は昨年、アル・メナールTVが最初に暴露していると語った。この通信社はイランが支援しているレバノンのヒズボラと繋がっている通信社だ。ファースはイラン政府高官はこの報道を否定していない、と語った。更にイランはミサイルを自作し始めるかもしれない、と語った。

 ロシアは、イランとの何十年もの政治的・経済的なつながりを損ねたくはないと考えているから、イラン問題で国際的に難しい状況に置かれている。それでもロシアは最近、イランとの軋轢が高まっていることを示していて、先月には新しい制裁を支持した。

 イランは自国の核計画は発電用その他平和目的であるとしている。アメリカと同盟国は、イランが民生用核計画は原爆製造を隠すためのものだ、とイランを非難している。

 ロシアはイランに別の地対空防空システムを供給している。例えば Tor-M1だ。このシステムは2万フィート(約6000メートル)までの空中の標的を撃ち落とすことができる。

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経済から宗教まで、時代の先を読み解くための作業を人間活動のあらゆる分野にメスを入れて行います。
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