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警察国家に近づくアメリカ

◆7月26日

 アメリカが警察国家に近づきつつある、ということはあの9月11日同時多発テロ事件後、特に著しくなったようだ。あの時「愛国者法」なるものができ、これが日本でいえば、戦前の治安維持法と似た内容であるところから、そう理解される。当時の日本が警察国家であったことは肌身で感じた方もまだ生きておられるはずだ。

 外では戦争、内では統制。これ全て力で実行できることだ。アメリカが真にキリスト教の精神に則った国ならば、今のような戦争と統制を強化する力の政策を継続するはずはない。

 では何がアメリカの背後の精神となっているのか? キリストは今は表面に現れておらず、代わりにキリストを語る物がキリストの顔をして語っている、と言えよう。要するに魑魅魍魎(ちみもうりょう)の類である。

 従って、外に戦争をする者たち、つまりリビアを攻撃しているフランスやイギリスも、そして勿論アメリカも、南シナ海で覇権を拡大している中国も、その背後には魑魅魍魎が跋扈している。その国の為政者らはその魑魅魍魎という魔物に使役させられている存在となる。行く末は悲惨である。

 今度のノルウェーのテロ事件の背後はキリスト教原理主義者としての思想が大きな要素としたあったという。テロが世界のどこかで起きると、世界の主流メディアはすぐ、イスラム教徒による犯行という見方をし、かつ報道までするが、実は今回のようにキリスト教原理主義も危険なのだ。

 このように、キリスト教原理主義、イスラム教原理主義、ユダヤ教原理主義・・・これらが世界で狂気と混乱を引き起こしている。今のアメリカを牛耳る存在の背後も、これらの存在がある。そこには、他を自分達より低い存在と見なす見方が存在している。自分達が絶対的な存在というのが、前提にあるのが原理主義なのだから仕方ないが、それが世界に混乱を引き起こしているのを見れば、最終的にはこの原理主義なるものをなんとかしなければ、人類の未来は危ういままであろう。

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●アメリカ帝国は外に拡張し、内では警察国家に近づく
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=25770
【7月25日 by Sherwood Ross】

 アメリカ帝国が外に向かって拡張し、本土では警察国家にますます近づいている。軍事力を使用して外国人を抑圧する方法はゆくゆくは本土で行われる事を反映している。

 昨年9月25日付けの、「これは正式なこと:アメリカは警察国家」の題名の記事で、レーガン政権時の財務次官補だったポール・クレイグ・ロバーツは、「’暴力的な急進主義’は 定義されない警察国家用語の一つであり、何でも政府が望むことに適用される。良心的アメリカ人市民の自宅に対する今朝のFBIの襲撃では、反戦活動家に適用された。彼らの活動は「物質的テロリズム支援」と同等ということなのだ。

 FBIが家庭を襲撃するということは、アメリカ軍が海外で行っている軍事的な攻撃の反映である。

 例えばイラクでは、労働組合の幹部達が襲撃され射撃され、占領軍によって刑務所に入れられた。彼らの「犯罪」は、石油私企業との馴れ合い賃金協定に反対したからだ。

 240万人のアメリカ人を収容している膨大なアメリカの刑務所システムは、アメリカが海外で築いた収容所と比較できるかもしれない。今日のアメリカは世界的獄吏である。アラン・ウスマンがAlterNetで報じたように、2006年、陸軍工兵隊がハリバートン社の子会社のケロッグ・ブラウン・アンド・ルート社に4億ドルほどを与えた時、ブッシュ政権は未詳の「新しい計画」のため入所者を収容する「拘留センター」の建設を開始した。海外で行うことを本土でも行うのだ。

 警察国家の戦術をアメリカ人に適用する際、アメリカ帝国は最初、それを海外で行ってきた長い歴史がある。スペインからフィリピンが解放された後、アメリカの支配を嫌った時、捕らえられたレジスタンス戦士は水の拷問を受けた。20年後、ウィルソン政権が第一次世界大戦に向かうのに反対し刑務所に入れられた平和主義者らは、首吊りにされ、走る馬に顔を踏まれた。

 7月25日の社説でネイション誌は、「アメリカが秘密部隊や、秘密作戦を行うこと、海外での拷問センター、無法な戦争企業、暴走的軍事費、ロボット艦隊による戦争、暗殺による戦争・・・その他全ての至上権を持つ大統領職の特色・・・」を非難した。

 この週刊誌はこういったことを止めさせるため調査をしてきた。それは偉大な考え方であるが、多少遅すぎた。アメリカを運営している反動的なエリートらは強力だ。議会はオバマ大統領の海外における5回の侵略戦争を承認し、本土では個人の自由にメスを入れる法を実施している。結果は警察国家の出現だ。

 他日、フロリダのオーランドのバス発着場に人々が入っていくのを見ていたが、特に必要とは思えない中、彼らは二人のセキュリティー係官によりボディー・スキャンを受けていた。列車や航空機に乗り込むアメリカ人はそのようなスキャンを日常的に受けている。

 あちこちでアメリカ人は「国家のセキュリティー」という名目の下、プライバシーを侵害されることを余儀なくされている。ブッシュ政権は「注視(7万5000人)」と「飛行禁止(4万5000人)」のリストを作成した。個人が空路で旅行することを制限し、調査され、飛行を禁止される者たちはいくらでも不服申し立てはできるが、それをすることで彼らに何もいいことはない。

 ナオミ・ウルフは彼女の著書「アメリカの終焉」の中で、アメリカ市民のロバート・ジョンソンの、航空機に乗り込む際、裸にされて調べられるという屈辱の体験を描いている。「自分はズボンを脱がされた。スニーカー、靴下も。犯罪者のように扱われた」。これは今や、多くのアメリカ人が遭遇する辛い体験である。第二次世界大戦の真っ只中でもこのような人権侵害は考えられなかったことだ。

 政府への恐れは、私が今まで生きてきた中で経験したこととは違い、「拡大」しているようだ。人々が恐れていることをどうやって知るか? 政府に盾突き、彼らが恐れることを暴露しているので、多くの読者は私のことを「勇気がある」と言う(そんなことはないのだが)。

 ジョージタウン法律学校教授のデイビッド・コールは、ネイション誌に議会が去る5月、「愛国者法」の条項を再承認したことを書いた。この法律は政府が盗聴することを許可しているものだ。 これはエシュロン・システムの反映だ。第二次世界大戦以来、アメリカとイギリス連邦が採用してきたもので、地球全体を傍受するものだ。

 コールは、エリック・ホルダー司法長官が、FBI捜査官に「市民のゴミ箱をあさり、コンピューターのデータベースを調査し、個人に犯罪行為の容疑がなくてもあるいは裁判所の許可がなくても、監視部隊を使って人々を追跡調査する」ことを許可した、と書いている。裁判所の許可が無いことは、抑制のない警察権力に対抗する唯一の法的堡塁が裁判所なのだから、重大なことである。その堡塁が無くなったのだ。アフガンやイラクの人々はアメリカが主導する軍によって更にひどい状況下にいる。

 事実は、皇帝が戦争を始めると、市民の命は軽視されるということ。これは戦場だけの話ではなく、銃後を守る本土でもそうなのだ。それがここで起きている。組合を形成する自由は、膨大な数になる労働者の大多数の願いに反し廃棄された。公的資金は議会によって銀行の救済をするために略奪された。外国での戦争は、その終了を願う大多数の民衆を無視して続けられている。

 自由が次々と削られていき、あるいは抹消され、普通の男女は農奴に落ちぶれさせられた。イギリスの労働党党首だったハロルド・ラスキーはかつて、「我々は、少数者によって大多数の者たちが搾取されるシステムの下で生きている。そして戦争がその搾取の究極的な認可である」と述べた。

 帝国主義・・・スペインによって16世紀に実施され、イギリスでは18世紀、ソ連、日本、ナチス・ドイツは20世紀に、そしてアメリカは今、は自国内では暴政を拡大せしめ、同じ速度で外国に戦争を拡大する「壊疽(えそ)」である。

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