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アゼルバイジャンからのイラン攻撃の可能性
◆3月30日
アメリカのパネッタ国防長官とイスラエルのエフード・バラク国防大臣が、イラン攻撃は取り止めで合意したという。要するにバラクがペンタゴンに招待されて説得された格好のようだ。またアメリカはイスラエルのイラン攻撃に関する機密情報を公開したと言う。そのため、イスラエルはますますイラン攻撃がしにくくなったようだ。
このブログでは既に3月19日の「アメリカ・イスラエル:イランが核兵器開発を諦めたという認識で一致」で記したように、オバマ政権の意向はイラン攻撃はしない、ということであり、今回も、より明確にイスラエルとの間に、攻撃しない、という合意がなされたことになる。
もっとも、11月のアメリカ大統領選挙で、オバマが負けて戦争屋の誰かが出てくれば話は別だ。だからこそこのROCKWAY EXPRESSでは、オバマが再選されることが必要だと言ってきている。
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●アメリカがイスラエルのイラン攻撃を阻止
http://www.roytov.com/articles/usathwarts.htm
【3月29日 Roy Tov】
二つの良く協調した段取りでもって、アメリカはイスラエルのイラン攻撃の計画を阻止した。3月28日、イスラエルのエフード・バラク国防大臣はアメリカのレオン・パネッタ国防長官と自分自身のことを称賛した:「(攻撃を)取り止めると言う決断は、(イスラエルの)国防省とペンタゴンの折衝の結果だ」と語った。その時、アメリカ、イスラエル、イランのポーカーゲームは終わりを迎えた。勝者はないが、敗者が一人、イスラエルだ。
1週間ほど前、ペルシャの新年を祝うナウルツの時、オバマ大統領がビデオでイランの人々にメッセージを出した後、私はオバマがネタニヤフを脅す、と書いた。彼は「アメリカとイランとが仲たがいする理由は何もない」と語った。これはアメリカとイスラエルの最近なされてきた好戦的な言動からのはっきりとした逸脱である。更には、これはアメリカをイラン攻撃に巻き込もうとするネタニヤフの目論見の終わりである。
「ネタニヤフはイランとの戦争を必要としている。ネタニヤフにとってアメリカとイランの関係を阻止することのできる唯一の方法は、合意書にサインする前にイランを攻撃すること、ないしはアメリカで自作自演攻撃をすることだ。オバマはネタニヤフに対して脅したのだ」。私は事態を総括して見た。一週間後、アメリカ政府が二度イスラエルを叩いた。最初のものは基本的には内部向けだ。ペンタゴンでなされた戦争シミュレーションだ。次のは、公的で厳しいものだ:アメリカは正式にイスラエルの計画についての機密情報を公開したのだ。イスラエルによるイラン空爆の可能性に実際上終止符を打つことになった。
■3月27日 ペンタゴン
この日、イスラエルのバラク国防相は特別招待者として、レオン・パネッタ国防長官によりペンタゴンに招かれた。彼は地下壕に急いだ。深刻な顔をしたアメリカの将軍らが居並ぶ中、彼に数枚の紙が渡された。それは、アメリカ中央軍によってなされた、イスラエル・イラン戦争のシミュレーションの結果であった。
ペンタゴンは、イスラエルの攻撃に対し、イランは一発のミサイルでアメリカ人を200人殺害することができる、という結論を出した。この数字は、イランの直ぐ近くに1万人以上のアメリカ人がいること、それにイランは一発以上のミサイルを保有していることを考えれば穏健なものだ。
政治レベルでは、結果的に調査委員会が創られることを意味するだろう。そのような調査の結果として、アメリカ人の犠牲者の血の責任はイスラエルにある、となるだろう。イスラエルは攻撃に対するグリーンライトの代わりにアイアンドーム・ミサイル防衛システムのための資金提供を持ちかけられた。数分後バラク国防相は、上記の、イスラエルの戦争屋の正式な敗北の言葉を吐いたのだ。バラクはまた「イスラエルの安全保障に対する支援のため」と、オバマ政権に対する感謝を語った。イスラエルは少なくとも11月の大統領後まではイラン攻撃はしないであろう。
■3月28日 アメリカ議会
数日前、世界はイスラエルの言葉の重みを思い知らされた。6隻目のドイツのドルフィン級潜水艦をイスラエルに供給すると言う契約に両国が署名したのだ。昨年11月ドイツは合意書に、パレシチナ当局に対する凍結した資金を条件にした。イスラエルはその要求に応じた。しかし、そのインクが乾く前に、イスラエルは3月25日に、パレスチナへの予算を再度凍結する計画を発表した。ドイツはこの侮辱的措置に対していまだに何も反応を示していない。オバマ大統領はこのイスラエルの 裏切りの姿勢が出てくるに任せるわけにはいかないだろう。とりわけ、彼の政治的将来に今や暗雲が立ち込めてきているのだから。この戦争の危機が緩和された翌日、アメリカはイスラエルにはイランは攻撃できないことを確認した。
同時的に、アメリカ議会は新しくはないが公式的には初めて、ある事実を公開した。イスラエルによるイラン攻撃の結果に関する議会報告書が準備され、28日に配布された。この報告書はイスラエルもアメリカもイランの核施設の場所を全て知ってはいない、とある。各所に散在するので、攻撃は不成功に終わるだろう、とある。更には、たとえ破壊しても、イランはその遠心分離機を攻撃後六か月以内に再建できるだろう、とある。更に、報告書は、「イランが核兵器を保有しようとしていることに対して、攻撃の最終的な効果は何か、がハッキリしていない」、と指摘している。この報告書はイスラエルの攻撃は無駄なこととし、主に、プロパガンダ的性格がメインのことだ、としている。
アメリカ議会は、同じ日に、イスラエルの攻撃準備に関する機密情報を公開した。フォーリン・ポリシー誌は、「アゼルバイジャンはイスラエルにイラン国境の空軍基地使用を許可した」と報じた。アメリカの高級官僚がマーク・ペリーに語ったこととして、「イスラエルは飛行場を購入し、それは、アゼルバイジャンと呼ばれている」 これは新しい情報ではないが、この情報筋は実際のデータを付けている。アゼルバイジャンはソ連時代の廃棄された飛行場を四つ持っている。イスラエルはそれを使用でき、自国の航空機のため、四つの基地を使用できる。
その一つはテヘランに近い。「もしもイスラエルの爆撃機が攻撃後にアゼルバイジャンに着陸したいと言ったらそうさせるだろう。イスラエルはアゼルバイジャンに深くかかわっていて、それはこの20年続いている」と、同じ、情報筋は語った。アメリカの高官らは、イスラエルは空軍基地の使用を許可されている、という。これらのことが公式の情報になったので、イスラエルにとっては、やりずらくなったであろう。
■3月29日 イスラエル
今回のこのイスラエルの攻撃問題は誰かが言うように「コップの中の水の嵐」であろうか? 翌日、イェディホト・アハロノト紙のアナリストが、「情報の宝庫の洪水」だと怒りの記事を書いた。その中で彼は、メディアで言われていることの多くは、偽情報だと言って、アメリカは全ての選択肢を知っているわけではないと仄めかしている。彼は更に、議会報告書は不正確で、しかし、「それは問題ではない。というのも、イスラエルとアメリカの見出しが、その標的だからだ」と、書いている。彼の怒りは収まらず、「ダメージは、機密情報と分析の公開だ」と言う。「イラン人がこの議会報告書とフォーリン・ポリシーを読めば、そこが情報の宝庫だと知るだろう」と、そして、「これは国家が同盟国に対して取る行為ではない」と怒りに任せて書いている。
9月11日同時多発テロの後、ショッキングなコメントを書いていた者たちがいた。一つは人口比で見ればイスラエルはアメリカよりもっと多くテロの被害に遭っている、というものだ。「すべての魂は全世界の価値がある」と言っている人々から発せられたのも、おかしなことだ。古参のアナリストは、「これはユダヤ人にとってはいいことだ」と言った。ロン・ベン・イェシャイ氏はこれを覚えているか? これは、国家が同盟国に対してとる行為ではないだろう。
これらの出版物を通してイランは自国の核計画についてアメリカとイスラエルが何を知っているかを知るだろう。それ以上に、アゼルバイジャンからの攻撃の可能性なども、こうなっては、簡単にイランに阻止されるだろう。これらのことを考えれば、オバマがバラクに一発かましたことは確かだ。
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