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アメリカで高騰するガソリン価格

◆2月22日

 円高で日本ではあまり問題にされていないが、アメリカではガソリン価格の高騰がアメリカ人の生活を直撃しているようだ。車での通勤を止めたり、仕事場近くに引っ越したりしながら、その対策を講じている人々が増えているという。

 もともと安いガソリン価格のアメリカではこの100年で車社会が出来上がったが、ここに来てこの車社会というあり方がガソリン価格の急騰でハンディになりつつある。翻って、日本はむしろ鉄道社会を作ってきたため、特に都市圏に住む者たちにとっては、通勤に支障がでるという問題は出ておらず、ガソリン価格はまだそれほど問題とはなっていない。ただし田舎では逆に厳しいだろう。

 これはヨーロッパでも似たようなもので、鉄道網は日本ほど発達していない。日本は先進国では特段の鉄道社会で、そのエネルギー効率は抜群のものがあるから、これからの世界で、日本が世界経済を牽引していける力量を持っている、と言っても過言ではないのだ。

 また、ここに来てイランと米・イスラエル間の核問題を中心とする緊張状態のため、ホルムズ海峡の航行に懸念が強まっているため、じりじりと石油価格が上昇してきている。

 車も内燃機関から電気自動車のようなものに変わっていけば、電気そのものは石油を絶対的に必要とするものではないから、徐々にそのような社会へと移行していくことができるだろう。

 従ってガソリン問題はアメリカ人の生活に直結しているが、これは結局はエネルギー問題になる。近年、天然ガスの一種のシェールガスというものが開発されて、アメリカはその生産量が急増し天然ガス生産ではロシアを抜いて世界一だというから、暫定的には、このガスを利用した生活環境つくりが考えられる。

 日本では太平洋側海中に多く存在しているメタンハイドレードの開発が急がれている。これは地震との関連性が取りざたされているが、徐々に進めていけばいいだろう。要するに、これから暫くの期間は、液体の石油を中心とする社会から、気体のガスを中心とする社会環境づくりが急がれる時代に入った、ということだろう。

 つまり、固体の石炭液体の石油気体のガスと文明的に進んできているわけだ。このガスの次は・・・プラズマになるのでは? これを日本人は開発していくべきだろう。

 「切迫しているんだ!」飛車角

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●高騰するガソリン価格は更に上値を目指す
http://theeconomiccollapseblog.com/archives/the-price-of-gas-is-outrageous-and-it-is-going-to-go-even-higher
【2月19日 The Economic Collapse】

毎月職場に行くのに数百ドルも掛かっているか? そうならば、それはあなただけではない。何百万人ものアメリカ人がそういう状況下にある。最近、アメリカ内のガソリン価格はまったくひどい状況になっているので、何百万というアメリカ人が車で生活することを決意させられた原因となっている。職場にいくために長距離通勤を余儀なくされていた多くのアメリカ人は毎年数千ドルをそれに支出してきた。それで、ガソリン価格が歴史的な高値になるにつれて、上記のような人々は耐えられなくなってきた。しかし、ガソリン価格は、運転をする人々だけに影響を与えているわけではない。ガソリン価格は、全ての人々に影響を与えている。我々が購入する殆ど全ての物は輸送されているが、ガソリン価格が高まれば、商品の輸送費も高くなる。

 アメリカの経済は安い石油で成り立ってきた。我々は大量の商品を長距離でも格安の価格で輸送できるという状況を当然のこととしてきた。そのパラダイムが崩れれば、我々は多くの問題を抱えることになるだろう。今のところ、大きな問題は、普通のアメリカ人家庭にガソリンの高値が圧力となって掛かってくるということだ。残念ながら、短期的にはガソリン価格は更に高値を目指すと、殆ど全ての人々が思っている。

 あなたが本当に厳しい家計のやりくりをしているとすれば、そして毎月ガソリン代として数百ドルを支出しているとすれば、ガソリン価格が更なる高値を目指すなどということは聞きたくないだろう。多くのアメリカ人が、このとんでもないガソリン価格のため車に、あるいは生活できるような別の種類の車に乗り換えている。以下は、最近のマーキュリー・ニュースからの記事である・・・

 「キャサリーン・ザックは、パロ・アルトの新しい職場近くにアパートを探しているが、それは、一つには運転費用の節約のためである。ジェフ・ベンソンは、毎年6万から7万マイルをドライブし、19mpgのフォード・トーラスを33mpgのフュージョンに替えた。デイビッド・トーマスは、サン・ホセからサンフランシスコまでの通勤費がどんどん高くなり、彼と婚約者は通勤費を節約し毎月の400ドルになるガソリン代支出を減らす為に、バート駅付近の一軒家を探し始めた」

 アメリカ国内でのエネルギー消費量は減少しているが、ガソリン価格は高くなっている。以下の図で示されているように、アメリカ人はガソリン消費量は減少しているのだが、ガソリン価格は上昇しているのだ。 


歴史的な高値になってきたガソリン代


 これは、良くない兆候だ

 アメリカで見られる何らかの減少傾向というものは、中国とかインドの需要と相殺される以上のものがある。台頭する経済発展国として発展が続けば、ガソリン価格にも継続して圧力が加わることになる。

 それで、アメリカ国内のガソリン価格はどれほどひどいのか?

●1ガロン(約3.7853 リットル)の平均価格は3.53ドルだ。
●1ガロンの平均価格は、コネチカット州、ワシントンD.C、ニューヨーク州では3.7ドルである。
●カリフォルニア州では、ガソリンの平均価格は3・96ドルであり、4ドル以上という町もある。 
●2009年の1月中旬、ガソリンの平均価格は1ガロンで1.85ドルだった。
●2012年に入ってからガソリン平均価格は年初価格から25セント上昇した。
●石油価格情報局は、ガソリン平均価格が4月下旬までに4.25ドルにまで上昇すると見ている。
●石油価格は上昇し続けている。WTI価格は前年比で19%上昇している。
●ガソリン価格は、ヨーロッパでも歴史的高値になっている。イギリスではジーゼル価格が歴史的高値を記録した。
●2011年、アメリカ世帯では収入の8.4%をガソリン代が占めた。この値は過去10年間でほぼ2倍となっている。


 しかし、ガソリン価格だけがドライブの費用を高めているわけではない。全国で政治家らは、料金所を設置している。既に支払いの済んでいる道路に設置された料金所で支払う料金が上昇しているのだ。

 馬鹿げた価格となったガソリン代を支払った後、また高速道路の料金所で馬鹿げた料金を支払った後、多くのアメリカ人は、一体、朝起きて仕事に出かけることに価値があるのか、と考え出している。

 残念ながら、議会のいくつかの法案では、更に多くの高速道路に料金所を設けることになっている。これではあたかも議員たちは我々に車の運転をやめさせようとでもしているかのようである。

 アメリカでは道路は開放されたものであったが、そんな時代はどんどん過去の物になりつつあるようだ。

 ガソリン価格を押し上げるもう一つの要素は、中東情勢である。イランは既にイギリスとフランスの会社に石油を売ることを停止したし、いつでも中東で戦争が勃発する可能性がある。

 もし戦争が始まれば、あるいはホルムズ海峡が一時的にでも航行不可となれば、世界中の石油価格が天井にまで上昇することになろう。

 世界で売られた石油の内、約20%の石油がホルムズ海峡を通過する。もしもこの石油の流れが停止すれば、一晩で世界経済を変貌させてしまうだろう。

 いいニュースはないのか?ガソリン価格を実際的に減少させるかもしれないことが一つある。それは世界的景気後退という現象だ。

 2008年に何が起きたか、思い起こしてみよう。今我々が見ているように、ガソリン価格はこの年には急上昇していた。結果的に石油価格は、2008年中期には、1バレル147ドルを記録した。しかし、金融危機が起き、石油価格は岩が転げ落ちるように急落したのだ。

 これが再び起きるのであろうか? 2008年と2012年と多くの点で共通点がある。両年とも、世界的な積荷が劇的に減少しているのを見る。両年とも、アメリカは大統領選挙の年である。両年とも、多くのエコノミストらが、大きな金融危機がやって来ると警告を発している。

 2008年を見ると、金融危機の震源地はウォール街であった。今回は、金融危機の震源地は恐らくはヨーロッパであろう。ヨーロッパから目を離すべきではない。ギリシャによる不履行(と、更にユーロ圏からの離脱)の可能性はますます大きくなっている。

 しかしヨーロッパの問題は、ギリシャだけで終わるわけではない。ユーロ圏全体が、この問題が終わるまでに大きく動揺することになるだろう。 

 従って、大規模な世界経済の景気後退が起きれば、ガソリン価格にとっては喜ばしいニュースかもしれないが、仕事や住む場所を失う何百万人もの人々にとっては全く悪いニュースになる。

 残念ながら、我々は非常に不安定な世界に住んでいる。我々が享受した平和と繁栄の偉大な時代は終了しつつある。世界的金融システムは、これからの数年間は大変な混乱状況に陥るであろうし、そのために我々全員が備えるべきなのだ。

 今のところ、ガソリン価格はアメリカ人の何百万もの家庭にとっては主要な問題である。

 いつの日か、我々はあの偉大な日々になんとしてでも戻りたいものである。

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ヨーロッパ企業に原油輸出停止を決めたイラン石油省

◆2月21日

 イランは19日にフランスとイギリスの企業に対する原油輸出禁止措置をとったが、同様の措置を他のヨーロッパ諸国で、イランに対する敵対的行動を取る諸国に拡大する可能性がある、と発表した。

 既に、1月28日号イラン原油禁輸措置のブローバック 」で予期されていた措置が実際に取られたということになる。ようするに、「お前のところから買ってやらない」、と意地悪されたイランが、「お前達にはこっちから願い下げだ、売ってやるものか」、ということなのだ。売り言葉に買い言葉とはこのことだ

 欧米側が7月1日から実施とした禁輸措置は、その半年間で、イランからの原油に代わる代替輸入原油のメドをつけねばならないからだが、イラン側はその足元を見て、反対にイラン側から輸出を停止し、嫌がらせに対する反撃をなしたことになった。

 イラン側から脅かされている欧米諸国の中には、今イランからの原油が入ってこないと困る国も存在するだろうから、彼らも窮地に陥ることになる。まして総体的には、今でも多くの製油所が閉鎖などに追い込まれているから、実際7月1日から輸入禁止となれば、更なる製油所が閉鎖されるかもしれず、ヨーロッパの景気はますます悪化することになろう。

 「欧米・イスラエルの言いなりにならないイラン」という存在に我慢ならない、という傲慢な姿勢を欧米・イスラエルが改めるだけで、このような馬鹿げたことは収束していくのであるが、それが出来ない愚かさを欧米・イスラエルは持っている。

 どこまで、その愚かな道を突き進む気であろうか。

 「おやめなさいよ 罪なこと・・・」(座頭市

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●原油輸出停止措置は敵対的EU国に更に拡大か
http://www.haaretz.com/news/middle-east/iran-official-oil-ban-could-expand-to-more-hostile-eu-countries-1.413791
【2月21日 HAARETZ.COM】

 イラン高官は20日、イギリスとフランスの企業に対する原油販売を禁止する声明の発表後に、イランに対する「敵対的行動」を取るヨーロッパ諸国に対して、更なる輸出停止措置が取られる、と警告を発した。

 21日の朝、中国はイランが19日にイギリスとフランスの企業に対する原油輸出停止をしたことを非難し、イランがその核計画問題での行き詰まり状態に対して対話を促進するよう促した。

 イランのやり方7月1日から実施されるはヨーロッパ連合のイラン産原油ボイコットに対する報復と見られている。イランは世界で5番目に数えられる原油輸出国であり、湾岸諸国の原油が輸出される航路であるホルムズ海峡の封鎖を実施すると言って脅してきていた。

 今回の原油輸禁止措置について、イランのアハマド・カレバニ副石油相は、国営テレビに対し20日、「もしヨーロッパのある国が敵対的行動を続けるのならば、当然、その国に対する原油輸出は停止されるだろう」と語った。

 カレバニの発言は、別のイラン高官によるホルムズ海峡における緊張状態と原油輸出航路の封鎖に言及した際に出されてきたものである。                                             
 革命防衛隊の演習の傍らモハマド・アリ・ジャファリ司令官は20日、ホルムズ海峡の騒動について欧米側の好戦性を非難し、イランの治安を維持することを誓約した。

 「世界の傲慢な勢力とシオニズムによるイランに対する嫌がらせと脅しにも拘わらず、我々は空虚な脅しを無視し自らの力量を整備していく」とジャファリはプレスTVに語った。

 イランは自国の核計画について、それを擁護する論陣を強化しているが、同時に交渉する意欲も表明している。欧米側は軍事力を選択肢から除外することはしないままでいる。しかし、イスラエルがイランを攻撃するのではないかという推測は高くなっている。 

 20日、イランのIRNA通信は、イラン軍が核施設付近の防衛メカニズムの改良を目的とした4日間の演習を開始したと発表した。

 軍の発表によれば、この演習はイラン南部の広大な地域で行われる。ありうる攻撃に対する準備のためであると、IRNAが伝えた。

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スエズ運河を通過するイラン艦船

◆2月20日

 シリアの艦船がスエズ運河を通過してシリア沖に向かい、ロシア小艦隊と共にシリア沖に展開した。ロシアはもとより、イランもまた同盟関係にあるシリアに対し、実際的な支援行動に入ったことになる。

 このブログでは昨年3月以来、一貫してシリア内における騒乱の原因は、チュニジアやエジプトで起きた「アラブの春」的な民衆運動ではなく、その民衆運動のうねりを利用しようとして、外国勢力によって武器と資金その他の物資を与えられた反政府的不満分子が、シリア内でゲリラ的テロ行為を行い、その犠牲者をシリア当局の弾圧政策によるものだ、と欧米ユダヤ系メディアを利用して喧伝してきたことによるものである、と指摘してきた。
 
 従ってそのような動きに対して地中海に面したシリアのタルトゥースに海軍用施設を持つロシアは、断固としてシリア政府を擁護し支援することを明確にしてきたのだが、同じくシリアと同盟関係を有するイランがここに来て、軍艦をシリア沖に派遣して、イランのシリア支援を明確にしてきたのである。 

 日本のメディアでは、チュニジアやエジプトで起きたような「アラブの春」運動がシリアでも起きている、として報道をしてきているが、これは全くお門違いである。味噌も糞も一緒に、という言葉が日本語にあるが、これはその良い例である。味噌と糞は違うのである
 
 ようするに似て非なるもの、ということが世の中には存在するのだが、そういうことは、努力しなければ、見極めが付かないこともあるのだが、シリアの例はその一例であり、日本のメディアは努力をしていないから、見切れていないのである。

 あるいは見切るも見切れないもないほど、日本のメディアは欧米のメディアを追っていればよいのだ、という方針ならば、何をかいわんやである。言っておくが、欧米メディアはユダヤ系資本によるものであり、ユダヤというバイアスが掛かっている、ということである。また特にイランとシリアに関しては、シーア派嫌いのスンニー派の湾岸諸国のアラブ系メディアもバイアスが掛かっているのである。彼らはオイルマネーを独占するやくざ首長たちのやくざ国家である。
 
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●シリア沖のロシアとイランの艦船はアメリカ向け警告メッセージ
http://english.farsnews.com/newstext.php?nn=9010175382
【2月19日 FNA】

 ロシアとイランの小艦隊がシリア沖に展開したことは、アメリカのシリアに対する陰謀に対しての厳しい警告である、とイラン高官が19日語った。

 「イランとロシアの小艦隊がシリア沖に展開していることは、アメリカの冒険主義的動きに対する明白なメッセージである」と、イランの国家安全保障・外交委員会副議長のホセイン・エブラヒミがファーズ通信社に語った。

 「シリアに対してアメリカが戦略的なミスを冒せば、イランとロシアその他の諸国がアメリカに対して壊滅的反撃を与えるであろう」と彼は語った。

 アメリカと西欧諸国はシリアに対して干渉的政策を強化してきているが、シリア政府は2月26日を憲法改正案に対する国民投票日と発表した。この憲法で複数政党制の基礎を敷く事になる。

 シリアのバシャール・アサド大統領は、委員会から草案を受けた後に、10月に新憲法を作成すると決定した。

 1月にアサド大統領は、新憲法は現行のバース党が支配的役割をなすとある憲法に代わるものとなると語った。

 シリアは昨年の3月以来、武装された勢力によるシリア警察や国境警備隊に対する組織だった攻撃による騒乱に見舞われてきている

 抗議運動が武装した攻撃に切り替わった際、治安部隊員を含む数百人の人々が殺害されてきた。

 シリア政府はならず者達、破壊行為者、武装テロリスト・グループをこれら死者に責任を負うべき者たちであると非難し、これら騒乱は外部からの工作による、と強調している。

 昨年10月には、アサド大統領が改革政策を開始したため沈静化したが、アメリカとイスラエルの工作でシリア国内のいくつかの地点で新しく紛争が始まった。

 イランのラミン・パラスト外務省スポークスマンは、シリア内の外国勢力による工作に嫌悪感を示し、アサド大統領の「問題解決」をやり遂げるという誓約であるこの改革案を称賛した。

 「我々は基本的に外国の干渉というものに反対するものである。それは問題の解決にはならず、事態を一層混迷化させるものだからである」と1月にパラスト・スポークスマンは語った。

 「シリア高官らによって発表されたこの改革は、環境を対話の方向に向け、問題の解決を促すものであるが、ある国々はそれを望まない」と彼は語った。

 アサドは国家非常事態の終了を発表し、シリアのクルド人に市民権を授与し、今年の後半に国会議員の選挙を約束した。今年の1月、大統領は騒乱が始まってから拘留されていた者たち数千人に恩赦を施した。

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アフガン・パキスタン・イランの首脳会談

◆2月19日

 長いことアメリカと一緒にアフガンのタリバン攻撃を進めてきたパキスタンが、昨年11月の24名のパキスタンン兵士の死者を出した事件以来アメリカと距離を置き始めており、その関係は最悪状態になりつつためか、アメリカのイラン攻撃の際には、アメリカと連携しない、と明言した。

 パキスタンは核を保有する国家でもあり、そのパキスタンの動向はこの地域の地政学的構図を変えてしまう意味を持つ。

 トルコも自国内にあるNATOのレーダー情報をイスラエルが利用することを拒否しているのを見ても、いわゆるイスラム教徒が大半の地域・国家では、アメリカ・イスラエルによるイスラム国家であるイランに対する攻撃に対しては、国民全般が嫌悪感を持っている点が無視できなくなってきていると言えよう。

 もちろん、スンニー派とシーア派という観点から、シーア派の雄であるイランをスンニー国家が快く思わないと言う面はあるが、それでも同じイスラム教徒という観点からは、やはりユダヤ・キリスト教の欧米・イスラエルに対する感情とは異なるものがある。為政者はどうあれ、民衆の声はそうなっている

 特に昨年始めから起きているアラブ・イスラム諸国内での民衆の蜂起現象がある。民衆の声、というものが、アラブ・イスラム諸国でも無視できない状況が現出し始めているわけだ。従って為政者らはこの民衆の声、というものを無視できなくなってきている。これには現代の、ツィッターとか、フェイスブックなどのツールが今までにない民衆運動の可能性を大きくしているためだ。

 そして最終的には、この民衆の声というものが、直截的に影響する社会へと世界は変貌していくだろう。つまり、欧米社会を引っ張ってきたユダヤ系資本によるメディアの力が今までのようには効果を発揮できない時代へと変わっていく、ということだ。

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●対アメリカで、イランと同盟を組むパキスタン
http://rt.com/news/pakistan-support-iran-us-attack-593/
【2月19日 Russia Today】

 パキスタンはもしもアメリカがイランに対する軍事攻撃を行う際には、イランを支援すると確約した。パキスタン大統領は、イランの大統領に対して、パキスタンがイラン攻撃の基地になることはない、と確約した。

 もしも、アメリカがイランを攻撃すると決断すれば、パキスタンはその動きを支援することはなく、またアメリカにパキスタン内の空軍基地を軍事作戦に使用させることはない、とザルダリ大統領は17日に語った。

 彼のこの支援についての確約は、パキスタン、イラン、アフガニスタンの首脳会議の時に出てきたものである。この会談は、アメリカに挑戦するパキスタン側のメッセージ発信の方法と見られている。
 
 その間、トルコは自国にあるNATOレーダー・システムからの情報をイスラエルが使用する権利を否定した。最近のアメリカ・イスラエル合同ミサイル発射実験ならびにトルコとイスラエル間の緊張状態が継続する中、トルコのダブトグル外相は17日、NATOの施設で収集されたいかなる情報も、第三国によってシェアーされるべきではない、とりわけその国がイスラエルである場合には、と語った。

 パキスタンとアメリカの間の関係は、パキスタン国境検問所でタリバンと間違われてアメリカによる空爆で死者24名を出した事件後は、かつてないほどに悪化している。この問題でアメリカ国防総省は、自分たちの非をいやいや認め謝罪を表明した。

 しかしパキスタン国内の軍事施設を使用できなくとも、アメリカとその同盟国は既に、イランに対する全面的戦争を仕掛けることのできるだけの十分な兵力を集結させている。

 アメリカの空母エイブラハム・リンカーンは、14日にホルムズ海峡を通過し、空母カール・ビンソンに率いられている別の戦闘部隊に合流することになっている。また、空母エンタープライズがこの攻撃部隊に3月に合流する予定である。

 アメリカとその同盟国の軍事力の強化はペルシャ湾を兵器壺に変貌させている、とイランのアハマド・バヒディ国防相は14日語った。

 欧米側は、イランの問題の核計画は、少なくとも一部分は軍事的なものであり、脅威であると非難している。しかし、経済制裁も、イラン人の核科学者らの暗殺も、イラン側で主張している民生用の核計画の進捗を停止させるに至ってはいない。

 多くの者たちは、核の探究を停止することをイランが拒否するため、イランに対する軍事作戦が起きる、と考えている。国連事務総長の潘基文は、外交的努力に代わる選択肢としてイランの核施設に対する軍事的な攻撃を行うことはないと、その可能性を否定した。

 「この問題に関しての平和的解決以外の選択肢はない」と事務総長は17日語った。

 イスラエルのエフード・バラク国防相は、「核武装したイランはどのように対処するか一層困難な存在であり、より危険であり、今それを停止するより以上に血の代価が大きくなる」と考えている。「後ほど、と言う者は誰でも、その時には遅すぎたことが分かるかもしれない」とバラクは語った。

 2月初旬、アメリカのレオン・パネッタ国防長官は、イランに対するイスラエルの攻撃が「大いなる可能性」として、イランがいわゆる「イミュニティー・ゾーン(免疫圏)」に到達するまえの、4月、5月ないしは6月になるのではないか、と指摘した、とワシントン・ポスト紙が報じた。このイミュニティー・ゾーンとは、イランが核施設に対する防護を強化することで、攻撃に対する耐性を持つようになることである。

 イランへの攻撃は、しかしながら、自殺をするようなものである、と在ロシア・イラン大使のマフムド・レザ・サジャディは先週語った。
 「アメリカによるイランへの軍事的攻撃問題は何年にもわたってアジェンダに上っている」とサジャディは語った。「もし攻撃すれば、我々にはいくつもの反撃方法がある」と言うのである。

 自信に満ちてはいるが、アメリカないしはイスラエルによって挑発されることなくば、イランが攻撃を始めるということは考えにくい、とアメリカ国防情報局のロナルド・バージェス長官は語る。

 「イランはホルムズ海峡を一時的であれば封鎖することができるし、攻撃された場合、この領域に存在するアメリカ軍や同盟国へミサイル攻撃をすることができるだろう」とバージェス長官は語った。

 イランは何回もホルムズ海峡封鎖をすると脅しているが、イランに対する何らかの軍事的攻撃がなされた場合は、アラビア海の湾岸原油輸出国に影響を与えることになる。

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オバマ大統領の太平洋重視戦略を支持するペンタゴン

◆2月18日

 オバマ大統領の提出したアメリカの新国防戦略がアジア重視である、と言われている。要するに対中国戦略重視となっているということだ。

 ソ連崩壊後、以下にあるようにアメリカに対抗しうる軍事的大国としては、勿論ロシアも入るであろうが、ロシアは経済的に力を付ける段階であり、実際上は経済成長著しい中国の方が脅威となりつつある。特に中国は未だに中国共産党の一党独裁体制であるため、政策が極端なものになりやすい環境がある。例えば、不動産バブルの崩壊とかが激しくなった場合の国内の騒乱を国外の戦争に振り向ける、といったことだ。

 国家の力が増せば、その力を内外で誇示し、力に見合った動きをする、というのが人間の常であるから、眠りから覚めた獅子気取りの今の中国が、辺りを睥睨(へいげい)し、やくざまがいの動きを強めることが考えられるし、実際既にそうなってきているのが現状である。

 これに対して、世界戦略上黙って見ているわけにはいかないアメリカが、弱体化しつつある経済力を見ながらこの新興やくざ国家の中国に対応しなければならないため、力の配分を考慮しつつ、守るべき権益を守るべく、新戦略を立てて対応しようとしている。
 
 TPPはその新戦略の一環として見れば、日本としての戦略は、この新興やくざ国家の中国につくのか、以前からのやくざの大親分であるアメリカについたまま忠義を押し通すのか、という選択になる。その場合、一党独裁体制の新興やくざ国家より、とりあえずは「民主主義体制」のアメリカの大親分につくと言うのが日本の選択肢であるべき、という結論となるだろう。

 ただしその日本は、アメリカの大親分もほれぼれする美人で金もあるのだから、アメリカの大親分の言いなりになりっぱなしでいる必要もなく、むしろこれからは、矢野竜子こと緋牡丹のお竜のように、度胸を持って親分衆と対峙することも必要となってくるのである。特にこれからは、日本の動きが世界の興廃を決定していく時代に入っていくから、なおさらである。

この落とし前、どぎゃんつけなはっとです?」(緋牡丹のお竜

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●中国包囲同盟を形成するアメリカの戦略
http://www.presstv.ir/detail/226873.html
【2月16日 PressTV】

 アメリカのレオン・パネッタ国防長官は、上院軍事委員会で、オーストラリアとフィリッピンでの巡回的軍事プレゼンスを継続すると発言した。

 アメリカと中国との間には既に、中国の現在の政策やアメリカ企業やアメリカ政府官庁へのサイバー攻撃問題で緊張が高まっている。

 マーチン・デンプシー・アメリカ統合参謀本部議長は最近、アメリカのインフラのハッキングに係われば、それを「犯罪」行為と認定すると警告している。

 多くの人々は、新しい戦略をこの領域で影響力を伸長させている中国に対するアメリカ側からの牽制の一部として見ている。

 プレスTVは、エキュゼクティブ・インテリジェンス・レビュー編集者のジェフ・ステインバーグとこの点に関するインタビューを行った。

 以下はそのインタビューの内容である。

プレスTV:最初にこのデンプシー議長の、中国と北朝鮮の近海が軍事的に強化されてきているという発言をどう思うか? どのような脅威を感じるか?

ステインバーグ:これはかなり以前から進められてきている長期的政策の一つであり、中国がソ連崩壊の後、経済的インフラ、人口面でみてこの惑星上で唯一、アメリカと対峙するようになるかもしれないい軍事的能力を開発するであろう大国である、という認識があるからだ。

 これは、果たして中国がそのような意図を持っているとか行っているとかいうこととは関係ない。これは純軍事的想定である。

 ペンタゴンの戦略家である、アンドリュー・マーシャル博士によって2002年2月に書かれたメモがある。その時、ドナルド・ラムズフェルドが国防長官だった。アジア・太平洋領域におけるアメリカの軍事的プレゼンスを強化するためにどのような方法がとられるべきか、という彼の要請に応えたものだ。

 この三ページのメモを見ると、マーシャルによって推奨されている方法は、その多くがエアー・シー・バトルと言われるこの新しい国防戦略の中に組み込まれているか、組み込まれつつあることが分かるだろう。これは特に、中国の脅威に対して、空軍力と海軍力を統合することが強調されている。

プレスTV:正にそうでしょうが、より大きな視点から見ると、アメリカとイギリスは軍事的な面では同盟国家同士だというアナリストがいます。2003年のイラク戦争ではそうでしたし、マルビナス諸島(フォークランド諸島)をイギリスは軍事基地化しようとしています。これらとの関係があるのか?

ステインバーグ:オバマ大統領の下では、米英の軍事・国家安全保障政策面では、ブッシュとブレアーの関係よりも拡大された統合形態を見てきた。 

 昨年の5月のことだが、アメリカの国家安全保障会議議長とイギリスのカウンターパートによって積極的に新世代艦艇をペルシャ湾でのアメリカの展開中の艦隊に組み込むようにしている。

 従ってイギリスの頭脳とアメリカの腕力がマルビナス諸島とペルシャ湾のの問題で全面的に協調しているから、アジア方面でも同様であろうと考えられる。

 ワシントンには中国に対する封じ込め政策のために、日本、韓国、ベトナム、オーストラリア、マレーシア、インドネシアを含むNATOのアジア太平洋版の同盟関係構築を提案するネオコンの者たちがいる。

プレスTV:想定される近未来に、この全体的な軍事化プロセスはどのあたりまで進むとみているか?

ステインバーグ:予算の削減、厳しい経済状況があるが、オバマによって13日に提出された新しい国防予算は、空軍と海軍の強化に集中することが狙いとなっている。アメリカは11隻の空母艦隊を保持し続けるし、これらの一群がアジア太平洋とインド洋海域用である。 

 我々は、この領域に支配的なプレゼンスを持っているし、中国に対しては、経済的な成長とGDPにおける軍事費の拡大が続いても、今後更に10年間は対峙する用意があるということを知るべきである。

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