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シリアのハマで押収された密輸された武器類

◆8月18日

 このブログでは、シリアでの騒乱は当初より外部勢力が支援する武装勢力による暴力的活動があり、そのための軍や警察の鎮圧行動が死者等をもたらす、という点を指摘してきた。単なる抗議運動ではなく、武装勢力によるゲリラ活動が背後にあるのだ。この点を今に至るも、国際的ニュースメディアは一言も指摘していない。

 今回のレバノンで発覚したシリア向け武器密輸事件はこのことを裏書していると言ってよいだろう。レバノンの情報機関がその容疑者を証拠と共に逮捕している。

 今シリアはこのような外部勢力による不安定化作戦の標的として困難な状況に陥っているが、今回の事件が一つの転機となって、情勢が変わっていく可能性も出てきた。

 勿論国際的ニュース・メディアはユダヤ系が牛耳るところなので、このような事件も報じることはないだろうから、世界の人々はシリアの情勢について相変わらず誤った認識のままであろう。国連事務総長でさえ、お馬鹿なことを言っているのだから、お話にならないのだ。

 あとは「時運の赴くところ」、という曖昧な表現でしか語れないが、シリアの運命が欧米・イスラエルの願う方向に進めば、中東と世界の未来は暗澹たるものになっていくし、今回の事件の真相が明らかになり、レバノン内での政治勢力や一般市民の考えが正当なものになることで、シリアへの武器密輸など事態は沈静化していくことになり、シリア内も中東もそれを反映する情勢になっていくだろう。

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●レバノン軍情報機関:シリア反政府ゲリラへの武器密輸を阻止
http://wsws.org/articles/2011/aug2011/leba-a12.shtml
【8月12日 By Sahand Avedis ? WSWS】

 レバノン軍情報機関はシリアのバニヤス行きとされる1,000丁の突撃ライフル銃の船積みを阻止した。軍の捜査員らは密輸者とアメリカやサウジの支援を受けていたサアド・ハリリ元レバノン首相の政治的側近たちとの間の関係を発見したと言う。

 バニヤスはシリアのアサド政権に反対する抗議デモが起きたいくつかの都市のひとつである。スンニー派が過半数を占める地域に対してシリア政権は武装ゲリラによる暴力的反政府運動を鎮圧するためと主張して、シリア軍を投入した。

 8月6日、レバノンのアル・アクバール紙はレバノンの治安部隊筋からの情報として、シリア向けの武器密輸の船積みに関しての詳細を報じている。この新聞によると、レアノン軍の情報機関はトリポリからのタミム族の二人の人物がシリアに大量の武器を送ろうとしていたことを知らされたという。

 二人の内の一人はマリナの観光用港のマネージャーである。この観光用港は億万長者で元首相のサアド・ハリリの父親が起こした不動産会社であるソリデレが運営しているところである。

 レバノンの情報機関はこの容疑者と武器取り扱い業者とがやり取りするところを盗聴していた。この中で、両者は高性能のカラシニコフ銃とM-16ライフル銃のサンプルを容疑者側に示せば頭金として10万ドルを業者側に支払うことで合意した。この計画は、ライフルを船でシリアのバニヤスに送るか、ないしは小さな包みに分けてレバノン北方の国境地帯から密輸することになっていた。この容疑者と密輸業者は軍の情報機関により7月30日、ラス・ベイルートで武器の取引が終わった後逮捕された。

 8月8日、アル・サフィール紙は治安部隊筋の話として以下のように伝えた:「最近不成功に終わった密輸作戦はまだ捜査の段階であり、非常に重要な情報がこの事件の関係者らから出てきている。この関係者らは台頭している3月14日同盟と密接な提携関係にある。これは彼らが行ってきた作戦の唯一のものではない」

 この3月14日同盟とは、シリアに敵対するレバノンの政党の連立運動体のことで、その最大の勢力はサアド・ハリリのアル・ムスタクバル(未来)運動である。この3月14日同盟の名前の由来は、2005年2月14日にラフィク・ハリリが暗殺された後、シリア軍がレバノンを撤退することになった、アメリカ支援の一連のデモを指す2005年のシーダー(レバノン杉)革命と言われる運動にある。

 サアド・ハリリは2009年から、シリア支援のレバノンのシーア派政党であり武装民兵のヒズボラがハリリ連立政権を去って政府を崩壊させた2011年1月まで首相を務めた。

 ヒズボラのアル・マナル・テレビは、密輸業者はワサムとサミル・タミムであると特定した。彼らはモハマド・カバラの支援でマリナからシリアのバニヤスまで30回の武器密輸作戦を行ってきた、と告白したと言われている。このモハマド・カバラは、サウジアラビア情報機関と繋がっているアル・ムスタクバル党の議会ブロックのメンバーである。アル・マナルは、この作戦の拠点はレバノン北方のカバラの農場で、ここはイスラム主義者(サラフィ)の戦士らがシリアのホムスへ行く際の移動する時の通過地点でもある。

 シリア軍は、先週、ホムス近郊での戦闘で数百人のサラフィ戦士(アフガン人を含む)を押収した書類と共に拘留し、このサラフィ戦士のシリアへの移動はカバラが支援したと主張した。

 レバノン内閣はこの武器密輸問題を8日に話し合った。レバノン内部の政治勢力同士の間での緊張が高まっているが、特にアメリカが支援する3月14日同盟とヒズボラ中心のシリアが支援する3月8日同盟との間ではそうだ。

 サウジが支援するレバノンの政治家らによるシリアへの武器密輸秘密作戦の発見は、シリア政権に対するアメリカ帝国主義とそのアラブの代理人たちによる圧力が高まっている最中でのことだ。アメリカ高官らはシリア大統領であるバシャール・アル・アサドの追放を正式に要求する声明をまもなく出すだろうと警告している。サウジアラビアと他の湾岸君主国家はシリアから大使を引き上げている。この国々はホムス、ハマ、その他のシリアの都市での抗議運動への政府の弾圧のためアサドを批判してきた。

 レバノンの武器密輸事件の発覚は、サウジないしはアメリカ軍がシリアのスンニー派が過半数の地域での抗議運動をアサド政権の不安定化の機会として捉え、アメリカ帝国主義の利益にもっと直接的に同調する政権と置き換える機会としようとしているという主張を裏書している。

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ケニアの難民キャンプにたどり着いたソマリア旱魃難民

◆8月17日

 ドルが下落し金(ゴールド)が上昇し続けている。しかし世界的な投資家(投機家?)であるジョージ・ソロスはその金を売って農場プロジェクトに投資しているという。その理由は、今後の世界は通貨でも金でも物が変えなくなるほど、食糧不足になる可能性があるからだ。

 現在の日本でも東北地方の野菜や米、あるいは魚介類、畜産物などが放射能問題などで市場に出てないものが存在する。そしてこのブログでずっと指摘してきているように、天変地異というものが、食糧生産効率を下げているから、これから更に世界の食糧価格は上昇し続けるだろう。

 それに加えて、現在の世界的金融・経済危機がある。これが嵩じる事で、最終的には世界経済・金融が一旦は崩壊し、世界貿易が停止する可能性が出てくる。そうすると世界の食糧流通も停止することになり、パニック的状況が生じることも考えられるから、出来るだけの準備というものが急がれているだろう。
 
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●何故ジョージ・ソロスは金(ゴールド)を売って農場を買ったのか?
http://www.naturalnews.com/033319_food_prices_farmland.html
【8月14日 By Mike Adams – Natural News】

 世界中で食糧価格が急上昇している。どこで止まるか見えていない。国連は、食糧インフレは年30%の割合だという。そしてドルの価値が急激に下降していることが食糧価格を更に押し上げているという。連邦準備銀行で印刷されることでドルが下落するため、輸入食糧コストは次の2年で2倍になりそうであり、恐らくは2年毎にそうなりそうだ。

 世界の投資家らが次の成長する産業として農場に群がる理由はこのためのようだ。「世界的食糧価格が上昇しているので、アメリカ、ヨーロッパ、南アメリカそしてアフリカでは投資家らは農場に投入している」とブルームバーグ・マガジンが報じている。「億万長者のヘッジファンド・マネージャーであるジョージ・ソロスが指揮するファンドの一つは南アメリカの農場ベンチャー企業のAdecoagro SAの23.4%の株式を保有している」

 ジム・ロジャースは同じ話で、「私はしばしば人に最良の投資の一つは農場だろう言ってきた」と言ったという。

 急速な気候変動、化石水供給の喪失、遺伝子組み換え作物の失敗で実際には世界中で食糧生産は減少しているので、食糧に対する需要が加速されているからだ。農場に投資しているセレス・パートナーズは2008年創業以来、年16%の利益を上げている。そしてこれは殆どの他の産業で損失を出している経済的不況下のことだ。


◆自分の食糧を育てたり貯蔵することがなぜ金鉱になるのか?
 これらのことはつまり、我々はこれから起きる三つの事柄を考慮すべきということを意味している。 

1.食糧供給は今後更に厳しくなる
2.食糧価格は次の2・3年で二倍になり、恐らくは次の2・3年で更に二倍になる
3.食糧価格が今の基準の4倍になれば、裏庭農場やガーデニングは大きな収入となる
 
 言い換えれば、食糧価格が急上昇しているので、自分で食糧を生産(ないしは価格の安い今それを貯蔵)することが金銭的にますます実行可能なことになってきている。

 金(ゴールド)を育てることは出来ない。紙幣の印刷もできない。しかし金や紙幣よりも価値あるものを育てることはできる。食糧だ。


◆第二次世界大戦後の台湾の教訓と、食糧が金よりも価値がある理由

 私は2年間台湾に住んでいた。そこで第二次世界大戦後の復興を通して生きた人々と話す機会があった。戦争中は勿論、台湾は日本に支配されていたし、そこでは軍事的占領状態だった(永続的戒厳令と共に)。

 戦後日本が去ってから、台湾は蒋介石の下で政府を樹立した。古い台湾の通貨が政府によってすぐさま大量に印刷され、今は「旧台湾ドル」と言われている通貨のためにインフレを招いた。

 しかし政府はすぐに新台湾ドル(NT$)という新通貨を発行した。1949年、旧台湾ドルは新台湾ドルと4万:1の比率で交換された(旧4万ドルで新1ドルを受け取る)。

 第二次世界大戦後のこの期間、アパートを借りたり、家を買ったり住むところを見つけようとすると、現金は価値がなく金(ゴールド)もそれほど便利とは思われなかった。実際の価値を表す唯一の物は食糧だった。もしも食糧を持っていれば、何とでも取引できた:自動車、家、道具、衣類、土地さえも。もしも食糧を持っていなければ、破産だった;どんなに現金や金を持っていてもだ。

 卵を産む一羽の鶏が1オンスの金よりも価値があったのだ!

 金を食べることは出来ないのだ、皆さん。銀だって食べれない。皆は生きるために食べねばならない。そしてそれは全ての人は、息をし続けるためには食糧の継続的な流れを必要としているということだ。

 そして「食糧に投資」ということで、以下のことを意味しているのだ。

◆ 将来取引に使用したり、食べるために棚に貯蔵できる食糧に投資すること
◆ 必要になった際に食糧を生産できるノウハウを獲得することになるガーデニングのスキルに投資する
◆ ハイブリッドではない種に投資することで食糧育成の遺伝子的ブループリントを保持し、世代を次いで繁殖させていける
◆ 特に食糧を生産する産出力と気候を提供する農場へ投資する
◆ さまざまな方法で食糧を生産する仕方を教える教育コースに投資する;ワイルドクラフティング、ガーデニング、新芽形成など

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イスラエルのテルアビブに現れた「ギロチン」

◆8月16日

 イスラエルの大衆抗議デモは鎮静化の兆しを見せることなく、ついに8月10日にはテルアビブにフランス革命の象徴ともなった、「ギロチン」が現れた。

 このブログでは大手の主流メディアが報じたがらないイスラエルの今回のデモ騒乱状況を、既に8月9日号の「イスラエルの凋落が始まった」や、8月6日号の「イスラエルで再び大規模デモ」で示してきた。

 このギロチンは強烈である。本物と見まごうほどの作りだ。勿論そのメッセージは明確だ。彼らは革命ないしはそれに準じるものを起こしている自覚がある、ということであり、ギロチン台の下に引っ張られてくるべき人物はネタニヤフ首相であり、その他の閣僚たちだ、というメッセージだ。勿論、実際にそれを使用するということではなく、あくまで強いメッセージを送っているというサインだろう。

 しかし「アラブの春」がめぐりめぐって自分達のところに現れるとは、さすがのイスラエルの諜報部員たちも予期してはいなかったであろう。この大規模デモはイスラエルの建国以来始めてのことであるが、世界の主流メディアはユダヤ系だけあって報じていないし、日本でも報じられていない。

 しかも抗議デモをしている者たち、特に男達はイスラエル国防軍で兵役に就いていた者たちが殆どだから、いざとなれば、軍隊的なノウハウをデモに採用する可能性があり、イスラエルの警察も軍隊もうかつには強硬手段に打って出る事は難しいという

 イスラエルに憲法が存在しない、ということからもイスラエルの「民主主義」がこのブログで指摘したように、擬似民主主義である、ということが見て取れる。ようするにいざとなれば、いくらでも「議会」で法律を作ってやりたいことをやれる余地を残しているのだ。その議会の議員数に不公平があるのだから、結局は非民主的な組織がイスラエルなのだ。

 そのツケが今回の建国以来の大規模デモという形で噴出したのである。イスラエルのシオニスト支配構造が変化していくきっかけとなりうる今回のデモ騒乱状態である。このように、永遠なるものは存在せず、時間の経過と共に、事態は流転生成変化していく。

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●「ギロチン」がイスラエルのテルアビブに現れた
http://www.roytov.com/articles/guillotine.htm
【8月14日 ロイ・トブ】

 私はイスラエルの破壊されている内部構造が終焉を迎えるだろうと長いこと指摘してきた。イスラエル人とユダヤ人はしばしば、難民で政治犯という環境にいる私のゆえの誇大表現だと私のことを非難してきた;ところが最近数ヶ月、我々は社会的反乱とも思ええる事態を目撃している。

 2011年7月の終わりまでに、コッテージ・チーズ価格の急上昇のためイスラエルで社会的抗議運動が始まった。一般家庭の主要な料理の材料だ。このような事態が生じたのは初めてのことである。どんなにそれが些細なことであっても、政府に対する抗議運動の禁止というイスラエルの心理的バリアーが破れたら、何物も以下のような事態が生じるのを止めることはできなかった。この8月中旬にまでも続いている大衆抗議運動、今回は住宅問題に対する抗議運動の波が始まった。

 イスラエルの小さなアパートが生涯の住宅ローンを必要とし、それが彼らを国家の奴隷にしてしまう。この抗議運動は、地方委員会の手に建設プロジェクト承認の権威を与えるという国家住宅建設委員会法をクネセト(議会)が承認したことから始まった。この委員会は国家とゼネコンの手に握られるだろう。これはつまり、貧乏人には家は持てないことを意味する。およそ80%の人々が平均給与以下の収入である(これは、高額所得者と最低取得者の間の給与の大きな開きのため可能な話となる)し、平均給与は平均住宅ローンを支払うには不十分なのだ。そんなわけで、形を変えた奴隷制が裏口から国の中に導入されたのだ。私はテルアビブで怪物(大規模デモ)の中に驚くべき抗議運動の実態を見た。

 現在まで継続してきた抗議運動は8月10日に頂点を迎えた。フランス革命のシンボルともいえるギロチンがロスチャイルド通りに設置されたのである。この通りはラビン広場に近い。この広場は抗議運動する者たちが集合しテント村の中心となり何千ものデモ参加者らが生活しているところだ。このギロチンの実際の大きさを考えれば、ネタニヤフ首相が抗議運動のメッセージに気づかなかったということはありえないことだろう。

 イスラエル政府はこのギロチンにどう対応するだろうか? ネタニヤフは自分の首の周りをこの数日間はより慎重に剃っていたか? ハアガフ・ハイェフディ(シン・ベト<=防諜機関>のユダヤ部門)が抗議運動者らの間にあって有害なゴキブリとして動いていたことは間違いない。彼らは台頭する指導者たちを注視し、不法に彼らに対する証拠を集め偽造し、サボタージュのアドバイスを与え、全般的には人々が政府に決して許さないようなことを何でもやっている。今のところ警察と軍は最後の手段として留まっている。ネタニヤフが抗議運動が当然なことであるかのように見せようと努力しているのも、イスラエルにとって最も重要な秘密が市民の目から隠されていることが重要だからだ。市民は警察国家に住んでいることに目覚めてはならないのだ。まやかしのショーが演じられねばならないのだ。

 リーダー達をうまく沈黙させられなければ、物理的な障害が現れるだろう。テルアビブの非常に暑い湿気の多い8月に、水道水の供給が合理的な説明で制限されるかもしれない。この地帯での携帯電話交信に障害が出るかもしれない。抗議運動が行われている地帯に通じる道路に工事が突然始められるかもしれない。停電が時折生じるかもしれない。生活の制度的な混乱だ;これは人々が政府に与えた権力に反するものだ。ネタニヤフは暫くは自分で剃ることを続けたいのだ。 

 どちらが勝つのか? ネタニヤフはすぐ止めさせられるか、あるいは抗議運動家たちが解散させられるのか? 警察であろが軍であろうが暴力的に50万人のデモ隊を解散させることはできないだろう。彼らは多くが地方からの者たちである。男たちの多くは軍隊の経験者だ;多くはイスラエル国防軍(IDF)で兵役に従事した者たちだし、西岸やガザで積極的に一般人を弾圧してきた者たちだ。更には、IDFは予備役兵を募集することはできないだろう。抗議者らの中に予備役兵らはいる。治安部隊が抗議運動が行われている地域にハデに投入されるような事態の悪化があれば、民兵組織が瞬時に出来るだろう。

 イスラエル政権の最良の賭け所は、イスラエル市民が政治的に準備できていないという事実だ。自分達の国の差別的な法律の拡大あるいは憲法がないことの意味を理解せずに、殆どの市民は自分達が民主主義の国に住んでいると考えている。一般市民は自分達の国家の成立が不法なものであることを知らない。ネタニヤフは現在なんとかやっている。暫くすると、国連総会がニューヨークで開催される。9月20日は、パレスチナ独立が議論されることになっている。これは恐らくは140カ国以上の大規模な支持を受けることになるだろう。太平洋とカリブ海にあるいくつかの諸国は、イスラエルからの情報・軍事面での援助と引き換えに支持しないという約束をしているが、それだけだ。これが承認された数時間後には、パレスチナ人はシオニストからの独立を宣言するかもしれない。

 キッシンジャーはかつて、イスラエルにある一切のことは、内部的な政治問題だと述べた。パレスチナの独立宣言もまた内部的な政治問題の一つである。ネタニヤフは恐らくは、この機会を利用してオスロ合意を破棄しパレスチナに対する宣戦布告をするかもしれない。するとすぐ国防大臣がIDFの予備役兵を招集するかもしれない。抗議者らはディレンマに陥るかもしれない。600万ドルの質問は:彼らは抗議デモを放棄して自分達を奴隷化する国家の軍隊に入るのか?

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ソ連のワリャーグを改装した中国の「空母」

◆8月15日

 共産中国が空母を建造している。既に国産の空母の建造に着手しているようだが、これを三隻ないしは六隻は保有する計画のようだ。

 120年前にかつての清帝国は巨大戦艦である定遠と鎮遠を保有し日本を威嚇していた。今回中華人民共和国は空母を三隻から六隻保有し、周辺諸国を威嚇しようとしている。

 しかし彼らのこの巨大戦艦の保有が日本との戦争で勝利の鍵とはならなかったように、彼らの空母が果たしてどこまで実際の効果を生み出すものかは未知数である。

 今回の高速列車転覆脱線落下事故のように、彼らは必死で米国や日本に追いつき追い越せと躍起になっているが、あちこちでほころびが出ている。

 中国の運命は120年前と同様、巨大戦艦も巨大空母も結局はそう役に立たず、逆に大軍隊を持った人民解放軍が共産党のいうことを聞かなくなり、分裂し、また人民解放軍自体も分裂し、中国全土が群雄割拠となる時代に入っていくのでは、と思わせられる。

 その時代をもたらすのは、今の時代という特性からだ。今の時代は、人類歴史の最終章とでもいえる時代だ。世界経済・金融の崩壊と天変地異が同時に襲ってくる時代に、空母などのちゃちな人工物が何の役にも立たない時代となっていくということ。天変地異の中には、水に関したものも含まれる。旱魃と洪水である。これが中国の最大の敵ではないのか? そして中国はその最大の敵に対する備えの方を急務とすべきではないのか? 勿論隣国の水を盗む、という方法ではなく、だ。

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●三隻の空母建造で中国は超大国を目指す
http://www.worldtribune.com/worldtribune/WTARC/2011/lev1007_08_11.asp
【8月11日 Lev Navrozov – World Tribune】

 共産主義者の毛沢東が世界の共産化を目指して生み出した「中華人民共和国(PRC)」は、ヒトラーがフランスを打ち負かしたようにアメリカを打ち負かすかもしれない。
 フランスは世界で最も文化的に洗練されていて創造的な国であった。しかし、ヒトラーによる攻撃に瞬く間に屈服した。第一次世界大戦時には兵士だった男は後に、自分は最も偉大な人間というだけでなく、いままでの人間の中で最も偉大な人間だ、と語っていた。

 フランスに残っていたイギリス軍は気づいてもおらず、かつ信じがたかったナチスの奇襲攻撃に反撃できなかった。

 全体主義国家としてPRCは国家が軍営であり国民全体が兵士である。そのような社会では秘密兵器の製造や軍事的計画を秘密裏に進めることは容易である。もともとの香港のニュースでは、中国がロシアの支援で三隻の空母を建造しているというものであった(プロジェクト9935と呼ばれた)。2004年2月18日のLTDアビエーションフォーラム誌によると三隻の空母は2008年から2010年に実戦配備されるとなっていた。この記事ではこの空母のメンテナンス施設は上海、大連、それに浙江省に建設されているという。この記事の著者は、この情報がどれだけ信頼できるものかははっきりしないという:「三隻の空母・・・これで2020年には超大国になる」

 「ポルマーの展望」では、中国は六隻の空母を近未来に建造する計画があるという記事がある。

 ロイターによれば、7月27日、「中国は軍近代化プログラムの一環として二隻の空母を建造しているが、これは他のアジア諸国の懸念を呼んでいる・・・胡錦濤主席は海軍のアップグレードが中国防衛の鍵であるとした。その中でも空母は増大する軍事力の目に見える印である」と報じている。

 更に:「中国は、アメリカが国防費の削減を考慮している最中に、中国は軍事支出を猛烈に増やしている・・・」と報じた。

 この記事では以下のように報じている:「二隻の空母は上海にあるJiangnan造船所で建造されている」

 これを聞いてみよう:上海の北方にある長興島の住民によれば、中国当局は秘密裏に中国で初となる空母の建造のため1万人の労働者を雇ったという・・・労働者らは厳格に秘密を守るよう義務付けられているという。彼らは携帯電話機を使用できず、家族と連絡することを禁じられている・・・」(Manufacturing.Net-8月1日)

 共産党の機関紙である人民日報は、政治局の賀国強が5月23日に第三ドックを訪問し点検したと報じている。(第三ドックで秘密裏に空母が建造されている)

 国内初となる空母建設を実行するために、中国はウクライナからのエンジニアらの支援をうけようとしている。この者たちに中国はハイクラスの施設とサッカー場を提供することだろう。テヘラン・タイムズ紙によれば、「中国は空母を世界的大国になる象徴であると見なしている。そしてたったの二隻では終わらないだろう」

 更に:「中国軍は大規模な増強に入っている。これには新型戦略的および旧来のミサイル、空母、対衛星兵器および海上の艦船を標的とする新型弾道ミサイルが含まれる」と報じている。

 中国が軍事能力を全面的に増強していることはこの地域および世界で良く知られた事である。

 オバマ政権は、反対に、次の十年間で1兆ドルの国防費削減を目指している。

 自由世界は軍事的なアドバンテージを持っている:「新兵器が生まれているのは、才能ある人々によって殆どの新兵器が生産されているからだ」

 PRCの歴史を見てみよう。20世紀になる前、中国は外国との提携関係は無かった。20世紀になると、中国の態度は共産主義者の毛沢東のために変わった。これは完全な孤立から全面的な世界大国への飛躍だ-これは可能なことか、ありそうなことか?

 自由諸国はこの可能性をアプリオリに否定すべきではない。フランスはドイツがフランスに勝利する可能性を否定した-のだが、ナチスによってやり込められた。

 アメリカは共産中国は全体主義国家であり、人口が14億人、また軍事的機密計画を秘匿する可能性は無限大であることを心に留めておくべきである。PLAは「人民解放軍」のことだ。それは、共産中国は全世界を「解放」することになっているということだ。あらゆる国はPRCが資本主義国家その他の搾取者たちによって「抑圧される」ことを期待している。従って、全世界が「解放される」まで全てのPRCの戦争は、当然「解放戦争」である。

 中国は世界的な「解放」を担当するに充分な人口を持っている。これを達成するために共産中国は何を必要とするか? 「万国の労働者」全体については、マルクスとその生徒である毛沢東により予言されていたように、彼らはあらゆる国を「解放」するため、軍に支給するに充分な武器を必要としている。

 ドイツが全体主義的転換を開始した時、誰もそれが世界的な野望を持つ動きであると予言する者はいなかった。皮肉にもヒトラーはその「コピー」であったスターリンによって打ち負かされた。スターリンは「スーパー・ナポレオン」を破り、敗れたスーパーナポレオンは自殺した。
 世界の自由諸国の人々、政府、そして自由でありたいと願う人々は、悪の全体主義社会から迫り来る危機の警告の徴(しるし)を自らを守る為に認識することを学ぶべきである。

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クラッシュしかけている株式市場

◆8月12日

 アメリカ国債が格下げされたことで、いよいよアメリカ経済に暗雲が濃くなってきた。連邦政府の債権の格下げということで地方自治体の債権も格下げが始まっているようだ。このような連鎖反応がどれほどの悪影響を及ぼすものなのか、計り知れない。

 これと相まってヨーロッパも、例えばフランスの国債格下げなども語られる時期に来ている。他国の負債をしょい込むリスクである。またイギリスでは今回の騒乱が相当なダメージを国家に与えるであろう。

 このブログでは2008年10月22日号「金融崩壊が進むアメリカとその「分裂」の可能性」で、アメリカの株式市場の閉鎖の可能性を指摘したが、起きなかった。しかし今この2011年ないしは遅くても2012年にはそのような事態が出来する、と考えるべきであろう。

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●2011年株式市場クラッシュ?
http://theeconomiccollapseblog.com/archives/the-stock-market-crash-of-2011
【8月11日 The Economic Collapse】

 株式市場はどこまで下がれば正式にクラッシュといわれるようになるのだろうか?ダウは過去14日間の取引日で2000ポイント下げた。それで我々はこれを「2011年の株式市場クラッシュ」と呼べるだろうか? 今日はダウは519ポイント下げた。昨日は連邦準備制度理事会(FED)は2013年中期まで金利をほぼゼロに維持するという声明発表によって、ダウは400ポイント以上上げたが、これらの利益は今日の下げで一掃された。FEDは金融市場の安定をたった一日しか維持できなかったのだ。ヨーロッパのソブリン・デットに対する懸念とアメリカ経済の崩壊が市場を支配している。過ぎ去る日々の中、事態は2008年にどんどん似てきている。もしも「2011年の株式市場のクラッシュ」がアメリカ経済を「2012年のリセッション」に追い込んだら、何が起きるのだろうか?

 2008年の時のように、銀行株がもっともひどい。これは今日でも本当だ。バンク・オブ・アメリカは10%以上下げた。シティグループは10%以上さげ、モルガン・スタンレーは9%以上さげ、JPモルガン・チェースは5%以上下げた。

 バンク・オブ・アメリカ株は今年50%以上下げている。全体的にS&Pの金融部門は2011年の現在までに23%の下げである。

 我々が更なる救済という言葉を聞くようになるのにどれくらいかかるのだろうか?結局、「大き過ぎて潰せない」銀行は2008年時より以上に大きくなったいるのだ。

 これらの一切のパニック現象は、金(ゴールド)価格を上昇させており、かつてない高値に追いやっている。今日、金は一時1オンス1800ドルを超えた。もしもこの現在のパニックが一定期間継続すれば、金価格がどこまで上昇するかわからない。

 アメリカ内では、アメリカ政府がそのAAAの格付けを喪失した点に多くの焦点が合わさっているが、真実はヨーロッパのソブリン・デット危機がおそらくは現在の世界的金融市場の不安定化の最大の原因である。ヨーロッパ中央銀行はイタリアとスペインの国債を購入する決定をした。またフランスの国債が格下げになるという噂がある。現在ヨーロッパは金融的に全面的な不能状態にあり、何か劇的な行動が取られなければ、段階的に更に悪化するだろう。

 もちろん、アメリカも今回の危機の重要な原因となっている。連邦政府は連続3年目となる1兆ドルを超える赤字となる途上にある。アメリカの国債は恐ろしい悪夢であるが、わが政治家たちは予算削減を引き延ばし続けている。 

 基本的にはまさに到達したのだが。国債上限問題は予算削減をすることについては次の選挙前には何もしていないということと同然である。「超議会」が何か劇的なことをしない限り、2012年の選挙前の唯一の予算削減は、250億ドル分であろう。

 2013年実施となる中規模な支出削減はおそらくは実施されないだろう。実際に予算削減の時期が来ると、わが政治家たちは常にそれを別の時期に延期したがるのだ。

 しかし最後には、負債はその最後の日を迎える。政治家らは願いどおり、缶をけり転がそうとするだろうが、最終的には決算の日はやってくる。

 実際、アメリカとヨーロッパがそれほどの負債を積み上げなければ、我々は現在取り扱っている問題に直面することはなかったであろう。

 事態はずっと違っていたかもしれなかった。しかし我々は今この状況に直面している。

 本当はこの負債危機問題はまだ始まったばかりだということ。この負債を突然消滅させるような魔術はない。 

 殆どのアメリカ人はどれほどの金融的痛みがやってくるのかを理解することができないでいる。何十年も我々は自分たちの力量以上の生活をしてきた。今や我々はそのつけを支払うことになったのだ。アメリカ政府の長期国債は格下げされ、その他の膨大な債権も影響を受けている。実際、最近のブルームバーグの記事によれば、S&Pはすでに地方自治体の膨大な量の債権の格付けを下げることに大忙しである。

 S&Pは連邦政府と連結している地方自治体の多くの債権のAAAの格付けを8月5日のアメリカ国債格下げに準じて下げた。これが金融市場の実際であり、一旦ドミノが倒れ始めれば、波及効果は長期にわたって生じるようになる。

 それで、もしこの株式市場のクラッシュが更に悪化すれば、連邦準備制度はより強いやり方で対処するのだろうか?

 彼らはすでに基本的には金利をほぼゼロで今後2年間維持するとしている。ではそれ以外なにをFEDはやることができるのか?

 多くの人々は今や新たな量的緩和を見ることになるのではと考えている。

 更なる量的緩和がなにか助けになる、ということはない。むしろ経済を支援するというよう、この最後の量的緩和は生活用品価格を天井に押し上げた。

 しかしそれは金融市場だけ困難な時期を迎えているわけではない。悪いニュースはあらゆる経済面からやってくる。我々が新たな大規模リセッションに落ちこむ可能性は日ごとに強くなっている。

 残念ながら、我々の経済は脆弱なため、新たなリセッションは恐らく最後のリセッション以上のダメージをもたらすかもしれない。

 ムーディーズのアナリシス部門のチーフエコノミストのマーク・ザンディは、もしわれわれが新しいリセッションを抱えたら、我々はそれをリセッションとは感じないで恐慌と感じるかもしれない」と語っている。

 アメリカ人はもう新たな経済的な痛みに対処するムードにない。あらゆる世論調査はアメリカ人がすでにうんざりしていることを示している。

 例えば、ロイター/イプソスの世論調査は、73%のアメリカ人は国家は「間違った道を行っている」と考えている、とある。

 だから現在の株式市場のクラッシュは新たな世界的リセッションを引き起こさないことを期待しよう。我々は確かに現在より以上に悪化させる必要はないだろう。

 しかし、それが引き起こされるのが今なのかあるいは後からかにせよ、真実は経済的痛みの全体はやってくる途上にある、ということだ。アメリカとヨーロッパはこの数十年間、非常にまずい決定を行ってきた。そして我々はこれらの決定の結果から逃げることはできないであろう。

 世界的金融システムは巨大なレバレッジ、リスク、負債の山である。崩壊は免れない。砂の基礎の上にカードの家を建てれば、それが崩れても驚くことではない。

 次の経済崩壊の波が来ている。そして賢い者たちはそれに備えるだろう。

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