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ヨーロッパに金融崩壊ドミノ?
◆11月29日
ヨーロッパでは一国だけでなく、以下のように多くの諸国が金融問題を抱えている。そしてこれら全ての国の金融問題を「救済」することは至難の業と見られている。
そうするとどうなるのか、といえば、結局は破綻するしかない、となる。特に今までは比較的経済規模の小さな国の問題だったから、なんとかしのげたかもしれないが、これがスペインやイタリア、果てはイギリスとなると、もはや「救済」は不可能となるだろう。
しかしその際、救済されずに破綻するのは国家であり、銀行ではない。銀行は救済されている。こうして、巨大銀行の支配者らは自らの懐は痛めないで、損失は国家すなわち国民に肩代わりさせることに成功することになる。
従って、大きすぎて破綻させられない、という論理は、銀行のための銀行の作った御託宣であり、決して国家のためでも国民のためでもない。
このことはリーマン・ショック以来言われてきていることだ。つぶれるべきはつぶれるに任せることが必要である。銀行がつぶれても、国民を救済すればよいのだ。銀行に資金を流すのではなく、国民に資金が行き渡る工夫をすべきなのだ。これがこれからの世界的大破綻を前にして政府が取り組むべき課題となるべきである。
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●ギリシャ→アイルランド→ポルトガル→スペイン→イタリア→イギリス?
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=22129
【11月27日 by Washington's Blog】
今や、ヨーロッパのソブリン・デットの伝染が大まかに言って以下の流れでドミノ倒しとなる可能性があることが常識的な認識となっている。
ギリシャ→アイルランド→ポルトガル→スペイン→イタリア→イギリス
もう1年以上前からこのことを書いてきている人々がいたが、今や多くの人々がこの問題を議論しているサイトに参加している(60万以上のヒット)。
ギリシャとアイルランドは比較的経済規模の小さな国であるが、スペインがドミノ倒しとなれば問題は大きいだろう。
アイスランドは世界では112番目の経済規模で、アイルランドは38番目、ポルトガルは36番目である。これに比べて、スペインは9番目に大きい経済を持ち、イタリアは7番目、そしてイギリスは6番目である。最後の3カ国の内の1カ国でも経済崩壊すれば世界経済にたいしては破壊的な影響がある。
ヌリエル・ルビニは今年2月に以下のように書いている:しかしドミノの真の悪夢はスペインだ。ルビニはスペインの負債問題は「家の中の象」と表現している。
「スペインをフェンスで囲むことはできる。アイルランド、ポルトガル、ギリシャに3年ほどの財政支援を正式に行うことはできる。彼らを市場から抜けさせるのである。おそらくは彼らの負債を可能なラインにまで再編して減らすことになる」
「しかしスペインが崖から落ちればスペイン救済に必要な公式な資金はヨーロッパには充分に存在しない。スペインは大きすぎるから倒すわけには行かないが、救済するにも大きすぎるのだ」
スペインの問題はまずその公債の大きさだ:1兆ユーロだ。スペインは民間の対外債務も1兆ユーロある。これだけの大きさがあると、政府レベルでも超国家的なレベルでも救済のための充分な資金がないというのが実情だ。
以前指摘したように、世界で4位と5位の経済を持つドイツとフランスは、ポルトガルとスペインに最大のエクスポウジャーを持つ。伝染する危険に加えてユーロ圏内での相互関係がある。
自国の経済を上手くやりくりし貸し出しに使えるほどの過度な準備金を貯め込んだ債権国によるユーロ圏の救済、という体裁を保つようにしているがショーン・コリガンはユーロ圏の救済はねずみ講と一緒だと指摘している:数兆ユーロにのぼる詐欺の規則の下では、国家はECBを保証し、ECBは銀行に貸し出し、銀行は政府の負債を買い込み、政府は全ての者の保証をしている。
(アメリカも事情は変わらない:多くの者たちが、アメリカは巨大な詐欺を働いていると言っている。そしてアメリカとヨーロッパは支払不能の銀行の問題を偽りのストレステストでもってもみ消そうとしている)
そのようになる必要ななかったのだ。ヨーロッパの諸国は銀行のために犠牲になる必要はなかった。
ルビニは2月に書いている:「我々は銀行システムの損失を社会化することを決めていた」・・・
ルビニは更なる介入の試みはソブリン・デット問題を大きくするばかりだと考えている。彼は、「今はこういった諸国の救済をする超国家組織のIMF、EU、ユーロ圏が存在している」。超国家組織は国債を引き受けることで問題を集中化することになり問題のスケールを大きくしている。
ルビニは超国家組織の介入を単に缶をけり転がすだけのことだ、と説明している。彼は、「IMFやユーロ圏を救済するために、誰も火星や月から助けに来てくれる者はいない」と苦々しく語る。
しかし、国家レベルや超国家レベルでの負債の借り換えをしても、最終的には現実が立ちはだかる:「いずれそのうち、負債の再編が必要になる。銀行の債権者は清算されねばならない。でなければ、これら全ての負債を政府のバランス・シートに記載しなければならなくなる。政府は耐え切れずに支払い不能に陥るだろう」。
ここに4月の記録がある。
2008年12月に指摘したように、中央銀行間の取引を調整するために、BIS(国際決済銀行)はしばしば中央銀行の中央銀行と呼ばれる。
銀行救済パッケージは深刻なリスクを政府のバランス・シート上に移しているとBISは新しいレポートで指摘している。それが国家CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の拡大に比例して現れている。
銀行救済パッケージの大きさと拡がりは政府のバランス・シート上に深刻なリスクを移していることを意味する。これは民間の大銀行の救済ないしはアメリカを含む金融セクターのための広範囲な支援パッケージに関わる国家のCDSの市場にとりわけはっきりと示されている。こういったCDSは、支援パッケージの発表前にはわずかに取引されていたのだが、クレジットの保護のための要請が拡大したため突然、急速に拡大し、反対に金融セクターへの拡大は鈍化した。
つまり、有毒デリバティブを取引している銀行によるリスクの巨大さに鑑みて、また自分たちの保有しない兆という額を使うことで、各中央銀行は自国をデフォルトのリスクに晒したのだ。・・・
しかし、彼らには他の選択肢はなかった・・・そうではないか?
国家は自国の銀行を救済する以外の他の選択肢はなかったであろう、そうではないか?
実際そのように彼らはした。
有力なマネタリー・エコノミストはウォール・ストリート・ジャーナル誌に対して、これは流動性の危機ではなく、支払不能の危機だ、と語った。彼女は、バーナンキは最後の決戦をしている。そして彼はまずいやり方をしている(他の中央銀行と同様に)、と述べている。
ポール・クルーグマンとジェームズ・ガルブレイスはその見方に同意している。彼らは、誰も願わない有毒アセットの価格を引き上げようとする政府の試みは何にもならないと言っている。
BISは連邦準備銀行と他の中央銀行の影の銀行システムの規制の失敗、トリックと緩和策の使用という安易なクレジット・ポリシーを酷評した。そして、
1.市場での真の価格に見合うまでアセット価格を下がるに任せること
2.貯蓄率を上げること
3.各企業の不良債権を回収不能として帳消しにすること
以外のことは事態を悪化させるばかりだ、と語った。
住宅バブル問題を抱えているのはアメリカだけではないことを思い起こそう。世界の中央銀行は住宅バブルが膨らむままにさせていたのだ。2008年12月に以下のように書いた:・・・バブルはアメリカに限定されているわけではない。不動産バブルは世界的である。
実際、エコノミスト誌は2005年に、住宅不動産価格はこの10年間で「歴史的に最大のバブルだ」と書いている。エコノミスト誌は、当時では、先進国の居住用財産の総額は過去5年間で30兆ドル増加して70兆ドルになり、これらの国家のGDPを合せた額と同じ額上昇した、と指摘していた。
住宅バブルは今や中国、フランス、スペイン、アイルランド、イギリス、東ヨーロッパ、その他の多くの場所で、破裂しだしている。
そして商業用不動産のバブルもまた世界的に破裂しだしている。
BISはまた、救済は経済に悪影響を及ぼす(前FRB議長の公開市場操作で行った)と警告した。実際、救済は更に危ないことを煽るようになるモラル・ハザードの雰囲気を作り出した。ノーベル賞受賞者のジョージ・アケロフは1993年に、クレジット・デフォルト・スワップは大規模な破綻を招くこと、また未来の破綻は、事態がまずい方向に進んだ際には支払うことができないような賭けによって、そしてそういったギャンブラーたちを救済することで、巨大金融業者らが不正収得することを政府が阻止しない限りは、必ず起きると予見していた。
こういった真実はヨーロッパ同様アメリカでも当てはまることだ。中央銀行は間違ったことをしてきた。彼らは事態を何も改善していない。ただ単に有毒デリバティブとその他の金融爆弾を巨大銀行から国家に移転させただけなのだ。
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4月の軍事演習時の革命防衛隊の監視兵
◆11月25日
このブログでも紹介したように、イランは23日から大規模な軍事演習を始めている。特に防空演習に力を注ぐようだが、これは当然でイスラエルがイランの核施設並びに軍事施設を空爆で先制攻撃する可能性があるからだ。
この先制攻撃の論理が、「平和を守るための戦争」、ということだ。平和を守る為にも戦争をするのだから、結局平和はやってこない、という結論になるだろう。
この論理矛盾を攻撃する者たちは意に介さない。ようするに、問答無用で敵対勢力はことごとく破壊する、という意思だけが明瞭であることが分かる。
このイスラエルの病理については多少とも指摘してきたが、日本人の精神構造とやはり違うものであることを、我々は認めざるを得ないだろう。その病理の元にあるものの一つが「タルムード」の教えである。これについてもこのブログで何回か取り上げた。
このため、イランは世界最強の防空システムであるロシアのS-300を買い入れることにして支払まで済ませたのだが、ロシアのメドベージェフ大統領は最終的にこの契約を反故にしてしまった。それでイランは独自に防空システムを開発し、そのテストまでし終わったとしている。
限られた生存圏である地球環境内で、物質的に保障された生活を確保し、かつ拡大する物質的欲望を限りなく満足させようとすれば、どうしても衝突は避けられない。この問題の最終解決は、経済でも政治でもなく、哲学であり、宗教である。
今の経済の専門家や政治家らが、このような人間存在の根本問題にまで思考を及ぼし、あるレベルでもいいからその回答なり解決策なりを持ってことに当っていればいいのだが、そのような高度なレベルにある経済人も政治家も殆ど見当たらないのが現状だろう。
従ってここしばらくは物騒な世界が継続しそうである。
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●イランの最大級防空演習
http://www.reuters.com/article/idUSTRE6AF4P320101117
【11月24日 Global Research】
かつてなかったほどの最大級の防空演習と言われる軍事演習がイランで23日から始まった。これはアメリカとイスラエルがイランの核兵器保有阻止のための手段としての選択肢から除外していない空爆に対する防衛能力をテストするためのものである。
イランの英語サイトであるPressTVでは、この5日間にわたる軍事演習では核施設近郊で行われ、長距離ミサイルのテストも含まれるという。
11月20日、革命防衛隊司令官は陸上部隊は「実際の戦闘」のようにイランの核施設近くでの軍事演習を行ったことがある、と述べた。
欧米諸国では、イランの核計画は核兵器計画を覆い隠すためのものではないかと疑っている。
イランが核武装すれば自国の存続に対する脅威であると見るイスラエルと同盟国であるアメリカは、イランに対する先制攻撃の選択肢を除外していないが23日、ロバート・ゲイツ国防長官は軍事攻撃の選択肢に強く反対すると語った。
「大規模な軍事演習・・・はイラン領空と人口密集地ならびに核施設に対する脅威に対応する即応性を改善することだろう」とイラン領空への脅威に対処するアハマド・ミガニ空軍幕僚長は国営テレビ放送で語った。
軍事攻撃に対応する用意はできていることを示す為、イランは繰り返し軍事能力の進展状況を発表してきている。
欧米の軍事関係者の中には、イランが核兵器を運搬できる最新鋭のミサイルを開発したり公表されたミサイルテストを実施していると疑う者もいる。
これに対しイランはミサイル開発は防衛的な用途が目的である、と否定している。
今月初めイランは、ロシアのS-300ミサイルシステムの国産型を開発し、まもなくそのテストを行うと語った。
ロシアは今年6月、国連の制裁を支持し、イスラエルとアメリカの執拗なロビー活動を受けた後、イランにS-300を引き渡すことを拒否した。
このS-300は移動型長距離防空システムで、大陸間弾道弾ミサイル、巡航ミサイル、低空飛行航空機を捕捉し追尾し破壊することができる。
イランはウラン濃縮作業を停止しないことで国際的制裁を何回か受けてきている。ウランは原子力発電所の燃料になるよう濃縮することができ、更に高度に濃縮作業を進めれば核爆弾を製造できるまでになる。
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財政赤字で犠牲にされるのは?
◆11月23日
アメリカの経済が崩壊しそうだが、それでも銀行や投資グループなどは儲けている。貧困に陥っているのは下流・中流ばかりなのは、結局富豪たちのいいように、国の財政が動かされているからと言える。
やはり金の世の中なのだ。このような構造がある限りどの国も骨の髄までしゃぶられる層とあらゆる富と権力を手中にする者たちと、格差がますます拡大し、最終的には主人と奴隷のような関係にまで行ってしまう。
しかし、今の時代、目覚めだしている者たちも増えている。そしてこの世の支配者の立場にいる国際金融勢力のインナーサークルの者たちのわが世の春を謳歌する者たちの足元から、知られざる動きが始まっている。そして彼らはこのような世界がそう長くは続かないということを近い将来、思い知らされる時がくるだろう。
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●財政赤字の背後にいる者たち
http://www.workerscompass.org/
【11月21日 by Shamus Cooke】
アメリカからヨーロッパに至るまで、メディアや政治家らは同じ調子で物を言っている:「世界的な投資家らが経済を脅かすことのないように、財政赤字は社会保障プログラムをカットして即座に削減されねばならない」
「テロとの戦争」が発表されてから、政治は混乱と答えの出ない問題に覆われてきた。我々はいかにアメリカの外交政策が中東の何百万人もの人々の怒りを買ってきているかを問いただすことがないように、今の「財政赤字」の背後の歴史について問いただすことがないにちがいない。
赤字危機の問題を話すというと、メディアと政治家らはもっぱら社会保障とメディケアーに焦点をあてようとする。その反面、複数の戦争を進めていることから発生する巨大な国防費、富裕層に対する極端に寛大な税金のカット、法人税が減り続けているという、より重要な原因を無視している。そして、これらの要素に加えて、企業に依存するエコノミスト誌が異例であるが、いかにリセッションが始まる直前に銀行の救済が原因で負債が爆発したかということを示した。
「銀行の救済のために財産をつかい、欧米の政府はその値として負債の利子を高い税をかけることで賄うことを余儀なくさせられるだろう。英米のような貿易・財政赤字の国家では、外国の債権者の要求に応じる為に高い税金が必要になる」(2009年5月23日)
しかし労働者が社会保障プログラムを犠牲にしなければならないという、この債権者とは一体誰なのか? メディアは我々が中国あるいはその他の外国の投資家らに注目して欲しいようだ。しかしいつものことだが、敵は自宅近くにいるのだ。
米国債の最大の保有者は連邦準備銀行(FRB)だ。アメリカ政府に貸し付けたFRBの金の量は、グレート・リセッションの期間中に急激に増えた。AIG、ベアスターンズ、その他の企業・銀行などの救済のための少なからざる資金のためだ。今日では、連邦準備銀行がウォール街のろくでもない銀行が抱える有毒債権を保証するために浪費した金額は国家機密となっているが、うわさでは数兆ドルになると言われている。
米国債の2番目に大きな保有者は、アメリカの企業、超富豪たち、そしてその他の金持ち投資家グループだ。
リスクのある株式市場から撤退しより安全な米国債にシフトして、このグループはリセッションが始まってから大きくなった。
ニューヨーク・タイムズ紙は以下のように説明している:債券の取引をしている者たちは、大きすぎる銀行は潰せないように、どんなにその財政が危なっかしく見えたとしても国家経済もまた同様に潰せないだろうと考えたので、世界的な流動性資金の波をうまく利用して、世界中で国債を買ったのだ。(2009年12月14日号)
簡単に言えば、銀行を所有しアメリカ政府によって救済された富裕な人々は、その救済資金の多くを米国債の購入に使用したのだ。そして納税者による資金での彼らの投資が、社会保障プログラムを大幅に削減させることで安全になるよう要請しているのだ。
これを実現させるために、社会保障とメディケアーはオバマ大統領の財政赤字委員会の標的となっている。アラン・グリーンスパン元FRB議長は最近、オバマ氏の財政赤字委員会の推奨することは避けがたいと述べた。
「唯一つの問題は、それは債券市場危機の前か後かということだ。なぜかといえば、その他の選択肢はないからだ」(2010年11月14日:ロイター)
確かに他の選択肢は存在する:実際、選択肢は多い。富裕な債券保有者ならびにその他の金持ち連中に対する税金を劇的に増やすこと。この選択肢については、オバマ大統領がブッシュの富裕層に対する税金カット政策を元に戻すと約束したことをさっさと反故にしたように、連邦政府の誰も議論をしないということは驚くべきことだ。
アメリカの赤字についての全ての話は、オバマ大統領と民主党のプライオリティーは、ブッシュ大統領と共和党のそれと同じで、富裕層をまずもって優遇し、労働者らは最後、ということ。
財政赤字危機に対し労働者に有利な解決策のための戦いに、労働者ならびに地域社会のグループが大規模に労働者を動員することなしには、社会保障制度やメディケアーの削減といった厳しい政策が我々に対して強制されることになるだろう。
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イランの防空ミサイルシステム
◆11月21日
イランは首都テヘランに対する巡航ミサイルでの攻撃に対処しうるという防空システムの実験に成功したということだ。
念願だったS-300の引渡しをロシアが拒否したため、その代替のシステムを独自に開発した、ということのようだ。
以前から、イランはそのことを指摘してきたから、それが今実現した、ということなのだろう。勿論イラン側の主張そのものの信憑性は分からない。しかし巡航ミサイルは速度は速くないから、彼らの工夫でそのようなミサイルを撃墜するシステムが開発されたとしても、そんなにおかしくはないだろう。
アメリカも中間選挙で民主党が敗北し共和党との協調が必要な情勢となってきたので、イランに対する「軍事的選択肢」が現実味を帯びてきている。またイスラエルはイランの核能力獲得時期のタイム・リミットを常に問題視してきている。従って、両者の緊張は高まりこそすれ、沈静化には程遠い。世界はまだ暫くは危ない橋を渡る期間があるようだ。
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●イラン防衛:巡航ミサイル攻撃に対応
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5gdF21zptxLmrmasQIwmw9eY8m7tg?docId=CNG.df2a4d2f00f0c5f1a1eb1fddae867df7.2b1
【11月19日 AFP】
イランの軍最高将官は19日、イランが巡航ミサイル攻撃に対する防空システムで守られていると語り、イランの核計画に対しての攻撃に対する警告を発した。
「テヘランは巡航ミサイルに対する攻撃に対して防空システムによって守られている世界でも稀な都市である」と、アミル・アリ・ハジザデ革命防衛隊航空師団長が語ったとファース・アンド・メール通信は伝えた。
師団長はこの防衛システムについて詳細は語らなかったが、今週の軍事演習の期間中にテストされた、と語った。
「敵国に使用されている基地は敵と見なしイラン戦闘機のの標的である。アメリカに基地を提供している諸国は注意深く考慮するべきであろう」と彼は警告した。
イスラエルとアメリカはイランが強く否定している核兵器獲得を阻止するため軍事攻撃の選択肢を排除していない。
反対にイラン将官らは繰り返し、いかなる攻撃があろうとそれを破砕すると警告してきた。
イランは18日、ロシアがS-300の契約を無効にした後、ソ連時代のミサイルの改良版の発射実験を「成功裏」になし終えたと発表した。
●改良型FM-80とラピアミサイルの発射実験に成功
http://www.tehrantimes.com/index_View.asp?code=230608
【11月20日 Tehran Times】
イランは新型FM-80とラピアミサイルの発射実験に成功した。これらのミサイルはイラン内で改良されたものだと19日、ハミド・アルジャンギ陸軍准将が語った。
イランは18日、「ベラヤト3の防空」と名づけた、防衛能力改良を目指した5日間に渡る全国的防空演習を開始した。
この軍事演習のスポークスパーソンのアルジャンギ准将は、二つのミサイルは電子光学装置とレーザー距離測定器が装備されている、と語った。
「これらのミサイルはいかなる電子的ジャミングにも影響されず、1万フィート離れた標的をヒットすることができる」、と語った。
18日発射実験されたメルサド中距離ミサイルについては、いかなる最新型航空機が低空ないしは高空で侵入してきても捕捉し破壊することができる、と語った。新世代メルサドミサイルは電子戦争にも使用できる、とアルジャンギ准将は語った。
准将はどこでも、「19日には、特殊な対巡航ミサイルシステムが配備されることになる」と語っていた。更に加えて、19日には、模擬の軍用機を対空砲が成功裏に打ち落とした、と語った。
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ユーロ圏の崩壊?
◆11月18日
アメリカだけでなく、ヨーロッパもまた通貨危機の中にある。2008年のリーマンショック以来、問題は解決はされていない、ということだろう。アメリカの問題と同じように金融問題から、ヨーロッパの統合そのものが崩壊しそうになっている。
この世界を支配せんとする勢力は、金の力で世界を支配しようとしてきたのだが、自分たちの基盤となるその金がで自分たちのコントロールを離れていきそうになっている。しかもその金もコンピューター上の数字であり、実体を伴ったものでなくなりつつある。
以下で語られているような金額以外のデリバティブで動かされている金が兆を越えて京の単位で存在しているが、ヨーロッパとアメリカの経済が崩壊したら、それらデリバティブの京の金が吹っ飛ぶことになるだろう。その場合、世界経済は動きを止めざるを得なくなるだろう。
通貨が通用しなくなる瞬間が来ようとしているのかもしれない。これは有史以来といってもいいのかもしれないほどの、世界史的な大変動である。これが何を意味するのかを理解している人類はまだ数少ないのではないだろうか?
事態がここまで来ると、経済・政治分野だけでの「世界理解」では済まなくなるだろう。「人類の存在」、という課題に迫る必要が出てこざるを得ない。つまり問題はそのような、存在論的、哲学的範疇に入り込むのだ。いや宗教的範疇と言っていいだろう。
「地上」にこの大混乱が始まろうとしているのであるから、当然「天上」でもその原因となる大混乱が始まっていておかしくはない。上にあるごとく下にも・・・エメラルド・タブレットの言っているように。
これからは、このブログでもその方面の情報も必要になりそうだ。
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●ヨーロッパ通貨危機:盲目的に1931年の事態に向かっている
http://www.telegraph.co.uk/finance/comment/ambroseevans_pritchard/8132689/Europe-stumbles-blindly-towards-its-1931-moment.html
【11月16日 by Ambrose Evant-Pritchard】
アメリカの連邦準備銀行ではなくヨーロッパ中央銀行こそが政府負債を買い上げるために紙幣の大量印刷を必要としている。
ヨーロッパ中央銀行(ECB)がすばやい劇的な動きをしなければ、通貨の崩壊の危険があり、それは政治的な災害をヨーロッパで引き起こすことになる。
もし失敗すれば、アイルランドはいとも簡単にクレジットアンスタルト銀行の国家版になりうるだろう。このオーストリアの銀行は1931年にヨーロッパの金融システムを崩壊させた。
「ヨーロッパ中央銀行は伝染という概念を理解しているのだろうか?」とロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)の主席ヨーロッパ・エコノミストのジャック・カイユ(Jacques Cailloux)は疑問を呈する。経済通貨統合(EMU)の三つの国は資本市場から締め出されている。また外国人債権者らは、スペイン、ポルトガル、ギリシャの債券を2兆ドル抱えている。
「もしもそれでは金融危機の伝染を心配するには不十分だと言うのだろうか?ECBの動きが足りないので、金融の安定を図るという使命をこなしているのかという疑問を呼び起こす」とカイユは語る。これは控えめな言い方だ。
ユーロ圏の財政基金(欧州金融安定ファシリティー)には致命的な欠陥がある。アルピニストがロープでお互いを結び合っているように、数が減少し続けている支払い能力のある核となる国々が、増え続ける支払い能力のない国々の重みを支えねばならないのだ。これでは政治的な信頼性に欠けるし、どうもそうなりそうなのだが、アイルランドが支援を要請させられたら、破綻するものかどうか試されるだろう。その時は、本当にイベリア半島から連鎖反応が始まる。
ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領が、この微妙な時期に、国家破綻の幽霊と債券所有者のヘアカット(担保の掛け目)に言及したことは重大な間違いだ。
そのような話は高負債国家から投資家が逃げ出すようにさせてしまうという、ECBのジャン・クロード・トリシェ総裁の警告を無視するものだ。
EUの指導者らはそれ以降、ダメージを払拭しようとして政策の変更は現行の債券には「なんら影響はない」と主張して下手な工作をした。それは新しい救済メカニズムの下で2013年中期後に実施されるものだ。誰もそのような区別で騙されはしない。
「これはとんでもない自殺的無責任とこっけいな思考錯乱のごった煮だ」とユニクレジット銀行のマルコ・アヌンツィアータは語った。
「2013年までに、もしもギリシャやアイルランド、ポルトガルなどの国が、未だに不安定な状態にあれば、どんな債券も法外な利回りを背負うことになるだろう。そうなればEUは充分で際限のない救済措置を施すか、既存の債務は再編されないという約束を破る、という両者の間で選択しなければならなくなるだろう。ドイツ人有権者は放蕩息子のような隣人らを助ける為に高い税金を甘んじて認めるだろうか?」と彼は語った。
5月、EUにとってはヨーロ圏の債務者のためにIMFと共に7500億ユーロのセフティ・ネットを宣言すれば充分だった。ボンドのスプレッドは縮小した。ドイツの第2四半期9%の成長による経済生産高の急上昇はEUのエリートたちに通貨統合は火責めの中を生き残った、と嬉しがらせた。実際はそうではなかったのだ。今回は実際の資金を出さねばならない。
アイルランドにとっては残念だが、事態はコントロールできなくなりつつある。アイルランドの輸出産業の、医薬、医療機器、IT、そして裏工作などが急降下する経済状況から国を救い出す時間があった以前から、信頼は喪失していた。
今年GDPの32%となる赤字をやりくりしたブライアン・コーウェン首相はまだ救済は必要ないと主張している。「我々は7月までは充分な資金がある」と言っていた。コーウェン氏は、それでは充分ではない、ということを知らねばならない。アイルランドの銀行の資金はなくなってしまい、それと共にアイルランドの会社の資金もなくなった。
EU救済措置についての「テクニカル」な話が水面下で進んでいるという、リークされた話から知るように、これはアイルランドが 800億から850億ユーロの救済をEFSF(欧州金融安定ファシリティー)に要請せざるを得なくなるのは、数日から数週間の話かもしれないのだ、とバークレイズ・キャピタルは言っている。
ポルトガルはアイルランドより更に悪い状況だ。負債総額はGDPの330%である。現在の赤字はGDPの12%(アイルランドは黒字になりつつある)。ポルトガル銀行は外国のホールセールファンディングでアセットの40%をカバーしようとしている。
ポルトガルはここ10年ほど、その過大評価されている通貨によって恒久的スランプ状態に陥っている。継続的な緊縮政策を行っても、財政赤字を恒常的に減らすことに失敗し、社会主義勢力の権威を削ぎ、極左勢力を復活させるには充分であった。
元大臣らは既にEU-IMFの救済の必要性を自由に語っている。アイルランドと一緒になって破綻の渦の中に引き込まれることを避けるのは困難であろうと見られている。そうなるとヨーロッパとIMFは累積する2000億ユーロの救済資金の請求書に直面することになる。これはEFSFの能力の限界だ。
この問題は即座にスペインにシフトするだろう。スペインでは経済成長は第3四半期でゼロ成長のままだ。10月の車販売数は38%下落し、公務員給与の5%カットが必要で、不動産市場では売れ残った住宅が約100万件ある。問題は、スペインという国家ではない:アキレス腱はGDPの137%になる企業債務であり、四半期ごとに繰り越される外国債務者に対する負債である。
危機であることははっきりしている。核となる経済通貨同盟(EMU)諸国が、救済資金の担保を支えるための新規の資金を集めることをしなければ、市場はEFSFがスペインを支える力を持っているとは見ないだろう。ドイツの連邦議会は更なる資金援助に賛成票を投じるだろうか? 右派のゲールト・ヴィルダーズがポリティカル・バランスを保持しているオランダの議会は、そのような支援に反対しているし、そのような危機を権力の拡大に利用するかもしれない。
もしイタリアがアイルランドとポルトガル、スペイン支援の3分の1を請け負うよう迫られたら何が起きるか分からない。イタリアの公的債務は危険領域に迫るGDPの115%である。これは日本、アメリカに次ぐ世界で3番目に大きい額である。フランスの銀行もイタリアの負債に対し4760億ドルのエクスポージャーを抱えている。
イタリアは支出に対し厳しい姿勢で臨んできたが、状態は良くない。成長は止まったままだ:工業生産高は9月2.1%下落し、ベルスコニ政権は崩壊しつつある。4人の閣僚は22日に辞職する予定だ。
今となっては、IMFスタイルの緊縮財政とデットデフレーションはヨーロッパ周辺国の高負債国家にとっては効果的ではない政策であることははっきりしている。それは平価切下げによるIMFの救済によっては相殺されないからである。税収の崩壊は財政赤字が高めに留まる原因となっている。実際の負債額は高まっている。
ヨーロッパ中央銀行(ECB)は最後の防衛ラインだ。アイルランド債を購入することでいつでもアイルランドの危機を阻止することができる。しかし、通貨同盟を守る為になんでもする代わりに、銀行は緊急オペレーションをやらわげ資金を回収している。2008年7月の危機の際、金利を上げることで失敗した政策を繰り返す過ちを冒している。
ECBは既にアイルランドと地中海クラブを、地方銀行への際限のない貸し出しで支えている。その資金は内部の「キャリートレード」で彼らの政府負債に向けられる。それにECBは当然のことながら、財政赤字に資金提供することで、通貨政策が財政政策になる決定的なラインを超えることには慎重である。
ドイツ連邦銀行のアクセル・ウェーバー総裁は、この状態ではドイツと大債務者とが和解することは不可能だと堂々と結論づけるかもしれない。もしもECBが南方の負債国を支える為に必要とされる通貨を印刷すれば、ドイツのインフレを相殺するかもしれないし、通貨同盟に対するドイツの信頼を損なうことになるかもしれない。そしておそらくはドイツの憲法裁判所と衝突するかもしれない。もしも経済通貨同盟が分裂するとなると、それはゲルマン方式でなされるのだろう。
こういった全ては理解できるが、メルケル首相はECBの職員らにドイツの半世紀にわたるヨーロッパの戦後秩序への投資を無に帰さしめ、神々のたそがれの国を危機に追いやるだろうか?
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