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イランVSイスラエル

◆10月30日

 一昨日のブログでトルコのエルドアン首相が、欧米寄りからアラブ・イスラムよりになりつつあることを指摘した。そしてイランはトルコの友人である、とエルドアン首相の声明の発表について指摘した。

中東問題とはイスラエル問題であり、その中心にあるのはイスラエルの核兵器である。これがあるからイスラエルは傍若無人の振る舞いをほしいままにできるし、また実際そのように行動してきた。このようなイスラエルに対して欧米が何もいえなかったのは、イスラエル・ロビーという金と脅しで口をふさぐ組織的活動があったからであり、欧米のメディアがユダヤ勢力の強い影響下にあるからだ。

 しかしイスラエルの去年の12月末から今年1月半ばまでのガザ侵攻で、そのあまりのひどさにトルコがとうとう堪忍袋の緒を切らした。そして昨日のブログで指摘したように、トルコ首相はイランはトルコの友人である、と宣言し欧米寄りだったスタンスをすっかりイスラムの同胞に向けるようになった。

 アハメドネジャド・イラン大統領はイランの核計画はイスラエルが核兵器保有を止めねば継続すると述べた。つまりイスラエルの核を問題にせよ、ということを国際社会に向かって発言したわけだ。
 勿論世界のユダヤ系メディアはあまり取り上げたくない発言であろう。しかしそれこそが中東問題の核心部分であるから、これを問題視するようにしなければならないはずである。

 今回イランはIAEAが提案した、ウラン濃縮をイラン国外で行うという話にある程度の変更を加えた形で、了承する姿勢を示した。こうなると、このウラン濃縮問題が収まってくる傾向が強まる。

 勿論それが望ましいことであるが、イスラエルを敵視するイランをどうしても叩いておきたいイスラエルはそんなことで、この問題を終わらせたくはないであろう。CIAなどと連携しながら、また何か企みをもって工作活動を活発化させるものと考えられる。

 
 
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イランはイスラエルが核兵器を持つ限り核計画を維持する
http://jta.org/news/article/2009/10/27/1008752/ahmadinejad-iran-will-keep-nukes-as-long-as-israel-does
【10月27日 JTA】
 イランはイスラエルが核兵器を保持し続ける限り自国の核計画を継続するだろう、とマフムド・アハメドネジャド大統領は語った。
 イラン大統領は27日、トルコのエルドアン首相との会合の席で上記の発言を行ったと、ISNR通信が伝えた。
 「不正な政権が核兵器を所有する時、他の国々は平和的な核エネルギーの権利は誰も否定できない」とイラン大統領が語ったと、ISNR通信が伝えた。
 イスラエルは広く核兵器を所有していると信じられているが、自身は核兵器を所有しているとは確認していない。
 「シオニスト政権は全ての国に対する脅威となっている。またイスラエルは中東地域を強い国の自由にさせることを願っている」とアハメドネジャド氏はエルドアン首相に語ったと通信は伝えた。
 「今日、ガザに投入された軍事力ではまた充分ではなく、彼らは今や聖なるエルサレムを攻撃している」
 アハメドネジャド大統領は諸国に対し、共に立ち上がり地域の「脅威」に立ち向かうべきだ、と語った。
 この両者の会談は、国連の査察団が、以前は知られていなかったウラン濃縮施設訪ねた時、またトルコが先の軍事演習をイスラエルの参加のためにキャンサルした2週間後になされた。


イラン、IAEAにウラン国外搬送案の修正要求=国内メディア
【10月30日 ロイター】
 イランの国内メディアによると、同国政府は29日、国際原子力機関(IAEA)が提案した低濃縮ウラン(LEU)の国外搬出計画の草案について修正を求める回答をした。
 米国、フランス、ロシアは、イランが保有するLEUの大半を国外に搬送して一括加工するというIAEAの提案に合意しているが、イランはこの提案の根幹にかかわる修正を求めているとみられる。
 イランの日刊紙ジャバンは情報源を明らかにせずに、政府がLEUの国外搬送を一度に行うのでなく、段階的な輸送を要求しているほか、テヘランの実験炉向けの核燃料を同時に受け取ることも求めていると伝えた。
 これについて、ウィーンの西側外交官は「もしイランが言われてるような姿勢なら、IAEAは行き詰るだろう」と話した。
 IAEA案は、現在保有が明らかになっているイランのLEU1.5トンの約75%を年末までにロシアに搬送して濃縮率を高め、それをフランスに輸送して燃料棒に加工、その後医療用研究炉に使用するためイランに戻す計画が盛り込まれている。

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エクアドルのラファエル・コレア大統領

◆10月29日

 南アメリカにロシアが接近して、武器の供給などの協力関係を強化している。またその見返りにロシアは昨年のグルジアとの戦争で、グルジアから分離独立した南オセチアとアブハジアの独立承認を要請している。
 かつては南アメリカはアメリカ合衆国の裏庭と言われていたが、近年は多くの諸国がアメリカと距離を置き始め、その間隙をぬって、ロシアや中国が接近している。
 一方ではアメリカがユーラシア大陸でロシアに対する包囲網を築きつつあるが、ロシアはロシアでアメリカの裏庭にその勢力を拡大しつつある。これに中国が絡み、複雑な情勢を生み出している。
 
 
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エクアドル:コロンビアの米軍に対抗しロシアと連携
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=15857
【10月27日 Global Research】
 ラファエル・コレア・エクアドル大統領は、兵器購入のためモスクワを訪問するが、ロシアはアブハジアと南オセチアの独立を承認する話をすることを期待している。
 「我々はわが軍の能力を復活させる必要がある」とコレア大統領は語った。大統領はハビエル・ポンス国防大臣を随行させている。

 エクアドルは今年の3月に外交関係を断絶させたコロンビアが米軍に自国基地を使用させるという決定をしたため警戒を強めている。
 エクアドル高官は先週から始まっているMi-17 Hip多目的ヘリコプターの供給に関する契約に署名する計画でいると、ロシア国営兵器輸出業のロスボロネクスポートの代表者は語った。

 しかしながら、ロシアはエクアドルがその他の契約もすることを期待している。ロシアはSu-30MK2フランカー多目的戦闘機6機、ヘリコプター数機、防空システムを供給することができるとロシア技術の筋は述べている。これでエクアドルへの軍事的協力の額は2億ドルになる。

 その見返りに、ロシアはエクアドルがアブハジアと南オセチアの独立を承認することを期待している。ロシア外務省筋は、エクアドルは大統領のロシア訪問時に独立承認を発表するつもりでいる、と非公式に約束していると語った。

 南オセチナのムラト・ジオエフ外務大臣は、エクアドルとボリビアが独立承認してくれることを強く期待している、と語った。

 好意的な反応が南アメリカ諸国から出ているとアブハジアのマキシム・グビンジア外務審議官は語った。「ニカラグアとベネズエラの承認に続いて、その他のALBA諸国もゆくゆくは承認するだろう」と語った。

 我らのアメリカ人民のためのボリバリア同盟(ALBA)は、国際的協力機構で、ベネズエラ、キューバ、ボリビア、ニカラグア、エクアドル、ホンジュラス、セイント・ヴィンセント、グレナダ、アンチグア・バーブーダで構成されている。

 ニカラグアのダニエル・オルテガ大統領は、グルジアから分離した二つの国の独立を2008年9月承認し、12月にはロシアはニカラグアに10億ドルのローンを供与した。
 ベネズエラは今年9月にウゴ・チャベス大統領がロシアを訪問し、アブハジアと南オセチナの独立を承認した時、22億ドルのローンをロシア製兵器の購入で組んだ。
 しかしグビンジア氏は、チャベス氏が2008年9月にモスクワを訪問し、ベネズエラに10億ドルのローンが組まれた時は、チャベス氏は二つの国の独立は承認していないことを思い起こしている。

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トルコのエルドアン首相

◆10月28日

 トルコのスタンスが変化してきていることをこのブログで指摘してきた。特にイスラエルのガザ侵攻以来、その変化は顕著だ。しかしおそらくそれが唯一の原因ではないだろう。トルコの民衆はイスラム教徒だが、近代トルコはアタチュルクの世俗主義というものを標榜して建国を進めてきた。そして欧米に近づきNATOばかりかEUにも加盟しようと努力してきた。
 
 しかし近年の特にアメリカのブッシュ政権等に見られる無茶な戦争への姿勢、それもイスラエルの国益を正面にすえた資源絡みのアラブ・イスラム叩きの姿勢に徐々に今までの路線に対する姿勢の変更の必要性を感じていたはずだ。

 そして決定的には、イスラエルの去年から今年の冬におけるガザ侵攻とそこにおける人道にもとる戦争犯罪を伴う蛮行のかずかずに直面したことだろう。同じイスラム教徒として看過できない、と断固それを非難する行動に出た。
  
 このような流れは当然、いわれのない欧米からの非難を受けているイランに対する姿勢に現れている。ペルシャ人とトルコ人という違いはあるが、同じイスラム教徒として同胞意識をもって接することに違和感はない。

 トルコとイランも中東の大国である。この二つの中東の大国が連携することで、中東におけるイスラエルの地位は格段に狭められた。
 このブログで指摘してきたように、イスラエルの行く道はますます狭められつつあり、彼らの最終的到達地は、1967年の第3次中東戦争以前の国境線にまで撤退をすることにある
 今、その最終地点に追い込まれつつある、とイスラエルは認識すべきだろう。またそれしか、イスラエル自身が生き延びる道はない。


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トルコのエルドアン首相:イランはわれらの友人だ
http://www.guardian.co.uk/world/2009/oct/26/turkey-iran1
我々はイランと何の問題もない
ヨーロッパに対し、トルコを侮るなと警告
【10月26日 The Guardian】
 そのすばらしい眺めとオスマン・トルコ時代の宮殿と共に、ボスポラスの海嶺は、イスタンブールを二つに分け、ヨーロッパとアジアを分け隔てる戦略的水路であり、敵と味方を識別し、どこに自国の国益が存するかということを明確にする最良の場所だろう。
 そして東西を結ぶ架け橋と長いこと見なされてきたトルコの役割のシンボルである、この海峡の横にある立派な彼の本拠に座って、エルドアン・トルコ首相は誰が一体友人で、誰がそうでないのか、迷いはなかった。

 マフムド・アハメドネジャド、イランの急進的な大統領の激しい語り口は欧米諸国から嫌われている。「彼が我々の友人であることに間違いない」とエルドアン首相は言った。「友人として、我々は大変良好な関係を持っていて何の問題もない」

 フランス大統領のニコラス・サルコジはどうだろう。トルコがEUに加盟しようとすることに対し、ヨーロッパを率いて反対したし、同時にイランの核計画に対しけんか腰の論調で非難した。友人ではない?
 「ヨーロッパ諸国の指導者の中で、フランスやドイツのようにトルコに対する偏見を持つ国がある。シラク氏の下では我々はフランスとすばらしい関係を持っていたし、彼はトルコに対し大変好意的だった。しかしサルコジ氏になってから、調子は変わった。それはアンフェアーな姿勢だ。ヨーロッパ連合(EU)は自らの規則を破っている。
 EUにいて、我々は15億人のイスラム世界と非イスラム世界とを結ぶ架け橋になる。彼らをこの点を見るべきだ。もし彼らがそれを無視すればEUを弱体化せしめるだろう」

 宗教的神政主義のイランに対し友好的であるが、尊大で世俗的であるヨーロッパにはそれを腹立たしく感じている:これがトルコの意見の分裂を分かりやすく表す見方だ。
 エルドアンのアハメドネジャドに対する友好的姿勢は、トルコをNATO内部に根付いている欧米志向の民主主義国家と見ている者たちのいくらかをびっくりさせたことだろう。トルコはNATOに1952年に加盟しているが、エルドアン首相の世俗派の国内の批判者にとっては驚くことではないだろう。首相の心情は東洋に向かっていて、彼のイスラム教を基礎にしている公正発展党(AKP)政府がトルコをイランと似た宗教国家に変えるのではと疑惑の目で見ていたからだ。

 エルドアンはその宗教国家という点に関してはきっぱり否定しているが、彼の批判者から見ると、エルドアンとアハメドネジャドは同類なのだ。身分の低い出であるが、敬虔な宗教的保守派で、大衆の支持を分かりやすい言葉で獲得している。6月に行われたイランでの大統領選挙の後、エルドアンとアブドゥラ・ガル・トルコ大統領は、アハメドネジャドにお祝いの電話を最初に入れた外国の指導者となった。
 ガーディアン紙に対し、エルドアンはこのことを「二国家間で必要な事だ」と言った。「アハメドネジャドは勝利者と宣言した。公式的にではないが投票数は大きく差をつけていた。そして我々は彼と以前からの知り合いなのだからお祝いを述べたのだ」と述べた。
 「後で、彼が選出されたことは公式に発表された。彼は信任を受けたのだ。我々はこのようなことに特別な注意を払う。これは我々の外交政策の基本原則だ」

 この姿勢は、トルコがイランの天然ガスを必要としている件を含む商業関係に関する会談をアハメドネジャド氏とイランの最高指導者のアヤトラ・ハメネイ師とするため、エルドアン首相が、テヘランに到着した時のそぶりに見られたのが思い起こされる。アハメドネジャド大統領は、エルドアン首相を賛美し、今年の冬のイスラエルのガザ攻撃に抗議して、トルコでのNATO演習にイスラエルが参加することをトルコが拒否する決定を行ったことを賞賛した。

 選挙以来、イランは激しい反対派の取り締まりと、その結果として、活動家、学生、ジャーナリストらの逮捕と公開裁判を経験した。拘留者は刑務所で死亡したものもいる。また拷問や暴行があったとも言われている。
 しかしエルドアン首相は選挙後の取り締まりに関してはイランの国内問題だということで言及しないと述べた。
 彼はイランが核兵器を求めているという欧米の非難に対し冷や水を浴びせた。「イランは兵器を製造しているという言いがかりは受け付けない。エネルギーを獲得するためにのみ原子力を使用しようとしているのだ」と語った。

 エルドアン首相は、以前はぎくしゃくしていたイランとトルコの関係を劇的に改善するよう動いた。その点をトルコ軍の世俗派の指導部は疑惑の目で見ている。
 両国の間の貿易は、イランがトルコの主要な輸出相手になったから昨年推定55億ポンドであった。エルドアン首相の見解は、アメリカの外交政策作成者らの注意を引いた。公正発展党のことを彼らは穏健イスラムの親欧米のモデルと見ていた。これをイスラム諸国に適用させうると考えたのだ。
 彼らはまた、オバマ大統領がアメリカに招待したエルドアン首相が、トルコの戦略的重要性を指摘するのを発見することだろう。彼らは、エルドアン首相がイスラエルを批判すればトルコとアメリカの関係が傷つくだろうと警告したイスラエルを感動させるようなことにはならないだろう。

 エルドアン首相は、この見方を退けた。「そのような可能性があるとは思えない。アメリカのこの地域における政策は、イスラエルによって命令されているわけではない」と語った。
 彼はトルコ・イスラエル戦略的同盟関係は、AKPのメンバーの中には個人的見解として、既に終了した、と言う者もいるが、生きていると主張したが、イスラエルのアビグドール・リーバーマン外相が、ガザに核兵器を使用すると脅したことに対し、それをたしなめている。

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ポール・クレイグ・ロバーツ氏

◆10月27日

 次の危機、つまり二番底が言われている。ゴールドマン・サックスの巨額ボーナスのニュースを聞いて、何も変わっていないと、良識ある者たちは思っている。
 レーガン政権で1981年から1982年にかけて、財務次官補を務めたポール・クレイグ・ロバーツ氏が、アメリカ政府の中味と政策は2008年の金融危機以来も変わっていないから、次の危機は避けがたいと語っている。

 アメリカはいつ目覚めるのか、それともオバマ大統領はすべてを知っているが、一旦アメリカの今のシステム、連邦準備制度という民間銀行がアメリカの金融経済を牛耳る構造を破綻させるために、行き着くところまで行こうとしているのであろうか?


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次の危機に準備はできているか?
http://www.prisonplanet.com/are-you-ready-for-the-next-crisis.html#
【10月26日 Paul Craig Roberts】
 アメリカが破綻国家である証拠は私が記録するより早く積みあがっている。
 破綻国家の顕著な特徴は、ペテン師どもが政府の中にいて、政府を使って自らの利益を上げようとしていることだ
 もう一つは、他人の犠牲でもって自らの富をふやす目的のために経済政策を操作するインサイダーのため所得の不均等が増大していることだ。

 アメリカの所得の不均等は他国と比べても突出している。2008年のOECDレポート、「OECD諸国における所得配分と貧困」によればは、アメリカは不均等では最高の位置にあり、貧困率はOECD諸国で2000年以来、アメリカほどの激しい所得の不均等のある国はない。

 OECDは、アメリカでは、富の配分が所得配分以上に不均等となっている、と言っている。
 2009年10月21日、ビジネス・ウィーク誌は、UNDP(国連開発計画)がアメリカは最悪の所得配分国家の中で3位にある、と結論を出している、と報じた。1位は香港、2位はシンガポールだ。これらは本質的には都市国家であり、通常の国とはいささか異なる。アメリカは所得の分配では最悪の不均等国家という恥ずかしい地位にある。

 21世紀におけるアメリカの所得の不均等は、アメリカの仕事の海外移転と時を一にしている。これで会社の重役たちは「業績ボーナス」で豊かになったが、中流階級は貧困化し、また無秩序な店頭デリバティブの急速な拡大で、ウォール街と金融セクターがその他の人々の犠牲でもって富をかき集めた。

 銀行家らの招来せしめたデリバティブ危機での政府の救済策による負債の尻拭いをしつつ、数百万人のアメリカ人が自宅を失い、退職後の蓄えの半分を失った。
 フロントラインの10月21日の放送「警告」では、グリーン・スパン連邦準備理事会議長、ロバート・ルービンン財務長官、ラリー・サマーズ財務副長官、アーサー・レビット米国証券取引委員会議長たちが、米国商品先物取引委員会(CFTC)会長のブルークスレイ・ボーン氏の法令による義務である店頭デリバティブ規制への動きをどのように封じ込めたかを報じている。

 米国歴史上の最悪の金融危機の発生後、ブルークスレイ・ボーン氏が述べたように、不祥事を起こしたアラン・グリーンスパンは退職の身ながら呼び出され、議会でデリバティブに対する規制が必要ないと明瞭に確約したことの説明を求められた。
 グリーンスパンは議会に対し、デリバティブへの規制は有害になりかねない、とまで語ったのだ。哀れなグリーンスパンは、彼の依存した自由市場論には欠陥があったということを認めるべきなのだ。

 グリーンスパンはわが国を彼の自由市場論に賭けたのかもしれないが、ルービンとサマーズはデリバティブがウォール街にもたらした、詐欺による巨大な利益を確保しようとしていたと皆思うだろう。ボーン女史が強調したように、店頭デリバティブは闇市場だ。そこにはなんらの透明性もない。規制当局はそれらについて、またその購入者についてのなんらの情報もないのだ。

 ロング・ターム・キャピタル・マネージメントが破綻し、救済が余儀なくされたた1998年以後にも、ルービンとサマーズは自分たちのやり方に固執した。グリーンスパン、ルービン、サマーズ、それに、今や自分が銀行家らの手先だったことを後悔しているのろまなアーサー・レビットは、CFTCの業務遂行を阻止するよう無知な議会を操作することに成功した
 ブルークスレイ・ボーン氏は、民衆から選ばれた議員らによって民衆を守る仕事を阻止され、辞任した。
 ウォール街の金が事実と正直な規制当局者を押しつぶし、政府の不作為を請け負って、金融危機を確かなものにしたのだ。この危機が2008年以降もわが国の経済を苦しめている。

 財務省、ホワイトハウス、連邦準備理事会を牛耳っている金融インサイダーらは、自分たちの生み出した厄災のコストを納税者に振り向けた。危機が生起した時、ブッシュにルービンの代わりとして財務長官に指名されたゴールドマン・サックス会長のヘンリー・ポールソンは、議会の“われらの”議員らに恐怖を語り、質問も受け付けないまま、納税者の数千万ドルの資金を、ゴールドマン・サックスやその他の規制なしのデリバティブを取り扱っていた悪者の救済のために認めさせた。

 ゴールドマン・サックスが最近発表したのは、従業員らに6桁から7桁の金額のボーナスを支払う、ということだ。民衆の怒りは爆発した。公的資金で救われた銀行家らを守るため、通常の人々の一生の所得さえ超えるようなボーナスを自分たちに支払いながら、ゴールドマン・サックスの副会長のグリフィス卿は、民衆は「全てがより豊かになるために不均等を忍耐することを」学ばねばならない、と述べた

 つまり、うまい汁を吸わせろ、というわけだ。

 国連のレポートによれば、イギリスは所得配分の不均衡では世界で7位である。ゴールドマン・サックスのボーナスの後、イギリスはイスラエルとこの不均衡では4位を争う形勢となるようだ。
 規制無しのデリバティブの狂った状況と、民衆の高まっている怒り、またグリーンスパンの議会における証言にもかかわらず、デリバティブを規制する動きはまったくない。

 ルービンの財務事務次官補の一人、ゲリー・ゲンスラーは、CFTC委員長のボーン女史と交代した。ラリー・サマーズはオバマ大統領の国家経済会議議長となっている。前連邦準備理事のティモシー・ガイトナーは、ポールソンの子分で、オバマ政権の財務長官となった。ゴールドマン・サックス副会長のアダム・ストーチは、証券取引委員会のCOO(最高執行責任者)に指名された。

 銀行家らがいまだに牛耳っている。

 、“市場が全てを知っている”ということを口実に盗みを正当化することに利用できる“自由市場”経済論者の仲間と一緒になって、公衆の面前で、これほどあつかましく自分たちの利益のために政府を引き回すようなことがなされている国がほかにあるだろうか?

 麻薬国家( narco-state)でも充分に良くない。アメリカはこれを超えて、金融麻薬国家(financo-state)だ。

 ブルークスレイ・ボーン女史は、何もなされなければ、「再度それは起こるでしょう」と言っている。
 しかし何もなされないだろう。ペテン師どもが政府を牛耳っているからだ。

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オバマ大統領とサルコジ大統領

◆10月26日

 イランの核計画におけるウラン濃縮を外国で行うIAEAの案を米仏露が賛成し、特に米露がイランの核計画問題で一致したことは新たな局面であり、イランの反応が注目される時を迎えている。
 あくまで民生用として原子力発電のためのウラン濃縮だと言い張ってきたイランであるから、この案に反対する大きな理由は存在しないはずだ。勿論国家権力の行使を制限され、自国で行える濃縮を外国に任せることは、その濃縮ウランの供給を停止される危険性を考えれば、すぐ納得できる案ではないことも理解できる。
 
 しかし今の国際情勢はイランにとりあえずこの案を呑むことを要求している。それを理解し、それを呑むことで、イスラエルのイラン攻撃の理由はなくなるという論理的結論となる。

 イランはどう反応するのか注目したい。

 
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●米仏露はイランの核問題に対する提案支持を約束
【10月25日 AFP】
 オバマ米大統領は、イランが米仏露らの提案を受理し核計画問題を終了させる取り決めのための支持をまとめるため、ロシアとフランスの首脳と25日接触した。
 オバマ氏はメドベージェフ・露大統領とサルコジ・仏大統領に朝の電話をし、最近提出された取り決めに対する全面的な支持を3人が確認した、とホワイトハウスが発表した。

 この計画では、イランが核兵器を求めない保証の代わりにロシア、フランスが濃縮ウランを生産するとなっている。
 イランがこの取り決めを受け入れるようにするため、3人の首脳は、実施を早めるため関係国がこの提案をできるだけ早く受け入れる重要性について議論した、とアメリカは述べた。この提案に対する返答の期日である23日をイランが無視した後、この会談はなされた。彼らは翌週にも決議するだろうと語っている。

 イランのIAEAへの派遣員である、アリ・アスガー・ソルタニ氏は、イランは原子炉の燃料の臨時的な供給についての提案をさまざまな角度から検証していると述べた。

 ウラン濃縮がイランの核計画に関する欧米の懸念の核心部分だ。濃縮過程は民間用原子炉の燃料を産み出すが、高い濃縮度のウランは原子爆弾の核分裂物質を作るのに使われる。

 この計画に関する公にされた詳細が欠けるにもかかわらず、またイランの反応がない中、この話は既に酷評されていた。
 オバマ氏は24日、イランと交渉しているグループのメンバーで重要な二つの国家であるロシアとフランスの立場を固めようとした。

 イランが隠れた濃縮施設で操業していることが暴露されているにもかかわらず、このグループは制裁の必要性に関しては意見がしばしば対立した。しかし最近は、ロシアが制裁は時には必要だと公式に認めたので、ロシアとアメリカはその立場が近くなってきている。

 9月21日、イランが秘密の濃縮計画を進めていることを発表したため、世界中の怒りを買った。アメリカのオバマ大統領はイランはその核計画について明瞭にしなければ、更なる圧力に直面するだろうと警告した。
 問題となっている第2濃縮工場を訪問するため、国連専門家はイランに24日に到着した。
 オバマ大統領が24日にメドベージェフ大統領に電話した後に、両首脳は両国がイランの核計画について共通の関心を保ち続ける点で共同で進んでいく必要性を強調した。
 またオバマ氏とサルコジ氏はイランに対する米仏の一体性を表明し、これからの数週間、彼らの見解の近似性を継続していくことで合意した。


●IAEA提案の支持確認 米、仏露首脳と電話協議
【10月25日 産経新聞】
 オバマ米大統領は24日、イランの核問題について、ロシアのメドベージェフ大統領、フランスのサルコジ大統領と、個別に電話で協議した。ホワイトハウスによると、各首脳はイランの保有する低濃縮ウランを国外で核燃料に加工し、同国に再供給する国際原子力機関(IAEA)の提案に全面的な支持を表明。イランの核開発阻止に向けた結束を確認した。
 電話会談では、イランを含めた当事者すべてが提案を受け入れ、早期に合意履行する重要性で一致した。イランは提案受け入れの可否について、IAEAへの回答を先送りしている。
 米露首脳はまた、第1次戦略兵器削減条約(START1)の後継条約についても協議した。


●<イラン>ウラン国外搬出 外相「二つの選択肢考慮」と発言
【10月26日 毎日新聞】
 国営イラン通信によると、イランのモッタキ外相は26日、国際原子力機関(IAEA)が提示した低濃縮ウランの国外搬出計画の草案に関連し、「新たに核燃料を購入するか、(IAEA案のように)低濃縮ウランの国外加工を受け入れるか。二つの選択肢を考慮している」と語った。
 外相は「数日中にその決定を公表する」と説明したが、IAEA案を拒否し、核燃料の購入を選べば、国際社会の強い反発を招くのは必至だ。
 一方、イラン国内では、IAEA案の受け入れに反対論が広がっている。ラリジャニ国会議長は24日、イランの地元メディアに「イランはだまされている」と批判。ラリジャニ氏は以前、核問題の責任者を務めており「核燃料の提供と、低濃縮ウランの国外持ち出しには何のつながりもない」と切り捨てた。別の国会議員も「この取引に反対する。(IAEA案は)イランの利益にならない」と語った。

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経済から宗教まで、時代の先を読み解くための作業を人間活動のあらゆる分野にメスを入れて行います。
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