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上海協力機構標章

◆6月15日

 15日、16日とロシアのエカテリンブルグで、上海協力機構の首脳会談が行われる。イランの再選されたアハマディネジャド大統領はオブザーバーとして参加予定であったが、自国で起きている紛争のため参加が危ぶまれているが、今年はそれでもこのイランのほかに、オブザーバーとして、アフガン、インド、パキスタン、モンゴルが参加する。

 これらの国と正式メンバー国である、ロシア、中国、それに中央アジアの諸国を加えれば、ユーラシア大陸のかなりの部分を占める国々をまとめる国際機構となるのが分かる。 当然この機構の役割なり、目標なりが気になるのだが、どうも大きすぎることでまとまりに欠け、統一的な目標なり動きなりがなかなか取れないでいるようだ。

 それでも今回パキスタンが正式メンバーになる意向を表明し、機構の拡大が必然的になりつつある。細かい差異は無視してこの機構が存続・拡大していけば、地政学的に欧米がもくろむ、リムランド(ユーラシア大陸周辺)からのハートランド(ユーラシア大陸中心部分)への包囲という戦略も頓挫することになり、それはそれで構成メンバー国の利益になるだろう。
 また今回の会議で、パキスタン首脳とインド首脳とが相まみえる機会を得て2国家間の会談の場にもなりそうで、こういった地域をまとめる機構内で、2国家間の紛争の解決について話し合うという機会が得られやすくなるわけだから、これだけでもSCOの存在意義はあるのかもしれない。
 
 ロシアはこのSCO構成国からなるCSTO((The Collective Security Treaty Organization )という安全保障機構を作っていこうとしている。このCSTOについては、既に5月29日号で書いたように、NATOに対抗する組織であり、ようするにEUとNATOの関係が、SCOとCSTOとの関係に相対されることになるのだ。従って、NATOの東進もここで限界を迎えることになる。そして丁度この2つのブロックの境界線上に位置するのが、グルジアなどの数カ国で、かれらの運命もこの2つのブロックの力関係で左右されることになるだろう。


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●パキスタン:上海協力機構に参加意思あり
【6月15日RIA Novosti】
 パキスタンは、ロシアで開催される上海協力機構(SCO)の会議前、ロシアのビジネス新聞とのインタビューで、同国大統領が同機構に参加する意向を示した。
 上海協力機構は、ロシア、中国、そのた中央アジア諸国からなっていて、パキスタンは現在オブザーバー資格で参加している。同機構の会議はロシアのエカテリンブルグで15日から2日間の予定で開催される。
 アシフ・アリ・ザルダリ大統領は、コメルサント紙に対し、この同盟機構にパキスタンが正式に参加することは重要だ、と語った。
 「我々は、この機構は地域の安全保障と信頼を固める上で重要であるし、経済協力に貢献する、と認識している。 我々は正式メンバーとしてこの機構に参加することになるだろうし、この機構の目的と使命の達成に向けて、応分の貢献を果たしていくことになるだろう」と語った。
 パキスタンは、同じくオブザーバーとして参加しているインド、イラン、モンゴルの代表団に参加することになる。
 この機構のメンバー国は、ロシア、中国、カザフスタン、タジキスタン、キルギス、ウズベキスタン。中心的には安全保障問題を扱ってきたが、経済・エネルギー分野、そして北朝鮮問題にもその範囲を広げてきている。
 ロシア人アナリストは先週、上海協力機構の拡大は長く複雑な路程をたどってきた、と語った。
 モスクワにある国際的大学の学長で、ポリティー・ファンデイション理事長である、ヴァチスラブ・ニコノフ氏は、「SCOの拡大は、政治日程には入っていない。しかし関連した話し合いは当然可能である。拡大されたSCOはより一層影響力を増すことになるだろう。ただし拡大することは長く複雑なプロセスとなろう」
 彼は、SCOのオブザーバーは、かなり異なった背景を持つ国々であり、その関心もさまざまだ、と言う。
 「たとえば、イランは自国の安全保障を増すと考えているから正式メンバーになることに関心がある。しかし他の国々は現段階では、そのような保障を与えるような準備はできていない。あるいは、モンゴルの新大統領を見れば、親欧米と言われている。5月下旬の選挙の後、このSCOに対するスタンスがどうなるか分からない」と述べた。
 ニコノフ氏は、このオブザーバー国の中で大きな矛盾が存在しているという。とりわけパキスタンとインドは大きな国であり、このSCOの拡大問題を複雑にしている。
 「もし一方がSCOに加盟し、もう一方が加盟しないとなれば、その国がオブザーバー資格でとどまるとは思えない」と語った。「従って、我々はSCOの拡大はないとは言わないが、すぐなされるとは考えていない」と述べた。
 ロシアとの2国間関係については、ザルダリ大統領は、パキスタン政府はロシアとの新しい協力関係を構築することを歓迎する、と語った。2つの国の間には、経済、貿易、とりわけコミュニケーション、エネルギー、そしてテクノロジー分野で、協力関係の発展に巨大なポテンシャルがある、と語った。


●上海協力機構首脳会議でインドとパキスタンが会談の可能性
【6月15日 ロイター】
 15日─16日にロシアのエカテリンブルクで開催される上海協力機構(SCO)首脳会議では、インドとパキスタンの首脳が会談するとみられている。
 一方、イランのアハマディネジャド大統領は再選後初めて国際社会に姿を見せる。
 インドのシン首相とパキスタンのザルダリ大統領は、昨年11月のムンバイ同時爆破事件以来初めての会談となり、両国関係の改善が期待される。ただ、これが2国間協議となるのか、単にSCO加盟国と準加盟国の全体会議に参加するだけなのかは明確でない。
 SCO加盟国はロシア、中国、カザフスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、キルギスの6カ国。
 今回の会議には準加盟国のアフガニスタン、パキスタン、インド、イランも参加する。 大統領選の結果を受けテヘランでの衝突も報じられているイランのアハマディネジャド大統領は、会議で結果の承認を得たい考え。
 ロシア大統領府の関係者によると、メドベージェフ大統領はアハマディネジャド大統領と個別に会談し、両国関係とイランの核プログラムについて話し合うとみられている。
 SCO首脳会議では北朝鮮とアフガニスタンが主要議題となる見込み。
 ロシア大統領府の外交問題担当者は、北朝鮮問題について「SCO首脳会議の議題となる。同国内の意思決定システムと国際社会の制裁に対する反応が話し合われるだろう」と述べた。
 SCO首脳会議後16日にはブラジル、ロシア、インド、中国によるBRICs首脳会議が開催される。


●中国は世界1の経済大国になるにはロシアとの協力関係は不可欠
【6月15日 Pravda.Ru】
 上海協力機構の首脳会議がロシアのエカテリンブルグで15日、16日の両日開催される。ロシア、中国、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン、の首脳が参加する。トルクメニスタン、イラン、パキスタン、インド、モンゴルの代表も参加する。毎回会議が開催される度に、その効果についての多くの質問がなされる。
 この機構は自由貿易圏を創造するために設立されたが、まだその件は達成されていない。2006年にロシアは、エネルギー・クラブをSCO内部に創造することを提案したが、それも実現されていない。
 この機構はその基本的な経済的目標を実現しないまま来ている。中国とタジキスタン、中国とウズベキスタン、中国とキリギスの間で2国間プロジェクトを進めている。しかし全ての国が参加するプロジェクトはまだ存在しない。
 中国はSCOを、経済協力連合体とみなしているが、ロシアは世界の過激派やテロリズムに対する抵抗基盤とみなしている。
 SCOの憲章では、主要目標は平和の保持、福祉、メンバー国の繁栄、地域の内外の安定および安全保障と謳っている。しかしながら、SCOには戦略的な動きも明確な長期的協力関係に対する計画もない。第1にそして最大の目標は、ワールド・パワーとしてのアメリカとNATOの戦略的な影響力に対する対応組織として存在している。
 
 従って、この組織の憲章はいかにも不明瞭であると言えるだろう。多くの画期的なメカニズムは不明瞭で、正式の目標や使命は相当限定されていて、また国際舞台でリーダーシップを取ることも目指していないし、ヨーロッパでのNATOとアメリカに取って代わるかもしれない新しいパワーが生まれることを考慮していない。
 
 同時に、SCOは現代世界では欧米の発展スタイルに変わるポテンシャルを持つ唯一の機構である。この機構は地政学的に世界の中心領域をカバーしているのだ。
 SCOについては、現代のグローバルな視点から見て2つの相互に相反する視点がある。つまり、この機構は、他の諸国がついてくるような地政学的中心のレベルにまでになるのか、あるいは地政学的に意味のない存在となり崩壊するのか、の2つだ。
 中央アジアのカザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、タジキスタンは、地政学的なリーダーシップを執れる力量は持っていない。これらの国は、政治・経済的な圧力を加えれば容易に天然資源に対する支配を奪うことができる。
 それで、紛争の広い領域はロシアとの境界線付近になるだろう。アフガンとパキスタンはそれに近い。中央アジアはそれでなくても紛争の耐えない地域なのだ。

 中国の立場はそれと異なる。中国の経済は既に世界で最大規模になっている。中国は世界の隔絶した経済大国になるチャンスがある。だから政治的にも支配的になりうるのだ。 中国はSCOに対しては自国製品の販売市場として、また投資およびエネルギー資源先と見ている。
 ロシアが中国と張り合うのは困難だ。中国の保有する2兆ドルで中国は中央アジア諸国に対し有利なクレジットを供給できる。中国は既にカザフスタンに対し今年の春、200億ドル相当のクレジットを与えたし、最近は油田の購入の機会を得ようと投資している。
 中国はアメリカとその同盟国と張り合うほどには強くない。中国はまたロシアに対して友好的な視点は持っていない。それでもこの二つの巨人は、SCOの枠組み内での協力関係も含めて協調せざるをない状況にある。
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◆6月14日

 国連安保理の決定を受けて、北朝鮮の挑発的姿勢が更に強まっている。北朝鮮新聞が示すように、北朝鮮はあくまで瀬戸際外交を推し進めるつもりで、これを「対米決戦は意志戦」と規定、我慢比べだとしている。従って今度の決定に対しても反発し、却って開き直ってプルトニウム全量武器化、ウラン濃縮着手を表明した。
 このような北朝鮮の態度にケリー上院外交委員長(民主)は、北朝鮮を巡る現状を「第3次核危機」と表現した。

 しかし主要8カ国財務相会合は13日、北朝鮮に対する金融措置の実行にコミットしている、と表明し具体的な行動を始めていることを示した。国際社会も硬化してきている。
 また、北朝鮮と深い関係にある中国も、中国外務省の秦剛報道官は13日、国連安全保障理事会による北朝鮮制裁決議の採択について談話を発表したが、「6カ国協議」の再開には触れておらず、中国が6カ国協議を通じた解決は困難と認め、協議からの“転換”を示唆した可能性がある、と見られている。 
 つまり北朝鮮の今の状況では、話し合いの余地はなく、しばらくは力でじわじわ押していくしかない、という状況になっているようだ。

 そのような中で、アメリカは二人の女性が拉致されたままであり、既に労働教化刑12年を言い渡されており、放って置くわけには行かない状態だ。
 かつてイランで、1979年11月にイランの学生たちがアメリカ大使館を占拠し大使館員を人質にした事件がおきた時、カーター政権はヘリコプターによる「救出作戦」を敢行したことがある。作戦は砂漠の天候のためヘリコプターの故障などが生じ失敗しているが、アメリカが自国民の人質に対しては軍事的な作戦をもって救出作戦を行う例である。

 拉致という件については、アメリカは日本人拉致事件で知ってはいるが、自国民が改めて拉致され人質となったことで、おのずと真剣に考えざるを得ない状況に追い込まれたわけである。そういう意味においては日米が始めて同じ問題を抱える同盟国同士として共同歩調を取る舞台が整ったとも言えよう。さらには、拉致問題は韓国にも存在しているので、日米韓が同じ境遇を分かつ盟友の立場に立つようになったとも言えるだろう。

 従って今回ばかりは、アメリカも一人抜けのようなことをする状況にはなく、しばらくはこの日米韓で強い姿勢で北朝鮮に対応していくことになるだろう。これが結局北朝鮮の内部崩壊なり、それが起きる前に北朝鮮からの何らかの軍事作戦なりが起きる可能性がでてくるであろうし、その前にアメリカが人質救出作戦をする可能性も皆無ではない。
 しかしそれら強行作戦がない場合には、最後はやはり中国の態度が決めることになりそうだ。

 

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●国連安保理、北朝鮮制裁決議を全会一致で採択
【6月13日 ロイター】
 国連安全保障理事会は12日、前月25日に核実験を実施した北朝鮮に対する新たな制裁決議を全会一致で採択した。
 北朝鮮からの武器輸出を全面禁止し、同国への武器輸入も概ね禁止する。一方、陸海空路による北朝鮮貨物の検査については、国連加盟国による権限を認めつつ、実施を要請するにとどまった。


●北朝鮮新聞、「対米決戦は意志戦」強調
【6月11日 NKFcus】
北朝鮮労働党の機関紙である労働新聞が9日、現在の米朝対決構図を「反帝国主義闘争の意志戦」と規定して、「後退は即ち敗北であり死である」、「国際情勢が複雑になって試練が重なったとしても、意志戦で後退してはならない」と強調するなど、「北朝鮮政府不退の立場」を伝えた。
同新聞は、特に中国に対しても直接に名前は挙げなかったが、「反帝闘争を代わってくれる国もないし、自分の事のように誠心誠意手伝ってくれる国もない」としながら、「どんな場合でも国際的な友情や連帯感に頼って、民族の運命に関した重大問題を他人に任せることはできない」としながら、対立も厭わないという立場を表明した。
また、『帝国主義とは最後まで戦わなければならない』というタイトルの長文の論説を一面全体に掲載しながら、「帝国主義との対決戦は意志戦」と強調した。
また、「今年は北朝鮮の意志戦がどのようなもので、その威力がどれほど莫大なものなのかを、世界にはっきりと見せ付ける歴史的な年」になるはずであり、「死を覚悟した決断」の歩みを続けて行くと表明した。
この論説は、UN安全保障理事会が超強硬な対北朝鮮制裁決議を推進しているし、中国もレベルを調整しながらこれに賛成するものと予想される状況の中で、対内外的に北朝鮮政府の対応基調を総整理して明らかにしたものと見られる。 ・・・以下略


●北朝鮮:プルトニウム全量武器化、ウラン濃縮着手を表明
【6月13日 毎日新聞】
 北朝鮮は13日、2回目の核実験に対して国連安全保障理事会が追加制裁決議を採択したことを受けて外務省声明を発表し、新たに抽出するプルトニウムの全量を武器化する一方、核爆弾の開発にもつながり得るウラン濃縮作業に着手すると表明した。朝鮮中央通信が報じた。北朝鮮はウラン濃縮作業の進ちょく状況を「既に技術開発が進み試験段階に入っている」と明かしながら、核開発をいっそう推進する構えをみせている。朝鮮半島非核化に向けたプロセスは厳しい事態に直面した。
 声明は追加制裁決議を「我々を武装解除させて経済的に窒息させ、我が人民が選択した思想と制度を崩そうとする米国主導下の国際的圧迫攻勢のもう一つの醜悪な産物」と激しく非難した。・・・以下略

 ◇北朝鮮外務省声明の骨子は次の通り。
一、2回目の核実験は自衛措置。核放棄は絶対ない。
一、安保理制裁決議を断固糾弾。
一、新たに抽出されるプルトニウム全量を兵器化。使用済み核燃料棒の3分の1以上を再処理。
一、ウラン濃縮作業に着手。
一、独力の軽水炉建設を決定。
一、核燃料確保のウラン濃縮技術成功、試験段階に。
一、米国などが封鎖を試みるなら戦争行為で、軍事的に対応。


●<北朝鮮>米議会強硬派、圧力強化の要請も ウラン濃縮着手
【6月13日 毎日新聞】
 北朝鮮の新たな挑発行為について、米国は「その都度仕返しするつもりはない」(ライス国連大使)との立場から、国連の追加制裁決議の徹底履行で対処する方針だ。ただ北朝鮮が、存在を否定してきたウラン濃縮作業の着手を宣言したことで、米議会の強硬派がより一層の圧力強化を求めるのは必至だ。米朝協議や6カ国協議再開の見通しもなく、当面は緊張状態が継続することは間違いない。
 ケリー上院外交委員長(民主)は、北朝鮮を巡る現状を「第3次核危機」と表現する。米朝間の軍事緊張が高まった95年の第1次危機、ウラン濃縮疑惑が出た02年の第2次危機に続くものだ。・・・以下略


●北朝鮮への金融措置の実行にコミット=G8声明
【6月14日 ロイター】
 主要8カ国(G8)財務相会合は13日、北朝鮮に対する金融措置の実行にコミットしている、と表明した。また、金融システムを保護するため、イランに対する措置について支持する姿勢を明らかにした。会合後に声明を発表した。
 声明では「国連安全保障理事会の決議1874号で規定されたように、北朝鮮に対する効果的、かつタイムリーな金融措置の実行に、われわれはコミットしている」と表明。また「不正な資金活動から金融システムを保護し、イランに対する対抗措置をとるよう呼びかけるFATF(金融活動作業部会)の求めを支持する」としている。FATFはマネーロンダリング防止に向けた国際機関で、34カ国が加盟している。


●中国転換? 6カ国協議で解決困難
【6月14日 産経新聞】
 中国外務省の秦剛報道官は13日、国連安全保障理事会による北朝鮮制裁決議の採択について談話を発表し、「制裁は安保理の行動の目的ではなく、政治と外交のルートが問題を解決する唯一の正しい手段であり、関係国が対話を通して北朝鮮の核問題を平和的に解決する余地を残した」と強調した。しかし、談話では「6カ国協議」の再開には触れていない。中国が6カ国協議を通じた解決は困難と認め、協議からの“転換”を示唆した可能性がある。
 談話では、中国の立場について「北朝鮮の核実験は安保理の(従来の)関連決議に違反、国際的な核不拡散体制の有効性を損なった」と北朝鮮の核実験を強く非難した上で、「安保理が適切でバランスの取れた反応を示すことを支持してきた」と説明した。
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イラン大統領選挙----------イラン戦闘機

◆6月13日  

 イランの大統領選挙で、タカ派のアフマディネジャド大統領が再選されたことを受けてイスラエルの副外相が声明を出し、「増大するイランの脅威を何よりも示す結果だ」として、イラン核開発阻止の必要性を改めて強調した。

 当然イスラエルとしては、この結果が定着するのであれば、かねてよりのイランの原子力施設に対する攻撃を真剣に考慮する段階に入ってくることになる
 しかしイラン側もそれは想定済みなので、大掛かりな軍事演習を予定していて、イラン攻撃があれば、攻撃側が相当のダメージを受けるということを示そうとしている。

 この状況を前に、アメリカのオバマ政権がこれからもイランに対する「対話路線」を進めていくのか、という懸念が生じている。
 ここで誤解をしてならないのは、オバマ政権のスタンスは変わらない、ということだ。つまりオバマ大統領は、「核兵器開発」、例えば今回の北朝鮮のような「核実験」などの動きは認めないが、「原子力開発」はどの国家にもある権利である、と認めている、ということだ。したがって、今後もアメリカのイランに対するスタンスに変更はない、とみるべきであろう。
 これは改革派のムサビ元首相も「核問題で妥協はしない」と表明していたのだから、たとえムサビ氏が大統領になったとしても変わらないわけで、結局アメリカのイランに対するスタンスは変わる動機も道理もないのだ。

 すると、イスラエルとしては、今のうちにイランを叩くべき、という意見とそれは却ってイスラエルを窮地に追い込む、という意見とが対立し、いずれどちらかの選択をせざるを得ない状況に追い込まれるであろう。
 ここで我々が注意しなくてはならないのは、アメリカの支援のない状況下でのイラン攻撃はリスクが大きすぎるため、イスラエルの内部で、オバマ政権のスタンスを変更させようとする力が強くなるはずであり、それがどのような動きになるか、ということだ。
 当然考えられることは、オバマ大統領を亡き者にする、という、つまり「暗殺」の可能性が高まる、ということ。もう一つは、イランの工作だ、という「テロ事件」が起きて、再びアメリカの世論が「イラン攻撃やむなし」、という反イラン世論が盛り上げること、などである。

 最初の件は、もしそれがなされれば、副大統領のバイデン氏が臨時大統領になるわけで、氏はオバマ大統領ほどの信念の持ち主ではないから、AIPACなどイスラエル・ロビーの影響力に押されて、イラン攻撃に傾く可能性があるだろう。
 2番目の件だが、9・11事件のような大掛かりな工作はもはや無理か、と思われるのだが、それでも何らかの仕掛けをする可能性は皆無とは言えない。しかしそれがあってもオバマ大統領が健在であれば、おそらくアメリカがイラン攻撃、という事態にはならないだろう。

 結局、オバマ大統領が暗殺される場合のみ、イスラエルはアメリカをイラン攻撃に引き入れる可能性が高まるわけだが、オバマ大統領に対する暗殺は何回も既に試みられた、と一部で言われているのだが、すべて失敗に終わっているようで、以前書いたことがあるが、どうもオバマ氏には、「天運」がついているようなので、暗殺は成功しないであろう。

 したがって、イランが今後4年間もう一度アフマディネジャド大統領政権が継続する、というイスラエルにとっては悪夢のような事態になっても、イスラエルは大きな作戦はすることができず、結局オバマ大統領のいう「2国家共存」の路線を進むことになるだろう。


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●<イラン大統領選>現職圧勝、得票率62% 最終開票結果
【6月13日 毎日新聞】
 イラン内務省は13日、大統領選の最終開票結果を発表した。保守強硬派のアフマディネジャド大統領(得票率62.6%)が、最有力対抗馬の改革派、ムサビ元首相(同33.8%)に2倍近くの大差をつけて圧勝した。レザイ元革命防衛隊最高司令官は1.7%、カルビ元国会議長は0.9%にとどまった。投票率は前回(63%)を大幅に上回る84.7%。
 開票結果についてムサビ氏は声明で「敗北」は受け入れないと主張。「手品を見ているようだ。(開票作業に伴う)多くの明らかな不正は(イスラム)体制と国民を対立させ、体制を揺るがしかねない」と選管当局を厳しく非難しており、今後、混乱につながる恐れもある。
 一方、最高指導者ハメネイ師も声明を発表し「選ばれた者も選ばれなかった者も挑発的な態度と言葉を避けてほしい」と述べ、ムサビ氏に暗に選挙結果を受け入れるよう求めた。



●イラン大統領選:核開発巡る強硬姿勢変わらず 現職再選
【6月13日 毎日新聞】
 アフマディネジャド・イラン大統領が再選されたことで、核開発問題を巡るイランの強硬姿勢が変わることはなさそうだ。イランとの「直接対話」を表明したオバマ米政権がどのようなアプローチで臨んでくるか、注視するものとみられる。
 「イラン国民の権利を無視する書類には署名しない」。大統領は選挙戦中、核開発で妥協はあり得ないと改めて強調した。今月2日には、中部ナタンツのウラン濃縮施設で7000基の遠心分離機を稼働させていると表明。国際原子力機関(IAEA)によると、イランが製造した低濃縮ウランの総量は1.3トン。核爆弾1個分の原料に相当するという。
 だが、大統領は先の北朝鮮の核実験に触れ「イランは核兵器の製造、使用に反対している」と繰り返した。米国やイスラエルは「核兵器転用」を疑うが、IAEAは「その証拠はない」と指摘する。
 「イランの核問題は、米国がイランを敵視しているがゆえに起きている。問題解決は米国次第だ」。テヘランの外交筋はこう語り、イランが核拡散防止条約(NPT)に加盟し、IAEAの監視下で核開発を行い、核兵器開発の証拠がない以上、米国が「折れる」以外にないと主張する。
 イランは先月、ニューヨークでのNPT再検討会議で、核兵器の保有が確実視されているイスラエルを名指ししてこう訴えた。「米欧がNPT未加盟のテロ国家を支援し、NPT加盟国として核エネルギー開発を進めるイランを脅迫するのは二重基準だ」
 イランと冷たい関係が続いていたエジプトでさえ最近、「アラブ諸国にとって、イランの核の民生利用よりイスラエルの核の方が大きな懸念だ」(大統領報道官)と表明している。
 アフマディネジャド大統領の最有力対抗馬だった改革派のムサビ元首相も「核問題で妥協はしない」と表明するなど、核開発継続はイランの国是でもある。一方、イラクやアフガニスタンの治安改善を目指すオバマ政権にとって、両国と接するイランの協力は欠かせないだけに、核問題ではイランに妥協する以外にない、との見方が強まる可能性がある。


●イラン大統領の再選「脅威示す結果」とイスラエル
【6月13日 読売新聞】
 イスラエルのアヤロン副外相は13日、イランでアフマディネジャド大統領が再選されたことを受けて声明を出し、「増大するイランの脅威を何よりも示す結果だ」として、国際社会に対し、イラン核開発阻止の必要性を改めて強調した。
 イスラエルはイランの核を最大の脅威と見なしており、大統領が強硬路線を維持すれば、イランの核施設攻撃を求める国内論議が再燃しそうだ。
 右派主導政権を率いるネタニヤフ首相は、パレスチナ国家樹立を目指す和平案受け入れを迫るオバマ米政権に対し、イランの脅威を強調することで圧力をかわそうとしてきた。 イスラエルでは、オバマ政権がウラン濃縮の容認など対イラン政策転換を検討していることへの危機感が強く、むしろ、改革派勝利を警戒する声が強かった。
 イラン問題アナリストのメナシェ・アミール氏は、「(保守、改革の両派とも)核開発の野心は同じ。怖いのは、ハタミ大統領時代のように『改革派』を標榜(ひょうぼう)することで国際圧力を弱め、その陰で核開発を進めること。アフマディネジャド大統領の方が対応しやすい」と説明する。


●イラン:空軍の演習を計画
【6月12日 UPI】
http://www.upi.com/Emerging_Threats/2009/06/12/Iran-plans-air-force-maneuvers/UPI-98691244832588/

イラン空軍は、数週間以内に、1週間にわたる、迎撃・爆撃航程テストをペルシャ湾で行うと発表した
 イラン空軍司令官は、この作戦は迎撃航空機とイラン戦闘機が低空飛行テストを4段階で行うもので、ペルシャ湾とオマン湾で行うことになるだろう、と語った。・・・以下略


分断し孤立し「青空強制収容所」になっているパレスチナ領

◆6月12日

 イスラエルのネタニヤフ首相が、リクード党の党是とは異なる、パレスチナ国家の承認を受け入れる姿勢を表明するという。ただしこれは1967年の第3次中東戦争以前の国境線にまで撤退してのパレスチナ国家の承認ではなく、既に西岸に深く食い込んで入植地が拡大しているのはそのままイスラエル領とするものなので、パレスチナ側が受け入れられる内容ではないであろう。

 ネタニヤフ氏としては、とにかくもパレスチナ国家の承認、という党是に逆らうような決定をするのだから、相当な譲歩をした、と言いたいであろうが、オバマ米大統領がこれを認めるとは到底思われない。

 かねてより、パレスチナ側は、イスラエルが建設していた「壁」が将来の国境線を形成するだろう、その「国境線の既成事実化だ」ということで、激しく反発し、それがイスラエルに対する攻撃の根拠にもなってきたのであるから、右翼のイスラエル政権が、多少でも譲歩したからと言って、その内容においては、パレスチナ側からすれば、全く譲歩の名に値しない内容なのだ。

 シオニストたる者たちの問題がここに存在している。彼らは獲得したものは断固として手放そうとはしない。エジプトのシナイ半島を返したのは、たまたまシナイ半島が砂漠で、管理そのものが大変であったという事情もあるからだ。アラブの強国であるエジプトと和平が達成されるのならば、それくらいの「譲歩」は意味がある、と判断できたからだ。またガザから撤退したのも、結局入植1家族を守るのに10人から20 人の兵士を配置しなければならず、経済的にそれ以上無理という事情があったからだ。ようするに自分の都合が悪いから撤退したのであって、余裕があれば、継続したであろう。


 しかし今は大きく譲歩する理由は存在しない。従ってイスラエルの強硬姿勢は存続するだろう。すると、それを押さえ、パレスチナ側も納得できる和平が達成できるようになるには、以前から何回か書いてきているように、1967年の戦争以前の国境線に撤退すること、これ以外にはないのであるから、問題解決がどれほど困難であろうか。

 ネタニヤフ氏が上記の内容の演説をすれば、間違いなくオバマ政権は、失望感を露にするだろう。そしてイスラエルに対し更に譲歩を迫る外交を継続するものと思われる。
 オバマ政権の意図をイスラエルは将来はっきり認識することになるだろう。そしてそこから、本当のパレスチナ問題解決の動きが始まるだろう。


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●ネタニヤフ首相:「パレスチナ国家承認」を宣言か
【6月12日 IMEMC & Agecnies】
by Saed Bannoura -
http://www.imemc.org/article/60791

 イスラエル筋は、ネタニヤフ首相がパレスチナ国家の設立を承認する宣言を、日曜日に予定されているバル・イラン・大学で行う演説で行う意向である、と報じた。

 ネタニヤフ首相が受け入れるという国家は、武装解除されていて国際的監視者によって監視されるものという。
 この報道筋は、ネタニヤフ氏は、和平ロードマップを適用する意向であるが、パレスチナに対してはイスラエルをユダヤ人国家として承認すること、ならびに和平交渉を早急に再開するよう要請している。
 ネタニヤフ氏は、不法な前哨基地を解体することは約束するが、同時に国際社会は、「入植地の自然増大」と言われるものを受け入れるよう主張している。

 リクードのベニ・ベギン氏は、もし和平の見返りがパレスチナ国家ならば「我々はそんな和平は必要ない」と語った。
 ネタニヤフ氏はリクード党の党首として、内閣と自分の党の大臣らが議会で彼を支持しないのではないかと恐れている。
 イスラエルのハアレツ紙は、ネタニヤフ氏は自身のリクード党に対して、現実は右翼の思想とは一致しないことを説明しようとしていると報じた。

 この「国家」とは、1967年に不法に占拠されたパレスチナの全領土に設立されるものではない。西岸に深く食い込んで建設され、パレスチナの村や町を包囲し、パレスチナ人の果樹園や農地を隔離する塀の併合地が、イスラエルが設定しようとしている「パレスチナ国家」の国境線となるものだ。
 
 イスラエルは、撤退ということの自分の解釈を実行するために、壁のイスラエル側にある、西岸にある入植地を確保している。
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その財務内容が懸念され始めた連邦準備制度

◆6月11日

 米国債の長期金利の上昇が懸念されるようになってきた。ロシア中銀が、外貨準備に占める米国債の比率を下げたためその影響がもろに出た。こういう動きが今後強まれば、ますます米国債は買われなくなるであろうから、金利も上昇しこそすれ下がることはないだろう。またアメリカの財政赤字はますます増えていくしかないので、これも金利を上昇させる要因となるだろう。
 それで、今や米国債の引き受けてになった連邦準備銀行に対しても、懸念の声が上がってきている。通常の銀行としてみれば、その財務内容は既に業務停止状態になっていておかしくない、というのが下記の記事である。
 


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●ロシア、外貨準備の米国債比率引き下げIMF債購入へ=中銀第1副総裁
【6月11日 ロイター】
 ロシア中銀のウリュカエフ中銀第1副総裁は、外貨準備高に占める米国債の比率を引き下げる方針を明らかにした。
 同発表を受け、ドルは全般的に下落、米債利回りは上昇している。
 世界の主要な米債保有国であるロシアの外貨準備4042億ドルに占める米国債の割合は約30%。
 第一副総裁は、国際通貨基金(IMF)発行の債券を購入し、この比率を高める方針を示した。ロシアはこれまでに、IMFが資金調達の一環として発行する債券を約100億ドル購入すると発表している。
 また、ロシアは危機のピーク時に流動性のある米債への投資を高めたが、現時点でそれを取り崩し、民間金融機関の預金への投資を高める準備が整っている、とした。
 「(米債の)比率は低下する。これは、好機がめぐってきており、銀行の状況がより明確化してきているからだ。銀行預金やレポの比率を引き上げる」と述べた。


●米財政赤字、1兆ドル目前=8カ月累計で昨年度の倍に-財務省
【6月11日 時事通信】
 米財務省は10日、5月の財政収支が1896億5100万ドル(約18兆6000億円)の赤字となったと発表した。前年同月比14.3%増で、5月の赤字幅としては過去最大。これにより、2008年10月から始まった09財政年度の赤字は、同月までの8カ月で累計9919億4500万ドル(約97兆2000億円)となり、空前の1兆ドルに迫った。
 既に09年度の赤字は過去最大だった08年度(12カ月)の2倍以上。米財政の急激な悪化は米国債相場の圧迫要因となりそうだ。オバマ政権は09年度の財政赤字を約1兆8400億ドル(約180兆円)と予想している。 


●米金利が急上昇=NY債券市場
 【6月5日時事】
 週末5日のニューヨーク金融・債券市場では、米雇用統計を受けて景気底打ちへの期待が広がり、大きく売られている。この結果、利回りは急上昇し、午前11時35分現在、長期金利の指標である10年物米国債利回りは前日引け水準比0.10%ポイント上昇の3.82%で取引されている。


●米長期金利、4%台突破
【6月11日 時事通信】
 ニューヨーク金融・債券市場では11日、米国債の大量増発に伴う供給過剰懸念を背景に売りが膨らみ、長期金利の指標である10年物米国債利回りは一時4.008%をつけ、米メディアによると、約8カ月ぶりに4%台を突破した。ただその後は落ち着きを取り戻し、午前9時25分現在は、前日引け水準比0.01%上昇の3.96%で推移している。 


●もし連邦準備銀行を審査すれば業務停止になるだろう
【6月10日CNBC】
http://www.cnbc.com//id/31204170 

 連邦準備銀行(Fed)のバランスシートはでたらめで、通常の審査が行われればこの中央銀行は業務停止になるだろう、とグラント・インタレスト・レート・オブザーバー編集員はCNBCに語った。
 450億ドルの資本金と2兆1千億ドルの資産では、この中央銀行は通常、他の機関に対して行われている審査に耐えることはできないでしょう、と言う。
「もしFedの審査官がFed自身の書類、分類されていない書類、でFedのクレジットで直面している困難を乗り越える能力についての審査を通そうとすれば、彼はこの銀行を業務停止にするでしょう」と彼は語った。「Fedはシティ・グループが陥っていいるような資金不足状態にある」
 グラントは、議会を通してFedの審査を呼びかける法案を実現しようという動きに賛成だという
 更に、グラントはFedが金融危機に対処してきたやり方に対し批判的で、中央銀行の目標レートはゼロ近辺であるべきではない、と語った。
 「いかなる経済にとってもゼロではよくない」と語り、またFedは「モラル・ハザードの大いなる実験に乗り出した。金利は市場経済の交通シグナルで、一切はグリーン・・・我々はこの金利が適切なレートであるのか、中央銀行が押し付けたものなのか吟味するべきだ」

 しばらくは金利の引き上げはないだろうということと、FFレート先物は年末までに厳しくなると予想する分析内容に不一致がある中、グランドは、インフレが見えてきているので、Fedは金利の引き上げを始めるだろうと考えている、という。

 FFレート先物は0~0.25%の今のレンジから目標レートの半分になる点にまで、充分上げてきている。
 「多くの意見がある時、何か感じたら要注意なのだ」と彼は述べた。「Fedはよく知られているように常に遅いのだから」

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