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自分の利権のためにシリアへの攻撃を煽るマードックの新聞

◆9月3日

 世界のメディア王などと言われているルパート・マードックと国際的金融資本勢力の本家であるロスチャイルド家のジェイコブ・ロスチャイルドは、イスラエルが占領しているシリア領のゴラン高原に石油採掘権をイスラエルから受けているという。

 それは国際法に照らし合わせて違法なのだが、力の論理にものを言わせて石油を採掘する権利を手に入れたということは、現在のシリア紛争でも、彼らの傀儡となる新政府でもできれば、シリア領内で自由に石油採掘ができるようになると踏んで、反政府勢力を支援してもおかしくは無い。

 8月29日号「プーチン大統領:欧米がシリアを攻撃すれば、サウジを攻撃する?」で明らかにされたように、このシリア紛争の背後にはやはり、石油・天然ガスの利権に絡む思惑があるといえるだろう。この記事の中に以下の指摘が成されている:「シリアに対する戦いはサウジアラビアとカタールと彼らの欧米同盟国によって進められているが、その狙いは一つである:シリアを通過するパイプラインで完成するロシアが抑えているヨーロッパ連合の天然ガス市場を打破することであり、以下のようにロンドンのフィナンシャル・タイムズ紙の6月の記事が報じた内容がある」

 シリアのイラク寄りの地域で石油や天然ガスが採掘されているし、地中海沖にも、天然ガス田の存在が期待されている。またこの記事にあるようにゴラン高原でも石油が期待されている。中東に残された石油・天然ガウの最後の希望の地であるかもしれないシリアという姿が分かってくると、そのシリアの争奪戦ということが、このシリア紛争の真相ということになりそうだ。


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●マードックとロスチャイルド:占領されたシリア領内で石油採掘
http://therebel.org/bollyn/686198-rupert-murdoch-and-lord-rothschild-the-oil-barons-of-occupied-syria
【9月2日 The Rebel】

 何百万人ものアメリカ人はフォックス・ニュース、ウォール・ストリート・ジャーナル、その他のルパート・マードックが所有しているメディアから情報を得ている。

 フォックス・ニュースとマードックが所有するメディアは大体においてアメリカのシリア攻撃を支援しているが、彼らは読者にマードックがシリアとの戦争に利権を持っていることは伝えない。

 ルパート・マードックはイスラエル人とアメリカ人の会社の共同所有者なのだ。この会社はシリア領でイスラエルが占領しているゴラン高原の石油採掘権が与えられている会社だ。フォックス・ニュースがこの情報を開示しないのは高度に非倫理的である。

 イスラエルはシリア領だがイスラエルが占領しているゴラン高原での石油採掘権を、ジェニ・エナジーに与えた。ルパート・マードックとジェイコブ・ロスチャイルド卿は、このジェニ・エナジーの大株主である。このジェニ・エナジーはアメリカのシェール・ガスに利権を持っているし、イスラエルのシェール・オイルにたいしても同様である。ディック・チェイニーもまたこの会社の顧問である。

 国際法ではクレイグ・ムレイが2013年2月に、「イスラエルはシリア領の石油採掘権をマードックとロスチャイルドに与えた」の記事の中に書いたように、イスラエルが占領地の石油採掘権を与えることは違法行為となる。

 「イスラエルにとって、占領地のゴラン高原の資源の採取をしようということは国際法では完全に違法行為である。日本は第二次世界大戦時、シンガポールの石油資源の採取に対して国際司法裁判所を通してシンガポールから訴えられた事があった。議論は国際法の中でなされ、占領国は以前主権国によって操作され機能していた油田を使用することは構わないが、占領国が新しい井戸を掘ることは違法である、とされた」

 ジェイコブ・ロスチャイルドとルパート・マードックが占領されたシリア領内で、石油採掘に投資している事実は、彼らが1990年にユーゴスラビアが分解されたやり方と非常に似たやり方で、シリアを弱体化し、分割するためにアサド政府を倒すことを支援していることを示している。

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イラン国会の外交委員会委員長のアラエディン・ボロジェルディ議員とシリアのアサド大統領

◆9月2日

 シリアと同盟関係にある中東の一方の雄であるイランは、もしも欧米がシリアを攻撃するような事があれば、軍事的介入をする可能性がある、という専門家の意見がある。

 イラン・イラク戦争があった時、アラブ世界ではシリアだけがイランを支持したという。そのようなシリアが今、欧米の恫喝にあっているのだから、今度はイランがシリアを支援すべきだ、と考えて不思議ではない。実際、シリアには革命防衛隊の顧問が入って戦闘の支援をしている、と言われている。

 しかし、核交渉で欧米社会との関係を改善することを願っているイランの新政府はシリア問題に対するイランの立場の故、欧米との関係の悪化は避けられないというジレンマに陥っている。

 ではイランはどのような道を辿るか、といえば、やはり欧米との関係よりもシリアのアサド政権に対する支援の方を優先するであろう。それほどシリアとの関係は深いものと推察する。したがって、欧米が本当にシリアを攻撃するような場合には、その規模や期間にもよるであろうが、イランが欧米の軍事的標的に対する攻撃をする可能性がある、といえるであろう。

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●シリア攻撃の際、イラン介入の可能性あり
http://news.xinhuanet.com/english/world/2013-08/30/c_125278231.htm
【8月30日 Yang Dingdu, He Guanghai Xinhua】

 イランでは、もしもシリアへの軍事介入の可能性が取りざたされる中で、シリアでの政権交代を欧米が進める場合には、イランが介入するかもしれないとアナリストらが指摘している。

 イランの新政府はシリア問題でロウハニ大統領が、「世界のひとびと、とりわけ中東の人々は、新たなる戦争をする状況にない」と語ったように、欧米と直接対決するような事態は避けたいと考えている。

 しかしテヘラン大学のジバカラム教授は、イランはこの紛争に介入せざるを得なくなるかもしれない、と新華社に8月29日伝えた。

 イランは、米英とサウジアラビアなど世界と中東の大国がシリアのアサド政権に対する攻撃を既にしている場合には、直接的にシリアに介入するだろう。「そのようなケースの際には、イランはアサド大統領を政権に留まらせるために、可能な限りの事をするであろう」と、専門家は指摘した。
 

■イランの選択肢

 欧米による攻撃について、イラン高官らは中東の窮状を前にして無関係な見物人として留まる事はできないと警告した。

 シリアについての最新のコメントで、イランの最高指導者のハメネイ師は軍事介入は中東にとっては「災厄」であると語り、シリアに対するアメリカの攻撃の結果は「災害的」なものになると警告した。

 中東は丁度「火薬樽」のようなもので、何か起きたらその将来は予知不能になる。

 イランは欧米に対し、「シリアを攻撃したら、それがシリアに限定されると考えるな。それは丁度火事のようなものだ。あなた方はそれをコントロールできない。その火事は他の地域にも燃え広がるだろう」とジバカラムは語った。

 イランは、「中東の何処にあろうと、アメリカ軍基地は正当な標的」と考えると、彼は語った。

 欧米の利権の絡む中東にある標的に対する軍事行動を起こすことで、シリア問題に直接介入することについて更に、イランは戦場でも欧米と対決せねばならないかもしれない。「アサド政権の生き残りということに関しては、イランがシリアに軍を派遣することになるだろう。これはイランと欧米とが直接対決することを意味する」と彼は語った。


■戦略的同盟国
 
 イランは過去にそうしてきたように間違いなくシリア政府を支援するが、それはこの地域での戦略的同盟国だからだ、とジバカラムは語った。

 8月初旬、ロウハニはシリアとの友好関係に対する誠意を繰り返し語り、両国の近しい同盟関係を変えうるものはない、またいかなる強国も両国の戦略的連携を揺るがすものは存在しない、と語った。

 イランとシリアの親密な関係は1979年のイランのイスラム革命時にまで遡る。それ以降ずっとその関係は不動なものであった。イラン・イラク戦争時(1980年~1988年)には、シリアはイランに対する政治的、道義的、軍事的支援をしてくれた唯一のアラブ国家であった。

 歴史的紐帯以外に、イランはまたこの中東での戦略を進める際にシリアに大きく依存している。

 シリアはこの中東でヒズボラ、ハマス、その他のパレスチナ人のグループの反米・反西欧的グループを支援する際のキーとなる兵站ルートである、とジバカラムは語った。「もしもシリア政府が存在しなければ、中東におけるイランの戦略的政策は崩壊下に等しくなる」

 イスラエルを包囲するイランの戦略的中東政策の一部として、イラン高官らはイスラエルの圧力に対抗する「抵抗戦線」としてシリアを重要視している。

 今年初めのイスラエルによるシリアのリサーチ・センターに対する空爆を引用して、イラン革命防衛隊司令官のモハマド・アリ・ジャファリ少将は、「シオニスト政権(イスラエル)は、抵抗と報復でもってのみ対応できる」と語り、シリアがイスラエルの圧力に対し抵抗するよう促した。


■核交渉に対する影響
 
 イランがこの重大な段階でシリアを支援するということ、またイランの新政府がシリア紛争に介入する可能性を考えると、けっしてそれがイランにとって思わしくない結果に向かうかもしれない。

 ロウハニが勝利したイランの6月14日の大統領選挙の後、イラン人の間では核問題での解決を通して欧米の制裁が解かれることで、自分達の生活の厳しい状況が緩和されるかもしれない、という期待があった。

 ロウハニはP5+1(安保理常任理事国の5カ国とドイツ)との「深刻な」交渉での核問題討議の行き詰まり状態を打ち破ると約束している。しかし彼は、イランがシリアと連携している状態にあるため、欧米との関係を改善するためそのスタンスを弱めるということができないジレンマに陥っている。

 核交渉の将来像から見た欧米のシリアへの軍事介入の影響については、ジバカラムは、「P5+1会談でなんらかの妥結に至る可能性を決定的に潰すことになるだろう」と語った。

 イランとP5+1は過去何も生み出さなかった核交渉の再開に前向きであった。最後の交渉は4月6日、カザフスタンのアルマティーで開かれたが、実質的進展は無かった。

 更には、国際原子力機関は28日、イランとIAEAの新しい会談が9月27日に設定されたと述べ、イランの新政府との間でなんらかの進展が期待される、と語った。 

 シリア危機の進展の可能性が丁度ロウハニが欧米との関係を改善しようとしているこの時期に起きてきた。もしもこの危機が継続し更に悪化すれば、ロウハニの立場は弱くなり、欧米に対し言い顔をすることはできず、厳しいスタンスを取らざるを得なくなるであろう。「この危機はロウハニにとっては非常にまずい時期に起きたのだ」とジバカラムは語った。

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レバノンに入った国連シリア化学兵器調査団を迎えるレバノン兵士

◆9月1日

 ロシアのプーチン大統領がまさに正論を吐いて、アメリカのシリアへの軍事介入を批判している。このブログで再三再四指摘した事柄をプーチン大統領もどうどうと指摘し、いかにアメリカのこのシリア問題に対する姿勢が欺瞞的であるかを明らかにしている。

 また、国連安保理決議なしの軍事介入は、明確な国際法違反である、とはっきり指摘した。これをはっきり指摘する者たちがあまりにも少ないのだ。またこのブログで8月31日号で「出された内容は、まるっきり、決定的な内容ではなかった」と指摘したように、ロシアでも、このケリー国務長官の声明に対し、「なんらの証拠も無い」と指摘している。

 またシリアへの新たな軍事介入で生じる”犠牲者”のことを、ノーベル平和賞をもらった当人ならば、考慮するべきだ、とも指摘している。まさにその通りである。それがシリアを攻撃すると言っている米英仏の指導者とは違って、それらの国の国民の大多数の云いたいことでもあろう。

 実際フランスの世論調査では、シリアへの軍事介入に反対する割合は64%になっている。国民の方が正しい。世界の政治指導者らは、この世の支配力を持つグループからの圧力や意向よりも、国民の側に立った政治を進めるべきであり、それがたとえ命がけの事だとしても、それが政治家になる際の心構えでなければならない。戦争屋やその戦争屋と結託し金儲けを企て世界を牛耳ろうとする勢力の側だけに目を向けていてはならないのだ。

 この戦争屋と結託して金儲けを企て世界を牛耳ろうとしている勢力とは国際的金融資本勢力のことであり、8月28日号「ハンガリーは銀行の足かせを捨て去る」で出てくるロスチャイルドをはじめとする勢力のことだ。この勢力が中央銀行というシステムを導入して各国を操ってきたが、シリアはこのロスチャイルド系中央銀行の存在しない国の一つである。IMFにも借金はない。だからこれらの勢力はシリアのアサド政権をつぶし、彼らの傀儡となる新政権を打ち立て、中央銀行制度を導入しようとしているのだ。

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■プーチン:アメリカの化学攻撃糾弾声明は”まるっきりナンセンス”
http://www.theguardian.com/world/2013/aug/31/syria-un-weapons-inspectors-leave
【8月31日 The Guardian】

 ヴらジミール・プーチンはアメリカの情報機関がアサド政権がシリアで化学兵器を使用したという主張に対し、勝利しつつある政府軍がそのような戦術を使用したと糾弾することはまるっきりナンセンスなことだと語った。

 「そうであるが故に、私は化学兵器攻撃問題はシリア紛争に他の国を介入させたがって、国際舞台で強力な者たちの支援を獲得しようとしている者たちによってなされた挑発である、と確信しているのだ」とウラジオストックで記者団に語った。

 ロシア大統領はまた、アメリカ大統領に対して、オバマ大統領が自身のノーベル平和賞に値するというのならば外国軍による介入による犠牲者のことを考慮するべきだと語った後、軍事介入を国連安保理に提議するべきであると指摘した。

 国連の化学兵器調査団は31日、ガス攻撃の調査を行った後シリアを去った。この攻撃で数百人の市民が殺害されたが、アメリカはシリアのアサド大統領のこの「残虐で目に余る」攻撃を罰するため、限定的な軍事的対応を計画している。

 バラク・オバマは、地中海に巡航ミサイルを装備した駆逐艦を配備しているアメリカが、「限定的で小規模」で地上軍を含まない、ないしは制限された対応を計画している、と語った。

 フランスではル・パリジャン・オジュールドィ誌が31日世論調査を発表し、64%が軍事介入に反対、58%がオランド大統領を信用していない、35%が中東全体を戦火の渦に巻き込むかもしれない、となった。

 ロシアはシリアを攻撃することで緊張を高め、内戦を終わらせる機会を失わせるかもしれないと警告して、シリアでのいかなる軍事介入にも反対している。「アメリカの、シリアに軍事力を使用するという脅迫を伴う声明は受け入れられない」と、ロシア外務省スポークスマンのアレクサンドル・ルカシェヴィッチが30日遅く声明の中で語った。

 「国連安保理の承認なしではいかなる一方的な軍事力行使も、それがどんなに”限定的”であろうと、明らかな国際法違反であり、シリア紛争の政治・外交的決着に向けた可能性を危うくすることになるだろう。またそれは新しい対立と新しい犠牲者を生み出す動きへと繋がることになるだろう」

 ルカシェヴィッチは更に、シリア政府が化学兵器を使用したとすることによるアメリカの脅しは「なんらの証拠も無しに」なされたと語った。 

 ジョン・ケリー国務長官はヨーロッパと湾岸諸国の同盟国の大臣、およびアラブ連盟首脳らに30日、アメリカが軍事行動を計画していることを語った。

 国連の調査団はシリアから車で国境を越えてベイルート国際空港に31日にに到着した。

 化学兵器禁止機関からの専門家を含むこの20人のチームは、ダマスカス郊外の反政府勢力側が支配するゴウタ地区に入り、血液、皮膚サンプルを犠牲者から採取している。

 彼らはまた、土のサンプル、衣類、ロケットの破片も採取した。それらはヨーロッパの研究所に、おそらくスウェーデンかフィンランドへ分析のために送られるであろう。彼らは既にサリン、マスタード・ガス、その他の毒性物質をテストしてきている。

 この分析で化学兵器が使用されたかどうかが決められるが、8月21日の攻撃の下手人が誰であるかを決めるものではない。潘基文国連事務総長が、国連安保理メンバー国に最終結果は2週間は待たねばならない。語ったという。

 フランスではオランドが、イギリスの国会が軍事攻撃に反対を表明したことがフランスの行動に影響を与えることはない、と語った。
 
今週発表された他の二つの世論調査とゴウタ地区での攻撃の後なされた世論調査では、シリアでの軍事介入に対してフランス国民が乗り気でないことが示唆されている。

 経済的問題で人気が落ち込んでいるオランドは、マリ政府がイスラム過激派の反政府勢力を叩くのを支援するため軍をマリに派遣した際、予想外の軍事的気概を示した。この軍事介入に対しては国民の3分の2が支持した。

 ロシアはアメリカがシリアに対して軍事力を行使するとした脅しは、受け入れられないとし、アメリカが国連安保理決議なしに軍事力を行使すれば、国際法に違反することになるだろうと指摘した

 プーチンは、大国はシリア問題を来週サンクトペテルブルグで開催されるG20の席上で議論すべきである、と語った。「このG20サミットはこの問題を議論するに良い機会だ。どうして利用しないのか?」と指摘した。

 フランスの世論調査は、大多数のフランス国民はシリアでの軍事行動に参加することを望んでいないことを明らかにした。また、大多数の国民がオランド大統領が軍事行動をすることに信頼をおいていないことを示した。

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化学兵器の犠牲となった人々 (ダマスカス郊外のゴウタ地区)8月21日

◆8月31日

 8月27日号や29日号で指摘されたように、シリアの化学兵器はシリア政府のものでも、シリア政府側が使用したものではなく、下記の記事によれば、サウジアラビアが反政府勢力側に供給した兵器であり、それが誤って爆発したものだと言う。

 AP通信のガヴラク記者がインタビューした反政府側要員らが、その旨を語っているという。これはアメリカが言うことと真逆であるが、アメリカ側は、本日、アサド政権側が化学兵器を使用した、という決定的証拠を示すと言っていたが、出された内容は、まるっきり、決定的な内容ではなかった。

 やはり、と言うべきである。アメリカは決定的証拠などは掴んでいないのであり、それは事実と異なるから、永久に出てこないものだ。ただ、いつものごとく、アメリカのユダヤ系メディアはシリア攻撃を可能にする、そういった政府の発表に難癖をつけることはやろうとしない。それで国民の反発がそれほどなければ、オバマ政権はシリア攻撃を決断するかもしれないが、アメリカ国民が政府の出した「決定的」証拠とやらに納得できない、という声を挙げれば、シリア攻撃は決断できないであろう。

 そして、29日号で指摘された、ロシアのプーチン大統領がサウジのバンダル王子の脅しに激怒し、ロシア軍にもしもシリア攻撃があれば、ロシア軍はサウジアラビアを攻撃せよ、と命令したという話がイスラム世界で大きな衝撃を与えているようで、その話がまんざらデマでもなさそうだという状況になっているようなので、アメリカやNATO諸国側も迂闊にシリア攻撃をしかねる情勢になっていると言える。

 プーチンが本当にロシア軍にサウジ攻撃を命令している、となれば、シリア攻撃がなされた場合、サウジアラビアが攻撃される可能性は非常に高い。実際サウジアラビアではそのため、全軍が警戒態勢に入っているという。プーチン大統領の性格や今までの歩みを見れば、やるとなればやる男であることは、疑えないからだ。従って、オバマ大統領はロシアのプーチンと争って、サウジを犠牲にしてまでシリアを取るのか、という選択肢を前に逡巡することが考えられる。当然逡巡すべきであり、結論的には、シリア攻撃を断念すべきである。

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●シリア反政府勢力:化学兵器攻撃は自分たちが行ったと認める
http://www.infowars.com/rebels-admit-responsibility-for-chemical-weapons-attack/
【8月30日 Paul Joseph Watson Infowars.com】

 ダマスカス郊外のゴウタ地区にいるシリアの反政府グループはAP通信のデイル・ガヴラクに対して、先週の化学兵器事件の責任は自分たちにあると認めた。この事件では欧米側がアサド政権の軍によるものとしているが、事件はサウジアラビアによって供給された化学兵器の操作を反政府グループの者たちが誤ったために起きた事故の結果であるという。

 「ゴウタ地区の医者、住民、反政府側要員とその家族らとのインタビューから、多くの人々は、反政府グループの者たちがサウジアラビアの情報長官であるバンダル王子から化学兵器を受け取ったということと、その者たちによって致死性ガスによる攻撃が行われたと考えている」とガヴラクは書いた。

 反政府グループの者たちはガヴラクに対して、彼らは化学兵器を取り扱うに際して充分な訓練は受けておらず、更にはそれが何かということを告げられてもいなかったと語った。これらの兵器はアルカイダ系テロリストのジャバト・アル・ヌスラに渡されることになっていたようだ。

 「我々はこれらの兵器にとても興味があった。そしてまずいことには、この兵器の扱い方を間違ったものがいて、爆発を引き起こしてしまったのだ」と、Jと名乗る一人の要員がガヴラクに語った。

 彼の話は別のYという女性要員の話と似ていいる:「彼らはこれらの兵器が何か、どう扱うかなど語らなかった。我々はそれが化学兵器だとは知らなかった。我々はそれがまさか化学兵器だとは思わなかった」

 反政府グループ要員の父親でアブ・アブデル・モネイムという者がガヴラクに対して、「息子は二週間前に来て、運ぶように言われている兵器について、それがなんだと思うかと言っていた」と語り、それが「管のような形をしている」と語ったが、他の者たちは「大きなガスボンベみたい」だと言っていた。この父親はサウジアラビアの戦士でアブ・アイェシャという者が兵器を供給した、と言っている。

 アブデル・モネイムによれば、この兵器はトンネルの中で爆発し12人の反政府勢力の者たちが犠牲になったという。

 「インタビューした12名以上の反政府戦士らは、彼らの給料はサウジ政府から来ていると言っていた」とガヴラクは書いている。

 この内容が正しければ、アメリカのシリア攻撃への動きと完全に矛盾することになるだろう。デイル・ガヴラクの信頼性は非常なものだ。彼はAP通信の中東特派員を20年間やってきており、その他にも、NPRの仕事をし、さらにBBCニュースに記事も書いている。

 この話が最初に掲載されたウェブサイトである Mint Press(現在はこの記事のため膨大なアクセスがあり、その結果ダウンしている)は、ミネソタ州のキチッとしたメディアである。ミネソタ・ポスト紙が昨年このグループを紹介した。

 サウジアラビアが反政府グループに化学兵器を供給しているという話は、サウジがシリアのアサド大統領への支持をやめなければ、来年のソチでの冬季オリンピックにテロ攻撃を仕掛けるとロシアを脅したことを考えれば、驚くべき話ではない。

 オバマ政権は今日、アサドの政府軍がこの化学兵器攻撃の背後にいる、ということを証明するため、情報活動で得た内容を明らかにすることになっている。アメリカの高官らは、ニューヨーク・タイムズ紙に、アサド大統領とこの攻撃とを直接結び付ける「決定的証拠」はない、と言っているにもかかわらずだ。

 アメリカの情報関連高官らは、AP通信に対して、アサドの犯罪行為を証明するという情報は「決定打」にはならない内容のものだ、と語った。

 今週初めに我々が報じたように、盗聴された情報はシリアの国防省が、シリア化学兵器課に攻撃の数時間後に、問い合わせする電話を何度もかけてパニック状態であったということが示されているが、それはアサド大統領が命令したものではなかった、ということを示唆しているものだ。

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シリア攻撃あれば、サウジアラビアを攻撃する(?)というロシアのプーチン大統領

◆8月29日
 
 ジャッカル(サウジアラビア)が黒龍(ロシア)の逆鱗に触れた。サウジアラビアのバンダル王子はこともあろうに、ロシアのプーチンに脅しを掛けたようなのだ。シリアのアサド政権への支援を止めれば、儲けを山分けにしよう、しかしあくまでアサド政権を支援するならば、来年のソチでの冬季オリンピックにサウジアラビア子飼いのチェチェンのイスラム過激派テロリストを差し向けて、大会を大混乱に落し入れる、と脅したのだ。

 これに怒ったプーチンは、ロシア軍に対してサウジアラビア攻撃の準備を指令した、という。もしも欧米諸国がシリアを攻撃すれば、ロシアはサウジアラビアを攻撃する、というのだ。無茶な話かも知れないが、やってもいない化学兵器による攻撃をネタに欧米がシリアを攻撃するというならば、ソチ五輪に対する脅迫を理由にロシアがサウジを攻撃することもできるだろう。このプーチンの話は確認はされていない。しかし、ありえることだ。相手が角取りにきたのだから、こちらは飛車取りというわけだ。ロシアは西洋将棋の強い国だ。

 どこにも真実の根拠がないまま国際法を無視して戦争が行われるとすれば、後は力の論理がまかり通るしかない。欧米が国連安保理決議を無視するのだから、ロシアが同じく安保理を無視しても仕方ない。ヤクザ同士の出入りと同じだ。サウジというチンピラがロシアという大親分を脅したのだから、大親分が黙っているわけはない。 

 これで本当に戦争が始まれば、ロシアはサウジの油田地帯の施設を狙うであろう。これで、サウジアラビアは原始時代に逆戻りである。また天幕の生活をすればいいだけではあるが。しかし、ペルシャ湾が戦場になるから、日本などに向けたタンカーはホルムズ海峡を通過できなくなり、石油の価格は青天井になるかもしれない。

 このような事態を避けるためにも、欧米世界の各指導者が馬鹿な真似はやめて、シリアに介入することのないよう願うばかりである。さもないと、元も子もなくす、という事態になりかねない。生きている生命体の地球が、馬鹿な人類が目を覚ますよう、大暴れする予兆がある現代ではなおさらである。

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●プーチン大統領:欧米がシリアを攻撃すれば、サウジを攻撃する?
http://english.farsnews.com/newstext.aspx?nn=13920606001493
【8月28日 FNA】

 昨日プーチン大統領府よりロシア連邦軍に対して発せられたある「緊急行動メモランダム」は、欧米がシリアを攻撃した際には、サウジアラビアに対する大規模攻撃を実施する命令内容となっている、とメディアが報じた。

 「この特別な『戦闘指令』について詳しいクレムリンの情報筋によれば、プーチンは8月始めのサウジアラビアのバンダル王子との会合後、怒りをあらわにしたという。このバンダル王子は、もしもロシアがシリアが敗北することを受け入れないのならば、サウジアラビアは2014年2月7日から23日まで予定されているロシアのソチの冬季オリンピック期間中に、自分達が仕切っているチェチェンのテロリストを差し向けて大量虐殺と混乱を惹き起こすと警告した」、とwhatdoesitmean.comからの記事を引用してEUタイムズ紙が報じた。

 レバノンの日刊紙アス・サフィール紙は、バンダル王子はもしもアサド政権が転覆されるのならば、シリアにあるロシアの海軍基地を保護すると誓約したが、「来年の冬季オリンピックは守られるとあなたに保証する。冬季オリンピックの安全保障を脅かすこのチェチェンのグループは我々が仕切っているのだ」と語ることで、受け入れなければロシアのソチでの冬季オリンピックに対するチェチェンのテロリストによる攻撃があることを示唆したと、この驚くべきロシアに対する脅迫があったことを確認した。
 
 バンダル王子は更に、シリアで行動しているチェチェン人たちは圧力を掛ける道具であり、いつでもオン・オフできる者たちだと語った。「これらのグループは我々を脅す事は無い。我々は彼らをシリア政権に対して投入しているが、彼らはシリアの政治的分野にはなんらの役割も持たないだろう」と語った。

 イギリスのテレグラフ紙は本日、サウジアラビアが秘密裏にロシアに対して、ロシアがアサド政権に対する支援を止めるという条件で、世界の石油市場を共に支配し、ロシアのガス契約を保護する全面的な方法を提示したと報じた。この提案に対し、プーチンは、「我々のシリアのアサドに対するスタンスには決して変更はないだろう。我々はシリア政権はシリア国民の声を最も良く反映しているものであり、肝臓を食う者たちの声ではないと考えている(ここでプーチンは反政府テロリスト達がシリア兵士の心臓や肝臓を食っている写真のことを語っている)と応えたので、バンダル王子は、もしもロシアがオリーブの枝(平和的解決)を拒否すれば、「軍事的選択肢を逃れることはできない」と警告した、と報じた。

 指摘されるべきは、whatdoesitmean.comサイトで2013年1月28日の記事「オバマの第三次世界大戦計画にロシアは驚愕す」で報じられたように、ロシアの連邦保安庁(FSB)は、イギリスの防衛会社のブリタム・ディフェンスの電子メールの信憑性を確認した、ということだ。その内容は、オバマ政権がシリアとイランに対する連続的な攻撃を計画しているという驚くべきもので、そのような事態となれば、第三次世界大戦を惹き起こしかねないとロシアの情報機関の専門家らが警告したというものである。

 このFSBの報告によれば、ブリタム・ディフェンスとは、世界で最大級の民間傭兵軍隊の一つで、今年の冬、「国籍不明国がスポンサーを務めている存在」によってそのコンピューター上のファイルが大規模なハッキングの標的となった会社であり、その存在によって、重大な内容を含む二人の最高重役である、創設者のフィリップ・ダフティーと開発部長のデイビッド・グルディングの間でやり取りされた電子メールが暴露されたことがあった。

 この二人の間の電子メールで重要な内容は、この報告では、オバマ政権はシリアで化学兵器を使用する「偽旗作戦(自作自演作戦)」に承認を与えたということと、ブリタムはイランに対する欧米の戦争に参加することを認めた、というものだ。以下がその電子メールの内容である。

電子メール1:フィリップ、我々はオファーを受け取りました。またシリアに関するものです。カタールが魅力的なやり方を提案して、このアイデアはアメリカによって承認されたと誓約しています。我々がCW(化学兵器)を提供することになってます。これはソ連のガス弾でリビヤにあったものでシリアにも似たものがあるはずです。彼らは我々にウクライナ人の人員を使うことを願っています。ロシア語を話す連中です。またビデオ撮影もやって欲しいということです。はっきり言っていいアイデアとは思いませんが、このための支払い金は大金です。あなたのお考えはどうでしょうか? よろしく、デイビッド

電子メール2:フィリップ、添付された詳細なイランに関する準備予測を見てください。この作戦にブリタムが参加することは、サウジアラビアによって確認されています。


 シリア情勢がコントロールできなくなりつつある中、ロンドンのインデペンデンツ紙は、バンダル王子が「戦争を推し進めている」と報じ、ロシアの外務省スポークスマンのアレクサンドル・ルカシェビッチは更に、欧米に対して本日、「この地域に対する軍事介入のための根拠の無い、作為的な正当性を作り出すため、国連安保理を迂回するやり方は、シリアに新たな苦悩をもたらすものであり、その他の中東・北アフリカ諸国に災厄的な結果をもたらすことになる」と警告した。

 ロシアの警告を無視し、イギリスのキャメロン首相は今朝、イギリス議会に対して、シリア攻撃に賛成するよう要請し、オバマ政権はシリアの和平への道を探る為の明日のロシアとの会合を突然キャンセルした。そして欧米は数日中にシリア攻撃計画を策定する準備を始めた。

 シリアは、もしも欧米から攻撃されれば、世界的な混乱になる、と警告したように、欧米の諸国民は、2013年5月17日、プーチンがロシア軍に対して、アメリカないしはEUがシリア内戦に介入すれば、直ちに局地戦から地域戦へとその戦域を拡大させ、大規模戦に拡大できるよう「準備完了」するよう命令を発した、という事実を知らされていない。

 このプーチンの命令で、またwhatdoesitmean.com.が5月17日の「ロシアはシリア問題で『全面戦争』警報を発した」、で報じているように、更にはこのサウジアラビアに対する大規模報復攻撃を命令したというニュースと一緒に考えれば、シリアに対するいかなる攻撃も、ロシアから見れば、自国が攻撃されたと見ていることが分かる。

 そしてwhatdoesitmean.comが以前説明したように、シリアに対する戦いはサウジアラビアとカタールと彼らの欧米同盟国によって進められているが、その狙いは一つである:シリアを通過するパイプラインで完成するロシアが抑えているヨーロッパ連合の天然ガス市場を打破することであり、以下のようにロンドンのフィナンシャル・タイムズ紙の6月の記事が報じた内容がある:

 「小さいがガスが豊富にあるカタールは過去2年間で30億ドルをシリアの反政府勢力のために支出した。これは他の国家をはるかにしのぐ額であるが、いまやサウジが反政府勢力に武器を供給する面では最大の支援国家になりカタールを越えた。

 カタールの介入のコストは、その国際的投資ポートフォリオのわずかな部分である。しかし醜い内戦へと変化したその革命に対する金融的支援は、反政府勢力に対する欧米諸国の支援を小さくみせるほどになった。

 カタールもまたペルシャ湾からトルコへのガス・パイプラインを提案してきたのは、カタールは液化天然ガス生産能力を倍増する野心的計画を達成した後に、世界最大のガス田からの輸出を更に拡大する事を狙っていることを示している」

 シリアから世界大戦が始まる予想を越える原因は、ロシアの外務省スポークスマンであるアレクサンドル・ルカシェビッチにより指摘されたことで、先週彼は、「この犯罪的行為は挑発的なものであるという新しい証拠を掴んでいる」と語ったことだ。「とりわけ、インターネット上を駆け巡っている情報がある。この事件の資料と政府軍への糾弾が、いわゆる攻撃の何時間も前に掲載された。つまりこれは、前もって準備されていた行動だったわけだ」と彼は語った。

 もう一つの「偽旗」攻撃を行うことで、戦争を正当化しようとして、化学兵器による攻撃のビデオを現実にそれが起きた丸一日前に掲載した欧米は、どれほど傲慢で侮辱的であろうか。しかし欧米の夢遊病患者の市民は、過去に何度もあったように騙されるのであろう。

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