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イラン国会の外交委員会委員長のアラエディン・ボロジェルディ議員とシリアのアサド大統領

◆9月2日

 シリアと同盟関係にある中東の一方の雄であるイランは、もしも欧米がシリアを攻撃するような事があれば、軍事的介入をする可能性がある、という専門家の意見がある。

 イラン・イラク戦争があった時、アラブ世界ではシリアだけがイランを支持したという。そのようなシリアが今、欧米の恫喝にあっているのだから、今度はイランがシリアを支援すべきだ、と考えて不思議ではない。実際、シリアには革命防衛隊の顧問が入って戦闘の支援をしている、と言われている。

 しかし、核交渉で欧米社会との関係を改善することを願っているイランの新政府はシリア問題に対するイランの立場の故、欧米との関係の悪化は避けられないというジレンマに陥っている。

 ではイランはどのような道を辿るか、といえば、やはり欧米との関係よりもシリアのアサド政権に対する支援の方を優先するであろう。それほどシリアとの関係は深いものと推察する。したがって、欧米が本当にシリアを攻撃するような場合には、その規模や期間にもよるであろうが、イランが欧米の軍事的標的に対する攻撃をする可能性がある、といえるであろう。

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●シリア攻撃の際、イラン介入の可能性あり
http://news.xinhuanet.com/english/world/2013-08/30/c_125278231.htm
【8月30日 Yang Dingdu, He Guanghai Xinhua】

 イランでは、もしもシリアへの軍事介入の可能性が取りざたされる中で、シリアでの政権交代を欧米が進める場合には、イランが介入するかもしれないとアナリストらが指摘している。

 イランの新政府はシリア問題でロウハニ大統領が、「世界のひとびと、とりわけ中東の人々は、新たなる戦争をする状況にない」と語ったように、欧米と直接対決するような事態は避けたいと考えている。

 しかしテヘラン大学のジバカラム教授は、イランはこの紛争に介入せざるを得なくなるかもしれない、と新華社に8月29日伝えた。

 イランは、米英とサウジアラビアなど世界と中東の大国がシリアのアサド政権に対する攻撃を既にしている場合には、直接的にシリアに介入するだろう。「そのようなケースの際には、イランはアサド大統領を政権に留まらせるために、可能な限りの事をするであろう」と、専門家は指摘した。
 

■イランの選択肢

 欧米による攻撃について、イラン高官らは中東の窮状を前にして無関係な見物人として留まる事はできないと警告した。

 シリアについての最新のコメントで、イランの最高指導者のハメネイ師は軍事介入は中東にとっては「災厄」であると語り、シリアに対するアメリカの攻撃の結果は「災害的」なものになると警告した。

 中東は丁度「火薬樽」のようなもので、何か起きたらその将来は予知不能になる。

 イランは欧米に対し、「シリアを攻撃したら、それがシリアに限定されると考えるな。それは丁度火事のようなものだ。あなた方はそれをコントロールできない。その火事は他の地域にも燃え広がるだろう」とジバカラムは語った。

 イランは、「中東の何処にあろうと、アメリカ軍基地は正当な標的」と考えると、彼は語った。

 欧米の利権の絡む中東にある標的に対する軍事行動を起こすことで、シリア問題に直接介入することについて更に、イランは戦場でも欧米と対決せねばならないかもしれない。「アサド政権の生き残りということに関しては、イランがシリアに軍を派遣することになるだろう。これはイランと欧米とが直接対決することを意味する」と彼は語った。


■戦略的同盟国
 
 イランは過去にそうしてきたように間違いなくシリア政府を支援するが、それはこの地域での戦略的同盟国だからだ、とジバカラムは語った。

 8月初旬、ロウハニはシリアとの友好関係に対する誠意を繰り返し語り、両国の近しい同盟関係を変えうるものはない、またいかなる強国も両国の戦略的連携を揺るがすものは存在しない、と語った。

 イランとシリアの親密な関係は1979年のイランのイスラム革命時にまで遡る。それ以降ずっとその関係は不動なものであった。イラン・イラク戦争時(1980年~1988年)には、シリアはイランに対する政治的、道義的、軍事的支援をしてくれた唯一のアラブ国家であった。

 歴史的紐帯以外に、イランはまたこの中東での戦略を進める際にシリアに大きく依存している。

 シリアはこの中東でヒズボラ、ハマス、その他のパレスチナ人のグループの反米・反西欧的グループを支援する際のキーとなる兵站ルートである、とジバカラムは語った。「もしもシリア政府が存在しなければ、中東におけるイランの戦略的政策は崩壊下に等しくなる」

 イスラエルを包囲するイランの戦略的中東政策の一部として、イラン高官らはイスラエルの圧力に対抗する「抵抗戦線」としてシリアを重要視している。

 今年初めのイスラエルによるシリアのリサーチ・センターに対する空爆を引用して、イラン革命防衛隊司令官のモハマド・アリ・ジャファリ少将は、「シオニスト政権(イスラエル)は、抵抗と報復でもってのみ対応できる」と語り、シリアがイスラエルの圧力に対し抵抗するよう促した。


■核交渉に対する影響
 
 イランがこの重大な段階でシリアを支援するということ、またイランの新政府がシリア紛争に介入する可能性を考えると、けっしてそれがイランにとって思わしくない結果に向かうかもしれない。

 ロウハニが勝利したイランの6月14日の大統領選挙の後、イラン人の間では核問題での解決を通して欧米の制裁が解かれることで、自分達の生活の厳しい状況が緩和されるかもしれない、という期待があった。

 ロウハニはP5+1(安保理常任理事国の5カ国とドイツ)との「深刻な」交渉での核問題討議の行き詰まり状態を打ち破ると約束している。しかし彼は、イランがシリアと連携している状態にあるため、欧米との関係を改善するためそのスタンスを弱めるということができないジレンマに陥っている。

 核交渉の将来像から見た欧米のシリアへの軍事介入の影響については、ジバカラムは、「P5+1会談でなんらかの妥結に至る可能性を決定的に潰すことになるだろう」と語った。

 イランとP5+1は過去何も生み出さなかった核交渉の再開に前向きであった。最後の交渉は4月6日、カザフスタンのアルマティーで開かれたが、実質的進展は無かった。

 更には、国際原子力機関は28日、イランとIAEAの新しい会談が9月27日に設定されたと述べ、イランの新政府との間でなんらかの進展が期待される、と語った。 

 シリア危機の進展の可能性が丁度ロウハニが欧米との関係を改善しようとしているこの時期に起きてきた。もしもこの危機が継続し更に悪化すれば、ロウハニの立場は弱くなり、欧米に対し言い顔をすることはできず、厳しいスタンスを取らざるを得なくなるであろう。「この危機はロウハニにとっては非常にまずい時期に起きたのだ」とジバカラムは語った。

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