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イランのブシェール原発

◆9月3日

 ジョン・ボルトンというアメリカの元国連大使が、アメリカはやりそうにないから、自衛のための正当な権利としてイスラエルはイラン攻撃をせよ、とイスラエルに激を飛ばした。お馬鹿な戦争屋の典型例として挙げた。こういう無責任な者たちがアメリカの外交部門でうろうろしているから、まだまだアメリカは危険である。

 イランが核兵器を開発しそうだから、それを「阻止」するために先制攻撃せよ、という論法はまったくの暴論でやくざの論理である。それを言うのであれば、イスラエルは核兵器を保持しているから、使用する前に先制攻撃をせよ、とイランに言うべきだろう。

 イランはここ300年間他国へ攻撃を仕掛けたことはないが、イスラエルはパレスチナはいうに及ばず、先の第二次レバノン戦争をを見ても、とにかく好戦的かつ攻撃的侵略国家で、上記と同じ論法でイラクとシリアに先制攻撃をしている(シリアの場合は核施設でもなんでもない工場だった)。だから当然、イランは自衛のために核保有のイスラエルを先制攻撃する正当性がある、となる。

 しかし、イランは自国が攻撃されるまでは何処の国に対しても攻撃はしないであろう。反対にイスラエルがイランを攻撃すれば、遅いかれ早かれ、イスラエル自体が崩壊・滅亡していく過程に入るであろうことを警告しておく。

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●米元国連大使からイスラエルへ:イランを攻撃せよ、貴国の権利だ
http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/159493#.UEDQ1iJE4g1
【8月31日 Gil Ronin – Israel National News】

 元米国連大使のジョン・ボルトンは31日、オバマ大統領がイラン攻撃を命令するとは思えないから、将来必要ならイスラエルはイランの核施設に対する攻撃を独自に実行するように、とイラン攻撃を促した。

 インタビューでボルトンは、「この段階で軍事力の行使なしにイランが核能力を獲得するのを阻止する手立てはない」と語った。

 私としては残念なことだが、オバマが軍事力を使用する可能性はないと考えるので、イスラエルがやるしかないのだ。米政府が封じ込めはアメリカの政策ではないと言っていても、イランが核兵器を所有するようになったら、その翌日には、その政策を採用せざるを得なくなる。彼らはそうしたくないだろうが、核を保有するイランは封じ込めることができると考えている。丁度、冷戦時代に核保有のソ連を封じ込めていたように。

 「一発や二発の爆弾の製造競争をイランがしているわけではない」とボルトンは語った。「彼らは時間は自分たちに有利に作用すると考えているし、彼らはよく考え抜かれた計画と思われるもので動いている。それはオバマ政権下では何もしないとイランは考えているからだ。勿論彼らはイスラエルを恐れている、しかしイスラエルが攻撃しないようにオバマが圧力をかけると信じているし、今のところそれは正しかったことを証明している」

 「イスラエルは、他のどんな国と同様に、自衛の正当な権利を持っている」とボルトンは語った。「イスラエルは核兵器を開発していた敵を二回叩いたことがあったが、今回もそうする権利がある」と語った。

 他のインタビューで、ボルトンはアメリカがイラン攻撃をするだろうと見ていた:「アメリカはイスラエルよりずっと大きな軍事力を持っている。それでイスラエルはアメリカが攻撃をすることを願っているのだ。いずれにしてもアメリカが非難されるのだから、私はアメリカがやるべきだと考えている。だからやるとなったらうまくやり遂げなければいけない」

 「私はオバマだけを非難しない。ブッシュ政権もだ」と彼は語った。「制裁はそれが包括的で速やかに実施され厳しく維持されればいいだろう、と言える。オバマはこういった条件をどれもクリアーできていない」

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ロバート・フィスクのインタビューに答えるシリアのワリド・ムアレム外相


◆8月30日

 シリア外相がイギリスの中東専門家であるロバート・フィスクのインタビューを受けた内容が示されている。欧米メディアでも徐々にシリア政府側からの情報を取り扱う姿勢がでてきているし、先日も紹介したように日本でもそのような流れを受けてシリア政府側からの映像などをテレビで放映するようになってきている。

 これはこのROCKWAY EXPRESSが2011年3月以来ずっと指摘してきた、シリア紛争の真実の状況を、遅ればせながら覆い隠しきれない状態になってきたため、報道せざるを得なくなってきたからであろう。今はインターネットの時代だから、嘘もそう長くはつけないのだ。

 このブログで指摘してきたことは、シリア攻略はイラン攻略の前哨戦だ、ということだったが、そのことをシリア外相もよく分かっていて、それがブルッキング研究所のしたためた戦略に示されていることだ、と指摘している。その通りである。そしてそのために欧米は湾岸アラブ君主国家を抱き込み、トルコとイスラエルを使用しながらシリアにテロリストを送り込んで政権転覆を図っている。

 しかしシリアのアサド政権側はそれに対して徹底抗戦を決意している。もしもシリア政権の転覆が成就したら、ロシアは直接イラン防衛に立ち上がる可能性がでてくるだろう。今のシリアではいまだ間接的な防衛協力しかしていなが。だから、世界はこのシリア攻防戦でシリア政府を支援しなければならないのだ。決してテロリストの方ではない。

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●アメリカがシリアに対する反乱の主要な黒幕
http://www.independent.co.uk/news/world/middle-east/exclusive-we-believe-that-the-usa-is-the-major-player-against-syria-and-the-rest-are-its-instruments-8082457.html
【8月28日 Robert Fisk – The Independent】

 昨日、ダマスカスの戦闘は外務省のオフィスの内部でも聞こえた。迫撃砲による振動、戦車の射撃音などが郊外から聞こえてくる。

 アメリカがシリアの騒乱の背後にいる、アレッポの戦いが終わってもそれは終わらないだろう、とワリド・ムアレム外相は語った。「私はヨーロッパ人に告げる:シリア人の厚生福祉について、それに反する17の決議を支持しながら、シリア人の厚生福祉というスローガンを掲げていることが理解できない。またアメリカ人に告げる:アフガニスタンとソマリアで行ったことをあなた方は読むべきだ。シリア内のテロリズムをあなた方が支持しながら国際的テロリズムと戦うというあなた方のスローガンを、私は理解できない

 ワリド・ムアレムが英語をゆっくりしゃべったのは、建物の外の轟音の為か、あるいはこのインタビューがシリアの危機が始まって以来、欧米人との最初のインタビューだからだろう。

 反政府勢力とシリア政府軍のドウマ、ジョバー、アルビーン、ヘリコプターが撃墜されたクァボウン郊外での戦いはあまりにも騒がしいものになったので、中東一沈着冷静なこの外相も窓の外に目をやった。この騒音を聞いて彼はどう感じているのだろう、聞いてみた。

 「大臣である前に私は一人のシリア市民だ。そして2年前と比べて今シリアに起きていることを見るに悲しさを覚える」と彼は語った。「シリアがその治安の良さを誇れた旧き良き日々に戻ることを願う私のようなシリア人が多い」

 「旧き良き日々」に戻ることをどれだけ多くのシリア人が願っているのか疑わしいと思うが、ムアレムは60%の騒乱はトルコ、カタール、サウジ・アラビアなどからやってきていると主張した。その他の諸国に対してもアメリカが影響力を行使している、という。

 「アメリカ人が、『我々は最新式の交信危機を反政府勢力側に供給している』と言っているのは、あるいは2500万ドルを反政府勢力側に供給し、湾岸諸国やサウジアラビアは更にもっと供給しているが、それは軍事活動の一部ではないだろうか?」と語った。

 一年前、私はムアレムに、カタールの首長と昼食を共にしたが、彼はバシャール・アサドの嘘に怒っていたことを話した。シリア大統領はムスリム同胞団を故郷に返す約束を破った、というのだ。

 ムアレムは頷いた。「もしもあなたが2年前に同じ首長と会ったら、彼はアサドを称賛し、親友と考えただろう。彼らは家族同士の付き合いをしていた。ダマスカスや時にはドーハで家族での休暇を過ごしていたのだ。重要な問題がある:何が起きたのか?私はこの首長とドーハで会ったことがある。これは2011年11月だったと思う。アラブ連盟が監視団をシリアに派遣することになる会議を始めて、我々は合意に達した・・・この首長は私に語ったのだ:もしもあなたがこの調停に合意すれば、私はアルジャジーラの報道姿勢を変えるだろうし、テレビ司会者のシェイフ・クァラダウィにシリアとこの調停結果を支持させ、また私はシリアの復興のために数百万ドルを提供する・・・」

 「同じ時、私は会議に参加するため待機していた時、チュニジアの政党党首のエンナダがいて、さっきの首長がエンナダの党の選挙支援のために1億5000万ドルを支払うよう命令を出した。常にこれが彼らのビジネスなのだ。しかし私はこの首長に尋ねた:あなたはカダフィと非常に近い関係にあったし、カダフィが主催したサミット会議の際、あなたは彼に代わる唯一の指導者だったが、なぜリビヤをNATOと一緒になって攻撃するために航空機を送ったのか? この首長はただこのように述べただけだった:我々はチュニジアとエジプトの流れを失いたくなかった。それにスーダンの分裂の責任はカダフィにあるからだ」という。

 アメリカの力についてムアレムは何の疑いも抱いていない。アメリカは湾岸諸国に対してイランの核能力に関する恐怖を植えつけるのに成功し、彼らを説得しアメリカから武器を買わせ、石油移送のための基地を維持するという1936年のルーズベルトの夢を成就させたのだ、と彼は述べる。

 「我々は対シリア作戦ではアメリカが主要な黒幕を演じていると考えているし、残りの国々はアメリカの道具である」。しかし、これは実際イランについての問題だったのではなかったか? 私は微妙な質問をした。ムアレムがブルッキング研究所に言及した時、私はうなった。
 「あなたは笑っているね。しかしいつかあなたが外務大臣になった時、あなたはこういったことを読まざるを得なくなるだろう。ブルッキング研究所の研究の『テヘランへの道』というものがある。この研究の結論はこうだ:イランを封じ込めようとしたら、まずシリアから始めねばならない

 「我々は今回の危機の始まった時、何人かの欧米特使に言われたのは、シリアとイラン、シリアとヒズボラ、シリアとハマスの関係が今回のシリア危機の主要な要素だ。もし我々がこの問題を解消すれば、アメリカは危機を収束させるよう支援するだろう。しかしもし全部とは言わずとも殆どの湾岸諸国はイランとの非常に重要な関係を持っているのに、シリアがイランとの関係をもつことがなぜ禁止されるのか言ってくれる者は誰もいなかった」 

 シリアの外相にとっては、この危機は結果的に「法令と改革と新憲法」によって示された「正当な要請」と共に始まった。それから「国民の平和的計画をハイジャックするため「この正当な要請」を利用する「外国勢力」がやってきた。

 おなじみの話がそれに続いた。「シリアを何世紀も後退させるよう遡ることなど市民の一人として受け入れることはできない。基本的に・・・世界のいかなる政府も、時には外国からやってくる、ジハードの名で通りや村を占拠する武装したテロリストを受け入れることはできない」

 国民を保護することはシリア政府の義務であった。アサドはシリアの統一を代表する存在であり、すべてのシリア人はシリアの新しい未来のために参加すべきである。もしもシリアが失敗すれば、隣国も倒れるだろう。ムアレムは29日非同盟国会議に参加する為にイランに向かう。

 私は化学兵器について尋ねた。シリアがそのような兵器を保持しているとして、それが自国民に対して使用されることはない、と彼は語った。「我々はアレッポで、ダマスカス郊外で、その前はホムスやイドリブで、武装したグループと戦ってきた。これはシリアの都市で戦っているということだ。そして我々の責任は国民を守る、ということだ

 田舎でなされた残虐行為で非難されたシャビハ民兵については、ムアレムは彼らの存在を信じていないとしている。地方には武装グループから自分たちを守る非武装のグループが存在しているかもしれない、と彼は語った。しかし、親政府的で政府から給料をもらっている民兵?そんなものは存在しない。シリアの外務大臣に対する戦争犯罪を指摘する声はない。しかし、彼のオフィスの窓の外では砲声が鳴り止まない。

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リビヤの民兵たち

◆8月29日

 リビヤのカダフィ政権が転覆させられて以来、リビヤは「民主国家」になるどころか、無秩序と暴力が蔓延する国になりつつある。このカダフィ政権転覆を主導した当のアメリカでさえ、国務省がアメリカ人の旅行者に、「リビヤには行くな」と警告を発するほどになっている。

 特にトリポリやベンガジでのカージャッキングや強盗、それに暗殺事件などが増えている。カダフィ政権の生き残りの者たちも、権力奪還をあきらめたわけではないから、これからはカダフィを倒した者たちが、倒されたカダフィ政権の生き残った者たちによって暗殺されて行く流れが強まるだろう。またリビヤの一般市民も、カダフィ時代を懐かしむことこそすれ、今のリビヤの状況を歓迎している者など、殆どいないものと思う。

 従ってこれからのリビヤはカダフィ派による反革命的流れが強まるだろう。つまり、これからはカダフィを追い詰め殺害した者たちが、今度は自分たちが追い詰められ暗殺の恐怖に眠れない夜を過ごすことになるのだ。「震えて眠れ!

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●アメリカ国務省:アメリカ人はリビヤには行くな
http://thecable.foreignpolicy.com/posts/2012/08/27/state_dept_to_
americans_don_t_go_to_libya
【8月27日 By Josh Rogin】

 カージャッキング、強盗、誘拐、民兵の暴力沙汰などがリビヤではびこりだしている。アメリカ国務省はアメリカ人に対してリビヤから離れているよう警告している。これはカダフィの軍から反政府勢力が首都トリポリを奪ってほぼ1年たっての現実だ。 

 皮肉にも、本日アメリカ領事館はリビヤへの旅行を取り扱う業務を開始したが、同時にアメリカ人に対してリビヤへの旅行は危険すぎると警告している。民兵が現行法や必要な手続きを無視して外国人を逮捕しだしているが、国務省はそれに対して何もできないでいる、と警告している。

 「国務省はアメリカ人に重要な理由以外のリビヤへの渡航をしないよう警告する」と本日発行の旅行に対する警告書に認められている。「暴力事件、とりわけカージャッキング、強盗が深刻な問題となっている。加えて、政治的暴力、暗殺、車爆弾事件がベンガジとトリポリの両都市で増加している」とある。

 2011年9月以来、国務省が警告を出すのはこれが初めてであり、リビヤで7月7日に選挙が行われて以来、初めてである。この選挙でカダフィ政権転覆以来国家の運営を司っていた暫定国民評議会が全国国民議会と今月取って代わった。この選挙は自由で公正なものとされていたが、今や主要都市での治安の悪化によって政治的不確実性が支配的となってきた。 

 「選挙が行われたにもかかわらず、暴力事件がトリポリ、ベンガジその他の地で問題となり続けている」と、旅行に対する警告書では言っている。「とりわけ、武装したカージャキング、強盗が増加している。それに加えて、トリポリでの車爆弾事件や軍将校と元ベンガジの高官だったといわれる者たちの暗殺事件が増えている。民兵同士の紛争が何時、何処で起きてもおかしくない状況だ」とある。

 国務省は先月末に起きたイラン人赤新月社代表団の7人のメンバーの、イスラム・リビヤ民兵による誘拐事件を指摘している。この代表団はリビヤ政府によって招待されていたが、民兵組織によって、「彼らの活動と意図がシーア派の教義を広めるためのものかどうか見極めるよう」、待ったが掛けられた、とリビア高官がAFPに語った。

 イスラム主義的急進主義者らは歴史的また宗教的に神聖な場所に対する攻撃を裏で行っているとして非難されている。この攻撃はスーフィー派のイスラム教徒に対するもので、時にはリビヤ内務省の制服を着た者たちの支援をうけて行われているケースがある。内務大臣のファウジ・アブデル・アアルは26日のスキャンダルのため辞任した。

 民兵らはまた外国人らを「リビヤの法律を破ったないしは破ろうとした」として逮捕している。そして民兵が政府によってコントロールされていない状態なので、国務省は何もできないだろう。

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アメリカ・カナダとの共同演習に参加するロシア空軍

◆8月28日

 さまざまな面で対立的な関係にあるロシアとアメリカであるが、対テロということになると協力関係を継続しているのが、この両国である。特に以下の記事にあるように、航空機テロとなれば本物のテロであり、今現在シリアで行われているような、民主化運動と絡んでのテロ活動とは明確に判別できるものだから、ロシアも参加しやすい。

 外交とはこのように、不倶戴天の敵であっても、将来を考えて協力する、ということも大切になる場合がある。それはそれ、これはこれ、というような関係だ。したたかなロシアはアメリカとの関係でも、はっきりと物は言うし、対立も辞さないが、同時にアメリカとの関係を大切に考えていることも分かっている。

 オバマが再選されたら、そういう意味でプーチンのロシアとオバマのアメリカは急接近する可能性も出てくるだろう。

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●ロシア空軍:アメリカでの対テロ演習に参加
http://en.rian.ru/mlitary_news/20120827/175451589.html
【8月27日 RIA Novosti】

 ロシア軍兵士がアメリカ・カナダの兵士らと共に、民間航空機へのテロ攻撃を撃退するというヴィジラント・イーグル2012軍事演習に参加する、とロシア東部軍区の広報が27日報じた。

 「このヴィジラント・イーグル2012演習は、8月27日~29日に行われる。これは民間航空機へのテロ攻撃があった際に、ロシア軍とNORAD(北米大陸防空システム)との間の相互作用を円滑に進めることが目的となる」と、軍区のスポークスマンであるアレクサンダー・ゴルデイェフ大佐が語った。

 この演習は三度目で、最初のは2010年に行われた。

 この演習にはロシア、アメリカ、カナダ軍部隊が参加する。司令部はコロラド州のコロラド・スプリングスとアラスカ州のアンカレッジに置かれ、またロシア極東のハバロフスクとペテロパブロフスキー・カムチャッツキーにも置かれる。

 ロシア部隊は東部軍区第三航空・防空司令の司令官であるセルゲイ・ドロノフ少将に率いられ、NORADの部隊は、ジョセフ・ボネット3世訓練・演習部長が率いる。

 「ドロノフ少将率いる最初のグループはコロラド・スプリングスの主司令部の一部として参加する」と、ゴルデイェフは語った。

 「東部軍区防空・航空司令のセルゲイ・ズムリン少将率いる第二グループは、第二司令部のアンカレッジで参加するだろう」とゴルデイェフは語った。

 NORADはアメリカ・カナダ共同機関で、両国に航空警報と防衛を供給している。

 NORADのプレスリリースによれば、コンピュータを軸とした演習は「二つの国際線フライト、一つはアラスカ発のロシア領空へ向かうフライトと、ロシア発でアメリカ領空に向かうフライトで構成されている」とある。

 「基本的要素は、外国の商用航空貨物機がテロリストによって乗っ取られたというものである。この航空機は交信できない状況である。演習のシナリオはロシア空軍とNORADが戦闘機を送って航空機を調査し追跡することが要求される状況を生み出している」と、NORADは語った。

 この演習は、「参加国の戦闘機同士の間の受け渡し(hand-off)の協力関係」に焦点が絞られる予定だと付け加えて語った。

 「これらの演習は想定できる航空テロの脅威を阻止するため、ロシア空軍とNORADとの協力関係を深めるために継続する」とNORADは語った。、

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シリアでの戦闘

◆8月27日

 シリアのアサド大統領がイランの国会議員と話している内容がある。その中で大統領は不退転の決意を示している。その下のロバート・フィスクの記事によっても、反政府勢力の多くが非シリア人であることが指摘されている。このことはこのROCKWAY EXPRESSでは先刻承知のことだ。

 激しい戦いであるが、シリア政府も軍もよく戦っている。そしてこれは昨日のことだが、初めて日本のテレビで、シリア国営テレビのクルーが戦場を取材している姿の映像を放映していたのを見た。一方的に反政府勢力の方から流れてくる情報ばかり流していた日本のテレビ局が、シリア政府の側から取られた映像を流したのだ。

 以下のロバート・フィスクの記事でも、シリア国営テレビ放送が戦場の様子をかなり詳細にそのまま加工しないで流している様子を語っている。ともすれば、日本のテレビ局などは、シリアのような独裁国家で客観的な情報など流すわけがない、というような頭から馬鹿にする風潮がありそうだが、真実はまったくその反対で、湾岸諸国のアルジャジーラやアルアラビア、それにBBCとかCNNなどという欧米のメディアの方が、頭からいかさまの情報を流しているのである。

 シリアの攻防は人類史の分水嶺とでも言っても言いすぎではないだろう。人類がどこまで愚かなのかが試されているのが、このシリアの攻防である。アサド政権が崩壊するようなことがあれば、人類の未来は良くない・・・というより悲惨なものになりかねないだろう。

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●アサド大統領:シリアは「外国の陰謀」を打破するだろう
http://www.presstv.ir/detail/2012/08/26/258291/syria-will-defeat-foreign-conspiracy/
【8月26日 PressTV】

 「シリア国民はこの陰謀が遂げられることを許すことはないであろうし、その陰謀をいかなるコストがかかっても粉砕することだろう」と26日、イラン国会の安全保障・外交委員会委員長のアラエディン・ボロウジェレディとダマスカスでの会談でアサド大統領は語った。

 大統領は、「外国勢力はこの中東での計画を完遂するためにシリアを標的としてきている」と付け加えて語った。

 「欧米の協力関係がいかに親密であろうとも、そして中東のいくつかの国がシリアに対してその姿勢を改めるよう説得を試みてはいるが、シリア政府はそのレジスタンス戦略を継続し、国家の正当な権利を擁護するであろう」と大統領は指摘した。

 シリア大統領は、シリアはその基本的スタンスを変更することはせず、また欧米とその同盟諸国の陰謀は失敗するだろう、と強調した。

 ボロウジェレディは、シリアの安泰はイランの安泰であり、両国は共通の利害を持っている、と語った。 

 彼は、イランがシリア政府とシリア国家をあらゆるレベルで常に支援することを強調し、シリアが現在陥っている危機を克服するためにできることに対してはイランは何でもやるつもりであると語った。 

 イランの外務省スポークスマンのラミン・メフマンパラストは25日、イランは昨年の8月にイランのテヘランで行われた非同盟運動の会議の期間中に、シリアの危機の解決に向けた提案を提出する予定だと語った。

 イランのアクバール・サレヒ外相は25日、イランのシリア紛争解決のためのイニシアティブは国連・アラブ連盟特使のコフィ・アナンの6か条和平計画を基礎としていると語った。

 シリアは2011年3月以来紛争に見舞われてきていて、治安部隊兵士を含む多くの人々が殺されてきた。

 欧米と反政府勢力は殺戮をシリア政府によるものとして非難しているが、シリア政府は無法者、破壊者ら、反乱者らがこの殺戮の下手人であると非難し、それは外国による工作である、と非難している。



■シリアの非内戦(uncivil war)
http://www.independent.co.uk/opinion/commentators/fisk/robert-fisk-the-bloody-truth-about-syrias-uncivil-war-8081386.html
【8月26日 By Robert Fisk The Independent】(部分訳)

 アサド政権転覆を図る者たちは彼らの火力と残虐な戦術でシリア政府軍を驚愕させている。

 自由シリア軍による先月始まったダマスカスへの激しい攻撃の数時間後、シリアの新情報大臣のオムラン・ズビは記者団に向かってこう言った。「あなた方はこのダマスカスで何をしているのか?」「兵士らと共に外に出よ!」と叫んでいた。そしてその日の内に、アサド大統領の写真とシリア軍の写真が、実際の生の戦闘の映像に置き換わっていた。「我々はここを掃討した」と疲れているが怒りに満ちている将校が言った。「それでこれから残りの奴らを蹴散らしにいく」と。かつてないほどの、シリア軍が1973年、ゴラン高原のオブザーバトリー・リッヂを襲撃した時でもこのように、かくもリアルな映像がテレビで放映されたことはなかった。

 ダマスカスでの戦闘はマヘール・アサドの第四師団が行った。このアサド大統領の弟に忠誠を誓う兵士らに情け容赦はなかった。「それは殲滅戦だった」と軍情報に詳しいシリア人が語ってくれた。「多くの死体を見れば、彼らはシリア人ではないのだ。彼らはエジプト人、ヨルダン人、パレスチナ人、トルコ人も、スーダン人も・・・」。彼はある場所で70遺体を数えた。42人が非アラブ人だ。自由シリア軍は自分たちはたったの20名の兵士を失っただけだと言った。そしえシリアは「外国人戦士」の数を強調していると非難した。「シリア兵は同じ仲間のシリア人を撃っているということを考えたがらない。彼らは外国人を撃っていると考えたほうが気が休まるのだ」とこの若い男は語った。

 シリア戦争における統計数字は常に議論の的だ。両者が自分たちの損失を低く見積もるし、また「殉死」の数を誇大にするからだ。我々は正確な数字を把握することはできないだろう。欧米では戦争犯罪人だと糾弾している高級将校や将軍らと接見して、一人の将校が残虐行為を行う民兵のシャヒバの存在を部分的に認めていった:「シャヒバというものは存在しない。それは想像上のものだ。実態は、ある地域を守るための自警団が存在しているということだ」と語った。

 ・・・

 欧米で言われている話と違い、武装した者たちがシリアの諸都市の通りに18ヶ月前から存在していた。確かにアラブの春が非武装のデモ隊で始まったのだが、一人のアルジャジーラのカメラマンが撮影したように、シリア兵に向かって武装した者たちがワディ・ハラクで攻撃したのが2011年5月のことだった。同じ月、シリアテレビは、デラアでカラシニコフで武装した男たちが非武装のデモ隊の近くにいるのをテープに収めた。

 デラアに入ったシリア軍将校と兵士らは、武装した敵に直面しているとは信じられなかった。「町の60%は一日で安全になった」とこの時の作戦を知っているシリア人が語った。「1100名の兵士が来た。以前にはなかったことだ。それは武装したグループが存在しているとは考えなかったから。しかし、残りの部分を解放するのに5日間かかり17名の兵士を狙撃兵のために失った」・・・略

 「ホムスでは、兵士らはビルの内部に立て篭もったが、彼らはロケット推進擲弾を、それこそ100発は食らった。あちこちで爆発物の爆発があった。それで我々は撤退した。総崩れになりそうだったから」。兵士らが撤退すると、彼らはビル全体を爆破してしまった。シリア軍兵士らは敵対する者たちの無慈悲さに度肝を抜かれるのだった。 ・・・略

 自由シリア軍がアレッポと共にダマスカスを攻撃した際、当局は彼らの最初の標的が砲兵学校であったことを知った。70名ちょっとの生徒らがなんとか援軍がくるまで持ちこたえていた。学校のすべての対空ミサイル要員はすばやくアレッポから送られてきた。それはイスラエルないしはNATOからの攻撃があった際、シリアの戦術ミサイル防衛を防御するためだといううわさが流れた。

 ・・・シリア軍将校への攻撃は緻密な計画でなされてきた:科学研究センターの科学者らが暗殺された。今年6月に空軍による攻撃が始まるずっと前の昨年中に、7名のパイロットらが殺害されている。迫撃砲に対抗して大砲を使用し出したのは今年に2月になってからだ、と軍では言っている。 

 政府にとっては状況は厳しいものだ。軍はアルカイダの要塞となっているイドリブが今回の戦争で最大の激戦地になるだろうと見ている。

 一般人のバスが捕獲され選択肢が示されたというケースが報告されている:捕らえられた者たちの親族が自由シリア軍に7000ポンド(45万シリアポンド)を支払うか、もしくは捕らえられた青年らは自由シリア軍に参加しなければならない、というものだ。アルクゥサイル近くの12000名のクリスチャンのいるラブレー村が人間の盾として反乱者らによって人質となった。軍はこの村を取り戻すのには損失が大きすぎる、と見ている。

 アサド政権は、いくらでも代替の戦士が出てくる、よく武装された無慈悲な敵と直面している。その敵を支援するイスラム主義者の支援者たちは欧米から支援されている。丁度1980年代にアフガンのソ連兵と戦うためにイスラム主義者のムジャヒディン戦士らが欧米によって育成され武器を支給されたようにだ。5万名の兵士と4000台の戦車でシリア軍はこの戦争に負けるわけにはいかないだろうが、勝てるのだろうか?

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