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炎上するカイロ市街

◆1月31日

 エジプトの革命的段階に入った抗議運動だが、この中東での政治的騒乱を一番気にしているのがどうも中国らしい。彼らはインターネット検索で「エジプト」の文字を入力しても結果が出ないような措置を採ったという。

 既にこのブログでも指摘したように(1月28日号)、今の中東での騒乱が中国やアメリカに飛び火する可能性が存在し、それに対し特に中国はその騒乱がインターネット、特にマイクロブログなどを通しての呼びかけなどで集結した群集のデモが事態を大きくしている原因とみているので、このインターネットに対する手を打ったらしい。

 恐らくそれは一時的には功を奏するであろう。しかし、今中東で起きている動きはそのままでは終わらないであろうから、遅かれ早かれ、今の中東の動きは何らかの形で中国にも飛び火することになると思われる。

 その時、共産党と軍がどのような動きをとるのか、ということで、中国の運命が今後どうなるかが分かる。
 
 百年前のことを見ると、民主化運動の果てに、軍閥の割拠する時代が続いた。今の人民解放軍が共産党を超えて国の主権を握ることも考えられる。軍事独裁国家への道を中国が採る可能性無きにしもあらず、と見ておかねばならない。

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●中国はインターネットでの「エジプト」検索をブロックhttp://af.reuters.com/article/egyptNews/idAFTOE70T00H20110130
【1月30日 ロイター】

 中国はマイクロブログでエジプトという文字を検索できない措置を採った。これは中国政府が政治改革を要求しているエジプトの抵抗運動が中国のインターネット空間に飛び火することを懸念しての措置と見られている。

 「エジプト」という文字のマイクロブログでの日曜日の検索で、中国のウェブ・ポータルであるSina.comやSohu.comでは、法的措置によって検索結果は見つからないかないしは表示されません、という文を掲載した。

 アラブ世界を揺るがしている5日間に及ぶ、かつてない抵抗運動でエジプトでは今までに100人以上が死亡している。

 日曜日、1000人以上のデモ隊がカイロ中心部に集結しムバラク大統領の退陣と、副大統領の指名を取り消すことを要求した。

 中国はエジプト滞在の中国国民に対し、中国人旅行者は計画を再考しエジプト駐在の中国政府機関に支援を求めるよう警告を発した。

 中国国営メディアは死亡者数を含むエジプトの騒乱状況と、ムバラク大統領が後継者と認めるサインと思われる副大統領を初めて任命した件などを報道した。

 28日には、中国国営新華社通信は、携帯電話およびインターネットへのアクセスがカイロで切断されたと報じた。

 しかし、中国のマイクロブログに対する検閲は、エジプトでの出来事が政治的な反対運動の模範として取り上げられることを避ける狙いがあると思われる。

 中国は、インターネットはその4億5000万人のユーザーたちに解放され自由に使えると言っているが、政府はツィッター、フリックル、フェイスブック、ユーチューブなどの数多くのソシャル・ネットワーキング・サイトをブロックしている。こういったサイトは世界中でデモ隊の動員に使用されてきた。

 また中国の安全保障に有害と思われる、ないしは法に触れるサイトを日常的に閉鎖あるいはコンテンツを削除している。

 中国共産党のタブロイド紙であるグローバル・タイムズ紙は30日、民主主義はエジプト、チュニジアの条件には合致しない、また「カラー革命」は本当の民主主義を達成することはできない、とその論説で語っている。

 最初旧ソ連諸国に於ける民主主義運動を表現する際に使用されたカラー革命は、勃興する民主主義運動をアフリカやアジアの「大通りでの騒ぎ」として引き起こしている、とグローバル・タイムズ紙は述べた。

 チュニジアのジャスミン革命の抵抗運動は1月中旬にはベン・アリ大統領に国外へ脱出するのを余儀なくさせた。
 
 「民主主義はチュニジアとエジプトにとってはまだ遠い存在である。民主主義が成功するには、経済、教育、社会的問題における実質的な基礎が無ければならない」とグローバル・タイムズ紙は指摘している。

 「しかし、これが政治システムの問題となると、欧米モデルはいくつかある選択肢の一つに過ぎない」と同紙は語っている。

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イエメンでのデモ


◆1月28日

 世界中で騒乱が起きはじめている。既に述べたように、これはこの世を牛耳る国際金融勢力らが作り上げた世界秩序に対する反乱である。冨を奪われた者たちがこの勢力の手先になっている立場に立つ為政者らに対し、反旗を翻しているのだ。

 これは近年ウクライナやグルジアなどで起きた、CIA主導の偽の「民主革命」とは違う、草莽の人々の本当の反乱である。チュニジアでは青年が焼身自殺をした。生活できないからだ。

 ウクライナやグルジアなどの革命は何百万ドルも工作資金を掛けて、買収された者たちが偽のデモなどを起こして行った偽の革命であったが、今回のは違う。だから命がけだ。人々は本当に体を張って抗議活動を行っている。

 この動きが今後どうなるか、次はアメリカに飛び火するのか、あるいは中国へ、まだ分からない。しかし、徐々にであっても確実に、その方向に事態は進んでいくであろう。その騒乱状態の中で、世界はどうなっていくのか? 

 そこに、この日本の使命が浮上してくるであろう。しかし今の日本政府ではとてもそのような世界史的な役割を担うのは無理であろう。だから、日本も混乱する。その混乱状態の中から、救国・救世的な政権が生まれることを期待せざるを得ないのだが・・・

 新燃岳の噴煙は、神々の怒りの現れであり、警告である。日本人よ目覚めよという・・・

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●世界中で反政府騒乱:次はアメリカの番か?
http://www.propagandamatrix.com/articles/january2011/270111_world_gripped.htm
【1月27日 Paul Joseph Watson】

 世界は反政府騒乱の渦に見舞われている。昨年ヨーロッパを見舞った騒乱は今や野火のように中東地帯から広がり流血の衝突を強め、当局の弾圧を余儀なくさせ、新天安門事件スタイルの殺戮が拡大する危機が広がっている。
 世界のあらゆるところに拡大しているこの騒乱の次の場所はアメリカであろうか?

 リーマン崩壊の6ヶ月前になされた、国連のドキュメントを根拠としての我々の3年前の予想、すなわち世界は大規模な食糧強奪騒乱と経済崩壊からの反政府騒乱に見舞われるという予想は、今や驚くべき速さで現実化している。

 最近混乱情況に見舞われたのは、チュニジア、エジプト、イエメンなどだが、イエメンでは30年間政権を握っていたアリ・アブドゥラ・サレ大統領の追放を要求し貧困に対する対策と政治的自由を要求している。

 イエメンでの騒乱は、チュニジアの騒乱に触発されて起きた。このチュニジアでは権力を濫用し自分らの懐を肥やし国民は貧困に追いやられたと非難されたベン・アリ大統領の追放をもたらした。ベン・アリは国外逃亡を余儀なくされ、暫定政府はこの大統領とその妻に対する国際的逮捕礼状を出した。

 チュニジアでの騒乱はエジプトでの大規模抗議運動に繋がった。エジプトではムバラク大統領の政権の終焉を要求している。警察と衝突したデモ隊で4人が死亡している。

 翻ってアメリカを見ると、賃金のカット、高い失業率、インフレスパイラル、食糧価格の上昇、それに厳しい緊縮財政の形で実施された金融テロの犠牲者の中で経済崩壊の影響を受け始めている最中、この6ヶ月間なんとか騒乱に見舞われていない地域として残っている。

 世界中で起きている騒乱に対応する諸国が主要食糧である、小麦、とうもろこし、大豆をアメリカから輸入するしかない状態なので、それらの価格は天井に張り付いたままである。

 「緊急事態に遭遇している市場では、インフレを引っ張り、可処分所得は減っているため、騒乱、デモ、政治的不安定が助長される」と、ニューヨーク大学のエコノミストであるヌリエル・ルビニ氏はダボスでのインタビューで語った。「中東で見たような政権崩壊を起こす事態である」

 2008年、リーマンの崩壊で金融危機が始まる前、我々はインフレと経済的不安定が更にインフレを急激に高め、食糧価格は急騰し、それが世界的な騒乱を引き起こすと警告した。

 去年の6月、ヨーロッパのフランスやイタリア、それにイギリスなどで大規模抗議運動が起きる前、我々は、「政府主導での納税者からの強奪の高度な段階を示すに過ぎない、いわゆる緊縮財政の手法をとれば」、経済崩壊を最初に引き起こした金融テロリストらによって自分達の仕事、貯金、基本的社会保障、年金、幸福を奪われた人々が「大荒れの時代」を呼び起こし「騒乱と革命」さえ求めるようになるだろうと予測した。

 その「大荒れの時代」が今、この世界で現出しているのだ。政府の転覆が起こり、経済的な逼迫から決死的になっている人々がその救済とましな生活水準を求めて騒乱を引き起こすことを余儀なくさせられている。

 このような予測をした時、水晶玉を持つ予言者はいなかったが、グローバリストたちが何を言い、中流階級を骨抜きにし持てるものと持たざるものに分ける古代のカースト制度を世界に押し付けようとする彼らのアジェンダの結果がどういう事態をもたらすかということを読んでいたのである。 

 最後の問題は、何年か前、あの憎いほど正確に予測するジェラルド・セレントが警告したように、アメリカが似たような情勢に見舞われるのか、なるとしたらそれは何時かということだ。
 セレントは、「税不払い運動と食糧騒乱」が2012年までにアメリカを襲うと予想しているのだ。

 「内乱」を引き起こすかもしれない迷走するこの経済の反動として社会騒乱の可能性をタイム誌でさえ深刻に取り扱っているように、我々は混乱の淵に立っている。
 
 2008年11月、経済混乱が勃発し進行している最中に、アメリカ軍戦争大学は白書を公表 「既知・未既知」:国防戦略開発における非伝統的戦略ショックだ。この報告書は軍は「予想し得ない経済崩壊」「目的を持った国内抵抗運動」「拡散する公共衛生面での緊急事態」ないしは「機能する政治また法的秩序の喪失」で惹起されるであろう「アメリカ国内での暴力を伴う戦略的騒乱」に対する準備を整えておく必要があると警告している。
 
 この報告書では「広範囲な騒乱状態」は「防衛当局をして急進勢力に対する優先度を国内秩序と人間の安全保障へ振り向けることを余儀なくさせるであろう」と記している。

 イギリス国防省報告の一つは、似たような内容を持っている。30年以内に、スーパーリッチと社会秩序に対する脅威となる郊外にいる最下層と共に中流階級とのギャップが広がれば、「世界の中流階級は団結し、知識、情報、技術を共有することで自分達の利益を確保する方向で国境を越えた方式を決めるかもしれない」そして、「中流階級が革命階級になるかもしれない」としている。

 我々が目撃している暴力的なシーンを見れば、アメリカがこの危機状況に巻き込まれるかどうか、あるいは世界のエリート達が、彼らが起こしている中流階級と貧困層に対する戦争が彼ら自身も扱いきれなくなる反動を引き起こすかもしれないということに理解が至ることで、そのようなシナリオを阻止するよう動くかどうかが分かるようになるのに、そんなに長く待つことはないだろう。

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ハリリ暗殺現場を前もってイスラエルの無人機が撮影していた


◆1月21日

 レバノン情勢について既に1月17日号で示したが、以下の記事は去年の7月に書かれたもので、イスラエルのレバノン内のスパイ網の摘発を取り上げ、ハリリ元首相暗殺の黒幕にイスラエルの役割があったことが示唆されている、という内容である。

 とりあえず、このようなイスラエルのスパイ活動の規模だけを見ても、ハリリ暗殺の問題からイスラエルを除外することは決してできる話にはならないはずである。それに暗殺当時の諸々の情況を考えると、例えば使用された爆薬なども非常に特殊な、アメリカとその同盟国でしか使用していないものであることなどを考えれば、これはその筋、すなわち欧米・イスラエルが背後にいることが推察されるのであるから、ヒズボラだとか、イランだとかいう話にはならないのである。


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●ハリリ元首相暗殺におけるイスラエルの役割
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=20233
【2010月7月 by Rannie Amiri】
 
 中東では、政治工作、諜報活動、そして暗殺などのつながりは隠すほどの事もない日常のことである。
 2005年に起きたレバノンのハリリ元首相の未解決のケースも、イスラエルの関与を含むこの隠密作戦の全貌が表面化してきている。

 レバノンにおけるイスラエルのスパイ・リングが摘発されていて、この18ヶ月間で70人以上のスパイが逮捕された。その中には、4人のレバノン軍の高級将校や保安関係高官らが含まれていた。その内の一人は1984年以来イスラエルのモサドのためにずっと工作をしてきていた。
 現行の捜査で2010年7月に重大な進展がなされ、特にアルファ携帯電話会社で通信・放送担当責任者であったチャーベル・カジの逮捕がその頂点をなした。
 
 レバノンのアス・サフィール紙によれば、カジはコンピューター・プログラムをインストールし、アルファ内の送信機に電子チップを埋め込んだことを告白した。こういった装置はイスラエルの情報機関によってモニターされ、暗殺対象者の存在位置を示しターゲットにする事ができ、また連絡網に関する情報記録を抹消するウィルスを埋め込むことができるものだった。カジがイスラエルに協力するようになったのは14年前に遡る。

 2010年7月12日、アルファでの第2回目の逮捕劇が起きた。カジのパートナーでエンジニアであるタレク・アル・ラバはイスラエルに有利となるスパイ活動とレバノン国家の安全保障を危うくしたことで逮捕された。数日後、3人目のアルファの会社員が拘留された。
 
 イスラエルはこの件でコメントすることを拒否した。しかしながら、レバノン軍内および通信部門へ浸透してきたイスラエルの能力はレバノンを震撼させ急に安全保障面での懸念が高じた。

 これらとハリリ暗殺とどのような関係があるだろうか?
 イスラエルのために働いてきたレバノン軍内の売国的な高級将校の一派はさておいて、レバノン特別法廷(STL)の正当性が問題となってきた。
 このSTLは国連のお墨付きを持った機関であり、2005年2月14日に1000kgの爆発物をハリリ氏の車列近くで爆発させ、ハリリ氏の他に21人を殺害した暗殺事件の下手人を告発する使命を持つ機関である。STLは電話交信記録と携帯電話通信記録を証拠の大部分とする起訴状を9月には出すとされている。
 
 AFP(フランス通信)によれば、「国連調査団の準備レポートは、ハリリ氏殺害当日の携帯電話のデータを集めたものを証拠とした」という。
 レバノン通信も同様に、「未確認のメディアの報告では、早ければ9月にも起訴ないしは証拠を示すだろうという国際的な調査は、電話記録をハリリ殺害の陰謀がなされたという証拠にするという。シリアとそのレバノン内の同盟関係者が疑われている・・・」という。
 
 7月16日のテレビで、ヒズボラの事務総長であるサイド・ハッサン・ナスララ氏は、STLはイスラエルの集めたイスラエルに都合の良い交信を使用し、元首相暗殺のグループを不正に示唆しようとするだろう」と予想している。
 「STLの起訴とか、何人かはフェイク(偽者)と判明した証人の分析を、またデータ改ざんができるスパイが浸透していた通信網を重視する者たちがいる」と言う。
 
 「2006年の戦争前、これらのスパイはイスラエルに重要な情報を流していた。この情報を元に、イスラエルはレバノンの機関の建物や工場、住宅などの建物を爆撃したのだ。多くの犠牲者が出た。またそれ以上の負傷者が出た。これらのスパイはこの殺戮の、この犯罪の、この脅威と立ち退きの協力者である」と語った。

 ナスララ氏はSTLの操作のことを、「イスラエル・プロジェクト」と呼んでいるが、これは「レバノンに混乱を引き起こす」という意味だ。
 その通り、2008年5月にはレバノンはそのことを体験した。フォアド・シニオラ首相(元)の統一政府は18ヶ月間の頂点で行き詰まり、彼の内閣がヒズボラの固定交信システムが非合法であるという全会一致の決定でレバノンは内乱の瀬戸際に追いやられたのだ。
 
 2006年7月のイスラエルのレバノン侵略の際の戦闘で威力を発した通信ラインの価値を考慮し、かつ国営のテレコム社は陰謀に加担している可能性を考えて、ヒズボラはシニオラのこの通信網を破壊せんとする計画に抵抗した。
 
 彼らのメンバーが西ベイルートに展開し政府の計画を葬った。2年後、彼らに対する嫌疑は晴れた。
 自由愛国運動指導者のミシェル・アウン氏はSTLは「統制できない」ヒズボラ・メンバーを起訴するだろうし、「レバノン・レバノン人とレバノン・パレスチナ人の緊張、イスラエルによるレバノン戦争」がそれに続くとナスララ氏に警告してきた。
 
 ナスララ氏とアウン氏の主張を裏付けるように、イスラエル国防軍のガビ・アシュケナジ参謀総長は、「大いに願わしい事であるが」レバノンの情勢は9月、STLがヒズボラをハリリ暗殺容疑で起訴すれば悪化することだろう、と予想した。
 
 イスラエル外交委員会でのアシュケナジ参謀総長の上機嫌の予想の言葉は、イスラエルが願ったようにはならなかった:内乱の醸成と通常は親シリア派と反シリア派に分かれるレバノン各派間の紛糾というものだ。
 アシュケナジはこのことを予期していた。勿論、それは決定的な電話記録にイスラエルが自由にアクセスできるということでヒズボラに罪を着せることになることを知っていたからだ。
 
 レバノンにいるイスラエルの情報員と工作員、それにテレコム網への浸透工作は暴露されている。少なくとも、STLはハリリ氏の死にヒズボラが関与していると言われている証拠は全く
信用ならず改ざんされたものであるということを承認すべきである。
 
 イスラエルのスパイ網が摘発された際のカジとアル・ラバの逮捕で、STLはその焦点をこの地域でハリリ氏の殺害で唯一利益を得たプレーヤーに絞るべきであろう;そのプレーヤーはヒズボラを起訴する計画が現実になれば更にその計画を推し進める者たちである。
 イスラエルに目を向ける時なのだ。
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チュニジアのプロテスターたち

◆1月19日

 アラブ世界の一角にあるチュニジアで暴動が発生、結果として政権が崩壊、新政権が形成されつつある。これに触発されたようにその他のアラブ世界でも似たような動きが出てきている。

 これを欧米型のグローバリゼーションに対するアラブ民衆の反乱、と捉えるのが以下の論文である。実は以下の話はなにもアラブ世界だけの話ではなく、わが日本をも含む全世界に共通する話なのだ。

 グローバリゼーションとは、インターナショナリズムの言い換えに過ぎない。ただしこの左翼インターナショナリズム運動の背後には世界的銀行家らがいて、それを進めたという事実を理解しないとわけが分からなくなる。

 レーニンのロシア革命は欧米の銀行からの資金援助がなければ成功しなかったであろう。一切の運動には資金が必要なのだ。1848年のフランスの革命でもロスチャイルド邸は襲撃されなかったのにはわけがある。
 資本家らは今、グローバリゼーションを掲げ、国家の壁を越えて、資本の力であらゆる利権を買いあさっている。

 今の日本の民主党が、アメリカの圧力で今の動きをしていることは明らかである。菅政権は欧米の圧力の中で、彼らの利益を中心とする政策の実行を目指しているといえよう。圧力とは、脅しである。簡単に言えば、脅しに屈っしたと考えざるを得ない。

 チュニジアでは若者が焼身自殺をした。エジプトやアルジェリアでも焼身自殺するものが出てきた。事態はそこまで悲惨な状況であったことがわかる。
 今、アラブ世界の特に独裁国家では、たとえば、エジプト、リビア、モロッコ、そして多くの王国など、戦々恐々としていることであろう。欧米諸国といい関係にあるアラブ諸国の政権は特にそうだ。

 今の時代はかつての過去の時代とは一線を画する。違うのだ。このことをこのブログでは再三再四指摘してきた。今や今までのまやかしが暴露され、今までの一切の欺瞞が崩壊していく時代になっている。これからますます人々の意識は目覚め、根本的変革へと進んでいく。

 「最後の鐘がなる・・・収奪者が収奪される」・・・(マルクスも知らなかった時代が迫ってきている)


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●グローバリゼーションの失敗:民主主義のアラブの春
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=22828
【1月17日 by Abdul Ilah Albayaty and Hana Al Bayaty and Ian Douglas】

 チュニジアの事件は大統領を追放するといった問題ではなく、欧米の植民地主義的グローバリゼーションのモデルの崩壊、ということだとアブドゥル・イラハ・アルバヤティ、ハナ・アル・バヤティ、イアン・ダグラスは書いている。

 チュニジアの暴動は全世界に影響を与えているこのグローバリゼーションというモデルの失敗の結果である。この国の経済が外国資本に開かれて市場に委ねられた途端に、国家の役割は自動的に損なわれ、ただこのモデルを保護するためだけのものになってしまった。その結果、チュニジアであろうとなかろうと、発展途上国では、人々の利益と外国資本を保護するために生まれた階級との間で矛盾が生まれている。

 アラブ諸国では、グローバリゼーションのモデルは、社会に幸福を広める責任を持つアラブ・イスラム的国家を廃棄することにある。それは第二次世界大戦後の独立運動で生まれた国民国家という概念を捨てることを意味する。この国民国家というものは、国民の発展と幸福いう概念を基礎とすることで正当性を持つのである。グローバリゼーションはまた、福祉国家と公共サービスの提供を基礎とする社会主義的理想の廃棄をも意味する。

 第三世界に埋め込まれたグローバリゼーションのモデルは、時にはイラクのように力で、あるいはエジプトとかインドネシアのように経済的圧力で、あるいは石油生産国の裕福な国家に適用させることで、どこであっても、その国の経済をグローバルな経済に組み込むようにさせ、自分たちの政権と外国資本とその国の資本家の既得権益だけをを保護し管理する役割だけを持つ国にしてしまうコンプラドール(仲買人)階級を生み出すようにしてきた。並行して、どこでも、先進国を含めて、このモデルは金持ちを更に裕福にさせ、中流階級を貧困化させ、貧困層を社会の片隅に追いやってしまった。
  
 チュニジアでは、このモデルが非常にうまく機能していたという幻想は、独立以来続いてきたその独裁政権のやり方に負うところが大きい。しかしながら、どこでもそうだが、その結果は、経済的、政治的に貧困化し見捨てられた人々を生み出し、統治する警察国家階級を更に裕福にさせ、人々の福祉は見向きもされず、いかなる反対にも市場の名の下に厳しい弾圧で対処する国を生み出しただけであった。
 しかし、我々のこの近代という時代では、社会というものは際限なく人を弾圧したりイデオロギーを禁止したりすることのできる組織ではなく、生きた存在なのだ。誰も自分以外を統制することはできないのだ。

 もしも過去に、教育を受けた階級が他の国に移民をするという選択をしたとしたら、そしてそこの発展に寄与するということをしたら、グローバル経済危機と欧米と同盟国の経済のスタグネーションはこの可能性に制限を与えていたことだろう。この状況の結果は、発展途上国における教育され技術を持つ青年らによる軍隊というものだ。
 通常は、そういった青年たちは経済の担い手であり、社会の幸福の守護者であり、また自分の人生への抱負に満ちた者たちである。

 現在の全てのアラブ諸国における政治経済的状況はこれら青年らを暴動へ、そして時に絶望に追いやっている。こういった青年たちは世界の似たような状況にある者たちと同様の生活をする権利を持っていると考えている者たちである。

 1973年後、自分たちの勝利の上にアラブ世界は欧米社会に国を開くことができると考え、そのプロセスは平和と繁栄をもたらすと考えた。サダトの経済自由化と欧米企業の投資を招致したことはアラブ世界での福祉国家の終焉のサインとなった。それ以来、自己発展の夢は廃棄され、アラブ諸国が外国資本に市場を開くことになったのだ。この自由化の政策は、アメリカの祝福を受ける条件となった。最初はレーガニズムとサッチャーイズム、そして世界貿易交渉が続き、世界銀行の構造改革政策であった。

 このグローバル新自由主義的経済の輪の中に組み込まれる事をイラクが多少でも拒否したので、力と占領、それにまたブレマー法を通して石油産業を民営化しイラクの将来を外国企業に渡すことを余儀なくされた。イラクの経済を開放し外国勢力が経済面、政治面、文化面それに軍事面などに自由にアクセスできるように、占領政策はイラクが自力更生できないようにインフラ面と人材の両面での物理的破壊の方式を採ることになった。

 イラクでの経験で示されたように、外国資本はその国の経済の本当の発展を狙うものではなく、自己決定的な発展プロセスの能力を破壊することなのだ。アメリカによって進められている金融資本主義的帝国主義の段階では、第三世界は世界発展で利益を得るのは一番最後で、資本主義の危機の際には最初に被害を受けるのである。

 この政策が達成できる模範例と言われてきたドバイの金融機関でさえ、金融危機に直面し、他の首長国が救済に乗り出さねば破綻するところだった。

 1973年以来の古い世代を活気付けた発展の幻想の一切、社会主義、アラブの統一あるいはルネッサンス、パレスチナにおけるパックス・アメリカーナと欧米化、あるいは解決策としてのイスラムは、こういった理想にアラブの政治勢力が注がれたにもかかわらず、今や何も生み出さなかったし達成されなかったことが示された。

 社会主義の型は崩壊し過去のものとなった;アラブの統一は各国政府のアジェンダにはない;解決策としてのイスラムはイラクのように単に分裂と派閥をもたらした;パレスチナに於けるパックス・アメリカーナはイスラエルの侵略を止めることはなかったし、各国の市場を資本主義的経済に開放しそのシステムに組み込んでも、投資はやってこず、あるいは失業問題や貧困の解決にはならなかった。正当な権利を人々は持っていても自由に国の公務に参加できなかったし、国の経済や国土の豊かさの恩恵を受けることもなかった。

 アラブの青年らはまだいくつかの国で追い求められている古い世代の大いなる夢に反対はしないだろうが、そしてそのような動きは彼らにも影響を与えてはいるが、アラブの青年らは今すぐ変化を起こしたいと願っている。

 新しい世代は幻滅している。チュニジアでは自分たちで運命を切り開こうとし変化を、本物の変化を願っている。アラブの一国として、変わらぬ地中海的環境を持つ国にあって、チュニジアの人々はグローバリゼーションのモデルとは単なる横領のことであるとはっきり理解したのだ。

 なんらの幸福や発展、自由あるいは民主主義も達成されなかった。このモデルは圧制、腐敗、窃盗の一般化ということに要約されるのだ:コンプラドールの統治階級、警察国家、帝国主義勢力の政策と利益に国家を従属させることである。 

 ベン・アリ政府の崩壊は一つの独裁政権の崩壊というだけのことではなく、金融資本主義によるグローバリゼーション・モデルの崩壊であり第三世界に対する帝国主義システムの崩壊を意味している。その他のアラブ諸国の状況は、石油産出国を含めて、同様である。
 状況は恐らく各国経済、地政学的位置、それに人口構成により多少異なるであろう。しかし新自由主義的グローバリゼーションへの統合は発展とか進歩をもたらしはしなかったししないであろうということを、それどころかむしろ、いくらかの者たちが裕福になること、大多数は貧困化すること、そして国家利益をグローバル資本主義に明け渡したし、明け渡すであろうということを皆が知っている。

 多少の差異はあれども同じ状況にあるアラブの政権は動揺している。それは同じ状況は同じ結果をもたらすことになるからだ。全てのアラブ政権は、全ての帝国主義勢力、全ての革命勢力らは、チュニジアにおける成功の原因を研究している。他の似たような暴動は失敗したのにチュニジアでは彼らは政府を追放することに何故成功できたのかと、彼ら全てが自身に問うている。

 以下は我々の見方である。アラブ世界ではどこでも、同様の状況が存在するし、同様の変化への要求があるし、このグローバリゼーション・モデルからの脱却を願う欲求がある:唯一の違いは、チュニジアでの暴動は自発的なものでイデオロギー絡みではなかったということである。

 それはある政治的組織ともう一つの組織との間の紛争というものではなかった。むしろ支配階級と人々との間の紛争であり、支配階級に対する人々の戦いであると理解したチュニジアの青年たちの意識と自発性による紛争であった。

 それは、人間としての尊厳性、民主主義と幸福の、失敗した発展のシステムに対する戦いである。この経験により、その他の諸国は同様の状況になっていくであろう。 

 まさしく、チュニジアでの成功はその統一性に負うところが大きかった。似たような暴動、イラクで2010年夏に起きた電力絡みの暴動などは成功しなかったが、それは多くは本当の共通の自分たちの利益から目をそらさせ、アラブを分裂させようとする外国勢力によって教唆されていた政治的レベルでのイデオロギー的分裂状態が存在していたからだ。

 どこでもアラブの青年たちは尊厳性、自由、民主主義、そして発展のある人生を願っている。イラクのようなイデオロギー的な紛争は、人々の本当の利益を覆い隠してしまう。こういったイデオロギー的紛争は統治勢力によって彼らの政策を正当化することに利用され、彼らの実際の行動を隠すことに利用される。しかし遅かれ早かれ、貧困化した大衆と裕福になった統治勢力との間の紛争の事実は明らかになるのだ。

 全てのアラブ政府が動揺している間に、そして自分たちの国で似たような動きをどのように窒息させるかのノウハウをシンクタンクがアドバイスしている間に、アラブの民衆は既にチュニジアの暴動は、希望であると宣言し彼らにとっての模範例であることを宣言している。

 ヨーロッパ諸国の経験を分かち、影響力を考慮しながら、1848年あるいは1968年にヨーロッパ中に暴動が継続して起きたことは不思議でもなんでもない。このように、同じ国家に属し同じ条件で生活していると皆が考える時、アラブ世界で何が起きるであろうか?

 一つのアラブ国家に属していた国が植民地主義勢力により分裂させられ個別の国家に分かれてしまった、これらアラブ諸国にチュニジアはどのような影響を与えるであろうか?

 欧米はアラブに対し、自分らの政策に合致する場合には、彼らアラブ諸国は分かれた独立した国家であると告げるが、自分らの利益に合致すれば、アラブを一つのブロックとして扱うのだ。

 この動きに反対するチュニジアの人々は、彼らの利益を守る為この運動を封じ込めようとするだろうが、状況は人々の利益と国家の間に妥協が成立するまでは紛争は継続するであろう。これを民主主義とか独立というのだ。そこでは民衆と国家が彼らの現在と将来の主人公である

 これはアラブ世界の新しい時代の幕開けなのだろうか? この暴動は本当の変化をもたらすであろうか? 最終的には、アラブ世界は本当の民主主義と主権を揮(ふる)えるようになるのであろうか? 同じ現実に直面するその他の政権は、彼らの運命を見越して彼らのシステムを平和裏に変えていくことを選択するであろうか、あるいは一緒になってチュニジア現象を窒息させ、その目標を変えるようにさせるのであろうか?

 未来が我々に示すであろうが、人を変えるということは暴動の原因を変えるということにはならない。アラブのリニューアルというものがチュニジアで始まっているのであろう。

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自滅の道をとり始めたのか、イスラエル?

◆1月15日

 イスラエルで人権擁護を強く打ち出す左翼のやり方に対し、シオニスト側はその左翼的な動きを封じ込める動きを強めそうだと言う。

 イスラエルの国会で以下のような法案の法制化を進めようという動きがあるようだ。世界で「人権」運動を進めてきたのは、多くがユダヤ系の人々だったが、今や足元のイスラエルではその「人権」運動を目の敵にする政権が人権運動を標的とする法案作りに躍起となっているわけだ。

 人権が封じられた国家といえば、これはまさしく彼らが天敵としているナチス的国家であり、イスラエルは自らがこのようにナチス化しつつある、ということになるだろう。

 イスラエルの最後の日が数えられ始めるのも、このままでは、そう遠くないのかもしれない。


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●ユダヤ国家の最後の日
http://www.gilad.co.uk/writings/gilad-atzmon-the-last-days-of-the-jewish-state-1.html
【1月12日 Gilad Atzmon】

 数分前にイスラエルの左翼のニツザン・ホロウィッツの記事を読んだ。ホロウィッツはメルツ党のメンバーで、マッカーシート国会人権団体審理委員会によってなされた新しい提案を知らせてくれた。

 ホロウィッツによれば、この委員会は以下の措置を検討中だという。

 1.左翼運動にかかわる者がイスラエルに入国するのを規制する法案と法制化(これは裁判所無しで実施されることになる)
 2.イスラエル人と結婚した両親を含む、外国籍を停止すること
 3.新しい最低刑期、執行力の増強、罰金その他の新しい内容と共に、囚人と抑留者の権利の劇的な縮小
 4.増大する様々な違反を犯したイスラエル人から、イスラエル国籍を剥奪 
 5.国会議員の権利の剥奪
 6.行政上の手続きに法的権力を付与すること;例えば、外国人に対する宗教法廷の設置
 7.アラブ人市街地への出入り禁止
 8.「左翼的要素」を推進する文化的機関への融資の差し止め
 9.人権団体への寄付に対する免税を廃止
10.人権団体と関係する公共団体との契約のキャンセル
11.奉仕ボランティア向けポストの人権団体への割り振りはキャンセルさせる
12.人権団体と公共機関のウェブサイトへのアクセスの規制
13.人権団体の代表者の教育機関への立ち入り阻止


 このような情景が何を物語るかは明らかだ。
 イスラエルは亡国の道を進んでいる。その寿命はそんなに長くないことだろう。

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