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11日にシリア情勢についてアメリカと話し合いを行うロシアのボグダノフ外務次官

◆1月10日

 1月8日号「ロシア艦隊が欧米牽制のためシリア沖に集結」で示したように、アメリカはシリア問題の解決に向けてロシアと話し合いを行うようだ。明日11日次ジュネーブでブラヒミ国連特別代表を加えて三者が会談をするという。

 今までの暴力による政権転覆のやり方からの明らかな転換であり、それはまたシリアのアサド大統領が常々言ってきた対話による解決を、米ロが一緒になって進めるということになったことを意味する。

 この中で、ロシアのボグダノフ外務次官はシリアのアサド大統領の6日に発表された考え方をたたき台とする、と語っている。それをアメリカ側が呑むかどうかは分からぬが、ほぼ二年間にわたるシリアでのアサド政権転覆のための謀略は、シリア政府軍の確固とした団結力と強固な反撃精神で、破綻しつつあることを認めたからに他ならない。

 恐らくは欧米は数千人のゲリラがテロ攻撃をし、それを契機にシリア内で内戦が起きれば、すぐにもアサド退陣の声がシリア全土に満ちて、アサド政権は簡単に崩壊すると読んでいたのであろうが、実際は彼らの「読み」は間違っていたため、そのようにはならず、これからも傭兵だけではシリア政府軍に勝利できる展望は開かれず、また外国がリビヤのように軍事介入することはロシアが許さないであろうから、まして反政府勢力内の混乱状態もあって、シリアに対する考え方を変更したのであろう。

 結局、反政府勢力に武器と資金を流してきたのが湾岸アラブ諸国であり、その作戦を側面から支援してきたのが、欧米、トルコ、イスラエルであったが、これからはその反政府勢力に向けた武器と支援の流れは途絶え、シリアで「選挙」などの方法を通して、新しい指導者が決められていくことになる可能性が高い。その際、アサド現大統領が再選される可能性もある、ということになるだろう。

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●11日に米ロの代表がシリア問題で会談
http://www.sana-syria.com/eng/22/2013/01/09/461031.htm
【1月10日 SANA】

 ロシアの中東特使で外務次官のミハイル・ボグダノフは9日、ブラヒミ国連特別代表と米ロの代表がジュネーブで11日に会談を持つ、と発表した。ボグダノフはロシアを代表してシリア情勢についてのブラヒミ報告を議論すると語り、ウィリアム・バーンズ国務副長官がアメリカから出席すると語った。

■ロシアの外務次官:アサド大統領の提案したポイントは議論されるべき
 
 ロシアはアサド大統領が提案したポイントはシリア危機の解決のためには考慮されるだろうと期待を表明した
 9日に発表されたロシアの外務次官の声明は、ロシアはシリア危機の解決に向けて、ジュネーブ声明と1月6日に発表されたアサド大統領のアイデアをたたき台として、積極的な模索がなされることを期待すると語った。
 ロシア外務省は、シリアの主権、独立、領土保全、外国勢力の干渉の排除を基礎として国家の改革のためにシリアの指導部は、シリア人同士の対話を始める用意があると指摘した。
 「我々は国際法の原理を基礎としたシリア内での対話を通して、シリアにおける政治的決着に至れるよう、決定的ですばやい進展をなすことが必要だ」とロシア外務省は語った。

■ボグダノフはシリア大使とシリア情勢について会談
 
 ロシア大統領の中東特使で外務次官のミハイル・ボグダノフはモスクワのリアド・ハダド・シリア大使とシリア情勢について議論した。
 ロシア外務省の声明は、即時停戦を基礎とした国民対話を通してシリア内の危機の解決方法がこの会談で話し合われた、と述べている。
 この文脈では、シリア大使は、アサド大統領の1月6日における演説に示されている内容を含む危機を終息させる政治的な計画について語った。


●11日に米ロと会談=シリア問題代表―アサド提案も「考慮」
【1月9日 時事通信

 【モスクワ時事】ロシア外務省は9日、声明を発表し、シリア内戦の調停に当たる国連・アラブ連盟共同のブラヒミ特別代表と米ロ代表との3者会談が、11日にジュネーブで行われると明らかにした。ロシアからボグダノフ外務次官、米国からバーンズ国務副長官が出席する。
 声明は、シリアのアサド大統領が6日の演説で提案した危機打開案も会談で考慮されると指摘した。大統領はブラヒミ氏の和平案を拒否し、欧米などが批判しているが、ロシアにはアサド政権の孤立化を避ける狙いがあるとみられる。 


●シリア内戦に米露調停必要 ブラヒミ代表がロシア訪問へ
【2012年12月27日 共同】

 国連とアラブ連盟合同のシリア特別代表、ブラヒミ氏は27日、シリアの首都ダマスカスで記者会見し、内戦を終わらせるための米国とロシア主導による調停案が「現段階ではない」と述べ、危機打開には両国の協力が必要だとの認識を示した。

 一方、ロシア外務省のルカシェビッチ情報局長は27日のモスクワでの記者会見で、ブラヒミ氏が29日にモスクワを訪問し、ロシアのラブロフ外相と会談すると発表した。ブラヒミ氏とラブロフ氏が「シリア政権側と反体制派の暴力停止と対話の開始に向けたブラヒミ氏の最近の努力」などをめぐって話し合うという。

 ブラヒミ氏は最近、シリアのアサド大統領に、反体制派も参加した移行政府の樹立を提案したとの報道もあり、こうした案でも意見交換する可能性がある。

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