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マリで空爆の準備をするフランス空軍

◆1月23日

 マリに対して欧米各国が巨大な支援を行い、かつ西アフリカ諸国にも呼びかけて支援を強化しようとしているようだ。つまりアルジェリアの南部で欧米勢力が軍事的プレゼンスを強めている、ということになる。

 これに対して遊牧民系でアラブ系のマリ人らが独立を模索しそれが、リビヤから流入しているイスラム主義的アラブ人と一緒になってアルジェリアで今回の人質作戦を実施することで、アルジェリアが徐々に混乱の渦の中に巻き込まれていく傾向にあるが、これが欧米側のもう一つの狙いなのかもしれない。

 シリア政府に対して攻撃をしているグループにはこの同じリビヤからのイスラム主義勢力がいるが、欧米は反対に彼らを支援しシリアのアサド政権を崩壊させようとしている。つまりマリではマリ政府と戦闘をしている武装勢力を叩き、シリアではシリア政府と戦闘している同じ武装勢力を支援しているのだ。

 これは何を意味するのかと言えば、結局は彼ら欧米に従順で彼らの利権を承認する側は支援するが、カダフィにせよアサドにせよあるいは今度のアルジェリア政府にせよ、欧米に従順でなく、欧米の利権を拒否する政府は崩壊させる、ということである。

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●帝国主義勢力はマリでの戦争をエスカレートさせている
http://wsws.org/en/articles/2013/01/22/mali-j22.html
【1月22日 By Ernst Wolff】

 マリでフランス軍による攻撃が続く中、帝国主義勢力はマリでの攻撃は、西アフリカでの継続する新植民地主義的軍事介入の一部であることを示している。

 「これは世界的な脅威であり、世界的に対処することが求められている・・・数年、数十年も継続する問題だ」と、イギリスのデイビッド・キャメロン首相は先週末に語った。

 フランスのジャン・イヴ・ルドゥリアン国防大臣はマリにおける目標を、西アフリカ経済共同体(ECOWAS)が提供する軍隊を使用しての「マリの完全な再征服」と定義した。

 マリの戦争に突入しているフランスは、己のアジェンダを進めるために、トゥアレグとイスラム主義戦士をマリから駆逐する計画をしている。そのゴールは、フランスのかなりの利権が存在する国であり、現在アマドゥ・サノゴ大尉によって率いられている腐敗したマリの軍事政権を安定化させることである。

 イギリスのウィリアム・ヘイグ外務大臣は、「正当な政府」が機能するためにどうすべきか、ということを示す、マリに対する例としてソマリアでの戦争を挙げている。彼は、「ソマリアでは大いに進展がなされた。マリのような国で避けたいことは、ソマリアのように20年間失敗つづきの国であってほしくないということだ」と語った。

 このようなコメントほど寒気をもよおすものはない。実際、ソマリアは内戦で非常に貧困が進んでいる国で、アメリカは無人機での攻撃を定期的に行っている。ヘイグのコメントはマリに対して、NATOはそのような結果を完全によしとして受け入れている、ないしは望ましいと考えていることを意味する。

 昨日ニューヨーク・タイムズ紙の記事にマリでの戦争のエスカレーションを示唆する内容が記された。この記事で元対テロリズム担当官のルドルフ・アタラが引用された:「彼ら(イスラム主義的マグレブのアルカイダ=AQIM)のネットワークを解体するには、アメリカと同盟国はよく考え抜かれた地域戦略を練る必要がある」

 ここで明確にされた点:「マリでの戦争はマリにのみ関することではなく、アルジェリア、ナイジェリア、そして2011年にNATOの戦争で樹立されたリビヤ政権を含む西アフリカ全部を対象とする帝国主義勢力による軍事作戦と集中的な外交活動が関わってくる、ということだ」

 ニューヨーク・タイムズ紙は更に:「そのような戦略を練ることは非常に困難な作業だ。アルジェリア人は有能な軍隊を持っているが、隣国と協同することは避けてきた。リビヤの新政府は協同することには積極的のようだが、能力において欠ける面がある。マリは軍事面では弱く、持続的な解決策は内政を考慮した巧妙さが必要である」と記している。

 ジョージタウン大学のテロリズム専門家であるブルース・ホフマンは、ニューヨーク・タイムズ紙に対して、アメリカはフランスを助ける為に、無人機による戦争と軍事的支援をエスカレートすべきである、と語った:「アメリカはフランスの軍事介入に対する支援の増大を考えるべきである。兵站面での支援を提供し、無人機の使用も考えるべきだ。そうすることで、フランス軍は作戦をより良く実施することができ、またアフリカ軍に出来るだけ早くミッションを受け継がせることができるだろう」

 メディアは、自国に対し支援をせよと迫ることで、マリでのフランスの植民地主義的戦争に対する「支援の不足」と言われる批判を強めている。元駐マリ大使のヴィッキー・ハドレストンは、最近のラジオ・インタビューでオバマ政権の「怠惰さ」を批判した。

 アメリカのシンクタンクと情報機関は戦争をエスカレートさせる方法を懸命に提供するのに忙しくしている間、マリでの戦いは激しさを増してきた。週末、フランスのラファル戦闘機とガゼル型ヘリコプター・ガンシップは12ほどの作戦を行った。

 6機の戦闘ヘリと偵察機による支援を受けながら、第21海兵連隊の200名の兵が21日、ディアバリとドゥエンツァの町を掌握した。兵たちは夜明けに政府の統制下にあるニオノ町の30マイル先にあるディアバリに向けて出発した。

 戦場付近に記者が近づく事は禁止されているため戦闘の詳細は殆ど分からないが、ヒューマン・ライト・ウォッチ(HRW)は、深刻な虐待に関する情報を受け取っていると語った。その中には、ニオノの市民に対しフランスに支援されたマリの治安部隊による少数民族殺戮というものが含まれている。

 HRWによれば、マリ北部で協同している少数民族のトゥアレグとアラブがその標的になったという。これはリビヤでのNATOの戦争で、カダフィの支援者と見做された少数民族の移民労働者らに対するNATOが支援する勢力のこのグループ全体に対する襲撃を思い起こさせるものだ。

 19日、フランスのロラン・ファビィス外務大臣はアビジャンのECOWAS緊急首脳会議に出席し、アフリカの指導者らに向かって、「できるだけ早く」マリで軍事作戦を行う時だと語った。

 メンバー国はマリに5800名の兵を派遣すると約束した。彼らはアフリカ・マリ支援国際部隊(AFISMA)の司令官と副司令官にそれぞれナイジェリアのアブドゥルカディール中将とニジェールのガルバ准将を任命した。

 AFISMAは貧乏な西アフリカの元フランス・イギリスの植民地に5億ドルを投入することが期待されている。国際的寄付者が1月29日にエチオピアのアディス・アベバに集まって資金調達についての議論をすることになっている。

 20日には、150名の兵士がナイジェリア、トーゴ、ベナン、チャドからバマコに集結した。

 ナイジェリア軍はナイジェリア中部のコギ州で武装した者たちに攻撃され、2名の将校が死亡、8人の兵士が負傷した。オンラインの新聞では、この攻撃は「イスラム帝国のマリを破壊しようとする」欧米勢力にナイジェリア軍が参加することを阻止する作戦の一部だと語った。報道によれば、ボコ・ハラムのイスラム主義者に近いアンサルというグループがこの攻撃の黒幕だと言われている。

 フランスはヨーロッパ帝国主義の支援に頼ることができる。ヨーロッパ連合(EU)はフランスのフランソワ・ルコワントル准将を2月にマリに向かう250名の軍事顧問団の司令官として指名した。EUは5000万ユーロをEcowas軍創設のための資金として提供するだけでなく、2012年3月の軍事クーデター後凍結されていたマリ向けの250万ユーロ支援金の凍結を解くと発表したのだ。
 EUはまたマリの状況について国際的閣僚級会議を2月5日に開催すると申し出ている。カナダ、イギリス、ドイツ、ベルギー、デンマークに続いてイタリアも兵站面での支援を申し出ている。

 アメリカ国務省スポークスマンのヴィクトリア・ヌーランドによれば、100名ほどのアメリカ人軍事顧問がマリでの戦闘の準備として軍隊の訓練のため、ニジェール、ナイジェリア、ブルキナ・ファソ、トーゴ、セネガル、ガーナに展開しているという。

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