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中朝国境で厳戒態勢に入った中国軍

◆4月4日

 朝鮮半島で緊張が高まっている。この事態に際し、中国も中朝国境に軍隊を展開し警戒を強めている。チキンレースの再演に一番戸惑っているのは中国かもしれない。中国の戦略問題研究家は、アメリカの戦略を、「究極的戦略目標は中国を包囲し封じ込めることにあり、中国を混乱させ発展を阻害することにある。アメリカが最も恐れる事は、中国が更に経済的・軍事的に発展することである」と認識している、という。

 この視点は案外正鵠を得ている可能性がある。ひょっとして北朝鮮とアメリカは暗黙の内か、あるいは水面下で協調して中国を追い詰めようとしているのかもしれない。理由は、北朝鮮の金王朝の生き残りは中国傘下よりアメリカ傘下での方により強い可能性があるからだ。

 アメリカは例えばサウジアラビアなどの王朝でもアメリカに従順であり資源の貿易などで協調的ならば、その政権を許容する姿勢を持っているが、中国は共産党という原理で国を維持している国家だから、王朝という国家体制はその原理に反する存在形態となり、金王朝の存在は原理的に許容しがたいものとなるからだ。

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●北朝鮮問題で中国軍、中朝国境で厳戒態勢に
http://rt.com/news/chinese-military-korea-alert-184/
【4月2日 Russia Today】

 中国は北朝鮮が韓国やアメリカにミサイル攻撃をするという脅しで緊張が高まった朝鮮半島周囲に軍の動員を開始した。

 アメリカの高官らによると、北朝鮮の「戦争状態」の宣言は、中国人民解放軍(PLA)に北朝鮮との国境地帯に対する軍のプレゼンスの強化に繋がったという。この高官らは中国のこの動きは3月中旬から始まっているという。また軍の移動のほかに戦闘機の準備も進められているという。PLAは現在、レベル1、すなわち最高の警戒態勢にあるという。

 戦車、装甲兵員輸送車を含む中国軍が中朝国境の町に見られる。国境地帯は航空機による偵察飛行が行われている。

 中国は黄海にて実弾射撃を伴う海軍の演習を行っており、8日に終了予定である。この動きは北朝鮮をおおっぴらに支援するためのものと見られている。北朝鮮は5月まで継続する米韓軍事演習に鋭く反発している。

 このニュースはF-22 戦闘機が軍事演習に参加した事に加え、アメリカがフィッツジェラルド駆逐艦を北朝鮮沖合いに展開した時に出てきた。このことのため朝鮮半島の緊張は更に高まった。

 一方、衛星からの映像の分析によれば北朝鮮は短距離・中距離ミサイルを動員している、と見られている。軍高官らは北朝鮮がKN-08中距離携帯ミサイルのテストをする準備ができているという;彼らは準備行動は過去に見られていたという。北朝鮮は3月26日以降、彼らの軍が最高の警戒態勢にあると主張している。

 高官たちは北朝鮮は演習の期間、韓国を挑発するようなことはしないと考えているが、同時に韓国は北朝鮮が最初にミサイルを発射すれば報復攻撃をすると宣言しているため韓国側の誤算で全面戦争になることを恐れている。

 北朝鮮と中国とは防衛条約を維持している。攻撃があった際には中国は北朝鮮を助ける事になっているものだ。このことが実施された最後の時は朝鮮戦争の時であった。この時中国の志願兵が何万人と朝鮮半島に入ってきた。この両国の関係はしばしば「唇歯の間柄」と言われている、と中国軍のスポークスマンは語った。

 高まる緊張が中国と北朝鮮との間の貿易を減少させているが、両国は既に未来の経済的連携を強める計画を作成している。3月27日、高速鉄道と特別旅客高速道路建設の発表があった。

 それでも、多くの中国の専門家らは北朝鮮の韓国・アメリカに対する攻撃的姿勢に不快感を抱いている。ある中国人高官は、匿名を条件にロイター通信に対して、予想不能な金正恩に対しアメリカのこの地域に対するプレゼンスはいい制約となっていると証言した。それが理由で、アメリカ軍がこの地域に増大することに中国は強く批判していないと多くの中国人は考えている。

 それに加えて、中国のウェブサイトとブログは時に、北朝鮮の指導者をバッシングしていることが散見される。慢性的な食料不足の只中で彼がこの地域の状況に対する対応の仕方で外交的ゲームをするなど過ちがある、としている。ある新聞は中国が北朝鮮を放棄するよう公に批判したために発刊停止処分を受けた。

 この地域の危機的状況が深まる中、中国の正確な位置に関する意見が専門家の間でも食い違いを見せている。
 
 アメリカ高官は、中国が主に恐れることは北朝鮮内における秩序の崩壊であり、これが中国領内への大量の避難民を生むことである、と主張している。その他の中国側の懸念は、コルベット・レポートを書いたジェームズ・コルベットによって提示されたもので、彼は、この地域に外国軍が存在することだけで中国も北朝鮮にとっても恐怖になる、という。

 「これは物事を徐々に追い詰めることとなり結果として緊張が破れるところまで行く可能性があると考えている。最近ではB-2核装備の爆撃機が韓国に来たが、これは北朝鮮が恐れるだけでなく、中国にとっても脅威である。中国はこのことを決して喜んではいないと思うので、事態はエスカレートしていると言える」と語った。

 他の者たちは、アメリカの戦略は北朝鮮を不安定化させる方向にむかっているのではなく、中国に向かっていると考えている。中国海軍研究所の専門家であるリ・ジーはロイターに、「究極的戦略目標は中国を包囲し封じ込めることにあり、中国を混乱させ発展を阻害することにある。アメリカが最も恐れる事は、中国が更に経済的・軍事的に発展することである」と語った。

 中国の主要な軍事的権威である退役したルオ・ユアン元少将は、「米韓軍事演習が終了し、金日成の誕生日祝賀行事が終われば、緊張の度合いは軽減していくだろう。そうすれば事態は以前の戦争でもなく統一でもない状態に戻るだろう」と考えている。

 この地域の安定が求められている中、北朝鮮が2月に三度目の核実験をしたことで、3月に国連安保理で北朝鮮に対する制裁決議を取る際、中国は非常に協調的であった。この地域では北朝鮮の最大の同盟国ではあるが、専門家の中には、これは中国のイライラが募っているサインだと考えている者たちがいる。ブッシュ政権下で北朝鮮の核施設の解体にむけた交渉を進めたクリストファー・R・ヒルは、中国の戦略は、「言葉によるものではなく、音感によるものだ」と言っている。

 この決議は、米韓軍事演習と国連の提案に怒り米韓の軍事基地に対する核の先制攻撃を北朝鮮がほのめかした数時間後に行われた。

 この最新の北朝鮮と米韓との間の行き詰まり状態は2月12日、北朝鮮が最後の地下核実験を行った時から始まったと言われている。先週末北朝鮮は、「統一国家の宝である核は何物にも変えがたい価値があり何十億ドルもの援助であっても、放棄することはできない、とし、核の開発を進めると誓約した。

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