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ドバイ・デリバティブ・バブルの崩壊

◆12月8日

 ドバイの負債支払い延期問題がボディーブローのように今後の世界経済に影響を与えるという点は、多少の違いはあっても、誰もが認めることであろう。まさか今沈静化しているからといって、それで終わる、と考えている者は少ないのではないだろうか。
 以下の記事では、ドバイの今回の問題を、核爆弾の閃光、であったと表現している。閃光があってから、一瞬は静寂が空気を支配するが、その後、きのこ雲が立ち上り、そこで衝撃波が周囲に及ぶ・・・その衝撃波で閃光で残ったものも粉々に砕かれていく・・・

 数兆ドルが流れ込んだドバイが破綻した。そこに流れ込んだ数兆ドルの清算がなされる時、何が起きるのであろうか? それは素人でも予想がつくというものである。


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ドバイの金融核爆弾
【12月6日 Clive Maund】
 我々は予想していた金(ゴールド)の大きな反応を4日(金)に見た。問題は、我々はまた大きな重要なドルのブレイクアウトを見たことだ。これはこれからしばらくの間、重要な可能性を秘めていると見ている。これは商品と株式市場にとってはいいニュースではない。それは、昨年見たような現金への逃避の始まりを意味するからだ。
 昨日のことで奇妙なことは、ドルの大きなブレイクアウトを見たが、国債は大きく下げたことだ。我々は去年あったような、ただし更に悪質なデフレの大きな波の入り口に立っていると思われる。しかし、現金への逃避を見ることになるだろうが、国債になだれ込む様なことにはならないだろう、ということだ。では何が起きているのか? 何が動きの背後にある主要な力学か? 誰でも、核の爆発を見た不運な者は、熱線を浴びたから不運だったのだが、最初は明るい閃光を見て、それから閃光は消えしばらくは静寂があり、それから衝撃波が来る前にきのこ雲が立ち上り始める、控えめに言ってもひどい状態になる時のことを知っている。
 我々は閃光をみたのだから、衝撃波に備えるべきだろう。

 ドバイで何が起きたのか、ということは、明るい閃光であり、メディアは衝撃波が来る前の少しの期間を利用して、全てこともなし、と大衆に安心させようとした。「安心してください。何も起きませんから。たったの600億ドルの問題です。お茶でも飲んでゆっくりしてください」
 
 問題は、600億ドルだけの問題ではない、ということだ。これはより大規模なデフォルトだ。ドバイは大きな下水口で、欧米の銀行と政府が無条件に、数百億ドルではなく、数兆ドルを注ぎ込んでいるのだ。それが、デリバティブの手段を介しレバレッジを掛けられて巨大な資金となって、落日のローマにドバイの建設ラッシュがなされ、その飽食のレベルは、シーザーも嫉妬で顔を青ざめさせるほどだったのだ。

 ドバイのことを人々が考えると、心に浮かぶことは、7つ星の巨大な豪奢なホテルであり、記録的な高さのビル群であり、ヤシの木の形の人工島だったり、新しいオフィスビル、あるいはマンションの森だったり、etcである。

 多くの人々が知らないことは、デリバティブの途方も無いレバレッジで、ドバイがビジネスの世界的な巨大帝国を生み出すようにさせたということだ。その多くは破綻していて、驚くべき負債を積み上げている、ということだ。ドバイは、デリバティブのピラミッドの連鎖でできていて、その一切がぺちゃんこになって全くの無一文状態になったのだ。どこからこの一切のものを支払う金はやってきたのか? なぜ、納税者から年金基金運用者まで、世界中で、特にアメリカで、ウォール街が大きなチャネルとなって、ドバイに金を流し込んだのであろうか?

 興味深いことは、なんらの説明責任もなされていないことだ。国と企業はこの首長国に資金を流すことで張り合って、限りないと思われる石油に魅了され、保証を要求することは礼を失することと見なされた。今や、ドバイは破綻した。ドバイ政府は突然ドバイワールドから距離を置き始め、あるいはドバイに数兆ドルを流し込んだ欧米の銀行と政府に対する姿勢は、「お気の毒様、損しましたね、馬鹿を見ましたね」という感じなのだ。
 何を意味するか、といえば、、世界中の銀行のバランスシート上では、資産に勘定されている数兆ドルの資金は実際は負債である、ということだ。だから世界がこの事実を知るようになった時、つまり衝撃波がやってきた時、こういった銀行の株の値に、あるいは株式市場全体で、これから何が起きるのかということなのだ。
 
 小さな驚きは、ゴールドマンサックスとJPモルガンのチャートは、87年のクラッシュ前のチャートと非常に似ているということだ。しかし今回起きることに比べれば、あれは小さなポテトだった。

 前進し目を凝らしてみよーいずれにしても既に支払ってしまっているのだ!
 もし商品と株から資金が逃げ出せば、どこかに行くしかない。昨年は、知っているように、米国債に向かった。特に短期国債に、またそれは大量のドルを全面的な流動性資金として現金化に向かわせ、ついで国債購入に向かわせた。今回似たような動きが予想されるのは、投資家の殆どは、米国債以外の選択肢を思い浮かばないからだが、カール・デニンガーが繰り返し取り上げている複雑な要素がある。それは、同時に何の金利も支払わずドルを危機においやりつつ、終わりの無い貨幣化と詐欺的なマネーサプライをすることで、外国の国債購入者をアメリカは馬鹿にし、まぬけな者たちと見立てていたということだ。 彼らは正しい、彼らはまぬけなのだ。彼らはいずれにしても、結局のところ、結果を引き受けざるを得ないだろう。愚かな彼らは破綻した国の負債を買い込んだ。「いつも全ての人をだますことはできない」ということわざがある。また外国の国債購入者と保有者はアメリカの人を見下した姿勢に飽き飽きしだしているし、ドルと国債への新しい逃避を引き起こす更なるデフレ的な収縮が無い中、彼らはそれを投売りする動きを始めているようなのだ。これが、デニンガーが指摘しているように、金利上昇の「死のスパイラル」が開始されることにつながるだろう。その結果として、ひとつには、株式市場のクラッシュがあるだろう。

 広範な株式市場の上昇率はここ数ヶ月遅くなってきている。S&P500のインデックスの6ヶ月チャートは、頂点に上り詰めているように見える。それで、まもなく市場は下落に向かうと思われる。下落時には市場は上昇の2倍の速さで進むということを知っておかねばならない。

 銀行株は、第2次の下落の波では厳しい打撃をうけそうである。これは最近数ヶ月の相対的強度が悪化していることから明らかなことだ。彼らは既に、クラッシュする付近に来ている。
 ゴールドマンサックスとJPモルガンの2つのエリート企業は、金融危機の最中もっとも多くの役得を得た企業だ。全てにおいて前線にいて、それが株の価格の復帰が大変よかった理由だが、またそのことで、彼らに弱い点はないと広く考えられている。それでも彼らが第2次の下落の波で、それを避けられるとは考えられてはいないし、現在の高い評価は空売りあるいはプットオプションのいい候補とされるだろう。

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