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ロシア中央銀行

◆6月26日

 ロシアと中国は両国間での貿易決済をルーブル、ないしは元ででも行うことで合意した。既に2009年10月15日号の「ロシアと中国の協力関係が強化」で示したように、以前からこのアイデアが取りざたされていて、今回それが実現することになった、ということのようだ 
 これは昨今取りざたされている欧米の金融・通貨問題が顕著になってきたことが背景にあるはずだ。不安定でいつ暴落するか分からない外国通貨ではなく、両国の通貨を決済に使用すれば、そのような不安は払拭できる。

 また両国は上海協力機構の主要国家であり、安全保障面でもその協力関係を強め、欧米諸国で作るNATOと対峙する関係にあるため、通貨でもその対応措置としてNATO圏が使用するドルとユーロではなく、自国のルーブルと元を強化する必要性も感じているはずだ。

 このように世界の基軸通貨としてのドルの需要が徐々に減少しだしている。その傾向は今後、ますます強まるだろう。

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●ロシアと中国は貿易決済にルーブルと元を使用で合意
http://en.rian.ru/business/20110623/164798920.html
【6月23日 RIANOVOSTI】

 ロシアと中国は、両国の中央銀行間の合意に従って、二国間貿易を促進するためルーブルと元で取引することにした、とロシア中央銀行のヴィクトール・メルニコフ副総裁が21日語った。

 「この合意はロシアと中国銀行を通して、自由に交換可能な通貨でだけでなく、ルーブルと元で決済することを可能にしている」とメルニコフは語った。

 ロシアと中国は二国間貿易を、2010年の600億ドルから2015年には1000億ドル、2020年には2000億ドルにまで拡大するよう促進することで合意した。

 中国人民銀行のマ・デルン副総裁は、この合意は両国に対して、自国通貨での取引額を増加させる機会になり、「国際準備通貨に近づける」ことになるだろう、と語った。

 この取引はロシアと中国が外国為替リスクと手数料を軽減させることになると、マとメルニコフ両副総裁は語った。

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アテネの議会前でデモを行う人々


◆6月22日

 ギリシャの債券問題にゆれるヨーロッパはBRICSからの支援や民間投資家らを巻き込む事でその延命を図ろうとしている反面、「ユーロ危機」を演出したイギリス、アメリカ側が反対に格下げなどの問題に見られるように、弱体化がはっきりしてきた。アメリカは債務の上限を決めなおさねば、やりくりできなくなることがはっきりしている。アメリカのデフォルト、と言う問題が現実になってきている。

 たとえこの危機を乗り越えたとしても、根本的な解決ではないから、やがて決めた上限に債務残高が到達することで、同じ問題が再び起きることになる。
 
 これに対して、考えられる対処の仕方は、新札発行とその新札と旧札の交換を自国民だけ(アメリカ人)に限る大統領令を出し、アメリカ政府などの持っている外国に対する債務をチャラにすることである。そのようなことが起きた場合、アメリカに対して怒鳴り込みたいのが人情だろうが、なにせ世界最大の軍隊を持つ国に戦争を仕掛ける国は存在しないであろう。

 さて、これからの半年間、GEABが言うところの、2011年の7月から2012年の1月までの6ヶ月間は世界経済の動向の分岐点となるという。経済が混乱すれば、ギリシャで起きている騒乱状況がギリシャだけの問題ではなくなるだろう。

 この世界経済の大混乱時代、と今回の日本で起きた東日本大震災とは、別々の出来事ではあるが、根底では繋がっている、と見ている。つまり、このブログでずっと主張してきた、世界の根本的変革が始まるのが、これからの時期である、ということであり、我々一人ひとりが今までの生き方や人生観の根本的な変革を余儀なくされていく時代にはいりつつある、ということ。


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●ヨーロッパとアメリカ:世界的債務危機 (その2)
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=25354
【6月21日 by GEAB】

◆ヨーロッパ政府債務の爆発メカニズム
 
アングロ・サクソン金融業者らはこの1年半は、魔法使いの見習いを演じた。2009年12月のフィナンシャル・タイムズ紙のギリシャ危機に関する見出しは、すぐにいわゆる「ユーロ危機」となった。  

 我々は既にGEAB(Global Europe Anticipation Bulletin)の記事で多くの説明をしてきたので、ロンドンのシティーとウォール街による工作である、新しい言葉を使用してなされるこの大いなるごまかしの変化に付き合うつもりはない。ただ、18ヶ月後を見れば、ユーロは健闘しているが、ドルは継続して世界の代表的通貨に対して下げ続けていることを指摘すれば充分であろう;ユーロ圏の崩壊に賭けた者たちは多くの資金を失ったのだ。

 我々が予期したように、この危機は新しいユーロランドという主権存在の台頭を促した。それはたとえいやいやながら爆発物の役割を演じることになったとしても、ユーロ圏を【2011年秋の衝撃】に対して日本、アメリカあるいはイギリスよりもっとよく準備させている。この「爆撃」はこの期間、ユーロランドを標的として、小休止をはさみながら数週間なされた。実際この爆撃は、3つの連続する大きな結果をもたらしたが、その内の2つはウォール街やシティーが期待していたものとははるかにかけ離れたものだった。

1.初期の2009年12月から2010年5月の期間は、2007年・08年に培われたユーロは強靭であるという感覚を取り除いた。その耐久性に対する疑惑をもたらし、正確に言えば、ユーロは将来的にはドルの代替物であるという考え方を植えつけた。

2.その後(2010年6月から2011年3月)の期間で、ユーロランドの指導者らは「トップスピード」で、あらゆる手段を使ってこの単一通貨を保護し、強化すべく働き出した(何年も前からそうすべきだった)。そうしながら、イギリスをないがしろにしてヨーロッパの統合を強化した。同時に、BRICSからのユーロに対する支援を強化し盛り返した。これは中国が率先した。中国は二つの基本的事実に気づいたのだ:ヨーロッパ人は問題に対処するため真剣であり、アングロ・サクソンの決意があれば、ユーロは「ドルの世界」から抜け出すための枢要な道具である、と言う点だ。

3.最終的(2011年4月~2011年9月)に、この爆弾は現在ユーロ圏を、民間投資家らにギリシャ問題の解決に、特に「自発的に」払い戻しすることで貢献させることを余儀なくさせている

 想像できるように、最初の打撃がウォール街とシティーが願った目的の一つであったならば(イギリスとアメリカの巨大な問題から注意を逸らせることは別として)、他方では、他の二つの結果は、ユーロを弱体化させ、その世界的な影響力を減退させるという当初の願いと全く反対の結果をもたらした。

 特に2012年までにユーロボンドの発行を見ることになる4番目のシリーズは準備が進められていて、ユーロランド諸国の債券発行の割り振りと、避ける事のできない政治的圧力が、ユーロ圏の辺境国家の債務再編に対する民間からの貢献の割合を増加させている。 

 そして、第4番目のシリーズで、事態はアメリカ連邦政府債務の爆弾の引き金を引くであろう感染プロセスの中心に入ることになる。なぜならば、先ず、政府の負債問題について超敏感な金融環境と世界的メディアを生み出すことで、ウォール街とシティーは、アメリカ、イギリス、日本の政府の財政赤字の持続不可能な大きさを暴露してきた。 

 これは、二つの金融センターの忠実な番犬である格付け会社に国債の格下げというマッドレースを始めさせることになった。数ヶ月前までは殆どの専門家らにとって夢想だにしなかった事とはいえ、我々が予期していたように、アメリカが格下げの脅威にさらされるようになったのはこの理由からだ。

 同時に、イギリス、フランス、日本、も格付け会社の標的になっている。

 これらの格付け会社は決して重要なことは予想しないことを思い出すべきだ(サブプライム問題も、世界的危機も、ギリシャ危機も、アラブの春も・・・)。もしも彼らが今日、有無を言わさずに格下げするのならば、それは、自分自らのゲームに巻き込まれているからだ。Aの格下げを、順調にいってないBの格付けに対する影響無しに行うことはできない。 

 いかなる国も自国の負債でデフォルトになることはない、という仮説は、3年間の危機を越えることはなかった: この点が、ウォール街とシティーが罠に嵌ったところであり、それが全てのやる気まんまんの魔法使いの見習い達に脅威となっている。彼らにとってギリシャの負債問題でヒステリックな状況が生まれているのをコントロールすることは出来ないだろう、ということがわかっていない。

 それで、ギリシャ問題とユーロ圏についてミスリードする記事の影響が拡大しているのは、
今日、債務上限と大規模な予算の削減で激しい討論をしているアメリカ議会である。再び、我々のチームは、歴史というものに分別というものがあるならば、それは間違いなく皮肉の分別だろうということを強調するだけである。

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負債の爆弾がいつ・・・


◆6月22日

 ギリシャやスペイン、ポルトガルなどヨーロッパの政府債務問題が深刻さを増している。またアメリカ国債の格下げが取りざたされている。所謂欧米社会全体がいまや経済・金融的に崩壊寸前のところにまで追い込まれているのだ。

 GEABでは今年後半からこの欧米社会の経済混乱が本格化すると予想していた。それはほぼ正確に事態を読み取っていたと言えるだろう。そしてこれからの混乱状態の中で、2008年から2009年にかけて失われた幽霊資産15兆ドルと同額が、今年から来年にかけて失われていく、と見ている。 

 2008年にリーマンショックが起きた時、この金融津波の第二波、第三波が起きるとこのブログで指摘してきたが、いよいよそのような事態に陥りつつあると言えそうだ。この金融津波がさまざまな資産を押し流していってしまう危機が迫っている。

 GEABの報告を2回にわけて掲載する。

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●ヨーロッパとアメリカ:世界的債務危機 (その1)
http://www.leap2020.eu/GEAB-N-56-Special-Summer-2011-is-available-Global-systemic-crisis-Last-warning-before-the-Autumn-2011-shock-when-15_a6679.html
【6月21日 by GEAB】

 2010年12月15日、GEAB N°50で我々は欧米政府の債務問題が2011年後半に起きると予想した。我々は当時、世界はヨーロッパの政府債務危機から始まり、それが世界的金融システムの中心、つまりアメリカ連邦政府債務問題に火を付ける、と説明した。そして今、我々は2011年の後半に入ろうとしているが、世界経済が完全な混乱状態にあり、世界通貨システムはますます不安定な状況になりつつあり、金融センターは厳しい環境下にあるのだが、これら全ては、このような状況を避けるべく何百億ドルもの公金を投入したにもかかわらず、このような結果なのだ。

 この世界的金融システム、特に欧米の金融システムの債務超過問題は、この根本的な問題をトラックに積んだ現金でもって覆い隠そうとした政策的粉飾の丁度1年後に再び問題の核心に戻ってきた。

 我々は2009年で世界は30兆ドルもの幽霊資産を持っていると見ていた。半分は2008年の9月から2009年の3月の間の6ヶ月間で煙のように消えた。我々としては残りの半分の資産、15兆ドルが2011年の7月から2012年の1月までの6ヶ月間で完全に消え去るものと見ている。そして今回は、民間グループが影響を受けた2008年・09年と違って政府債務も巻き込む事になるだろう。

 やって来る衝撃を正確に見定めるために、アメリカの銀行でさえアメリカ政府の債務危機が増大しているので、自分達の取引を保証するためにアメリカ国債を使用することを減らし始めているということは知っておいたほうがよい。

 世界的金融業者たちにとって、2011年秋の衝撃は文字通り底なしの感じになるだろう。アメリカ国債という世界金融システムの基礎的部分が急落することになるからだ。


アメリカ連邦政府債務の増加状況


 今回我々は2011年秋の衝撃の二つの最も危険な面を見る事にする。

1.ヨーロッパ政府債務の爆発メカニズム
2.政府債務から見たアメリカの爆発プロセス

 同時に世界のパワーバランス上の変化の促進という流れの中で、我々は2014年までにユーロ・ブリクス(BRICS)サミット開催のための基本的地政学的プロセスを予期してみたい。

 最後に、我々はこれから15兆ドルの幽霊資産が雲散霧消となってしまう中、その事態に巻き込まれることを避ける方法に焦点を当てている。ヨーロッパの不動産市場の崩壊が2015年に起きると予想していたのだが、それが早ければ2012年にも始まるであろうと言う点も指摘しておく。

 このGEABでは、我々はヨーロッパ政府債務の爆発メカニズムについての予想の一部を紹介することにする。

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不安定化の標的になっているシリア

◆6月21日

 シリアの北に位置するトルコは、近年は国民のイスラムへの回帰が強まり、イスラエルの対パレスチナ政策に反発する国民的反発を経験したが、長年にわたるイスラエルとの腐れ縁は生きたままのようだ。特にトルコ軍はその創設にユダヤ勢力がかかわったいきさつ上、近代トルコが発祥して以来、イスラエルとの軍事的繋がりが深い。

 そのトルコはNATOのメンバー国であり、そのNATOとイスラエルとは準軍事同盟を締結しているので、結局アメリカ・NATOを中心として、このNATO勢力としてのアメリカ・イスラエル・トルコが対シリアで足並みを揃え圧力を掛けてきている構造になっている。

 このシリアに軍事基地を持つロシアがそれに対して黙ってみているとも思えない。またトルコの国民は、トルコ軍や政府とはまた違った思惑を持っている。

 このシリアをめぐる各国の思惑がどういう結末をもたらすのか、世界の運命とまでは言わずとも、世界の平和のターニングポイントを握っている問題と言えるだろう。

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●シリアの不安定化と中東拡大戦争(その2)
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=25312
【6月19日 by Michel Chossudovsky】


◆トルコの役割
 
 反乱の中心はトルコ国境から10kmにある小さな国境の町であるジスル・アル・シュグホウアに移っている。

 この町は4万4000人の人口である。武装勢力はトルコの国境を越えてやってきた。ムスリム同胞団メンバーらがシリア北西部で武器を取ったと報じられている。トルコ軍と諜報部隊がこれらの武装勢力の侵入を支援している兆候がある。


ジスル・アル・シュグホウアのムスリム同胞団

 ジスル・アル・シュグホウアでは市民の大量の抵抗運動は存在していない。市民達は銃撃戦に巻き込まれている。武装勢力と政府軍との戦闘は難民を生み出しているが、これがメディアの注目しているニュースになっている。

 反対に社会運動の中枢があるダマスカスでは、政府に反対ではなく、政府を支援する大規模ラリーが行われてきている。

 バシャール・アサド大統領はチュニジアのベン・アリとエジプトのホスニ・ムバラクと比較されているが、主流メディアが言わないことは、独裁的な政権の性格ではあるが、アサド大統領は人気のある人物でシリア国民からの広い支持を受けている、ということだ。

 3月29日にダマスカスで行われたアサド大統領の「数万人の支持者」による大規模なラリー(ロイター伝)と単に報じられただけだ。しかしありえない歪曲だが、欧米メディアによって親政府デモなどのビデオ映像や写真がアサド大統領が反政府デモによる抗議を受けているように報道されたのだ。

 6月15日、ダマスカスの幹線道路の数キロに渡って数千人の人々が2.3kmのシリア国旗を掲げて行進した。このラリーはメディアによって認められたが、不適切だということで退けられたのだ。


長大なシリア国旗を掲げてのアサド政権支援デモ

 シリア政府が民主的でないことは確かであるが、アメリカ・NATO・イスラエル軍事同盟の目的は民主化をもたらすことではない。はっきり言えば反対で、アメリカの意図は傀儡政権を樹立することにある

 メディアの偽情報を通して行おうとしていることは、アサド大統領を悪人に仕立てることであり、世俗国家としてのシリアを更に不安定化させることである。後者の目的は、イスラム主義者組織への隠された支援を通してなされた。

 シリアは独裁的グループによって運営されている。このグループは暴力を使って市民に対処している。シリアでの暴動は、しかしながら複雑である。彼らを自由と民主主義を直裁的に求めていると見ることは出来ない。アメリカとEUが暴動を利用しシリアの指導部に圧力をかけ脅そうとする試みがあった。サウジアラビア、イスラエル、ヨルダン、そして3月14日同盟がみんな武装反乱を支援する役割を演じたのだ。

 シリアに於ける暴動は国内の緊張状態を利用しようとする外部からの支援がなされてきている。シリア軍による暴力的な対応の他に、メディアの偽情報が利用され、イカサマの映像が放映されてきた。シリアの反政府勢力に対して、アメリカ、ヨーロッパなどによって資金と兵器が供給された。資金援助は陰険で嫌われている外国に拠点を持つシリア人の反政府人物たちになされた。その間にも、ヨルダン、レバノンから武器がシリアに搬入された。 (Mahdi Darius Nazemroaya, America’s Next War Theater: Syria and Lebanon? http://globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=25000, Global Research, June 10, 2011)


◆イスラエル・トルコの共同軍事・諜報協定 

 この不安定化のプロセスの地政学は遠大である。トルコが反乱勢力の支援に関与しているのである。

 トルコ政府は武装反乱者を支援している追放された身のシリア人反政府グループを容認している。トルコはまたアメリカの要求している政権交代に従うようシリア政府に圧力を掛けている。

 トルコはNATOのメンバー国であり強力な軍隊を持っている。更にイスラエルとトルコは長期にわたる共同の軍事・諜報協定を持っている。それははっきりと対シリアというものだ。

 1993年の合意覚書はいわゆる地域的脅威に対処する(イスラエル・トルコ)合同会議の創設に繋がった。覚書の条項には、トルコとイスラエルが、「シリア、イラン、イラクに関する情報収集で協力すること、および定期的に会議を持ちテロリズムとこれらの国家の軍事能力に関して査定する」ことが合意されている。

 トルコはイスラエルの国防軍と治安部隊がトルコでシリアに関する電子情報を収集することに合意している。その代わり、イスラエルはシリア・イラク・イラン国境での対テロ戦争でのトルコ軍の装備と訓練面で支援してきた。

 既にクリントン政権で、アメリカ・イスラエル・トルコの三角同盟ができつつあった。アメリカの統合参謀本部議長が支配するこの「三者同盟」は、三国間の指揮決定に関する統合と調整を行う。これはイスラエルとトルコの緊密な軍事的紐帯を基礎に置いている。

 この三者同盟は2005年のNATO・イスラエル軍事協力協定とも連携している。この軍事協力協定とは、「対テロ戦と合同軍事演習など共通の利益に関する多くの分野にまたがるものである。こういったNATOとの軍事協力関係はイスラエル軍から見れば、イスラエルに脅威となる可能性のある敵、主にイランとシリアに対するイスラエルの抑止能力を高める手段となる」 (Michel Chossudovsky,“Triple Alliance”: The US, Turkey, Israel and the War on Lebanon, August 6, 2006)

 トルコからなされた武装勢力に対する秘密の支援は間違いなく、この共同イスラエル・トルコ軍事・諜報協定の下でなされたはずである。

 
◆危険な十字路:拡大中東戦争
 
 イスラエルとNATOは2005年に軍事協力協定を締結した。この協定の下、イスラエルはNATOの事実上のメンバー国となった。

 もしもシリアに対する軍事作戦がなされれば、イスラエルはおそらくはNATO軍と共に軍事的行動に入ることになるだろう(NATO・イスラエル二者間協定の下)。トルコも積極的な軍事的役割を果たすことだろう。

 でっち上げの人道的理由からのシリアに対する軍事的介入は、北アフリカ・中東・中央アジアにおけるアメリカ・NATOの戦争を、東地中海からアフガンとパキスタンを含めて中国西部まで、広大な領域に拡大させることになろう。

 これはまた、レバノン、ヨルダン、パレスチナの政治的不安定化のプロセスを推進させることになろう。これはまたイランとの紛争に新しい局面をもたらすであろう。 

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アサド大統領支援の大規模デモ(3月29日)

◆6月20日

 シリアに於ける騒乱には、外国勢力の介入があることをこのブログでは早くから指摘してきた(3月26日号「シリア全土でアサド大統領支持の大衆デモ」etc)。しかしそれを指摘したのは、恐らく日本では当時ではこのROCKWAY EXPRESS だけだったのではないだろうか?

 その後の展開を見ても、やはり外国からの武装勢力の介入があるのだが、世界の主流メディア(そして日本の二流のメディア)は、アサド政権に対する反乱が嵩じて弾圧で死者が増えている、というようなことしか報じてこなかった。

 しかし、実態は全く別である。これは以下のチョスドフスキー教授の分析を見れば分かるように、欧米・イスラエル、それにトルコの軍(イスラエル寄り)が関与しているのである。

 昨日の記事に見たように、アメリカは地中海に展開した艦船のいくつかをシリア沖に移動させているようだから、シリアにもリビア同様、本格的な介入を図っている可能性が出てきたため、このシリア問題を正しく理解しておく必要が出てきた。シリアにはロシアの海軍基地があることを忘れてはいけない。(この論文は長いので2回に分けて掲載する)

 
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●シリアの不安定化と中東拡大戦争(その1)
http://www.thetruthseeker.co.uk/?p=28561
【6月19日 by Michel Chossudovsky】

 シリアで起きていることは、アメリカ、トルコ、イスラエルを含む外国勢力によって支援された反乱である。

 武装したイスラム主義者の暴徒はトルコ、レバノン、ヨルダンの国境を越えて行った。アメリカ国務省は、この暴徒を支援すると確約した。

 アメリカはシリアの政権交代を目論むシリア人との接触を拡大しようとしている。

 これは国務省の高官であるヴィクトリア・ニューランドによって語られた。「我々はシリアの政権交代を呼びかける国内外のシリア人との接触を拡大している」と彼女は語った。

 ニューランドはまた繰り返し、オバマ大統領はシリアのアサド大統領に対して改革をするか、政権の座から降りるかどちらかにするよう呼びかけていた (Voice of Russia, June 17, 2011)。

 主権国家としてのシリアとレバノンの不安定化は、アメリカ・NATO・イスラエルの軍事同盟の予定表に少なくともこの10年存在していたものだ。

 シリアに対する行動は、「軍事的ロードマップ」の一部分である。NATOの元司令官であるウェスレー・クラーク将軍によれば、ペンタゴンはイラク、リビア、シリア、それにレバノンをアメリカ・NATO介入の標的国家としていた

 「5年作戦計画は、合計7つの国を含む・・・イラク、シリア、レバノン、イラン、ソマリア、スーダンだ」(ウェスレー・クラーク引用のペンタゴン高官の言葉)

 ウェスレー・クラーク将軍は「近代戦争で勝利する」の中で、以下のように語っている:「2001年にペンタゴンに帰ってみて、軍の参謀将校と話す機会があった。我々はイラクでやっている時だったが、まだ他にもあったのだ。これは5年計画の一部分として議論された、と彼は語った。合計では7つの国、イラク、シリア、レバノン、イラン、ソマリア、それにスーダンがあった。彼はそれを批判的に、また懐疑的に語った。私は話しの話題を変えた。そのような事は聞きたいとは思わなかったのだ。またその計画が進められることもいやだった。その日の午後深い懸念を抱きつつペンタゴンを去った」

 その目的はシリアの不安定化とイスラム主義者民兵に属する武装暴徒に対する隠された支援を通して「政権交代」を実行することである。市民の死亡に関するレポートは「保護の責任」原則の下、人道的介入の口実の正当化に利用されている。


◆メディアの偽情報

 ひそかには知られているが、武装反乱の問題は欧米メディアでは退けられている。もしもそれが認められ分析されると、今起きていることに対する我々の理解は完全に異なるものになるだろう。

 市民のデモ隊の無差別の殺害に武装勢力と警察が介入している、ということが多く語られていることだ。しかしながら、ニュース報道は、抵抗運動の初めから、武装反乱勢力と警察との間での銃撃戦で両者の犠牲者が出ている、ということが確認されている。
 
 この反乱は3月中旬から国境の町のダラア市で始まっている。この町はヨルダンとの国境から10kmの地点にある。 

 この3月18日のダラア「抵抗運動」はモサドか欧米諜報部隊によるイスラム主義者のテロリストへの支援を背景とする計画された反乱という様相を持っていた。政府筋は急進派サラフィストグループ(イスラエルによって支援された)の関与を指摘している。

 その他の点は、資金面でのサウジアラビアの関与をうかがわせている。

 3月17日・18日の衝突以来ダラアで起きたことは、警察と治安部隊と、抵抗運動に紛れ込んだ武装テロリスト部隊と狙撃手たちとの衝突である。

 これらの最初の報道から明らかな事は、多くのデモ隊の者たちはデモ参加者ではなく、殺戮と放火を行うことを計画していたテロリストたちだということだ。イスラエル・ニュース・レポートのタイトルは何が起きたかを要約している:シリア-7人の警官が殺害、建物は放火された。-(続く)-

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